著者 : 藤永 丈司

◆上智大学比較文化学部卒(現:国際教養学部)
◆初受験でTOEIC990(満点)、英検1級、小学校英語指導者資格
◆ニンテンドー3DS TOEIC「超速」プログラム・スペシャルアドバイザー
◆日経HR「英語コミュニケーション in Business」特別講師(2017年8月~)
◆日経メディカル「医師のためのDailyイングリッシュ」特別講師(2019年10月~)
◆公式動画チャンネル:マイスキ英語【たった3分で奇跡を起こす!】(2020年2月~)

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著者自身の受験英語への疑問や登校拒否といった苦い体験や、10年以上にわたる海外生活から、外国人の英語習得の早さと相対する日本人の遅さの違いを同時に徹底的に解読・研究を繰り返すことで、日本人へ「英語回路」を植え付ける仕組みを解明。


◆活動 - 芸能人 への個別指導、英会話・ TOEIC講座、企業研修、小学生を中心に 各地でボランティア英語指導など。


藤永の著者・監修した商品

◆著書に「なぜ、留学生の99%は英語ができないのか?」など多数(シリーズ累計10万部以上)

2016年に甚大な被害をもたらした「熊本地震」への復興活動の一環として、『マイスキ英語(代表:藤永丈司)』は、同年7月より、Jリーグ所属のロアッソ熊本のスポンサーカンパニーとして協賛しております。

have +過去分詞|英語の現在完了形の用法・例文と時間軸イメージ

のべ100,784がこの記事を参考にしています!

英語の現在完了形の使い方や訳し方を説明できますか?

また、現在完了形を見分けるには、「主語 + have(has)+ 動詞の過去分詞」の英文なのかどうかで、見つけやすく簡単です。

しかし、日本語の感覚では理解しにくく、多くの英語学習者がつまずいてしまうポイントです。

とはいえ、現在完了形は英語のネイティブたちがよく使う表現で、知らないと日常会話でも困ってしまうことがあります。

さて、ちょっとした問題です。あなたは次の3つの例文の違いがわかりますか?

  • 過去形:I lost my pen.
  • 現在完了形:I have lost my pen.
  • 過去完了形:I had lost my pen.

答えは後ほど詳しく解説します。

また、現在完了形には4つの用法があるので、下記の例文と一緒にその点も押さえておきましょう。

  • 完了用法:I have not finished my homework yet.(まだ、宿題は終わっていません)
  • 経験用法:Have you ever been to L.A?(ロスに行ったことがありますか?)
  • 継続用法:I have already lived in Tokyo for 3 years.(私はすでに3年間東京に住んでいます)
  • 結果用法:I have lost my book.(本を今でも失くしたままです) ※上記の「I have lost my pen.」と同じ用法です。

上記の例文のように、現在完了形の疑問文や否定文でよく使う「yet」、「ever」、「already」、「just」などの副詞などもセットで覚えると役立ちます。

また、どの用法でも、「過去から今現在も続いている」という、過去形など他の時制との違いは明確です。

ここでは、英語の現在完了形について、他の時制との違いでの例文などを用いて分かりやすく解説します。

また、現在完了形の4つの用法と、それぞれの訳し方、また疑問文や否定文などの英文の作り方も習得して英会話に活かしましょう!

それと、人工知能(AI)チャットのChat GPTやGeminiを使った英語の現在完了形の習得法も紹介していますので、参考にしてみて下さい。

目次

現在完了形を英語で表現(過去形・過去完了の英語も)

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※このページには広告が含まれています。

現在完了形を英語で言うと、「present perfect tense」(プレゼント・パーフェクト・テンス)となります。

他の主要な時制の言い方は下記です。

  • 現在形:present tense
  • 過去形:past tense
  • 過去完了形:past perfect tense
  • 未来完了形:future perfect tense

など。

つまり、現在完了形は「present(現在)」という単語が入っているので、今に関係している時制というのが分かりますね。

このポイントを先ず押さえておいて下さい。

英語の現在完了形とは?現在形・過去形・過去完了との違い

have 過去分詞

冒頭でも紹介していますが、現在完了形の基本の形は「主語 + have(has)+ 動詞の過去分詞」です。

haveの使い方|特別な助動詞・使役動詞・一般動詞(他動詞)の役割

haveの意味と使い方|2品詞(他動詞と助動詞)での23例文や熟語などでも説明している通り、「have」はいくつかの意味と品詞になるので、混乱される方も多いです。

