イギリス英語(British English)とアメリカ英語(American English)の違いをご存知ですか?
マイスキ英語で人気の記事の1つの『英語で日付の書き方・読み方|順序や4つのパターンを覚える!』でも順序が異なります。
「2016年10月24日」をカジュアルな日付表現で書くと次のようになります。
- イギリス英語:24/10/2016 ※日→月→年の順番
- アメリカ英語:10/24/2017 ※月→日→年の順番
因みに私はアメリカ英語で学習してきて、イギリス英語は不得意です・・・
英語は、ネイティブ以外も含めると、世界でなんと17億人も話しているといわれています。
地域ごとに様々ななまりや特徴がありますが、大きく分けるとイギリス英語とアメリカ英語の2種類に分けることができます。
人口的に見ると、ビジネスでも主流はアメリカ英語ですが、オーストラリアやヨーロッパ諸国などイギリス英語が主流の地域もあり、出張や取引先の会社がどこにあるか、友達がどこの出身かで使い分けが必要になる場合があります。
先ほどの日付の書き方でもそうですね。
後ほど詳しく解説しますが、その他の単語、フレーズ、スペル、発音、文法など違いは次の通りです。
あくまで一例で、この他にも違いが多くあります。
など。
TOEICリスニングでもこの2つの英語の特徴(日常会話のやり方や発音の違いなど)が含まれた出題があります。
私たちが日本でよく学んでいるのがアメリカ英語です。
上記のように、アメリカ英語とイギリス英語には様々な違いがあります。
何となくですが、「イギリス英語は礼儀正しい」、「アメリカ英語はカジュアル」というイメージがありませんか?
また、発音が違うぐらいかな?など。
ここでは、発音だけではなく、イギリス英語とアメリカ英語の違いについて詳しく解説します。単語の違いや文法の違いなど、様々な観点からご紹介します。尚、イギリス英語とアメリカ英語を話す国など、英語を学ぶ時(オンライン講師を選ぶ、留学する時など)に知っておきたい知識もご紹介します。
それと、人工知能(AI)チャットのChat GPTやGeminiを使ったアメリカ英語とイギリス英語の習得・練習方法も紹介していますので、参考にしてみて下さい。
目次
- 1 イギリス英語とアメリカ英語の違いを学ぶ前に(歴史・国別など特徴)
- 2 イギリス英語とアメリカ英語の違い|文法編
- 3 イギリス英語とアメリカ英語の違い|日常会話フレーズ編
- 4 イギリス英語とアメリカ英語の違い|英単語・スペル編
- 5 イギリス英語とアメリカ英語の違い|発音編
- 6 イギリス英語の翻訳でおすすめのサイト、アプリ、翻訳機は?
- 7 イギリス英語の発音や勉強法でおすすめの本・動画・サイト
- 8 イギリス英語に強いおすすめ英会話教室
- 9 イギリス英語が学べるおすすめオンライン英会話3選
- 10 Chat GPTやGeminiなどのAI(人工知能)チャットサービスを使うのもおすすめ!
- 11 まとめ:イギリス英語とアメリカ英語の違いを知るだけでも幅が広がる
イギリス英語とアメリカ英語の違いを学ぶ前に(歴史・国別など特徴)
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世界には英語を話す国や地域がたくさんあります。それらは、大きく分けるとイギリス英語かアメリカ英語のどっちかです。
イギリス英語を話す国は、植民地時代にイギリスの影響を受けた国がほとんどです。ただし、カナダのように、イギリスの植民地でもアメリカに近いためどちらかというとアメリカ英語に近い国もあります。
後述するのですが、両者にはスペルの違いがあり、それに伴う発音の違いもあるのですが、実は18世紀ごろまではイギリス英語、アメリカ英語という明確な区別はありませんでした。
しかし、英語辞書が出版された1800年代から独自性を持たせようとするアメリカ英語とラテン語などにルーツがある単語のスペルを尊重したイギリス英語というふうに分かれてきました。
