英語のリスニングでうまく聞き取れなくて、イライラしたということはありませんか?
TOEICや英検などのリスニング試験だけではなく、ネイティブ同士の日常会話も聞き取れないという経験をされた方は実に多いです。
映画や海外ドラマも聞き取れない・・・
そんな時に多くの方が、「耳が悪いから」という言い訳をします。
だから、ネイティブの会話が早くて聞き取れない、数字が聞き取れない、前置詞が聞き取れないなど色々なシーン別での聞き取れないという、様々なストレスを全て「耳が悪いから」という結論に持っていきがちです。
しかし、それらは「耳が悪い」という安易な結論ではなく、聞けないにはシッカリとした理由があり、それらを解決する勉強法があるとうことを知っててほしいです。
リスニング力をUPするのに何をやっていいのか分からない方は必見です!
目次
耳が悪いから英語が聞き取れない?
※このページには広告が含まれています。
英語をマスターした方と英語が苦手な方の聴力テストをしても、おそらくそこに差はないでしょう。
「今の英語が聞けたの?耳がいいね」というフレーズもよく聞きますが、決して耳がいいわけではなく、英語を聞くためのポイントを知っているからです。
英語を習得した人でも最初は英語が聞き取れないものです。そんな天才私は知りません。
唯一分かっているのは、自分の弱点を知り、英語をリスニングする時のコツを習得すれば誰でも聞こえるようになるという事です。
リスニングだけではななく、英語習得には、必ず言語学習の正しい順番(ゴールデンステップ)というのがあります。
『英語の勉強法で確実に上達する人としない人9つの違い』の記事でもあるように、必ず「リスニング(聞く)」から始めることが最大のキーポイントとなります。
よって、英語を聞けるようになるという英語力は英語をマスターする一番最初のステップとなります。
だから、現時点で英語が話せい、英語が読めない、単語も覚えるのが苦手など様々な英語の悩みを解決する第一歩がリスニングということです。
聞き取れなくてもヒヤリング(聞き流し)を継続していませんか?
毎日外国のニュース放送を見てても何を言っているのかわからない、海外ドラマや映画好きでいつも観ているけど全然上達しないという経験がありますか?
洋楽も好きでスキマ時間や寝る前には英語には触れているに、日常会話やテストの英語の音声が聞き取れない・・・
多くの方が実践している間違った学習法が「聞き流し」です。何となく字幕を見ながらとかで、聞き流している感覚で英語を聞いていませんか?
それは、「ヒヤリング」という勉強法です。
『リスニングとは?ヒヤリングとの違い・発音やスピーキングとの関係』でも書いていますが、あなたが必要なのは「リスニング力」であり、何となく聞いているヒヤリング(聞き流し)ではないのです。
違いは下記です。
- listening(正しい勉強法)・・・自らの意思で意味を理解しようとして聞くことなど
- hearing(間違った勉強法)・・・自らの意志ではなく第三者などから聞こえてくることなど
結論から言うと、何のトレーニングもしていないから、何となく聞いていてもいつまでたっても英語が聞けるはずがないんですね。
日本語と英語で違う文法、リズム、単語などの基本(聞き取れない理由)が身に付いていないからです。
ヒアリング(聞き流し)での勉強法は、『英語の「聞き流し」で効果を出す!6つの勉強法とおすすめ無料教材』でも解説しているように、そのような基礎力がないと何の効果ないとういことを留意しておいて下さい。
言い方を変えれば、基礎力(聞き取れない理由)を克服さえすれば、ドンドン聞き流しをすることで英語のリスニング力が一気に開花するということなのです。
自己診断「どれくらい聞き取れないのか?」をチェック!