現在完了形で使う「have」は、「特別な助動詞」となります。

通常の助動詞は、「主語+助動詞+動詞の原形」の形になりますが、現在完了形の場合は、「主語+have(has)+過去分詞」と違う形になる点が異なります。

このように助動詞として使うパターンは、下記のような時制にも使います。それぞれは後ほど詳しく解説します。

  • 現在完了形
  • 過去完了形
  • 未来完了形

それと他に次のような役割があるのが「have」ですね。

  • 持っている・所有する・ある・食べる(飲む)など ※例文:I have a dog(私は犬を飼っています)、I had enough sleep.(十分に寝ました)
  • 使役動詞(AにBをさせる) ※例文:I will have him call you back.(彼に電話を掛けなおさせます)、など

しかし、ここでは「特別な助動詞」の「have」に集中してみていきましょう。

haveとhasの違い

しかし、ここでも迷わせるのが、三単現のSです。

三単現のSとは、英語の動詞の活用形の一つで、主語が第三者単数(he, she, itなど)の場合に動詞の末尾にsを付けます。例えば、「彼は歩く」は英語で “He walks” となります。

しかし、haveの三単現はhas、goの三単現はgoesのように「s」だけじゃないパターンもあります。

また、助動詞であれば、主語がどれでも副詞の形は分かりませんが、現在完了(または過去完了)などの場合のhaveは、一般動詞と同じように三単現のS(has)の文法が適用されます。

この点が注意してほしいポイントの1つです。

主語が三人称単数(HeやSheやitの場合など)の場合は、「has + 動詞の過去分詞」となります。

下記が例文です。

  • I have known him for 10 years.(私は彼を10年間知っています)
  • He has seen her for a long time.(彼は彼女と長年付き合っている)

など。

そして、ここで重要になるのが、上記の例文にもある「known」や「seen」などの過去分詞です。

過去分詞とは?

過去分詞は英語で「past particle(略:p.p.)」と表現しますが、『英語の過去分詞|4つの使い方・単語一覧の覚え方と例文など』でも詳しく解説しています。

過去分詞とは、動詞(原形)が変形した形で、英語の文法において重要な役割を果たしています。過去分詞は、主に以下の3つの用途で使われます。

  1. 完了形(perfect tenses)を作る: 過去分詞は、現在完了形(present perfect)、過去完了形(past perfect)、および未来完了形(future perfect)を作るために使用されます。これらの完了形は、ある時点までに完了したアクションや経験を表すために使われます。これらに関しては、後ほど詳しく解説します。下記が例文です。
  • 現在完了形: I have finished my work.
  • 過去完了形: She had already left when I arrived.
  • 未来完了形: They will have completed the project by next month.
  1. 受動態(passive voice)を作る: 過去分詞は、受動態を作るためにも使われます。受動態は、主語がアクションを受ける側である場合に使用されます。受動態(受け身)については、『英語の「受動態(受け身)」を簡単にマスターする5つの基本』の記事もご確認ください。下記が例文です。
  • The cake was made by my mother. (母がケーキを作りました。)
  1. 分詞構文(participle phrases)を作る: 過去分詞は、分詞構文を作るためにも使用されます。分詞構文は、主節と関係のある付随的な情報を提供するために使われます。下記がその例文です。
  • Broken by the storm, the tree branches were scattered across the yard. (嵐で折れた木の枝が庭に散らばっていた。)

過去分詞がこのようになっている理由は、英語の文法の発展の過程で、様々な文法要素が組み合わさって効率的な表現ができるようになったためです。

また、学校では、過去分詞は過去形のように動詞の後ろに「ed」を付けると習いませんでしたか?

例えば、「open」の過去分詞は、過去形と同じ「opened」。これは簡単ですね。

しかし、ここで重要になるのが、先ほどの例文のようにな「seen(seeの過去分詞)」や「known(knowの過去分詞)」のような、不規則変化動詞の過去分詞となります。