ここでは、まず実際にどこでイギリス英語とアメリカ英語が使われているのか国名を見てみましょう。話されている国の数でみると、アメリカ英語よりイギリス英語のほうが多いです。
話されている国や地域の数でみると、アメリカ英語よりイギリス英語の方が多いです。
イギリス英語を話す国
イギリス英語を話す国が多い理由は、イギリスの植民地時代の名残りです。
イギリスのお隣、アイルランドはもちろんのこと、オーストラリアやニュージーランドはイギリス英語を使うことで有名です。
イギリス英語を話す国の例は下記となります。
- イギリス
- アイルランド
- オーストラリア
- ニュージーランド
- インド
- シンガポール
- マレーシア
- 香港
- 南アフリカ
- 西アフリカ
- マルタ
イギリス英語の中でも「オーストラリア英語」は、独自の「オージーイングリッシュ」という英語が使われるようになっています。
一番独特なのが母音の「a」の発音の仕方です。
下記がその例です。
- day:通常は「デイ」という発音ですが、オージーイングリッシュは「ダイ」 ※「today」を「トゥ・ダイ(to die)」を勘違いするのは有名な話です。
- name:通常は「ネイム」ですが、オージーイングリッシュは「ナイム」と発音します。
また、表現も独特なものがあり、「How are you?(お元気ですか?)」を「Good day, mate.」などのフレーズを使います。
このような違いもあり、初心者が英語を学びたいと思った場合の留学先にはあまりおすすめしていません。
初心者にはハードルが高いので、習得までの期間が長くかかる可能性があるということと、オージーイングリッシュの独特の発音の癖が付けばオーストラリア以外で話す時に修正しないと通じない場合があるからです。
アメリカ英語を話す国
国の数で見ると、アメリカ英語を話す国は少なめです。
最近、格安英語留学で人気のフィリピンもアメリカ系の英語を話す国です。
- アメリカ
- カナダ
- プエルトリコ
- リベリア
- フィリピン
実はカナダで話される英語は、イギリス英語とアメリカ英語が混ざっています。単語によって違いがありますが、カナダ英語の単語やスペルはイギリス英語に近いです。
しかし、発音はアメリカ英語そのももに近いので、アメリカ英語という区分けにしています。アメリカ英語を学びたいという方の多くもカナダに留学されるケースが多いです。
イギリス英語VSアメリカ英語:話す人口は?
国の数だけ見ると、イギリス英語が圧倒的に多いのですが、実は人口でみるとアメリカ英語を話す人の方が圧倒的に多いです。
世界には英語ネイティブが約3.9億人いるといわれています。
アメリカの人口は約3億人で、なんと3.9億人のうち70%以上をアメリカの人口が占めているという計算になります。
アメリカの隣のカナダの人口も3,700万人ほどいます。一部、フランス語ネイティブもいますが、それを考えたとしても、この2カ国だけでも、英語人口の8割以上になります。
また第二言語としても、アメリカ英語が主流です。
日本をはじめ、中国、韓国など多くの国でアメリカ英語を教えています。世界一の大国ですし、ハリウッド映画などアメリカの文化は世界に影響を与えていて、アメリカ英語の影響力も強いです。
日本の教科書の英語はアメリカ英語
日本の学校で学ぶ英語は基本的にはアメリカ英語です。
理由は明確ではありませんが、アメリカの統治下にあった影響があるかもしれません。
一部、イギリス英語のつづりなども教科書に載っていたりするので、全てがアメリカ英語で統一されているというわけではありません。
しかし、発音などは基本的にアメリカ流なので、学校の英語をしっかり勉強していた場合、アメリカ英語の方が聞き取りやすくなります。
尚、教科書がアメリカ英語なので、大学受験の英語も基本的にはアメリカ英語です。
英検やTOEICなども、基本的にはアメリカ英語です。
最近は多様性も考慮して、英検では上位級などで、TOEICはリスニングで一部イギリス英語や、オーストラリアアクセントが強い英語なども出題されています。
初心者はイギリス英語とアメリカ英語のどっちがいい?
