
「英語の5文型がわからない」と悩んでいませんか?
「S」とか「V」とか記号の意味すらわからなくて困っていませんか?英語は文型でつまずいて、英語が苦手になってしまう方も多いですよね。
文型とは簡単に言うと「語順」です。動詞が主語の後ろにきたり、最後にきたりなど、英語やフランス語、日本語などそれぞれの言語によってその語順が異なります。
つまりこの語順感覚を身に付けることは英語習得には欠かせないものなのです。
『英語の文法|英文法の基礎はたった1つしかない』でも解説しているように、英語を習得する上で一番大事な基礎であり、最初に必要な文法と言っても過言ではありません。
目次:
1.英語の文型とは?なぜ必要?
2.英語の【文の要素】文型の記号の意味を知ろう!
2-1.5文型で必要な4つの記号「S・V・O・C」
2-2.あわせて覚えたい記号「M(修飾語)」
3.英語の5つの文型
3-1.第1文型(SV)
3-2.第2文型(SVC)
3-3.第3文型「SVO」
3-4.第4文型「SVOO」
3-5.第5文型「SVOC」
4.英語の文型を自然と覚えて習得する勉強法
1.英語の文型とは?なぜ必要?

先ほども申し上げたように、英語の文型とは「語順」です。
日本の学校で英語を学ぶ場合、誰もが勉強するのがこの語順、つまり文型。
この文型は、1900年にイギリスの言語学者C・T・オニオンズが出版した本で提唱したものです。
オニオンズは、どの英文も「SVC」や「SVO」など5つの文型に分けることができると主張しました。これが、学校で学ぶ5つの文型です。
しかし、この5文型は日本以外の学校では、あまり積極的に教えていません。
というのも、この5文型には例外がたくさんあるからです。そのため、この5文型を覚えれば、英語が完璧に話せるというわけではなく、あくまで分類すれば大よそ5つに分けることができるくらいのものです。
「だったら、覚えなくていいんじゃない?」とか、「日本の教え方が古いんじゃない?」と思うかもしれません。
確かに、5文型を知らなくても日常会話は話せます。
TOEICなどの英語の試験でも、特に「これは何文型?」と聞かれることはないので、知らなくても高得点をとっている人もいます。
しかし、日本人は文型を知っていると英語学習がスムーズです。日本語と英語の文法の違いは大きいです。英語を話すためには、英語の語順を知る必要があります。
次のように英語を日本語は語順、つまり文型がことなります。
韓国人が日本語、日本人が韓国語を習得しやすいと言われている最大の理由がこの語順なのです。
日本語や韓国語は「SOV」型と言われています。
英語などは「SVO型」となります。
英語の文型は、その語順を教えてくれる数学の公式みたいなものです。
この文型を理解してしまえば、公式に当てはめて英語の文が簡単に作れます。
また、それぞれの文型ごとに、訳し方も大よそ決まっています。英語を見て、文型がわかれば日本語訳も簡単です。
英語は文型を知らなくても話せるけれど、日本人は、文型を理解したほうが、英語がスムーズに理解できる場合があります。
2.英語の【文の要素】文型の記号の意味を知ろう!