つまり、opened(openの過去分詞)のように、動詞に単純に「ed」を付けては表現できないのが、不規則変化動詞となります。

よく使う英語の現在形(原形)、過去形、過去分詞一覧

過去分詞の形は、これらは後ほども紹介しますが、過去形とは違う、「受け身(受動態)」でも使う動詞の形となります。

原形
過去形
過去分詞
be動詞(is, are)
was, were
been
know(知る)
knew
known
see(見る)
saw
seen
bring(持って来る)
brought
brought
buy(買う)
bought
bought
come(来る)
came
come
do(する)
did
done
draw(描く)
drew
drawn
drink(飲む)
drank
drunk
drive(運転する)
drove
driven
eat(食べる)
ate
eaten
fall(落ちる)
fell
fallen
find(見つける)
found
found
forget(忘れる)
forgot
forgotten
get(手に入れる)
got
gotten
give(与える)
gave
given
go(行く)
went
gone
have(持つ)
had
had
keep(保つ)
kept
kept
leave(去る)
left
left
lose(失くす)
lost
lost
mean(意味する)
meant
meant
meet(会う)
met
met
say(言う)
said
said
show(見せる)
showed
shown
sing(歌う)
sang
sung
sit(座る)
sat
sat
sleep(眠る)
slept
slept
speak(話す)
spoke
spoken
stand(立つ)
stood
stood
tell(伝える)
told
told
steal(盗む)
stole
stolen
swim(泳ぐ)
swam
swum
take(持っていく)
took
taken
teach(教える)
taught
taught
think(考える)
thought
thought
understand(理解する)
understood
understood
wake(起きる)
woke
waken
win(勝つ)
won
won
write(書く)
wrote
written
run(走る)
ran
run

過去形と同じもの、また全く違うものと不規則ですので、スキマ時間に目を通すなどして慣れることをおすすめします。

さて、ここで大切なのが、現在完了形とは違う過去形と過去完了形との違いを知ることです。

それによりネイティブが話している時制の感覚のイメージ、またあなが英語で表現する際に、正しく伝えるためにとても役立ちます。

過去形と現在完了形との違い

会話でもよく使うのが、「~した」という過去形ですね。

下記の例文がありますが、何が違うのか感覚を覚えましょう。

  • 過去形:I knew him.
  • 現在完了形:I have known him. ※現在完了形では、「I’ve known him.」と「I have」を短縮して表現することが通常では多いです。

過去形は過去のある一点の時間で「彼を知っていた」となり、彼のことを今は知っている可能性は低い(今は知らない、のニュアンスも含みます)です。

have 過去分詞

一方、現在完了形は、過去の一点から今も続いているという表現ですの、「彼を(過去から今まで)知っています」となります。つまり、今でもコンタクトを取ったりしている可能性が高いですね。

よって、過去形は基本的にある過去の継続性のない動作を表す時に使うので、「yesterday(昨日)」や「~ years ago(~年前)」など過去の副詞を使うケースが多いです。

  • I saw him yesterday.(私は昨日彼を見かけました)→ 今は見ていないので、過去のみの動作ですね。
  • I went to Guam 3 years ago.(私は3年前にグアムに行きました)→ 後述しますが経験とは別で、過去の一点でグアムに行った事実を述べているので、過去形になります。

時間の距離的には過去形は遠く、現在完了形は近いというニュアンスになります。

では、下記の例文は訳すと「私は試験に受かりました」と同じ日本語になるパターンですが、時間の距離が掴めますか?

  • 過去形:I passed the exam.
  • 現在完了形:I have passed the exam.

何となく、「I have passed the exam.」のほうが最近起こった出来事のようなイメージですね。

一方、過去形の「I passed the exam.」は去年かもしれないし、もっと何十年も前かもしれませんし、もしその試験が入試だったら、受かったけど入学しなかったかもしれません。

如何でしょうか?次の過去完了形との違いに進む前にシッカリと過去形との違いを理解しておきましょう。

過去完了形と現在完了形との違い

さて、もう一つの時制は「過去完了形」です。

英語の過去完了形|訳し方や現在完了形との違い・4つの用法や例文』でも詳しく解説していますが、一点の過去の地点より、更に前の過去からその一点への継続となります。

よって今はそれは継続していません。先ほどの図も参考にしてみて下さい。

下記が例文です。

  • 過去完了形:I had known him for a long time. ※「I had」を「I’d」と短縮形で表現することも多いです。
  • 現在完了形:I have known him for a long time.

現在完了形は今でも彼とは長年の知り合いというイメージはできますね。

一方、過去完了形は、過去に一定期間は彼と知り合いだったけど、今は知らないというニュアンスですね。

しかし、多くの過去完了形は日常会話の口語では単純に過去形で表現することも多々ありますので、その点は留意しておきましょう。

時制問題の解答

冒頭にあったちょっとした時制問題を覚えていますか?

それぞれのニュアンスの違いを確認してみましょう!