イギリス英語とアメリカ英語、どっちを学ぶべきか迷っているなら、特に初心者はアメリカ英語がおすすめです。
ここまでご紹介してきたように、現在世界の主流がアメリカ英語で、日本の教育もアメリカ英語が基本だからです。
さらに、日本は経済面でもアメリカとの関わりが強く、ビジネスシーンでもアメリカ英語を使うということが多いです。イギリスやオーストラリアなど、アメリカ英語圏以外に行ったり、イギリス英語を使ったりする予定が特にないのであれば、基本的にはアメリカ英語を学ぶのがよいでしょう。
ただし、英語ができるようになってくると、様々な国の人と交流する機会がでてきます。慣れてきたら、アメリカ英語とイギリス英語の違いも学んでおくとよりスムーズです。
後述しますが、TOEICリスニングでもイギリス英語に対応しないといけません。勉強法などシッカリと確認しておいて下さい。
冒頭でお話していますが、イギリス英語とアメリカ英語は単に「礼儀正しい」や「カジュアル」という印象の違いだけではありません。
文法、使う単語(イディオムなど)、単語の意味、スペル、発音、アクセント、イントネーションなど様々な違いがあります。
次からそれぞれの違いについて順を追ってみていきましょう。
イギリス英語とアメリカ英語の違い|文法編
イギリス英語とアメリカ英語の文法の違いの中で、重要なポイントは6つです。
イギリス英語は所有の「have(持っている)」を「have got」で使う
英語でよく使う「have」。
この「have」を「持っている」という所有の意味で使う場合、イギリス英語とアメリカ英語では、違いがあります。
「持っている」という意味で「have」を使う場合、アメリカ英語では「have」ですが、イギリス英語では「have got」となります。
例文を見てみましょう。
下記の意味は「本を持っています」になります。
- イギリス英語:I have got a book.
- アメリカ英語:I have a book.
疑問文でも違いがあります。
上の例文を疑問文にしてみましょう。
下記の意味は「本を持っていますか?」になります。
- イギリス英語:Have you got a book?
- アメリカ英語:Do you have a book?
アメリカ英語は「Do」を使った疑問文ですが、イギリス英語は「Have」の疑問文になります。現在完了形の形ですね。
「今何時ですか?」と時間を聞く場合も次となります。
- イギリス英語:Have you got the time?
- アメリカ英語:Do you have the time?
このように、日常会話でもよく使うのでアメリカ英語は「have」、イギリス英語は「have got」と覚えておきましょう。
その2.イギリス英語は現在完了形(have)をよく使う?
現在完了形と過去形の使い方にも違いがあります。
現在完了形とは、過去に起きたことで現在もその状況が続いている場合に使う形で「have + 過去分詞」となります。
イギリス英語ではこの現在完了形を厳密に使いますが、アメリカ英語では、現在その状況が続いていても単純な過去形にしてしまう場合があります。
「lost(失くした)」という表現の例で見てみましょう。
どちらも「時計を失くしました」となります。
- イギリス英語:I have lost my watch.
- アメリカ英語:I lost my watch.
イギリス英語では、まだ見つかっていなければ現在完了形の「have lost」となります。先ほどの「持っている」も今も持っているので、「have got」となっているという事です。
しかし、アメリカ英語では、見つかっているか見つかっていないかに関係なく「過去に無くした」ことを重視して過去形「lost」とする場合が多いです。
尚、イギリス英語では現在完了形でのみ「just」、「already」、「 yet」を使いますが、アメリカ英語では、過去形でも使うケースが口語では多いです。
イギリス英語のように、シッカリとした現在完了形を身に付けたいのであれば、『英語の現在完了形|過去形との違い・4つの用法や例文と時間軸イメージ』を参考にしてみて下さい。
その3.イギリス英語の「getの過去分詞」は「got」
イギリスとアメリカでは「getの過去分詞」が違います。
イギリス英語では「got」、アメリカ英語では「gotten」を使います。(しかし、イギリスの東北地方などでは、gotten を使う場合もあります)
下記がその例です(和訳:私はそれを手にしました)。
- イギリス英語:I have got it.
- アメリカ英語:I have gotten it.
イギリス英語の「持っている」が「have got」になるのもこのルールがあるからです。
その4.イギリス英語は「shall」を「will」の代わりに使う?
助動詞の「shall」は本来「~しましょうか?」という意味で使いますが、イギリス英語ではもうひとつ別の使い方があります。
イギリス英語では「shall」を、未来を表す助動詞の「will」の代わりとして使うことがあります。アメリカでは基本的にこの使い方はしません。
下記がその例です(和訳:私は来年日本に行く予定です)。
- イギリス英語:I shall go to Japan next year.
- アメリカ英語:I will go to Japan next year.
その5.イギリス英語の「need not」は何?
動詞の「need(必要がある)」の否定文で「~しなくていいですよ」という場合も違いがありますね。
「need」の否定文は、アメリカ英語では「don’t need」となります。
一方、イギリス英語では「need」自体を否定形にして「needn’t(need notの省略)」とすることができます。
下記はどちらとも「急がなくていいですよ」となります。
- イギリス英語:You needn’t hurry up.
- アメリカ英語:You don’t need to hurry up.
アメリカ英語のみに慣れていたら、このようなパターンのイギリス英語が聞き取れないケースがあります。
その6.イギリス英語は単数でも複数でもいい?
