英語の動詞については、『英語の動詞一覧|2種類ある動詞の基本と使い方・活用方法』の記事のように「be動詞」と「一般動詞」という2つの分け方があるのですが、特に一般動詞については次の2つの動詞に分けることもできます。
- 自動詞
- 他動詞
※厳密には「be動詞」は自動詞に入ります(後述)
でも、その2つの違いは何なのでしょうか?
自動詞と他動詞を覚えることのメリットは何なのでしょうか?
文法用語は覚える必要はありあせんが、一般動詞が自動詞になるのか、他動詞になるのかが分かるだけでも、文法的な間違えをしなくなり、スムーズな英文が作れるようになり、英会話も上達してきます。
目次
自動詞とは?
※このページには広告が含まれています。
自動詞を英語で表現すると「intransitive verb」ですが、それがポイントではなく、どのような動詞が自動詞と言われるのでしょうか?
自動詞とは「主語と動詞だけで意味が成り立つ」時に使われる動詞のことを指します。
文型で言うと第1文型の「SV」の形となります。文型については、『英語の5文型(語順)の見分け方・例文と簡単マスター勉強法』の記事をご確認ください。
次のような動詞が自動詞で「主語+動詞」の形だけで表現できる例の一覧です。
- go:行く
- look:見る
- cry:泣く
- rain:雨が降る
- work:働く
- wait:待つ
- sleep:寝る
- jump:飛ぶ
- happen:起こる
- stay:滞在する
- walk:歩く
など。
例えば「go」ですが、電話などでの話を途中で止めて「I have to go.(もう行かなくちゃ)」というフレーズがありますが、「どこへ行く」というのは指定しなくても、ぼんやりと「どこかに行く」ということで相手に意味が通じます。
これが出来るのが自動詞です。
しかし、「I go to the party.(そのパーティに行く)」など、場所を限定する場合がありますね。
その時は、「to the party(前置詞+名詞)」の形をとります。
「look」の場合もそうですね、「I look at the car.(その車を見る)」と「前置詞+名詞(at the car)」を動詞の後ろに付けています。
つまり、自動詞は「SV」の文型ですが、2単語とは限らずに、修飾語(この場合は前置詞と名詞)を加える形もあることを覚えておいて下さい。
また、修飾語が副詞の場合もあります。
- I cry loudly.(大声で泣く)
- It rained heavily.(大雨が降りました)
など。
副詞の位置などに関しては、『英語の副詞一覧|形容詞との違いや位置がたった5分で分かる』の記事を参考にして下さい。
他動詞と自動詞の違いは?
自動詞は「主語+動詞」のみで意味を成しますが、他動詞はどういう動詞なのでしょうか?
他動詞はその逆で、「主語と動詞のみでは意味が成り立たず、必ず目的語を必要とする」場合に使う動詞のことです。
つまり、文型で表すと「SVO」の第3文型となります。
先ずは、どのような動詞が他動詞か見てみましょう。
- want:~が欲しい
- buy:~を買う
- give:~を与える
- carry:~を運ぶ
- marry:~と結婚する
- attend:~に出席する
- discuss:~を議論する
- enter:~に入る
- consider:~を検討する
- visit:~へ訪問する
- answer:~に答える
など。
因みに、他動詞の英語は「transitive verb」と表現します。
では、どのようにして自動詞と他動詞を見極めることができるのでしょうか?
何となくニュアンスを掴めているかと思いますが、次から確実に使い分けができるようにしましょう。
見分け方その1.目的語
先ほども言いましたが、他動詞は「SVO」の形を取ることから、動詞の後ろに目的語(O)が必ず必要になります。
つまり、基本的に3単語以上で、動詞の次にすぐに目的語がくる形です。
次のような例文です。
- I’ll buy a T-shirt.(一枚のTシャツを買います) ※「a T-shirt」が目的語になります。
- I visited his house.(彼の家を訪問しました) ※「his house」が目的語になります。
など。
この形を見た時の動詞は必ず「他動詞」となります。
ようするに、会話の時に「主語+他動詞」のみで目的語が無い場合は、相手がその後にもあなたが何かを話すことを期待します。
その後に目的語を離さないと、変な英文になり会話もぎこちなくなります。
見分け方その2.前置詞
他動詞は、動詞の後に目的語がくるので、自動詞のように「前置詞は不要」ということです。
多くの日本人の方が間違えるのが「discuss」の他動詞を使う時に「discuss about」としてしまう事です。
他動詞なので、「We discussed the problem.(その問題について議論した)」と前置詞は要りません。
よって、このように他動詞に前置詞を付けるとネイティブは違和感を感じます。
英会話の上達には、このように自動詞と他動詞の使い分けがとても大切になります。
be動詞はどっち?
