
リンキング(リエゾン)とはどんなものなのでしょうか?
リスニングがどうしてもうまく行かないという方の中には、このリンキング(リエゾン)をマスターしていない方が少なくありません。
単語も勉強した、英語を聞いた後に、「英文を目で見ると理解できているのに、なぜ聞けないんだろう?」と思っている方は必見です!
また、リンキングをマスターするには、リダクションという似たものやフラッピングという関連したものもがあり、これらの方法も知っておく必要があります。
目次:
1.リンキング(リエゾン)とは?
2.リスニングに欠かせない!残り2つの重要ポイント
・リダクション
・フラッピング
3.リンキング(リエゾン)などの法則と例一覧
・法則その1.リンキング
・法則その2.リダクション
・法則その3.フラッピング
・リンキング(リエゾン)例一覧
4.リンキング(リエゾン)のおすすめ勉強法や教材・サイトなど
・おすすめその1.ディクテーション
・おすすめその2.数当てトレーニング
・おすすめその3.実際に自分で発音してみる!
まとめ:リンキング(リエゾン)を習得すると発音も良くなる!
1.リンキング(リエゾン)とは?
義務教育では教えられていないけど、リンキング、またはリエゾンという英語用語を聞くことがあるかと思いますが、2つとも同じ意味です。
- リンキング・・・Linkingという単語で「繋がり」という意味
- リエゾン・・・フランス語で「連音」という意味
言葉で説明しても難しいですよね。
それでは、次の音声を聞いて使われている単語を当てましょう。
あなたはどのような音に聞こえましたか?
何か難しそうな単語を想像しませんでしたか?
実は、下記が音声で使われた単語です。
正解:in and out of(イネナウロブ)
全て、中1で習う単語ですが、1つの音に聞こえませんでしたか?
この「音と音のつながり」が、リンキング(リエゾン)と言います。
ネイティブはこのリンキング(リエゾン)を無数に会話の中で使っています。
一番身近な例で言うと、「Thank you」です。
誰も、「サンク・ユー」と区切って話すことはしません。「サンキュー」と繋げて発音しています。これがリンキング(リエゾン)だと思ってください。
このことを知らないでリスニングの上達はありません。
2.リスニングに欠かせない!残り2つの重要ポイント
さて、英語にはこの音と音のつながりがあるのはわかったかと思いますが、リンキング(リエゾン)に欠かせない2つの重要な要素があります。
それぞれを見てみましょう。
リダクション
「リダクション(reduction)」とは、単語単体では発音するのに、リンキングする際に「消える音」のことです。
先ほどの「in and out of」のサンプル音声ですが、「and」の「d」が消えています。
もう一度聞いてみましょう。今回は「and out」のところだけに集中して聞いて下さい。
「d」の音が落ちてましたね。これがリダクションです。
また、後ほど法則のところで解説しますが、同じ音が重なった時には1つの音のみ発音するのもリダクションと言います。
フラッピング
「フラッピング(flapping)」とは、リンキングする時に「t(またはd)」で「舌を弾く音」になることです。
これはアメリカ英語でよく使われる発音方法で、リンキングの時だけではなく、単語単体でもこのフラッピングは使われます。
身近な単語でのフラッピングの例が下記となります。
- water → ワラー
- party → パーリー
- computer → コンピューラー
などです。
先ほどの「in and out of」のサンプル音声では、「out」と「of」をリンキングする際に、このフラッピングを使っています。
「out of」のところだけに集中してもう一度聞いてみましょう。
「out」の「t」が舌を弾いた音(ラ行に近い音)になってましたね。これがフラッピングです。
3.リンキング(リエゾン)などの法則と例一覧
さて、リンキング(リエゾン)や、リダクション、フラッピングですが、何か法則があるのでしょうか?
法則その1.リンキング
基本的には「子音」+「母音」の場合によくリンキングが発生します。
例えばここで問題です。
「I did it when I went there.」という英文があったとします。
ここで「子音」+「母音」という法則に沿うと、どこがリンキングしているでしょうか?