イギリス英語では「group」や「team」などの集合名詞で単数と複数どっちも使いますが、アメリカ英語では単数のみの扱いです。
集合名詞の例:
- government(政府)
- audience(聴衆)
- committee(委員会)
- family(家族)
下記が英文にした時の違いとその解説です。
どちらとも「私の家族は休暇にハワイに行きます」となります。
- イギリス英語:My family are going to Hawaii for the holiday. ※「My family is」でもイギリス英語はOKです。
- アメリカ英語:My family is going to Hawaii for the vacation. ※アメリカ英語は塊を1つと考えるので単数のみで表現します。
※「休暇」の英語である「holiday」と「vacation」の単語の使い方の違いは後述で紹介します。
「family」は1つのグループです。その為、アメリカ英語では「family」の後には単数形の「is」を置きます。
イギリス英語では家族は複数人なので、複数動詞の「are」を使うことがあります。アメリカ英語を学んでいると、少し違和感があるかもしれませんね。
ただし、どっちの場合も「family」の単語自体が「families」と変化しません。
イギリス英語とアメリカ英語の違い|日常会話フレーズ編
日常会話で頻繁に使う表現にも、イギリス英語とアメリカ英語の違いがあります。
主に4つの違いをみてみましょう。
その1.アメリカ英語は省略形の「wanna/gonna」の表現をよく使う
アメリカ英語では「want toをwanna」、「be動詞 + going toをbe動詞 + gonna」と省略して口語表現で使いこれらは会話によく出てきます。
しかし、イギリスではこの表現はあまり使われません。
TOEICのリスニングにも、アメリカ英語の会話の特徴としてこの省略形が使われるようになりました。
- I wanna talk about it.(それについて話したい)
- It’s gonna rain soon.(すぐに雨が降るでしょう)
その2.イギリス英語は「付加疑問文」をよく使う
イギリス英語では、「同意などを求める」、または確認の時に使う付加疑問文を多用します。
日本語で言うと「ですよね?」という会話文の最後に付ける表現です。
下記がその例文です。
- 英語:This flower is very beautiful, isn’t it?
- 日本語:この花はとてもきれいですよね?
この文の「isn’t it?」の部分が付加疑問文です。
アメリカ英語では次のように通常の疑問文で聞くようなことも、イギリス英語では付加疑問文を使う場合があります。
- イギリス英語:You play tennis, don’t you? あたなはテニスをしますよね?
- アメリカ英語:Do you play tennis? あなたはテニスをしますか?
アメリカ英語でこの聞き方をすると、相手は「そうですよね?」と同意を求められたかのように感じるかもしれません。イギリスではそのようなニュアンスはなく、普通の疑問文と同じ扱いという事を覚えておきましょう。
この付加疑問文もTOEICリスニングで出題されています。
付加疑問文については、『英語の付加疑問文(~ですよね)|同意を求める6つの形・答え方と例文』でも詳しく解説しています。
その3.「時間・期間・日付」の表現が全然違う?
時間や曜日の期間の言い方でも、イギリス英語とアメリカ英語の違いがあります。
ただし、それほど厳密に気にしなくてもOKです。どっちでも違和感なく通じます。
自分はこっちが好きだな、ぐらいの感覚で使ってみましょう。
上記は時間の表現の違いですが、「時間の長さ(何分間)」の表現でも違いがあります。
時間の正しい表現などについては、『英語で時間を表現|簡単!3つの基本ルールと前置詞の使い方』の記事も参考にしてみて下さい。
また、日付の書き方もイギリス英語とアメリカ英語とその違いがあります。
日と月を書く順番が異なるのが代表的な違いです。
「2017年11月22日」をカジュアルな日付表現で書くと次のようになります。
- イギリス英語:22/11/2017 ※日→月→年の順番
- アメリカ英語:11/22/2017 ※月→日→年の順番
フォーマルな日付の書き方がなどについても『英語で日付の書き方|順序や4つのパターンを覚えるだけ!』の記事を参考にしてみて下さい。
その4.「take」と「have」の使い方の違い
アメリカ英語では「take」をよく使います。
例えば「イスに座る」は「take a seat」です。これが、イギリス英語では「take」の代わりに「have」使って「have a seat」となります。
アメリカ英語で「take + 名詞」の表現は、イギリス英語ではほとんど「have + 名詞」となります。
※1「休暇」は、アメリカ英語では「vacation」、イギリス英語では「holiday」を使います。
※2「lunch(ランチ)」以外の食事や飲み物にも使えます。 【例】breakfast(朝食)、dinner(夕食)、スナック(a snack)、コーヒー(a cap of coffee)
