「have=何かを持つ」と覚えていませんか?
それ自体間違えではありませんが、もっとアバウトなニュアンスで捉えておいて大丈夫です。
というのも、「have」を和訳する時には色んな形にすることができるとても便利な単語だからです。
それくらい、日常会話の中でもネイティブは様々な場面で「have」を使っています。これは動詞だけではなく、助動詞としても多用しています。
目次
「have」の発音と三単現・過去形
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「have」の発音と発音記号は下記となります。
シッカリと「have」を発音する場合には、「ヘヴ」に近い発音になるのがポイントです。
しかし、弱く発音することも多く、その場合は日本語の「ハヴ」に近いイメージです。
使い分けが必要なのですが、どちらの場合も軽く下唇に上の前歯を乗せる発音の仕方は同じです。聞こえるか、聞こえないかぐらいの強さで構いません。
『Vの発音を今すぐマスターできる簡単な2つの練習方法』の記事でそのトレーニング方法も解説しているので、コツが掴めない方は是非参考にしてみて下さい。
三単現
時制が現在、主語が「I/You/We」や「名詞の複数形」以外の場合、動詞の形が変わるという英語の特徴の1つです。
これは今後の例文などでも基本中の基本となるところでもあります。
主語が「He/She/It/My mother(固有名詞)/Sam(人名)」などが主語の場合ですね。
- He likes soccer.(彼はサッカーが好きです) ※「like」が「likes」となります。これを三単現のsと言います。
- My brother does his homework.(私の弟は宿題をします) ※「do」が「does」と「es」が付きます。
など。
これが「have」の場合は特別で、「has」が「have」の三単現となります。
- He has the same bag.(彼は同じバッグを持っています)
- Japan has many beautiful mountains.(日本には多くの美しい山があります)
など。
この三単現の「has」ですが、助動詞の場合も適応されますので覚えておきましょう。本件については後述します。
現在分詞・過去形・過去分詞
「have」は不規則変化動詞なので、過去形と現在分詞は形が変わります。
下記がそれらを使った例文です。
- 現在分詞・・・He is having fun.(彼は楽しんでいます)
- 過去形・・・He had to finish it by 10.(彼はそれを10時までに終わらせないといけませんでした)
- 過去分詞・・・I have had it for years.(私をそれを何年も所有しています)
2つ目と3つ目の例文で使っている「have・had」については、後ほど説明します。
動詞としての「have」の意味と使い方・例文
先ずは「have」の動詞での活用法などを見ていきましょう。
基本的に「have」の後ろには目的語(~を)が必要な他動詞となります。自動詞のように主語+動詞(I sleep.など)だけでは意味が通じません。
自動詞と他動詞を深堀りしたい方は、『自動詞と他動詞の違いと2つの正しい見分け方・両方使える動詞一覧』の記事を参考にしてみて下さい。
「持っている・所有する・ある・食べる(飲む)など
動詞としての「have」のイメージは「何かを持っている」というので問題ありません。それが広範囲で使えるのでとても便利な単語の1つです。
よって、その広範囲なイメージ捉えれるようになると、それが色々な和訳(飼う・ある・食べる、など)にもなります。
英文を作って話す時やリスニングの時もとても役立ちます。
下記がその例文です。
- I have a dog.(犬を飼っています)
- He has some time to study today.(彼は今日勉強するための時間があります)
- I had enough sleep.(十分に寝ました)
- I had a question to ask.(聞きたい質問が一個ありました)
- My father has a sore throat.(私の父や喉が痛いです)
- We had breakfast at 8 this morning.(私たちは今朝8時に朝食を食べました)
- She has lots of friends.(彼女には多くの友達がいます)
など。色々なシチュエーションで使えますね。
使役動詞
さて、この「have」ですが、「AにBをさせる(してもらう)」という使役動詞としても使う場面が多いです。この場合は「何かを所有している」というイメージではありません。
「have+人・モノ+動詞の原形・過去分詞」の形になります。
下記がその例文です。
- I had him call our client.(彼に顧客に電話してもらいました) ※「have+人+原形」です。
- I have my hand cured.(腕を治療してもらいます) ※「have+モノ+過去分詞」のパターンです。
実はこの使役動詞ですが、他にも「make」や「let」などもあり、使い方に迷う方も多いです。
使い分けと違いは下記となります。
- have・・・自然な流れや仕事や義務でさせる(してもらう)
- make・・・強制してさせる ※一番の強制力が強い使役動詞です。「make+人+動詞の原形」が基本です。『英語の「make」の使い方・意味|18の必要熟語や例文集』の記事も参考にしてみて下さい。
- get・・・お願いや説得でしてもらう ※「get+人+to+動詞の原形」の形になります。『英語の「get」の使い方・意味|16の必要熟語や例文集』でも詳しく解説しています。
- let・・・したいことをさせる・許可する ※「let+人+動詞の原形」が基本となります。『「let」の意味と使い方|過去形や否定形・熟語も28例文で解説!』でも説明しています。
ニュアンスが全然違いますよね?