英語の文型は、通常「SVOC」など記号を使って表記します。
「文型以前にこの記号がそもそもわからない」という方も多いですよね。
これらのアルファベットは、Sは主語など、文の要素を表す記号です。
文の要素とは、文の中でのポジションや、役割のことです。つまり、SやVなどの記号は、文の中でその単語やフレーズがどんな役割をするかを示しています。
「文の要素」という言葉は、文法用語で出てくるため、ここで紹介していますが覚える必要はありません。ここでは、SやVは役割を表す記号とだけ何となく知っていればOKです。
ここからは、順番に英語の文形で使う記号について見ていきましょう。
2-1.5文型で必要な4つの記号「S・V・O・C」
「S・V・O・C」のそれぞれの意味を解説します。
「S」は主語
「S」は主語の記号で、「Subject(主語)」の頭文字です。
日本語とは本来関係ありませんが、「主語」をローマ字にした場合も「S」から始まるので、関連付けると覚えやすいですね。
主語は、「私は」など「~は」「~が」にあたる部分です。
日本語では省略することが多い主語ですが、英語では基本的には主語が必要です。
英語でも日本語のように、文の一番前にくることがほとんどです。基本的には人や物など、名詞が主語になります。
【例文と解説」
- 例文その1:He is a singer.(彼は歌手です。)→ この文では「He(彼が)」が主語です。
- 例文その2:My father plays the guitar.(私の父はギターを弾きます。)→ この文では「My father(私の父)」が主語です。
「V」は動詞
「V」の動詞の記号で、「Verb(動詞)」の頭文字です。
「歩く」「話す」「食べる」など「~する」にあたる動き、行動を表す表現と、「いる」、「~である」など状態を表す表現が動詞です。
『英語の動詞一覧|2種類ある動詞の基本と使い方・活用方法』でも詳しく説明している「be動詞」と「一般動詞」という動詞になります。
基本的には主語の後ろに動詞がきます。また、主語と同じ様に、全ての文型に動詞が入ります。
【例文と解説】
- 例文その1:She is a soccer player. (彼はサッカー選手です。)→ この文では状態を表す「is」が「be動詞」です。
- 例文その2:I speak English.(私は英語を話します。)→ この文では動作を表す「speak(話す)」が「一般動詞」です。
因みに動詞の前に付く、『英語の15個の助動詞が今すぐ分かる一覧と使い方』で解説している「willやmay」などの助動詞もありますが、文型の説明の場合には動詞と一緒にVと表現するのが一般的です。
「O」は目的語
「O」は、目的語を表す記号で、「Object(目的語)」の頭文字です。
V(動詞)の動作の対象が目的語です。文の中では、「~を」「~に」にあたる部分です。
基本的には目的語は、名詞が入ります。
【例文と解説】
- 例文その1:She eats meat.(彼女は肉を食べます。)→ この文では「meat(肉)」が目的語です。動詞が「食べる」で、その対象となる「何を(食べるか)」の部分は「meat(肉)」です。
- 例文その2:I like English.(私は英語が好きです。)→ ここでは「English」が目的語となります。
名詞について詳しくは、『英語の名詞一覧|6つの種類や使い方・形容詞との関係も解説』をご確認ください。
「C」は補語
「C」は補語を表す記号で、「Complement(補語)」の頭文字です。
補語はその名の通り、「補う言葉」です。主語(S)や目的語(O)を説明して補います。
「C」は「S=C」、「O=C」という形で表現できます。
【例文と解説】
- 例文その1:My brother made me angry. (私の兄(弟)は私を怒らせた。)→ この文では形容詞の「angry(怒る)」が補語です。「angry」は目的語の「me」(私の状態)を説明しています。つまり「私(O)」=「怒っている(C)」となります。
- 例文その2:I am a student.(私は学生です)→ ここでは「I(S)」=「student(O)」となります。
補語でよく使われる形容詞は、『英語の形容詞一覧|これで十分!絶対に押さえたい2つの用法』を参考にしてみて下さい。
2-2.あわせて覚えたい記号「M(修飾語)」
文型で出てくる記号は「S・V・O・C」の4つなのですが、もう1つ知っておきたい記号があります。それが「修飾語」の「M」です。
「M」は「Modifier(修飾語)」の頭文字をとった記号です。
文型の中に出てくる主語(S)や動詞(V)、目的語(O)、補語(C)を説明する表現です。
「SVOC」以外と思ってもらえれば簡単です。
【例文と解説】
- 例文その1:He works hard.(彼は一生懸命働きます。)→ この場合、「hard(一生懸命)」が修飾語です。「work(働く)」を説明しています。
- 例文その2:I studied in the library.(私は図書館で勉強しました。)→ この場合「in the library(図書館で)」が修飾語です。
副詞(『英語の副詞一覧|形容詞との違いや位置がたった5分で分かる』)や、「in」など前置詞(『英語の前置詞一覧|全部で78個ある前置詞の解説と使い方』)を使う表現、場所、時間などは修飾語である場合が多いです。