※3「conversation(会話)」以外にも、「a chat(チャット)」や「a discussion(ディスカッション)」等も使えます。
ただし、これらはアメリカでは「take」、イギリスでは「have」を好んで使うというくらいです。逆に使っても、ほとんどの場合は意味が通じますし違和感もありません。
イギリス英語とアメリカ英語の違い|英単語・スペル編
イギリス英語とアメリカ英語では単語にも違いがあります。
後ほど解説する発音と同じくらいはっきりと違いがでるのがこれです。
そこには、いくつかパターンがあります。「同じ意味でも単語が全く違うもの」や、「同じ単語でも違う意味のもの」、また「スペルが微妙に違うもの」があります。
その1.単語自体が違う表現
イギリス英語とアメリカ英語では、同じ意味でも単語自体が違うものもあります。
代表的な表現は下記となります。日常でよく使う表現ばかりなので、イギリス圏へ行く場合は知っておくとよいでしょう。
※建物の階数の数え方は旅行先のホテルなどでも注意が必要です。
イギリス英語は、「1階がground floor」で「2階がfirst floor」です。アメリカ英語は1階から「first floor」と数えます。
その2.同じ単語で意味が違うもの(スラングなど)
同じ英単語でも全く違う意味になってしまう場合があります。
英単語が同じでも、イギリス英語とアメリカ英語では全く意味が違う場合があります。
特に、イギリス英語では普通の意味でも、アメリカ英語ではスラング的な汚い表現になってしまう場合があるので要注意です。またその逆もあります。
下記が代表的な表現です。
その3.スペルが異なる単語
同じ意味で同じ単語を使うけれど、綴りが微妙に違うという単語もあります。
一部の単語のスペルの違いには規則性があります。また、規則性が全くない違いもあります。
マイクロソフトワードなどパソコンで出てくるスペルチェックは、アメリカ英語にあわせているものが多く、イギリス英語のつづりで書くと、ミススペルとしてチェックされるので要注意です。
スペル違いのルールは主に5つです。
スペルの違いに関するルールその1.
イギリス英語で単語の最後に「our」がついている場合、アメリカ英語では「u」は付きません。
スペルの違いに関するルールその2.
イギリス英語で語尾が「re」の場合、アメリカ英語は「er」となります。
スペルの違いに関するルールその3.
イギリス英語で語尾が「ce」の場合、アメリカ英語では「se」となります。
スペルの違いに関するルールその4.
イギリス英語で語尾が「ise(yse)」の場合、アメリカ英語では「ize(yze)」となります。
スペルの違いに関するルールその5.
イギリス英語で語尾が「ogue」の場合、アメリカ英語では「og」になります。
ルールに当てはまらないもの
その他に、上記のルールにあてはまらないものもあります。
イギリス英語とアメリカ英語の違い|発音編
イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いは大きいです。
ここでは特に、大きく違うものを厳選してご紹介します。
その1.単語のアクセント(強調して発音する部分)の違い
イギリス英語とアメリカ英語では同じ単語でもストレス・アクセント(強調する部分)が違う単語があります。
※アクセント(ストレス)の部分を赤字にしています
その2.Rの発音の違い
英語の「R」の発音はアメリカ英語とイギリス英語で異なります。
これが顕著です。
- アメリカ英語:母音の後にRの綴りがある単語で、母音の後の「r」を発音する、R音性的な(rhoticあるいはr-full)発音となります。
- イギリス英語:同様の綴りで「r」を発音しない、非R音性的な(non-rhoticあるいはr-less)となります。
また、アメリカは広大な土地であるにもかかわらず、東部方言の発音やいわゆる「南部なまり」を除いては、発音の地域差はあまりありません。単語のスペルと発音の関係についてもアメリカ英語には特徴があります。
アメリカ英語のように、rを発音することを「rohtic」といい、イギリス英語のようにrを発音しないことを「non-rhotic」といいます。
このRの発音の特徴を文章で極端に言うと、カタカナで書けるの発音がイギリス英語(workの発音をワークで書ける)です。
しかし、アメリカ英語は「r」の発音をシッカリするため、カタカナの「ワーク」の発音にはなりません。
次の動画でその違いを聞いてみて頂きたいのですが、「r」の発音の違いがはっきり分かります。
※3分10秒あたりから単語別の発音となります。
- work
- heard
- world
- door
- measure
など。
その3.Tの発音の違い
イギリス英語では母音に挟まれた「t」を比較的はっきり発音します。
一方で、アメリカ英語は、tよりもどちらかと言うとカタカナの「ラ」に近い発音をします。舌の先を上の歯のつけ根あたりで弾くという発音手法です。
因みに「d」も「ラ」に近い発音になります。
この発音の仕方は「フラッピング(flapping)」と言われるアメリカ英語の発音の特徴になります。
動画でもフラッピングの音が確認できるので、次の33秒あたりから確認してみて下さい。
その4.アメリカ英語はリンキング(リエゾン)ばかり?