さて、ここで疑問に思うのが「be動詞」はどちらになるかということです。
「I am a student.(私は生徒です)」とbe動詞の後ろは必ず名詞や形容詞などがくるので、他動詞に思われがちですが、実は「自動詞」になります。
正確には、不完全自動詞と言って、必ず補語を必要とするので、「SVC」の形になります。
これは第2文型で「C(補語)」は「O(目的語)」ではありません。
補語は主語と「イコール」になりますが、主語と目的語はイコールになりません。
上記の例文で言うと、「I(私)= a student(生徒)」となり、これが補語(C)となります。
要するに、第1文型と第2文型に使わえる動詞は自動詞となります。「~になる(become)」も強制的に補語が必要となるので、これも自動詞となります。
自動詞と他動詞の両方で使える動詞一覧と注意点
さて、ここまで自動詞と他動詞の違いや見分け方を見てきましたが、実はその両方を持つ動詞も多く存在します。
しかし、自動詞と他動詞では意味が異なるのが一般的で、使い方に注意が必要です。
下記は自動詞と他動詞のどちらも使える動詞の一覧例です。
など。
上記のいくつかをピックアップして、自動詞の場合と他動詞の場合の例文でその意味の違いを見てみましょう。
「move」の場合
- 自動詞:I finally moved.(ようやく引っ越しました)
- 他動詞:I moved the desk to the corner.(机を隅に動かしました) ※目的語は「the desk」ですね。
「run」の場合
- 自動詞:He runs every morning.(彼は毎朝、走ります)
- 他動詞:He runs his own business.(彼は自分の会社を経営しています) ※目的語は「his own business」です。
「stop」の場合
- 自動詞:She stopped to talk to me.(彼女は私と話すために立ち止まりました) ※不定詞の「to talk(話すために)」で繋げていますが、これは目的語ではありません。
- 他動詞:She stopped smoking.(彼女はタバコを止めました) ※目的語は動名詞の「smoking(タバコを吸うこと)」となります。
「forget」の場合
- 自動詞:I forgot to do my homework.(宿題することを忘れていました) ※義務などやるべきこを忘れた時は不定詞を使います。
- 他動詞:I forgot meeting him a week ago.(一週間前に彼に会ったことを忘れていました) ※過去にしたことを忘れる場合に他動詞+動名詞などで表現します。
上記の「stop」と「forget」の自動詞と他動詞の使い分けは会話では欠かせないので押さえておきましょう!
辞書で調べる時は略語に注目!
さて、単語の意味を調べる時に辞書を使われる方も多いかと思いますが、その時に調べる動詞が自動詞なのか、他動詞なのか確認するのも英語の幅を広げる意味でもいいでしょう。
また、慣れてきたら、「英英辞書」を使うこともおすすめしています。
その時に役に立つのが「略語」です。瞬時にその動詞が自動詞なのか、他動詞なのか分かります。
下記がその略語です。
- v.i.:自動詞(intransitive verbの略)
- v.t.:他動詞(transitive verbの略)
是非、参考にして下さい。
また、辞書の選び方は『おすすめ英語辞書16選|TOEIC満点者が教える正しい使い方・選び方』でご紹介していますので確認してみましょう!
まとめ:覚える必要はない!会話や多読で自然と習得できる!
いかがでしたか?
likeは自動詞と他動詞の両方、hireは他動詞のみ、などなど、動詞は無数にあるので、それを今、全て暗記して区別しても意味がなく時間の無駄です。
自動詞?他動詞?という感覚ぐらいでOKです。
慣れるには、多読をお勧めしています。多くの文と動詞に触れることで自然と自動詞と他動詞の使い分けができるようになります。
『英語の「多読」|5つの効果・おすすめの無料アプリ・サイト・教材など』の記事も参考にしてください。
違和感のない会話を実現するには必要不可欠な英文法ですが、徐々にマスターしていきましょう!