  • 過去形:I lost my pen. → ペンを失くして、今も失くしたままなのか、見つかったのか分からない
  • 現在完了形:I have lost my pen. → 過去にペンを失くして、今もペンが見つかっていない状態です
  • 過去完了形:I had lost my pen. → 過去にある一定期間ペンを失くしていたが、その後(過去)見つかったイメージ

しかし、実際の会話では、「I lost my pen, but I found it yesterday.(ペンを失くしたけど、昨日見つけた)」などと他の英文と合わせることで、「失くした」という事実がその後どうなったのか?ということを説明することが多いです。

さて、次の章からは現在完了形の様々な用法や形に絞って詳しく解説していきます。

現在完了形の4つの用法(使い方とルール)と例文

ここからは、現在完了形の4つの用法を詳しく見ていきましょう。

学校では、「完了・結果」を一つの用法としてまとめていますが、ここでは別々に解説します。

因みに他の用法は「継続」と「経験」となります。

過去の出来事から現在まで続いていることが基本となりますが、日本語の訳し方にもそれぞれの用法での言い方があります。

例えば次のような訳し方のパターンです。あくまで基本ですが、参考にしてみて下さい。

  • 完了の場合:(ちょうど今)~したところです
  • 経験の場合:~したことがあります
  • 継続の場合:~しているところです
  • 結果の場合:~のままです ※継続に似ている表現になります

現在完了形は、これらの訳し方の違いと「副詞(副詞句)」がキーポイントにもなります。

因みに副詞句とは、2単語以上(主語と動詞はない)で副詞の働きをする表現です。例えば、時を表す「3 years ago」や「just now」などです。

直近に起きた出来事を表す【完了用法】と副詞

現在完了形の最も基本的な用法が、完了用法です。

完了用法の文は、直近に起きたことや、し終えたことを表し、日本語の訳し方としては先ほどの、「ちょうと今~したところです」や「~し終えた」、「(今)~し終えたところだ」となります。

完了用法の例文を見てみましょう。

  • 英語:I have just read the book. ※ここでの「read」は過去分詞です。
  • 日本語:私はちょうど今、その本を読み終えた。

上記の例文は、今まさに本を読み終えたことを表しています。

同じ文を、過去形にすると次の文になります。

  • 英語:I read the book.
  • 日本語:私は本を読みました。

過去形も完了形の文でも、どちらも過去に「読んだ」ことは同じなのですが、過去形のどこかで読んだけれど、いつ読んだのかは明確ではありません。

完了の文を過去形に変えて言うこともできますが、あえて完了形を使うことで、今まさに読み終えたということを強調することができます。

ちょうど今終わったことを表す完了用法の文では、下記の3つの副詞をよく使います。

  • just(ちょうど今) ※または副詞句の「just now」
  • already(もう、すでに)
  • yet(まだ)

「just」や「already」は先ほどの例文のように過去分詞の直前に置くのが一般的ですので、語順には注意しましょう。

後ほど詳しく説明しますが、「yet」は、否定文と疑問文だけで使います。「まだ」という意味なので、肯定文では使えないので要注意です。

下記が否定の例文となります。

  • 英語:I haven’t read the book yet.
  • 日本語:私はまたその本を読み終えていません。

※基本的には文の最後に「yet」を置きます。しかし、強調する場合は否定形の直後「haven’t yet read」などとなります。

因みに、英会話で使う「I have got ~.(I’ve got ~.)」は本来は文法的に「I have gotten ~.」が正しいのですが、口語的には問題ありません。それと、イギリス英語が現在完了形時に「got」を使うことが多いです。

「I have got it.(I’ve got it.)」は「理解できました」という完了用法のフレーズです。

経験したことがあることを表す【経験用法】と副詞(副詞句)

完了形の経験用法は、過去に「~したことがある」という経験を表す表現です。

経験用法の例文を見てみましょう。

  • 英語:He has watched the movie.
  • 日本語:彼はその映画を観たことがある。

この文を過去形にすると、下記の文になります。

同じ分を過去形にすると次となります。

  • 英語:He watched the movie.
  • 日本語:彼はその映画を観た。

過去形では、単純に「映画を観た」と言っているだけですが、現在完了形の文にすることで、「観た経験がある」という経験を強調することができます。経験は今でも持っているものというイメージになります。

また経験で「~へ行ったことがある」という場合は、「go」ではなく「be動詞」の過去分詞を使います。

下記がニュアンスの違いです。

  • 「go」を使った場合:I have gone to New York. → ニューヨークに行ったがそのまま行ったきりで戻ってきていない
  • 「be動詞」を使った場合:I have been to New York. → ニューヨークに行った経験があり、今は戻ってきている

よって日常会話でよく使うのが、「彼は今ここはもういないよ(どこかに行ったよ)」という場合は、現在完了形の「He’s (He has) gone.」という言い方をします。

継続用法の文では、次の副詞(または副詞句)をよく使います。

once・twice・~times

それぞれ、経験の回数を伝える単語です。

「once」は「1回」、「twice」は「2回」で、「~times」は「~回」となり、three timesやmany timesなど数字とあわせて回数を表します。