アメリカ英語は2つ以上の単語の母音と子音が重なった時、それらを繋がって発音することがとても多いです。
それをリンキング(リエゾン)と言います。
また、重なった時に「t」や「d」などがあれば、それを上述のように「フラッピング」の発音をします。
一方、イギリス英語は一つ一つの単語単体をきちんと発音します。
「What are you doing?(何をしているの?)」
- イギリス英語:ワットアーユードゥーイング
- アメリカ英語:ワラアーユードゥーイング ※「what」のtと「are」のaがリンキングとフラッピングされています
「when I call ~(私が~に電話する時」
- イギリス英語:ウェンアイコー
- アメリカ英語:ウェナイコー ※「when」の「n」と「I」が重なって「ナイ」と発音しています。
これらのリンキング(リエゾン)については、『リンキング(リエゾン)でリスニング力が劇的にUPする3つの勉強法』の記事でも説明しています。
その5.イギリス英語のイントネーションは下がり気味?
特に「Yes/No Question」の質問文でイントネーションの違いが顕著に表れます。
アメリカ英語は基本的に、上がり口調(rise intonation)ですが、イギリス英語は下がり口調(fall intonation)と言われています。
次の質問文の発音の違いを確認してみましょう。
私は基本的にアメリカ英語を主に発音しますが、イギリス英語の発音を今回頑張って録音してみました。
「Are you hungry?」
- イギリス英語:
- アメリカ英語:
「Do you speak English?」
- イギリス英語:
- アメリカ英語:
「オーストラリア英語のイントネーションの特徴」
最近、ワーホリ(ワーキングホリデー)等で人気のオーストラリア。オーストラリア英語もイギリス英語の一部ですが、発音やスペルなど多少の違いがあります。
イントネーションも特徴的で、疑問文でなくても語尾を上げて話すことがとても多いです。
その6.イギリス英語の「can’t」が聞き取れない?
「can」や「can’t」のリスニングも初心者にはとても難しいです。
イギリス英語では、特に「can’t」を「カーントゥ」や「カーン」と発音します。アメリカ英語で習った日本人にはとても違和感を感じるものです。
アメリカ英語との違いが分かるので、是非次の動画を確認してみて下さい。
最初からのやり取りが面白いですよ。
イギリス英語の翻訳でおすすめのサイト、アプリ、翻訳機は?
インターネットでも英語の翻訳機能が使えるようになりかなり便利になっていますが、イギリス英語に翻訳する際に、おすすめのサイトやアプリ、翻訳機は以下です。
おすすめの翻訳アプリ・サイト|DeepL翻訳
「DeepL翻訳」は、シンプルで使い勝手のよい人気の翻訳アプリです。DeepLの翻訳文は機械翻訳の中でも高い精度と自然な文の生成で評価されています。
イギリス英語に関しても、アメリカ英語との違いを反映させ、好みのスタイルで訳文を作ることができるので、他の翻訳ツールよりもイギリス英語に対応している翻訳機となります。
音声翻訳とテキスト翻訳に加え、画像翻訳の機能も付いているので、幅広いシーンで活用できて便利です。なお、無料版では、1回に翻訳できる文字数は5000文字までです。DeepL Proでは、どのプランでも文字数制限はありません。
イギリス英語の発音や勉強法でおすすめの本・動画・サイト
さて、アメリカ英語とイギリス英語をどのようにしたら習得できるのでしょうか?