いつも「have」だけ使えばいいというものはありません。シッカリと場面によって使い分けができるようになりましょう。
ネイティブがよく使う「have」を使った熟語
前述した例文でもいくつかよく使う熟語が含まれていましたが、そこでは紹介しきれなかった表現をご紹介します。
日常会話で使えるものばかりです。
下記がその例文です。
- I have no idea.(分かりません) ※「I don’t know.」と比べると、さっぱり分かりませんという強調しているニュアンスです。
- Have a nice day!(良い一日を!) ※「Have fun!(楽しんで!)」や「Have a good time!」などもあります。
- You want have something to drink?(何か飲みたいのありますか?) ※「have something to 動詞の原形」で「~する何かがある」という意味になります。「I have nothing to do today.(今日は何もやることが無いよ)」などの使い方もできます。
- I have it!(わかった!そうか!) ※「I got it.」との少しフォーマルな言い方ですね。
- I have to do it.(それをしないといけません) ※「have to」の形です。
- You shouldn’t have.(そんなことしなくてよかったのに。ありがとう)
など。色々な場面で使えますね。
最後の2つの例文については、次章の助動詞のところで解説します。
助動詞としての「have」の意味と使い方・例文
ここでは助動詞としての「have」について説明していきますが、それらも動詞として唱えてる文書があったり、少し複雑なのですが「特別な助動詞」という認識でいて下さい。
というのも、主語や時制により「have」の形がかわったり、他の助動詞と一緒に使うことができるという点で例外的な位置づけです。
『英語の15個の助動詞が今すぐ分かる一覧と使い方』の記事も参考にしてみて下さい。
have to(義務)
「~しなければならない」とう義務の場面で使う熟語(助動詞)です。
下記がその例文です。
- He has to study harder for the exam.(彼は試験のためにもっと勉強しなくてはいけない) ※三単現の「has」となります。
- You don’t have to go there.(そこに行かなくてもいいですよ) ※否定形の場合は動詞と同じように、過去の場合は「did not」で、その後ろの「have」は主語に関係なく原形となります。
など。
それと「have to」とよく比較されるのが「must」という助動詞ですね。違いは下記となります。
- have to・・・客観的にもみて「~しなければならない」という義務的なニュアンスです。
- must・・・他は関係なく絶対に「~しなくてはいけない」という強制の意味が強いです。
これについては、『「have to」と「must」の決定的な3つの違いと使い分け!』の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみて下さい。
現在完了形
日本語には無い「完了形」という時に使うのが「have/has」です。
現在完了形の場合は、過去から今までの行動や経験などを表現する時に使います。
「主語+have/has+過去分詞」の形が基本です。
詳しくは、『英語の現在完了形|過去形との違い・4つの用法や例文と時間軸イメージ』でも解説しています。
下記が例文です。
- Have you ever been to Japan?(日本に行ったことがありますか?)
- He has just finished his work.(彼は今ちょうど仕事が終わりました)
- I haven’t watched the movie yet.(まだ、その映画は見ていません) ※否定形は「have not/has not」となります。「do not have」にはならないので注意して下さい。
など。
過去完了形
こちらも完了形の1つですが、仮定法過去完了という形で使われることが多いです。
仮定法過去など、色々な仮定法については、『英語の仮定法|すぐにマスターできる簡単な2つの基本ルール』の記事も参考にして下さい。
仮定法過去完了は、「(過去に)もし~だったら、~したでしょう」という過去について仮定法というのが簡単な説明です。「if節」が省略されるケースも多いのが特徴です。
ここでもポイントが、他の助動詞と一緒に「have(原形)」を使うのですが、意味が違ってくるところです。
「別の助動詞+have(原形)+過去分詞」が基本の形です。
それぞれのニュアンスの違いを見てみましょう。
- would have 過去分詞:もし~だったら、~したでしょう(でもしなかった)※『「would」の意味と5つの使い方|doやwill、couldなどの違いも解説・例文』も確認してみましょう。
- could have 過去分詞:~できたのに(でもできなかった) ※『「could」の意味や7つの使い方|canやwouldなど他の助動詞との違いなど』の記事でも解説しています。
- should have 過去分詞:~すべきでした(でもしなかった) ※後悔の気持ちの表現です。『shouldの意味と使い方|義務・推量や仮定法など主な5つの活用法とは?』も参考にしてみて下さい。
この他に、「~したかもしれない(でもしていない)」の「may/might have 過去分詞」の形もあります。
未来完了形
3つ目の完了形が「過去から未来も~(継続して)しているだろう」、または「何かの前に動作が完了している」というパターンです。この場合も「have」を使います。
「will/be going to + have +過去分詞」の形です。
下記がその例文です。
- I am going to have finished my work by the time you come.(あなたが来るまでに仕事は終わっているでしょう)
- She will have lived here next year.(彼女は来年もここに住んでいるでしょう)
など。
通常の未来形の場合は、『英語の未来形|2つのwillやgoing toの使い方やルールなど』にも書いている通り、「will」と「be going to」はニュアンスが異なりますが、未来完了形の場合はあまり差がなくそのままどちらでも使えます。
まとめ:「have」は英会話には絶対に欠かせない!
いかがでしたでしょうか?
簡単そうで実は奥深いのが「have」で、知れば知るほど英会話でものすごく活用できる単語です。
だからこそ、「have」のイメージと和訳を「持つ」というのに限定するのはとても危険だとも分かりますね。あなたの英語表現自体を制限してしまいます。
ここで挙げた例文などを参考にして、ドンドン使って自分のものにしましょう。