例文が次ようにようになります。

  • I have been to Hawaii three times.(ハワイに3回行ったことがあります) ※「I have already been to Hawaii three times.」と「already」と組み合わせても構いません。
  • I have talked to him twice.(彼とは2回話したことがあります)

ever

「ever」は「これまでに」や「今までに」で、今までのどこかの時点で経験したことがあるか、質問の時によく使う表現です。

これについても後ほど解説します。

例文を見てみましょう。

  • Have you ever studied French?(フランス語を勉強したことがありますか?)
  • Has he ever eaten the food before?(彼はその食べ物を過去に食べたことがありますか?) ※もう一つの副詞の「before」と組み合わせてもOKです。

「ever」の意味からもわかるように、基本的に疑問文だけで使えます。肯定文や否定文では「ever」は使えません。

否定で使う場合は「never(決して~したことがない」となり、その場合は、「I have never studied French.」などとなります。

never

「never」は、「これまで一度も~ない」という否定を表す単語です。

下記がその例文です。

  • 英語:I have never played the guitar. ※語尾に「in my whole life(私の人生で)」という副詞句を付け加えて強調するパターンも会話でよく聞く表現の1つです。
  • 日本語:私はギターを一度も弾いたことがない。

今まで継続していることを表す【継続用法】と副詞句

完了の継続用法は、過去のある時点から現在までずっと継続していることを表します。訳は「~しているところです」や「ずっと~している」となります。

継続用法の例文を見てみましょう。

  • 日本語:I have studied English for 5 years.
  • 英語:私は5年間英語を勉強しているところです。

上記の例文を過去形(または過去完了形)にするとどうでしょう。

  • 英語:I studied(had studied)English for 5 years.
  • 日本語:私は5年間英語を勉強しました(していました)。

過去形にすると、すでに終わったことを表す文になってしまいます。

例文の場合、過去に英語を勉強していたが、今は勉強していないということになります。これは過去完了形でも同様です。

継続用法の文では、期間を表す下記の2つの前置詞と名詞の組み合わせ(副詞句)をよく使います。

for ~

「for」は、先ほどの例文の「for 5 years(5年間)」などのように、「for」の後に期間を入れて「~の間~している」という意味になります。

「for 2 months」、「for 6 weeks」など色々な期間を入れることができます。

since ~

「since」は「~から(今まで)ずっと」という意味です。

「since 2008(2008年からずっと)」、「since last year(昨年からずっと)」、「since 3 weeks ago」などのように、「since」の後ろには、過去の地点を表す単語が入ります。

「~ ago」や「yesterday」などの副詞単体では、過去形にしか使えませんが、sinceと組み合わせることで現在完了形にも使えるようになります。

この場合、「since」には先ほどの「for」のように期間は入らないので要注意です(since 2 monthsにはなりません)。または、「since」を接続詞として、「since I was born.(生まれてから)」とするパターンもあります。

until nowとso far

この2つの副詞句でのニュアンスの違いもよく質問を受けます。

どちらとも日本語訳では「今ままで」という副詞の役割をしているのですが、ニュアンスの違いがあるのでその点は会話で注意して下さい。

どちらとも訳し方は「彼は今まで私にとても優しい」となります。

  • He has been so kind to me until now. → 今までは優しかったがそれが終わった、というイメージ
  • He has been so nice to me so far. → 今まで優しかったし、これからもそうかもしれない(分からない)というイメージ

つまり「until now」の方が時間を区切って「今まで(そして終わり)」というニュアンスになります。

結果として今影響があることを表す【結果用法】

4つ目の結果用法は、過去起きたことの結果、影響を今も受けていることを表す表現です。

意味は過去形と同じ「~した」なのですが、現在完了形を使うことで、その結果、起きている影響が今も続いていることを強調しています。

下記が結果用法の例文となります。

  • 英語:I have lost my wallet.
  • 日本語:私は財布を失くしたままです。※今も見つかっていないイメージ

「財布をなくした」ことをあえて現在完了形で伝えている場合、今もその財布が見つかっていない、つまりその悪影響が今も続いていることを表します。

過去形の「I lost my wallet. (私は財布をなくした。)」を使った場合は、単に過去に「財布をなくした」という事実だけを言っていて、今見つかっているか、今もなくて困っているかには触れていません。

この文の後には、「だから今~だ」という結果として起きたことを続けることが多いです。

結果用法の現在完了形は、イギリス英語で多く使います。

アメリカ英語では、先ほどの例文のように財布をなくして今も困っている場合でも、単に過去形をつかって「I lost my wallet.」ということが多いです。

その他の押さえるべき重要な現在完了形の形(まとめ)

用法の説明のところでも例文を使って説明していますが、現在完了形の疑問文や否定文などを復習しながら、更に「受け身」や「完了形不定詞」など会話でも使う形を身に付けていきましょう!