色々な参考書や単語帳、よく使うフレーズ集などは基本的にアメリカ英語なのでそのまま使えます。
よって、日本人にとっては特にイギリス英語の習得が難題となります。
おすすめ本1|ドラマ仕立て イギリス英語のリスニング
単語や表現については、『ドラマ仕立て イギリス英語のリスニング —楽しく学ぶ! ロンドン暮らし12か月のストーリー』の本が人気が高くおすすめですね。
「蛍の光」の合唱で始まる主人公ステラの1年の物語を通じて、ロンドンを舞台とした本物のイギリス英語が学べる本で、Lovely!(ありがとう!)、telly(テレビ)など、イギリス人がよく使うリアルなイギリス英語が満載です。英国ドラマを楽しむためのコラムも多数掲載されています。
また、イギリス英語の発音やリスニング力を鍛える際には、『英語の発音を楽しく上達する!2つの基礎練習方法と6つの応用編』でも解説している「音読」と「オーバーラッピング」という練習方法がベストです。
- 音読・・・テキスト(字幕など)を声を出して発音する
- オーバーラッピング・・・音声と一緒に発音する
どちらとも、音声(発音)を真似するという点が同じです。
この時に大切なのが自分自身の音を必ず録音するということです。録音後に自分の発音とネイティブの発音を比較して復習しながらトレーニングして下さい。
おすすめ本2|イギリス英語発音教本
イギリス英語のみに特化して発音練習したい場合は、『イギリス英語発音教本』などの参考書を手にしてトレーニングをしてみてもいいですね。
この本は、日本人英語を脱却して正統派のイギリス英語を身につけられるイギリス英語発音の入門書になります。発音指導のプロが、日本人の苦手な発音を重点的にトレーニングしてくれて、初心者でも現地で役に立つ実践的な内容を学べます。
イギリス英語に関するYouTube動画
無料で出来る方法としては、Youtubeなどの無料動画を使ってそのまま真似をして発音することです。
下記の動画を参考にしてネイティブの発音などを真似してみよう!
- イギリス英語vsアメリカ英語!字幕付き!// British English vs American → https://youtu.be/SI44l6QKn6Y
- 英会話レッスン: イギリス英語 vs アメリカ英語 発音リスニング編 → https://youtu.be/jYyb8kOVNm4
- 英会話レッスン: イギリス英語 vs アメリカ英語 発音リスニング 単語編 →英会話レッスン: イギリス英語 vs アメリカ英語 発音リスニング 単語編イギリス英語とアメリカ英語の発音とリスニングに注目したビデオを作ってみました!今までぼんやりと違うな、、と思っていたイギリス英語とアメリカ英語。今回は英・米英語間でスペルも発音も違う「イレギュラーな単語」のレッスンです。ChickChat 英会話 by 00'CONCIERGEの番外編です。『英会話レッスン: イ...
イギリス英語が学べる映画・海外ドラマ
また、Netflixやアマゾンプライムなどで映画やドラマを真似するのもいいですね。好きなドラマを探して、できれば日常会話が多いタイトルを選ぶようにしてください。アクションなどは会話シーンが少ないので避けるようにしましょう。
イギリス英語が学べる映画・海外ドラマは以下です。
Netflix|ザ・クラウン
英国史上最高齢君主として、絶大な影響力を持つ女王エリザベス2世の知られざる素顔を浮き彫りにしていく、実話に基づくヒューマンドラマです。エリザベス女王ご自身も鑑賞し、大変気に入っていると言われています。
Netflix|ボディガード―守るべきもの―
舞台は英国の政治権力の中核。勇敢ながらも不安定な内面を併せ持ったアフガン戦争の退役軍人のデヴィッドがイギリス政府の女性大臣のボディガードになり、政治的な陰謀やテロの脅威に立ち向かっていくストーリーです。
その他にも、
- Sick Note~診断書で人生復活~ ※他より難易度低め・スラング多め
- Sex Education(セックス・エデュケーション)※中級・若者スラングあり
- Sherlock(シャーロック)※難易度高いが英語漫画本あり
などがあります。
イギリス英語が学べるニュース・英語学習サイト
また、実際の英語のニュースなどでもアメリカ英語とイギリス英語の違いを習得することも可能です。
しかしこれは中級・上級者向けです。
「BBC」はイギリス英語、「CNN」はアメリカ英語の代表的なニュース番組です。
『おすすめの英語ニュース|無料サイトやアプリなど7選と勉強法』の記事も参考にしてみて下さい。
また、「BBC」が運営している英語学習サイトというのもあるので、英語を勉強しながらイギリス英語を身に付けたい方は是非トライしてみましょう!
