英語の文法を学ぶとよく出てくる品詞という言葉。よくわからないという人が多いのではないでしょうか。
多くの人がつまずく英語の品詞ですが、英語学習ではとても大切な部分です。
品詞を理解していると、英語学習のスピードが何倍にもアップします。
目次
英語の品詞とは?|種類と区別
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英語の品詞は、各単語の種類をさします。
それぞれの単語の持つ意味から、ある特定のルールでそれぞれの品詞の種類に振り分けています。
英語を学んでいるとよく出てくる動詞や名詞。これも品詞の種類です。
動作や状態を表すのが動詞で、「walk(歩く)」や「eat(食べる)」などが動詞という品詞になります。
この種類分けをする品詞は、大きく分けると、下記の8種類に分けることができます。
- 名詞
- 代名詞
- 動詞
- 形容詞
- 副詞
- 前置詞
- 接続詞
- 間投詞
それぞれの特徴、違いなどは後ほど詳しく解説します。
品詞一覧|英語名と省略記号
品詞は辞書や参考書などで、省略記号で書かれることが多いです。
品詞の英語名と日本語と英語の省略記号は下記となります。
また、辞書にはその他の記号で発音、複数形、過去形(過去分詞)など重要なものもあります。『英語の辞書|効率UPの勉強法!おおすめ辞書の使い方と選び方』の記事も参考にしてみて下さい。
英語の品詞分解とは?|語順(順番)
英語の文法で品詞についてよく出てくる「品詞分解」という言葉。なんだか、難しそうな用語ですよね。
漢字が並んでいて、難しそうに見える品詞分解ですが、実はすごく簡単です。
単語ごと、つまり品詞ごとにわけて、英文を理解しようとする方法のことです。
例文を見てみましょう。
【例文】I speak English.(私は英語を話します。)
この場合、I/speak/Englishの3つの単語に分けることができます。
IとEnglishは名詞、speakは動詞です。
これだけです。どうでしょう、難しくないですよね。
英語の文法、つまり英文は基本的に分解した単語の語順(順番)で成り立っています。是非、『英語の文法|英文法の基礎はたった1つしかない』の記事も参考にしてみて下さい。
簡単に英文法が理解できていくはずです。
次は品詞分解した単語がどの品詞に属しているのかを見分ける前のちょっとしたコツをお教えします。
品詞の見分け方のコツ|意味・位置・語尾
多くの文は名詞や動詞以外の品詞も使います。使われている品詞の種類が多いと、品詞分解が難しく感じるかもしれません。
しかし、そこには見分けるためのコツが存在します。
品詞分解の時に、英語の品詞を見分けるコツは3つあります。
意味で品詞を見分ける
品詞は意味ごとでわかれているので、まずその単語の意味を見てみましょう。
動作を示す単語は動詞など、シンプルに見てすぐにわかる品詞もあります。
位置で品詞を見分ける
品詞の位置にも注目しましょう。主語や述語、目的語などです。
品詞によって、文中で使える位置(役割)が決まっています。
主語で使われている場合、名詞か代名詞です。述語で使われている場合は動詞、目的語で使われている場合は、名詞、代名詞、形容詞のどれかとなります。
このように、使われている位置によってかなり品詞が限定されます。
語尾で品詞を見分ける
意味や位置で判断できない場合は、語尾で見分けられる場合もあります。
英語の語尾は接尾辞といいますが、これを見るだけで品詞が見分けられる場合があります。
例えば、「-er」は「~する人」という名詞で使う接尾辞です。
【例】
- writer(作家)→ write(書く) + er(~する人)=書く人
- teacher(教師)→ teach(教える)+ er(~する人)=教える人
- employer(雇用者)→ employ(雇う)+er(する人)=雇う人
このように、「er」がついた単語であれば、名詞である可能性が高いです。
接尾辞については、『英語の語源|英語の初心者でも分かる22個の接尾辞一覧』で詳しく解説しています。
これから、それぞれの品詞の説明でも、よく使う語尾を紹介します。
尚、日本語の意味がわかる場合は、日本語の語尾も見分けるヒントになります。
