アナ雪の主題歌でもある「Let it go」やビートルズの名曲にもある「Let it be」に使われている使役動詞(~させる)の「let(レット)」。
もちろん、英会話の中でも次のようなケースでよく使われています。
下記が例文の一部です。
- Let me know if anything.(何かあったら教えて下さい) ※「~して下さい」とお願いする時
- Let me see.(えーと) ※考え中のつなぎ言葉としての役割もあります
- Let’s go!(行きましょう!) ※「let us」を短縮して「~しましょう!」という時
- I let you try it.(あなたにそれをさせます) ※何かの許可を出す時
など。
他にも「let go of ~.(~を離す)」や「let alone ~(~はもちろんのこと)」などのネイティブも使う熟語があります。
口語でも文語でも頻繁に出てくる「let」ですが、あまり深く勉強することはあまりありませんね。
目次
「let」の意味と使い方の基本
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冒頭でもお伝えしましたが、「let」は「~させる」という使役動詞になります。
「let」と他の使役動詞との違いと意味
「~させる」という使役動詞は他に、「make」、「have」、「get ~ to」があります。
「let(レット)」もこの仲間になりますが、意味は次の通りです。
人やモノが何かをするのを許す(許可する)
同じ「~させる」という日本語訳はどれも同じなのですが、ニュアンスが全然違います。
使役動詞の「get~to」「make」「have」「let」の違い
下記のポイントを押さえれば使い方は簡単で、それぞれのニュアンスの違いが明確に分かります。
- 「get~to」・・・お願いや説得でさせる ※「ask~to」に近いですね。
- 「make」・・・強制してさせる
- 「have」・・・自然な流れや義務でさせる
- 「let」・・・したいことをさせる、許可する
要するに「let」は強制でもなく、「相手がやりたいことをやらせてあげる」という意味が強くなります。
「let」の使い方と基本の形とは?
さて、ここで実際にどのような場面で使われているのか、または「let」の過去形なども見ていきましょう。
冒頭の例文でもありますが、英会話などで使う時は基本の形は下記となります。
(主語)+ let + 人(モノ)+ 動詞の原形(副詞)
人(モノ)の箇所は目的語となります。
下記がその使い方の例文です。
- I will let you go there.(そこに行かせてあげます/許します) ※~を許すというパターン
- Let me play video games.(ゲームをさせて下さい) ※命令形にしたパターン
- Don’t let me down.(がっかりさせないで下さい) ※副詞のパターン
- Let it be.(そのままにして) ※目的語がモノのパターン
- Let’s do it!(そうしましょう!) ※「let us」を短縮したパターン
- Let’s not attend the party.(そのパーティーに出席するのはやめよう) ※否定形のパターン
など。
それぞれは詳しく後ほど説明しますが、色々な場面で使えますね。
因みに、許可を出すという意味では、「I allow you to go there.」と「allow(許す)」という動詞を使ってフォーマルに表現することもできます。
過去形や三人称単数の場合
「let」は不規則動詞の1つで、過去形でも過去分詞でも「ed」が付きません。
また、原形、過去形、過去分詞と同じ「let」で表現するため、文脈から時制などを判断する必要があります。
その点が他の動詞と違い少し難しいですね。
「let」と同じように全く変わらない動詞は次の通りです。この機会に触れておきましょう。
- hit(打つ)
- put(置く)
- cost(費用がかかる)
- set(整える)
- bet(賭ける)
- cut(切る)
など、参考にしてみて下さい。
また、主語が三人称単数の場合で時制が現在であれば、次のようになります。
「He lets me in.(彼に中/仲間に入れてもらう)」など、「lets(レッツ)」という形になります。
読み方は同じでも、後ほど紹介する短縮形の「let’s」とは意味が全く違うのでその点は注意しましょう。
「Let me ~」はお願いする時に使う!
「let」についてある程度の基本がわかったと思います。
よって、これからは実際にネイティブが会話でよく使う形を確認して、英語力UPにつなげて下さい。
先ずは、「let me ~」の形で、相手に「~させて(下さい)」とお願いする時に使うフレーズです。
直訳では「私が~することを許可して/許して」となりますが、ニュアンス的にはカジュアルです。
フォーマルに表現する場合は、「Please allow me to ~」という言い方があります。
下記が
- Let me know when you come.(いつ来るのか教えてね)
- Let me in.(中に入れて)
- Let me introduce myself.(自己紹介をさせて下さい) ※ビジネスの面接などの場合も使えます。
など。
もちろん、「me」の目的語を他の人称などに代えることもできます。
- Let him join our team.(彼が私たちのチームに加わることを許して/お願いします)
- Let Tom come with us.(トムを私たちと一緒に来させて下さい)
など、色々な場面で使いましょう。
「Let us ~」と「Let’s ~」の違いとは?