初級者でビジネス英語に触れたいなら、TOEICの公式アプリがいいですね。そのリスニングでイギリス英語にも慣れると点数UPにもつながるので一石二鳥です。
「TOEIC公式アプリ」
App Sore(iOS)
Google play(android)
徹底的にイギリス英語、アメリカ英語を鍛えたい方は、実際の英会話がベストです。
オンライン英会話でも講師がどこの出身なのかを確認して話すこともできますね。イギリス英語を話したい方は、イギリス、オーストラリアなどの方を中心にトライしてみましょう!
また、海外への留学、ワーホリという選択肢もあります。
次の記事も参考にしてみて下さい。
イギリス英語に強いおすすめ英会話教室
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イギリス英語が学べるおすすめオンライン英会話3選
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ここでは、イギリス英語が学べるオンライン英会話を5つご紹介します。
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EFイングリッシュライブ
EFイングリッシュライブは、世界の大企業でも採用されているカリキュラムを個人でも受講できるオンライン英会話です。
プライベート(1対1)レッスン、グループレッスンの好きなほうを選ぶことができ、12週間(3ヶ月間)でのレベルアップが約束されています。
講師は全員資格ありのネイティブ講師(イギリス人多数)。英語レベル診断も用意されているので、自分の英語レベルが分からない方や、診断によって自分のレベルに合わせたカリキュラムを受講したい方にもぴったりです。
EFイングリッシュライブも無料体験が用意されているので、下記の公式サイトから無料体験を受講してみてはいかがでしょうか。
ロンドン創業 ELTオンライン英会話
1984年にロンドンで創業。ロンドンで1万人以上の日本人が受講した実績を持つ、日本人コンサルタントによる学習指導とネイティブ講師による英会話レッスンが受けられます。
オックスフォード大学やケンブリッジ大学を始めとした一流校を卒業したネイティブ講師陣など、9割以上のイギリス人講師が在籍しています。
料金は月額15,500円(税込)とオンライン英会話にしては高額ですが、同じ品質レッスンの通学型英会話と比べれば格安です。
体験レッスンでは、日本人スタッフのカウンセリングとネイティブ講師によるレッスンが安く受けられます。
Chat GPTやGeminiなどのAI(人工知能)チャットサービスを使うのもおすすめ!
アメリカ英語とイギリス英語の使い方がわかり、習得するには、人工知能(AI)のチャットサービスもおすすめです。
例えば、次のようなプロンプト(命令文)を入力するだけで、あなたのアメリカ英語とイギリス英語の習得に役立ちます。。
- 「アメリカ英語で今から英語の日記を書きますが、それをそのままイギリス英語に書き換えて下さい。その解説もお願いします。」
- 「日常英会話で使うフレーズを基本にして、アメリカ英語とイギリス英語に強くなる問題を20個下さい。テスト形式はお任せします。」
など。
まさしく、会話をしながらお願いする感覚でOKです。
この人工知能(AI)のチャットサービスにより、このようなトレーニングが容易に可能になっています。この機会に試して下さい。
また、AIチャットサービスで有名なのが2つあります。
一つは「Chat GPT」です。OpenAIが2022年11月に公開した人工知能チャットボットであり、生成AIの一種で、無料版と有料版がありますが、トレーニングは無料版で十分です。
また、もう一つはGoogleが提供する「Gemini」です。
Chat GPT、Geminiのどちらも素晴らしい機能を提供しており、自分に合ったチャットサービスをご活用下さい。アプリもあるので気軽にスマホやタブレットでも使えます。
まとめ:イギリス英語とアメリカ英語の違いを知るだけでも幅が広がる
アメリカ英語は元々イギリス英語だったのですが、今では細かな違いがたくさんあります。もちろん全て覚える必要はありませんが、このような違いがあるということを知っておくことは大切です。
イギリス英語は発音や文法など比較的、基本に忠実で正しい英語の使い方をしています。アメリカ英語は比較的くずした形が多いのが特徴です。
最近では、アメリカ英語の影響が強くイギリス人でもアメリカ英語に近い言葉を話したり、理解したりする人も多くなっています。とはいえ、イギリス英語圏に行く場合は、これらの基本を押さえておくとスムーズにコミュニケーションが図れるでしょう。
また、イギリス英語を学ぶことでアメリカ英語の語源、ルーツを感じることもできます。イギリス英語の発音を聞きたければ、先ほどもおすすめしたBBCのニュースを見たり、ラジオを聞いてみたりするとよいでしょう。たまにイギリス英語に触れてみると英語の幅が広がります。
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