この後に英語のリスニングで聞き取れない理由と勉強法をご紹介していくのですが、その前に今現時点のリスニング力をチェックしておきましょう。
勉強後にどれくらい上達したのかの目安にもなりますし、後述する英語が聞き取れない理由と照らし合わせるとあなたの弱点が明確になってくるためです。
そうすることで、どのトレーニングに時間を割けばいいのか分かり効率的に英語耳を手にすることができるということです。
ここでは、2つの診断テストをご紹介します。
- アルクの「リスニング力診断テスト」 ※会員登録が必要です。
- TOEIC サンプル問題(Part2) ※リスニングセクションのPart2が短文で比較的易しい単語が使われているので、簡易的な診断テストには最適です。
また、あなたが今持っているどのテキストでもいいので、どれくらい聞き取れているのかを確認してみて下さい。
ここで大切なのが「聞いた後にその英文を確認して理解できているか」という事です。
- 英文を見たら理解できる場合・・・単語や英文法力(語順など)の基本は備わっているので、スピードに慣れるための「リズム」などを中心とした勉強法が効率的になります。
- 英文を見ても理解できない場合・・・全ての基礎力を身に付ける必要があるので満遍なく勉強する必要があります。
さて、それではこれから効率的にリスニング力をUPするための「聞き取れない理由(原因)とその練習方法」をご紹介していくので是非参考にしてみて下さい。
もうイライラしない!英語が聞き取れない理由(原因)と練習方法
英語が聞き取れない理由をここで多少細分化して、その解決法のトレーニングをご紹介します。
自分の弱点はどれか?というのを意識しながら確認してみて下さい。
理由その1.そもそも英単語やフレーズを知らない
先ほどの自己診断テストで、テキストを見れば理解できる方はあまり注視しなくて結構です。ある程度の語彙力が身に付いていると仮定してOKです。
テキストを見てもさっぱり分からないという方は、先ず基礎的な単語が身に付いていません。
また、社会人の方でTOEICテストやテレカン・会議などでビジネス英語が必要ということで、いきなり難しい単語を身に付けようとしている方が少なくありません。
それは焦りすぎです!
『英語習得と英会話が上達!初心者に必要な285英単語と文法』でも解説していますが、日常英会話に必要な単語数は1200前後でいいのですが、ビジネス英語は5000単語前後だと言われています。
1200前後はちょうど中学校で習う英単語の数です。まずはこの習得を優先します。そして、その後にビジネス英語という流れがベストです。
それらの英単語を身に付ける方法にはアプリが最適です。単語帳を作る必要もなく、通勤・通学中のスキマ時間に単語に触れて徐々に慣れる感覚の勉強で十分です。
先ずは基本の単語のアプリですが、他の記事でもおすすめしている「mikan」です。
また、時間に余裕がある場合は、「毎日の英単語 日常頻出語の90%をマスターする」という本があり、日常会話でよく出るフレーズで覚えていくのでおすすめです。
またNHK英語もいいですね。基礎英語1~3であれば、ちょうど中学校で学習する単語が中心なので初心者でも無理なく始められます。時間や内容などの変更に関しては、ラジオ番組表にてご確認ください。
社会人の方であれば、その後に、ビジネス英語に触れるのに最適な「TOEIC公式アプリ」を利用するようにしましょう。
また、マイスキ英語の『ビジネス英語フレーズ|絶対に押さえておきたい8つのコツと勉強法』で書いているフレーズなども参考にしてみて下さい。
しかし、日常会話で使う単語をある程度習得していないとただの苦痛な暗記となります。
理由その2.英語の語順感覚(文法)がない
この文法(語順/文型)を結構ないがしろにしている方多いです。
実はこの語順感覚は次のトレーニングにもつながる大切な要素であり、日本語と英語の大きな違いの一つだからです。
この語順の違いがリスニングだけではなく、スピーキングで日本人を苦しめています。
文型は主に5つあります。
- 第1文型「SV」
- 第2文型「SVC」
- 第3文型「SVO」
- 第4文型「SVOO」
- 第5文型「SVOC」
※Sは主語、Vは動詞、Oは目的語、Cは補語です。
日本語と英語では情報を伝える位置が異なります。英語はSVO型、日本語はSOV型と言われます。
次の例文を見てみましょう。
- 英語・・・I did not meet my friend who forgot our appointment.
- 日本語・・・私は約束を忘れた友達と会っていません。
英語であれば、最初の方に「会っていない(did not meet)」という過去の事実をすぐに伝えますが、日本語は後ろの方にその情報がありますね。
英語を「SOV型(日本語回路)」でリスニングしても聞き取れないのが分かりますね。大きな理由の1つです。
それを解消するには、『英文法の勉強法|効率的に英語の文法力が身に付く6つの練習とコツ』でも解説していますが、一英文をバラバラにして、それを英語の語順で並べ替えるという「並べ替え」トレーニングです。
日常会話やビジネス英語で身に付けたフレーズなどを使えるとベストです。
下記がその例です。
(バラバラにした英文) appointment, not, who, our, meet, I, friend, did, forgot, my
これを正しい順番で並べ替えたらどうなるでしょうか?