これらの、修飾語(M)は文型という文法的説明には含まれませんが、重要な要素の1つです。
3.英語の5つの文型
ここからは、それぞれの文型のその特徴、日本語訳を見てみましょう。
次の表が英語の5文型と言われるものです。
これからそれぞれの文型を詳しく説明します。
3-1.第1文型(SV)
第1文型は「主語(S)+動詞(V)」です。
日本語訳は「Sが~(V)する」となります。状態を表す動詞の場合、「Sが~の状態にある」となります。
【例文と解説】
- 例文:He runs. (彼は走ります。)
- 解説:「S(主語)= He」、「V(動詞)= runs」
この文型で使う動詞は、自動詞のみです。
自動詞は、その名の通り自分が動く動詞で、動詞の後に目的語をつけることができません。英語の自動詞は、他動詞に比べ数が少なく、動詞の全体の2割程度です。
【自動詞の例】
「come」,「go」,「live」,「stay」,「walk」など
第1文型は、主語と動詞だけが基本です。
しかし、実際の文では主語と動詞だけはとても少ないです。
多くの場合、「主語+動詞」の後ろに「修飾語(M)」が入ります。
【例文と解説】
- 例文:She walked in the park yesterday. (昨日、彼女は公園で歩きました。)
- 解説:「S(主語)= She」、「V(動詞)= walked」、「M(修飾語)= in the park yesterday」
少し長い文ですが、これも第1文型です。
解説の通り、この文では「in the park(公園で)」と「yesterday(昨日)」が修飾語です。
因みに、「There is(are)~.」の構文は「~」が主語となり、第1文型となります。
3-2.第2文型(SVC)
第2文型は「主語(S)+動詞(V)+補語(C)」です。
日本語訳は「SはCである(V)」となります。
【例文と解説】
- 例文その1:Tom is a police officer. (トムは警察官です。) → 「S(主語)がTom」、「V(動詞)がis」、「C(補語)がa police officer」です。
- 例文その2:He looks young.(彼は若く見えます。) → 「S(主語)がHe」、「V(動詞)がlooks」、「C(補語)が「young」です。
第2文型では補語(C)は、主語(S)を説明する文になります。そのため、「S=C」という関係が成り立ちます。
例文1の場合、「Tom(トム)」は「a police officer(警察官)」で、「トム=警察官」という関係です。
例文2の場合も、「He(彼)」は「young(若い)」で、「彼=若い」という関係が成り立ちます。
このように、SとCがイコール(=)で結べる英文は多くはありません。
何故なら、この形になる、動詞が限られているからです。
第2文型で使える主な動詞は下記となります。
- be動詞
- look「~に見える」
- seem「~に見える」
- appear「~に見える」
- get「~になる」
- become「~になる」
- turn「~になる」
- make「~になる」
- feel「~を感じる」
- taste「~の味がする」
- smell「~のにおいがする」
- sound「~の(ように)聞こえる」
また、受動態(受け身)も「S=C」が成り立つので第2文型となります。詳しくは、『英語の「受動態(受け身)」を簡単にマスターする5つの基本』をご確認ください。
3-3.第3文型「SVO」
第3文型は「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」です。
日本語訳は「SはOを~(V)する」となります。
第3文型では目的語(O)があります。目的語(O)は、「~を~する」の「~を」にあたる部分です。
目的語をとれる動詞は、他動詞です。
他動詞は全部の動詞の約8割で、数がとても多いです。そのため、動詞を全て覚えようとしても無理です。第2文型の他動詞以外であるか、目的語があるかで判断しましょう。
【例文と解説】
- 例文その1:He bought a car.(彼は車を買いました。)→ 「S(主語)がHe」、「V(動詞)がbought」、「O(目的語)がa car」です。
- 例文その2:She helped me.(彼女は私を手伝ってくれました)→ 「S(主語)がShe」、「V(動詞)がhelped」、「O「目的語」がme」です。
尚、第2文型では「S=C」でしたが、第3文型では「S=O」とはなりません。
また、この第3文型は英語のことわざでもよく使われるものでもあります。『英語のことわざ一覧|音声や解説付き!テーマ別50以上の表現』も参考にしてみて下さい。
3-4.第4文型「SVOO」
第4文型は「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)+目的語(O)」です。
目的語(0)が2つあるため、区別するために前にある目的語を「O1」、後ろの目的語を「O2」と表記する場合があります。
その場合、文型の表記は「S+V+O1+O2」となります。
「O1」は通常「誰に」にあたる「人」が入ります。「O2」は「~を」にあたる「物・こと」が入ります。