現在完了形の疑問文

現在完了形の疑問文の形は「Have(Has)+ 主語 + 動詞の過去分詞 ?」となります。

また、その場合は「yet」「already」の副詞をよく使いますが、その位置に注意して下下さい。

下記がその例文です。

  • Have you finished your homework yet?(もう、宿題終わりましたか?)
  • Have you already read the book?(すでにその本を読み終えましたか?) ※口語でのカジュアルな言い方では、「already」を最後においてもOKです

また、「~へ行ったことがありますか?」など経験を聞く時は「ever」という副詞をよく使います。

それとよく「どれくらいの間~をしていますか?」と会話では欠かせない現在完了形の質問文があります。その場合は疑問詞の「how long」を使います。

下記がその例文です。

  • Have you ever been to Tokyo?(すでに・今まで東京に行ったことありますか?) ※「ever」は必ず過去分詞の前に置きます。
  • How long have you been in Japan?(日本にどれくらい住んでいますか?) ※「how long have you lived in Japan?」でも同様です。

また、英会話でも頻繁に使う、同意を求める時の付加疑問文の場合は次のようになります。

  • You have been to Tokyo, haven’t you?(東京に行ったことありますよね?)
  • She hasn’t seen him, has she?(彼女は彼と付き合っていないよね?)

付加疑問文の作り方については、『英語の付加疑問文(~ですよね)|同意を求める6つの形・答え方と例文』を参考にしてみて下さい。

現在完了形の否定文

否定形の形は基本的に、「主語 + have(has)+ not + 動詞の過去分詞」となります。

否定文の時の副詞は、「yet」や「never」の副詞を使うことが多いです。

「never」はそのまま否定を表す副詞ですので、「not」は不要となります。

下記がその例文です。

  • I haven’t watched the movie yet.(まだ、その映画は観ていません) ※今は観ていないけど、これから観るかは分からないというニュアンスを含んでいます。「have not」の短縮形が「haven’t」です。
  • I have never been to Kyoto.(まだ一度も京都に行ったことがありません) ※「never」を使うことで「一度も~したことがない」と強調することでできます。また、口語であれば、更に末尾に、「not even once(一度も)」を付け加えて更に強調するケースもあります。

現在完了形の受動態(受け身)

基本の形は「主語 + have(has)+ been + 動詞の過去分詞」となります。

受け身の場合は「been」を入れるのがポイントとなります。

例文の「The chair is broken by the little boy.(その椅子はその少年に壊されました)」を現在完了形(今も壊れている)にするとどのうな形になりますか?

答えは、「The chair has been broken by the little boy.」となります。

これを能動態にすると「The little boy has broken the chair.」で、同じ意味を表現できます。

受け身(受動態)の作り方などについては、『英語の「受動態(受け身)」を簡単にマスターする5つの基本』も参考にしてみて下さい。

現在完了形の倒置

現在完了形の「否定」を強調したい時に使うのが「倒置」で、「never」を使うケースが多いです。

英語の倒置|否定の副詞や目的語・5例文の動詞の形や位置等を確認』でも詳しく解説していますが、下記の例文をご確認ください。

  • 通常の否定文:I have never thought about such a thing.(そんなこと考えたこともなかった)
  • 倒置の否定文:Never have I thought about such a thing.

となります。

つまり、副詞の「never」を文頭に持ってきて、「have(has)+ 主語 + 動詞の過去分詞」となります。

完了形不定詞とは?

初めて「完了形不定詞」というのを聞いた方も多いかもしれませんが、実は会話ではよく使うので知っておいた方がいいでしょう。

不定詞とは、『英語の「不定詞」|3つの用法を簡単に5分でマスターする!』でも書いていますが、基本的に「to + 動詞の原形」を指します。

例えば次の英文の違いが分かりますか?

  • 現在形:He seems to have a cold. → 今、風邪を引いている様子
  • 完了形不定詞:He seems to have had a cold. → 過去に風邪を引いていた様子

つまり、今より(またはseemよりも)過去の地点を表す場合に、「to + have + 動詞の過去分詞」として表現します。とても便利な使い方です。

これに似た用法が、前置詞(下記の例文ではfor)を使った場合でもあります。

例えば、「Thank you for having helped me.」は、過去に手伝ってくれたことに対して感謝を述べています。

「前置詞 + having + 動詞の過去分詞」となります。

しかし、英会話の口語では、「Thank you for helping me./Thank you for your help.」とカジュアルになりますが、時制の違いをはっきりしたい場合は、是非活用しましょう!

因みに、「He seemed to have forgotten about it.」と「seemed」と過去形の場合は、その後ろの完了形不定詞は、その過去より更に過去の事となります。

時制が一つズレる感覚で構いません。

現在完了形を使わない・使えない場合とは?