(正しい英語に並べ替え)I did not meet my friend who forgot our appointment.
たったこれだけです。こちらもトレーニング動画をマイスキ英語のYoutube動画で用意しているので下記の動画例を参考にしてみて下さい。
理由その3.英語独特の発音とリズムを知らない
先ず英語には日本語にはない発音、また日本人が苦手な発音がありますね。
F,TH,R,Vなどがその代表の発音だと思います。
また、英語は日本語と違う抑揚やイントネーションがあると言われていますが、具体的にどのような発音がそうさせていると思いますか?
『リンキング(リエゾン)でリスニング力が劇的にUPする3つの勉強法』にも書いている次の3つの発音の仕方を多くの日本人の方が知りません。
よって、これらが英語独特のリズムとなり聞き取れないということに繋がっているのです。
- リンキング(リエゾン)・・・「子音」+「母音」が重なり発音されている ※例:「When I」は「ウェナイ」という発音になる
- リダクション・・・単語の最後と次の単語の最初が同じ発音であれば、一つの発音が落ちる ※例:「want to」は「ウォントゥ」となります。「t」と「t」が重なり、1つの「t」だけの発音になります。
- フラッピング・・・「t」や「d」で終わる単語と次の単語(母音)で舌を弾く発音(ラ行に違い音)になる ※「did it」は「ディリット」とリンキングもします。アメリカ英語に多いです。
また、英語にはそもそも発音していない音もあります。
例えば、次の例です。
- 「and I」・・・ 「d」の音が消えて「エナイ」という発音になります
- 「with him」・・・「h」の発音が消えて「ウィジム」となります
- 「get back」・・・「t」は発音せずに「ゲッ・バック」という発音です
このような英語独特の発音(リズム)の法則は無限にあり、頭で理解するとなるとリスニングがそれに追いつきません。
英語は聞き取れなかったけど、テキストを見たら分かるという方に多い原因が「リンキング」、「リダクション」、「フラッピング」なのです。
どうしてもそれらの部分で耳が止まったりすることで他の部分が聞こえないという負の連鎖を起こしています。
逆に言えばこれらを習得することで、次の「聞き取れない」を解決することができます。
- 長文が聞き取れない
- 数字が聞き取れない
- 動詞が聞き取れない
- 前置詞や冠詞が聞き取れない
では、英語独特のリズムを見つけるための練習は何がいいのでしょうか?
英語のイントネーションのスタートは「主語+動詞」(否定形や助動詞も含む)です。先ほどの語順のところでも解説しましたが、英語は最初に重要な情報があり、先ずはここに重きを置きます。
これを聞き取れないとその後を聞き取っても何の意味もありません。
そして、その後に大切な練習が「耳を止めずに聞き終わる」という事です。ここに先ほどのリンキングやリダクションなどの要素が含まれています。
これらを可能にするトレーニングは「最初の3単語」と「数当てトレーニング」という練習方法です。
トレーニング教材は何でも構いません。過去に使った問題集のCDや動画などから音声付きの英文を活用します。
しかも、このトレーニングは語順感覚も更に身に付きます。先ほどの並べ替えトレーニングが面倒という方は、このトレーニングだけでも構いません。
しかし、それらの練習用教材を用意する時間がなく、今すぐそのトレーニングを始めたい!という方のために、マイスキ英語のYoutube公式チャンネルでトレーニング動画を準備しているので是非ご活用下さい。
下記がその例となります。再生リストにシリーズ動画があるので色々試してみて下さい。
それでも早くて聞き取れない場合はどうする?