第4文型の日本語訳は「SはO1(人)にO2(物・こと)を~(V)する」となります。
【例文と解説】
- 例文その1:My father gave me a present.(父が私にプレゼントをくれました。)→ 「S(主語)がMy father」、「V(動詞)がgave」、「O1(目的語)がme」、「O2(目的語)がa present」になります。
- 例文その2:She sent her host family a letter. (彼女は彼女のホストファミリーに手紙を送りました)→ → 「S(主語)がShe」、「V(動詞)がsent」、「O1(目的語)がher host family」、「O2(目的語)がa letter」になります。
目的語を2つ置くことができる動詞は限られています。
目的語を2つ置くことが出来る第4文型をとることができる主な動詞は下記となります。
- ask「人に~を聞く」
- tell「人に~を伝える」
- give「人に~を与える」
- pass「人に~を手渡す」
- get「人のために~を手に入れる」
- buy「人に~を買う」
- sell「人に~を売る」
- send「人に~を送る」
- write「人に~を(手紙)を書く」
- lend「人に~を貸す」
- teach「人に~を教える」
- make「人のために~を作る」
- cook「人のために~を料理する」
- find「人のために~を見つける」
- offer「人に~を提供する」
- pay「人に(お金)を払う」
3-5.第5文型「SVOC」
第5文型は「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)+補語(C)」です。
日本語訳は「SはOがCだと~(V)する」、「SはOがCするのを~(V)する」です。
ちょっとわかりにくいですよね。後ほど、第5文型の動詞とその訳し方を紹介します。
第5文型は、第3文型の「S+V+O」に目的語(O)を説明する補語(C)を加えたものです。
補語は目的語を説明しているので、「O=C」の関係が成り立ちます。
この場合の「O(目的語)」には、代名詞が入るのが主です。代名詞とは、「me」、「him」などとなります。詳しくは、『英語の人称代名詞が5分で分かる一覧表』で解説しています。
【例文と解説】
- 例文その1:He calls me Mike.(彼は僕をマイクと呼びます。)→ 「S(主語)はHe」、「V(動詞)はcalls」、「O(目的語)はme」、「C(補語)はMike」となります。
- 例文その2:She made me happy.(彼女は私を幸せにしてくれました。)→ 「S(主語)はShe」、「V(動詞)はmade」、「O(目的語)はme」、「C(補語)はhappy」となります。
第5文型も、使える動詞が限られています。第5文型で使う主な動詞は下記となります。
- make, get「OをCにする」
- let「OをCの状態にしておく」
- keep 「OをCの状態に保つ」
- find「OがCだと気づく」
- drive「OがCになるよう追いやる」
- leave 「OをCのままにしておく」
- see「OがCするのを見る」 ※「see」以外にも、視覚に関する動詞がいくつかあります。watch、observe、look at、 noticeなどです。また、聴覚に関する動詞、hear、 listen to、触覚に関する動詞「feel」などもあります。
- name「OをCと名付ける」 ※「name」以外にも「名付ける」「~とよぶ」など名付けに関する動詞がいくつかあります。call、 declare、 elect、 choseなどです。
- think「OをCだと思う」 ※「think」以外にも、「~と考える」など思考に関する動詞がいくつかあります。consider、 believe、 supposeなどです。
上記にありました、「make」と「get」を使った「SVOC」の第5文型は日常会話でよく使います。
『英語の「make」の使い方・意味|18の必要熟語や例文集』と『英語の「get」の使い方・意味|16の必要熟語や例文集』の記事もご参考下さい。
4.英語の文型を自然と覚えて習得する勉強法
これまで5文型を詳しく解説させて頂きましたが、これを常に頭に置いてリスニングやスピーキングをしているネイティブはいません。
あくまでこのような英語の文型があるんだ~ぐらいの感じでいいのですが、英語を習得するには身に付ける語順でもあります。
自然とそしてゲーム感覚でこれらの語順をマスターする方法があります。
それは、「並べ替えトレーニング」というものです。
ばらばらになっている単語たちを一英文に並べ替えるとうゲーム感覚の勉強法です。
パズルを組み合わせるように楽しみながらできます。
詳しくは、『英文法|効率的に英語の文法力が身に付く練習と2つの勉強法』にて説明しています。
誰でも簡単に今すぐにでも文型(語順)を見つけることができますので気軽にトライしてみましょう!
あくまでも文型の学習は、英語が話せたり、日本語訳がわかるようになるためのものです。完璧にできなくてもOKなので、文型を使って英作文を楽しむつもりで学習しましょう。
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