現在完了形は時制の違いなどを表現するのに欠かせませんが、使えない、また使わないケースもあります。

現在完了形を使えないケース

会話でもよく使う「when」では、現在完了形は使えません。これは主節でも同様です。

「I have lived overseas when I was a child.」という言い方はできません。

この場合は「I lived overseas when I was a child.」と「主節」も「when節」も過去形として時制の一致となります。

「when」は過去の一点を指しており、継続という表現にはできないためです。

現在完了形を使わないケース

例えば、「最近、読書をよくしています」、「この頃、英語を勉強しています」など、「習慣」を伝える時は現在形(または現在進行形)で表現するのが一般的です。

その場合の副詞(副詞句)でよく使うのが「最近」を意味する「these days」、「recently」または「sometimes(時々)」という表現です。

次の2つのどちらの例文で表現しても構いません。

  • I’m studying English lately.
  • I sometimes study English.

しかし、あえて現在完了形で習慣を伝える場合は、次で説明する「現在完了進行形」をよく使います。

現在完了進行形とは?ルールと例文

現在完了進行形とは、下記のような英文です。

I have been studying English. ※過去分詞は「been」となります。

この表現もよく使います。「have(has) been+動詞ing」の形です。これが現在完了進行形と言われています。

「have(has)been studying」と進行形になっている点が、「I have studied English.」と違います。

しかし、意味も異なるのでしょうか?

例えば、語尾などに何日や何年などの期間がないと、それが完了しているのか分からない、期間があると下記で説明してるようなことと区別することもあります。

基本的にはどちらも継続を表現しています。これはニュアンス的な違いが大きいです。

ここでは、現在完了進行形の方がストレートに習慣を表現しており、「今もまだ継続している」と強調していると思って下さい。また、躍動感がありますね。文章によっては今後も継続するという意味を含む場合も多いです。

一方で、現在完了形の「I have studied English.」はひょっとしたら、今後は勉強しなくなるかもしれない、というニュアンスも含んでいます。

しかし、これは感覚的なもので会話の中で大きな違いはありません。どちらを使っても構いません。

次のような場合もよく強調する意味で「現在完了進行形」を使います。

  • It’s been raining all day today.(今日は、一日中雨が降っています) ※これからも継続して降りそうなイメージですね。
  • I have been telling him so many times.(彼には何度も言っています) ※現在完了形よりも、ずっと言い続けているイメージですね。

未来完了形とは?現在完了形との違いやルールと例文

未来完了形は、ある時点までに未来の出来事が終わっていることを表す時制の1つです。

過去完了があるように、未来にも完了形が存在します。

will(shall) have 過去分詞 ー 未来完了形

未来完了形は 「will have」 または 「shall have」 に過去分詞を続けて作られます。

要するに、通常の副詞+特別な副詞が繋がる感じです。

形としては、「will (shall) +have +過去分詞」となります。

この場合は三単現のs(has)は適応されないので注意が必要です。主語がHeでもSheでもその後ろは変わりません。

このルールは覚えておいて下さい。

では、現在完了形との意味の違いは何になるのでしょうか?例文を見てみましょう。

例文:

  1. 現在完了形:I have finished my homework.(宿題が終わりました。)
  2. 未来完了形:By the time you arrive, I will have finished cooking dinner.(あなたが着く頃には、私は夕食の準備が終わっているでしょう。)

未来完了形と現在完了形の違いは、主に時間軸の違いです。

現在完了形は過去から現在にかけての出来事を表し、未来完了形はある時点までに未来の出来事が完了していることを表します。

つまり、現在完了形は現在と過去をつなげる役割があり、未来完了形は未来の出来事が完了する時点を示す役割があります。よって、「~するまでには」という表現が付いているパターンが多いです。

will (shall) have been 動詞ing ー 未来完了進行形

現在完了形に現在完了進行形があるように、未来にも完了進行形が存在します。

未来完了進行形は、ある未来の時点までに継続している行為や状況を表す時制です。

未来完了形は、ある未来の時点までに終わっているので、その点の意味が全く異なります。

未来完了進行形は 「will (shall) have been 動詞ing」の形で表現できます。

例文は下記となります。

  • By the time you arrive, I will have been working for three hours.(あなたが着く頃には、私は3時間働いているでしょう。)
  • In two hours, they will have been playing soccer for an hour.(2時間後には、彼らは1時間サッカーをしていることになります。)

また、過去完了進行形というのも存在します。「had been 動詞ing」の形で、過去のある時点までに継続していた行為や状況を表す時制です。

下記の例文の意味を見ると分かりやすいかと思います。

  • By the time she arrived, I had been waiting for two hours.(彼女が着くまでに、私は2時間待っていました。)
  • When I woke up, it had been raining for several hours.(私が目覚めたとき、何時間も雨が降っていました。)

未来・現在・過去・現在完了・過去完了・未来完了を時間軸で復習!