英単語に触れたり、並べ替えトレーニングや最初の3単語、数当てトレーニングをするだけで聞き取れるようになるのですが、それでも「まだ英語が早く聞こえて聞き取れない」というケースもたまに出るかもしれません。
その時は次の練習方法を実践してみて下さい。
右耳を使ってリスニング
特に初心者の方は「英語が早く聞こえる」という現象がすぐに解消されないこともあります。
その場合はイヤホンを使って、「右耳」のみでトレーニングをしてみて下さい。
『英語のリスニングは右耳と左耳どっちが効果的?2つの違いと勉強法』でも書いていますが、左脳は言語脳と言われていて、英語のスピードに付いていく力を付けるには右耳を利用してみて下さい。
しかし、これはあくまでスピード感のみに対応する場合です。意味を理解するリスニングはあくまで両耳を使います。後述する「イメージ・リスニング」を参考にしてみて下さい。
ナチュラルスピードで聞く
1分間で何単語が話されているかと示す単位が「wpm(wors per minute)」ですが、ネイティブの日常会話のスピードが「180wpm」と言われています。
『どのリスニング速度がベスト?TOEICや受験にも最適な1つの勉強法』でも書いていますが、TOEICや英検のリスニングのスピードは「150wpm」というのもあります。
よってこのスピードのみに慣れていては、ネイティブの同士の会話が聞き取れない可能性が出てきます。
また、少し早口で話すネイティブがいたとします。その場合は、「200wpm」ぐらいです。
少しゆっくりしたスピードの英文であれば聞き取れるけど、映画や海外ドラマのネイティブの会話が聞き取れないという場合は、練習する際の教材の音声スピードが遅い可能性があります。
通常スピードでイメージ・リスニング
さて、ではどの教材を使えばいいのでしょうか?
それはあなたが好きな海外ドラマや映画がベターです。しかし、『英語リスニング|映画・海外ドラマが字幕なしで分かる!2つの勉強法』でも書いているように、日常会話が多い「フルハウス」や「フレンズ」などがいいでしょう。
HuluやAmazonプライムなどの動画サイトで選べば、今すぐそのまま教材として使えますね。
また、この教材を使ったメリットは「英語をイメージとして理解する」ということです。
- まず内容を理解する(できれば日本語吹き替え版)
- 英語のみで聞く
たったこれだけの順番で見るだけです。
特に初心者の方は、リスニングをしながら頭の中で「和訳」している可能性が高いです。
これでは、聞き取れないというケースが今後も出てくるでしょう。リスニングをしたらイメージで理解でいるようになると、「英語を英語で理解する」という英語脳でリスニングをしていることになります。
これは後に英語をアウトプット(話す)時にも役立つ感覚です。頭の中で英訳して話すのではなく、頭にあるイメージをそのまま話すという流れとなります。
イギリス英語かアメリカ英語のどちらかに絞る
英語が早いと感じている原因の一つに、アメリカ英語かイギリス英語かに統一せずに練習している可能性もあります。
『イギリス英語とアメリカ英語|文法・発音・単語など4つの違い』に書いているように発音やイントネーションの違いがあります。
私も今でもイギリス英語は多少不得意で、聞き取りに苦労することがあります。
よってこれが原因の場合は、イギリス英語である「BBC」、アメリカ英語である「CNN」などのニュースを見ることでそれぞれの英語訛りに慣れることをおすすめします。
余裕が出てきたら全ての練習に「音読」を入れてみよう!
英語を聞き取れないという悩み解決のために、これまでいくつかの練習法をご紹介しましたが、更に完璧に近づけたい!という方は「音読」をおすすめします。
『英語の発音を楽しく上達する!2つの基礎練習方法と6つの応用編』にも書いているように、発音、リスニング、英文法の定着、英単語の吸収など様々な効果があるのが「音読」です。
これまで使った教材の英文を再利用することもできます。その際に必ずボイスレコーダーなどで、録音することを忘れないようにしましょう。
音読は黙読と違い、発音を気にしないといけないので、初心者の方がいきなり始めるのはハードルが上がります。
少し余裕が出てきたらで構わないので、その際は『英語の発音を楽しく上達する!2つの基礎練習方法と6つの応用編』にあるトレーニングも同時に実践して試しましょう。
- 日本人が苦手な英語の発音
- 1から10までの英語の発音
- オーバーラッピング
- 日常英会話フレーズを真似する
- 洋楽(歌)を聴きながら発音練習
- 早口言葉で発音の練習
など。
まとめ:聞き取れたら楽しい!TOEICなどの点数も必然とUPする
ここでご紹介した勉強法を先ずはトライして下さい。
旅行先でも、映画館で映画を見る時も、頭で和訳せずに、スピードに慣れてリスニング出来ているはずです。
教材選びに迷ったら、『英語リスニング教材|厳選!9つのおすすめ無料アプリ・サイト・動画』のサイトも参考にしてみて下さい。
聞き取れるようになると、『TOEICリスニングですぐに点数が上がるコツと勉強法・対策問題集』にあるような対策をせずとも、希望のスコアが取れるようになります。
自分の弱点を先ずは知り、そしてシッカリとした練習で英語耳を手にしましょう!
コメント