さて、「let’s(レッツ)」は「let us」の短縮だと知っている方もいるかと思いますが、同じ意味ではありません。
下記がその違いです。
- Let’s go!(行きましょう) ※「~しましょう」と相手に同調を誘う場合に使います。
- Let us go.(私たちに行かせてください) ※「~させて下さい」と先ほどの「let me ~」と同じでお願いする時に使います。
当たり前のことですが、「let’s ~(~しましょう)」という場合はあなたも含めて2人以上の複数の場合に使います。
- Let’s play baseball.(野球をしよう)
- Let’s have some fun.(楽しもう)
- Let’s talk.(話そう・話し合おう)
など、一人の時は基本的に使いません。
「Let’s see.」と「Let me see.」の違い
どちらともに「えーと」と何かを考えている時に使えるつなぎ言葉の1つです。
直訳では「考えさせて」となります。
しかし、目的語が違いますね。「me」と「us」です。
よって、明確に次の違いがあります。
- Let me see. → 自分に向けられた質問の場合などに使います。
- Let’s see. → 複数人に向けられた質問の場合などに使います。どこに旅行にいこうか、など一緒に考えている時もですね。
他のつなぎ言葉については、『「うーん」や「えーと」など英会話で使う「つなぎ言葉」23選』でも紹介しているので英会話に活かしてみて下さい。
「Let it go」と「Let it be」を解説!
さて、冒頭でも紹介した、アナ雪の主題歌「Let it go」ですが、日本語訳では「ありのままで」となっています。
しかし、これには違和感を持つ英語学習者は多いはずです。
というのも、目的語が人以外(モノ)などで「Let it go」となると、「なるようになる」という意味がその形としての訳としては適切だからです。
「go」以外の動詞も使えます。
例えば、雨がめちゃくちゃ降っていて、試合があるかどうか分からない時など次のような文を使います。
「Let it rain.」で、「降るのは降るでしょうがいない、どうにかなるでしょう」というニュアンスになります。
しかし、歌詞全体の意味から「ありのまま」がフィットしたのでしょう。
また、ビートルズの「Let it be」ですが、会話でも使います。意味は、「そのままにする」となります。
「ありのまま」を表現するなら、この「Let it be」がしっくりくる人が多いのではないでしょうか。
「let」を使った否定形のパターン
さて、肯定文ばかりみてきましたが、会話では否定文も使いますよね。
この形も押さえておくことも重要です。また、否定形になると少し意味が変わる場合があります。
「let」の否定形(~させないで)
場面によっては、許可ではなくなり、「~させないで」となるパターンもあります。
下記が命令形の否定です。
- Don’t let me down.(がっかりさせないで)
- Don’t let me talk to your parents.(あなたの親と話させるようなことはしないで)
など。
また、頭を短縮(Dont’t)せずに「Do not let ~」とした場合は、更に強調する言い方となります。
「let’s」の否定形(~しないでおこう)
「~しましょう」の否定の場合、「not」の位置が重要です。
基本的には、「not」は「Let’s」の後ろに置いて、「Let’s not play now.(今は遊ぶのはやまよう)」など。
また、今はほとんど使われませんが、「Don’t let’s ~」という言い方もあるので、使わないでも知識として知っておきましょう。
「let go of ~」などの熟語も押さえる!
「let」には代表的な熟語がいくつかあります。
上述の例文にもある「let ~ down(~をがっかりさせる)」というのも熟語の1つです。
「let go.」など、動詞が何故2つ重なるのか(make believe/~の振りをする、なども)などは気にせずに、そのまま熟語として覚えるのがポイントです。
例文と一緒に見てみましょう。
- Let go of me.(離して!)(または、Let go.のみ) ※「Let me go.」と同じ意味になります。誰らに掴まれている時などに使いますね。または、相手に「Let go of the rope.(ロープを離して!)」などと対象物を話す場合にも使えます。
- The snow let up last night.(雪は昨日の夜、静まりました) ※止む、おさまるなどの場合に使うのが「let up」です。
- You should let loose.(リラックスして!) ※「let loose」は他にも、解放すなどの意味もあります。「loose(ルース)」は緩むという形容詞です。
- He can’t read English, let alone speak.(彼はしゃべれないのはもちろんのこと、英語を読めない) ※「let alone ~」は「~はもちろんのこと(言うまでもなく)」という表現ですが、否定形で使われることが多いです。他にも「He doesn’t know anyone, let alone me.(彼は私はもちろんのこと、誰も知らない)」など。
まとめ:「let」を使えるようになると会話も弾む!
いかがでしたでしょうか?
このように深堀して「let」を勉強することはないですよね。これまでの解説や例文通り、様々なシチュエーションで使えるのが「let」です。
「~させる」という使役動詞だからと言って堅苦しい表現ではありません。気軽にドンドン使っていきましょう!