過去形との違いではなく、それぞれの時制の違いを下記の図をもう一度参考にしてみて下さい。未来形や過去完了形も記載しています。

これは冒頭でも使っている時間軸の図です。

これまで、過去形や過去完了形との違いなども解説しているので、それぞのれ時間軸でイメージ理解しやすいかと思います。

英語 現在完了形

「study(勉強する)」という単語を使って説明しています。

  • 未来形:I will study. → 今は勉強していないが将来する
  • 現在形:I study.(または、I am studying.) → 現時点で勉強している
  • 過去形:I studied. → 過去のある時点で勉強をしたが、今はしていない(期間は不明)
  • 現在完了形:I have studied. → 過去のある地点から今も(今まで)ずっと継続して勉強している
  • 過去完了形:I had studied. → 過去のある地点から過去のもう一点まで継続して勉強していた
  • 未来完了形:I will have studied. →(上記の表にはありませんが)今の勉強はしているが、未来のある時点で勉強が完了している

過去完了形は、現在完了形の時間軸がそのままある地点の過去までずれた感じになります。

おすすめの参考書やアプリなどで問題を解いて強くなろう!

今まで色々と説明してきましたが、やっぱり問題を解いたりすることで現在完了形に強くなるのも事実です。

初心者でもおすすめの問題集やアプリなどとその特徴もご紹介します。

  1. 『ディスカヴァー・英会話 – ゼロから学ぶ』(著者:石井ゆかり) 特徴: 初心者向けに分かりやすく英文法を解説しており、現在完了形の使い方も丁寧に説明されています。
  2. 『中学英文法完全マスター』(著者:岡本道子) 特徴: 基本的な英文法の復習に適しており、現在完了形に関する問題が豊富に用意されているため、練習が可能です。
  3. 『英語の時間割』(著者:アリスン・デバイン) 特徴: 文法事項別に学習ができ、現在完了形をはじめとする英文法を短期間で習得することが可能です。
  4. Duolingo(デュオリンゴ) 特徴: ゲーム感覚で英語学習ができるアプリで、文法事項を練習できます。現在完了形の練習も含まれているため、楽しみながら学ぶことができます。

Chat GPTやGeminiなどのAI(人工知能)チャットサービスを使って英語の現在完了形をマスターしよう!

しっかりと英語の現在完了形を覚えて使いこなせるようになるために、人工知能(AI)のチャットサービスもおすすめです。

例えば、次のようなプロンプト(命令文)を入力するだけで、現在完了形のトレーニング問題などを瞬時に作ってくれます。

  • 「英語初心者で現在完了形が苦手です。英語初心者でも分かるようなトレーニング問題とその解説を10個下さい。」
  • 「現在完了形の英文の和訳がいつもぎこちないです。例文を使ってコツを教えて下さい。」

など。

まさしく、会話をしながらお願いする感覚でOKです。

この人工知能(AI)のチャットサービスにより、このような確認やトレーニングが容易に可能になっています。この機会に試して下さい。

また、AIチャットサービスで有名なのが2つあります。

一つは「Chat GPT」です。OpenAIが2022年11月に公開した人工知能チャットボットであり、生成AIの一種で、無料版と有料版がありますが、確認やトレーニングは無料版で十分です。

Chat GPT

また、もう一つはGoogleが提供する「Gemini」です。

Gemini

Chat GPT、Geminiのどちらも素晴らしい機能を提供しており、自分に合ったチャットサービスをご活用下さい。アプリもあるので気軽にスマホやタブレットでも使えます。

最後に:日本語にない現在完了形は感覚で捉えることが大切でもある!

試験問題などで「have + 動詞の過去分詞」の文が出てきたら、まず、ここで紹介した4つのどの用法にあてはまるか見極めましょう。

「since」や「just」など一緒につかう単語も、見分ける時に大切なヒントになります。

「1ヶ月」など期間が文の中にあれば継続用法の可能性が高いですし、「once」などの回数の表現があれば経験用法の可能性が高いです。

現在完了形は日本語でつかみにくい感覚なので、多く問題や例文に触れて、現在完了形の感覚に慣れていきましょう。細かな和訳というより感覚が重要です。

特に英字新聞やニュースなど色々なリーディングをしてこのような英語独特の時間時に触れることがベストです。是非、『英語のリーディング|4つのコツや練習・勉強方法や無料アプリなど』の記事も参考にしてみて下さい。

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