「did it(子音+母音)」と「when I(子音+母音)」のところですね。
また、例外として、「子音」+youなどのの「y」が重なることでもリンキングが起きます。
「and you(アンジュー)」などです。
法則その2.リダクション
リダクションは音が落ちるという説明をしましたが、先ほど説明した以外をここでご紹介します。
例えば、「want to」を発音してみましょう。
多くの日本人は、「ウォント・トゥ」と「t」を2回発音します。
しかしネイティブは、「ウォントゥ」と「t」を1回のみ発音します。要するに1つの「t」が落ちています。
単語の最後の発音と次の単語の出だしの発音が同じであれば、このリダクションの法則が適応されます。
また、「him」や「her」など「h」から始まる単語で、その前の単語が「with」や「want」などの場合は、「h」が消える場合もあります。
法則その3.フラッピング
このフラッピングが、特にアメリカが英語のリンキングで多用されます。
主に「t」で終わる単語と次の単語の出だしで舌を弾く音になります。
「What are you doing?」でフラッピング(リンキング)はどこになるでしょうか?
ここでは、「子音」+「母音」の法則が適応されます。
「what」と「are」のところがフラッピングしていましたね。
リンキング(リエゾン)例一覧
ここでご紹介した例文も含めて、リダクションやフラッピングも含めたリンキング(リエゾン)の例を紹介していますので、慣らす意味でも目を通しておきましょう!
- when I:通常のリンキングで「ウェナイ」
- can you:通常のリンキングで「キャニュー」
- want to:通常のリダクションで「ウォントゥ」
- what are:通常のリンキングで「ウァター」、フラッピングで「ウァラー」
- did it :通常のリンキングで「ディディト」、フラッピングで「ディリット」
- shut up:リンキングとフラッピングで「シャラップ」
- and you :通常のリンキングで「アンジュー」
- and I:通常のリンキングで「アンダイ」、リダクションでリンキングして「アナイ」
- with him:リダクションで「ウィジム」
- want her:リダクションで「ウォンター」
4.リンキング(リエゾン)のおすすめ勉強法や教材・サイトなど
さて、このリンキング(リエゾン)の重要性や知識をご紹介しましたが、実際にリスニングが向上するためにどのような練習をすればいいのでしょうか?
自分に合った勉強法を見つけてみましょう。ここでは3つの勉強法をご紹介しています。
どれもリスニングにも有効なものなので参考にしてみて下さい。
おすすめその1.ディクテーション
先ず初心者でも出来る方法が、「ディクテーション」です。
聞いた音声(英文)を、書きだすという方法です。初心者は今までご購入された教材についていたどの音声CDでもいいので、一英文毎に書き出してみて下さい。
その際に注意するのが、ナチュラルスピードであること、また一英文が5~10単語で構成されていることです。
書き出すことで、自分が聞いた音がリンキング(リエゾン)を認識しているかの確認になります。とても効果的な方法です。
『英語のディクテーション|初心者にも効果が出る7つのコツ』の記事も参考にしてみて下さい。
おすすめその2.数当てトレーニング
数当てトレーニングは、マイスキ英語で常にお勧めしているリスニング方法です。
聞いた一英文が何単語で構成されているか?の練習になります。
サンプルでも使った英文で、「in and out of」ですが、しっかりと4単語で聞こえていたのかなどの確認になります。
リンキング(リエゾン)をマスターするにはとても有効ですのでトライしてみましょう!
リスニング上達法としては欠かせない方法なので、『英語のリスニング力が驚くほど開花する超簡単な勉強法』の記事を参考にしてみて下さい。
最適な教材などもご紹介しています。
おすすめその3.実際に自分で発音してみる!
リンキングにも強くなるし、発音もよくなるので一石二鳥ですね。
CDなどの音声を真似して、自分の発音を録音してみましょう。
その音と聞き比べをしますが、その時にネイティブと同じ個所をリンキングしているかを確認します。
これは私もよく実践した方法ですね。
まとめ:リンキング(リエゾン)を習得すると発音も良くなる!
すでにお気付きかもしれませんが、リンキング(リエゾン)をマスターするとリスニング力だけではなく、発音も上達していきます。
日本語訛りの英語ではなく、ネイティブに近い発音も手にすることができます。
しかし、先ずはあなたの悩みである今までなぜ聞き取れなかったのか、という疑問がリンキング(リエゾン)に慣れることで悩みを解消してくれる可能性が高くなります。
ジャンルを問わず色々な英語の音を聞いて、毎日数分でもいいので、リンキング(リエゾン)に注意して音声を聞く習慣を作りましょう!それが、解決への一番の近道です。