例えば、形容詞は「beautiful(美しい)」や、「short(短い)」など語尾に「い」が付くことが多いです。このような、日本語の語尾のヒントも、この後それぞれの項目で解説します。
品詞その1.「名詞」の特徴と見分け方
名詞は、「人、物、こと」を表す単語です。
英文のなかで、最も多く使われる品詞が名詞です。
『英語の名詞一覧|6つの種類や使い方・形容詞との関係も解説』の記事で詳しく解説しています。
【例】
- apple(りんご)
- car(車)
- book(本)
- dog(犬)
- Tom(トム)※人の名前
- France(フランス)※国の名前
上記のように、物や人のように実際に存在するもの以外の名詞もあります。
【例】
- dream(夢)
- information(情報)
- kindness(やさしさ)
名詞の接尾辞
名詞でよく使う接尾辞は下記となります。
- -ion, -sion:~すること ※例/conclusion(結論)
- -ness:~であること ※例/happiness(幸福)
- -ment:~すること ※例/entertainment(エンターテイメント)
- -ance, -ence:~すること ※例/distance(距離)
- -ship:~であること ※例/friendship(友情)
- -ity:~であること ※例/ability(能力)
- -tude:~こと ※例/altitude(高度、高所)
- -th:~であること ※例/truth(真実)
- -ure:~すること ※例/adventure(冒険)
- -logy:学問 ※例/psychology(心理学)
- -ism:主義 ※例/nationalism(国家主義)
- -ary, -ery, -ory:場所 ※例/library(図書館)
- -ar, -or, -er , -ian, -ant, -ent , -ist:~する人 ※例/scientist(科学者)
- -ee:~される人 ※例/employee(従業員)
- -hood:~であること(身分、集団、境遇など) ※例/childhood(幼少時代)
【名詞の種類】可算名詞と不可算名詞
名詞は、可算名詞と不可算名詞の2種類があります。数えられるか、数えられないかの違いです。
数えられる名詞は英語でcountable nounで、辞書の省略記号は[C]です。一方、数えられない名詞はuncountable nounで、辞書の省略記号は[U]です。
可算名詞と不可算名詞の違いについては、『英語の名詞|可算名詞と不可算名詞の2つを押さえるだけ!』で詳しく解説しています。
品詞その2.「代名詞」の特徴と見分け方
代名詞は、その名の通り名詞の代わりに使う単語です。日本語でいうと「これ」「あれ」「それ」などが代名詞です。
代名詞は会話や文章で、一度出てきた名詞を繰り返すのを避けるために使います。
例をみてみましょう。
・Brad Pitt is an actor. /ブラッドピットは俳優です。
・Brad Pitt is an American. /ブラッドピットはアメリカ人です。
・Brad Pitt is in many Hollywood movies. /ブラッドピットは多くのハリウッド映画に出演しています。
上記の文は、どれも主語は「Brad Pitt」です。毎回、「Brad Pitt」と言っても間違いではありませんが、長いですし、同じ言葉の繰り返しになってしまいます。
そこで、普通の会話では2回目以降の「Brad Pitt」を代名詞の「he(彼)」に変えます。このように、代名詞を使うことで、文を短くすっきりさせることができます。
よくつかう代名詞の例
よく使う英語の代名詞は下記となります。
- I(私)
- you(あなた、あなたたち)
- we(私たち)
- he(彼)
- she(彼女)
- it(それ)
- they(それら、彼ら、彼女たち)
- this(これ)
- that(あれ)
- these(これら)
- those(あれら)
尚、Iやheなどの人物に使う人称代名詞については『英語の人称代名詞が5分で分かる一覧表』で詳しく解説しています。変化形の一覧表などもあるので、是非参考にしてくださいね。
品詞その3.「動詞」の特徴と見分け方
動詞は動作や状態を表す言葉です。
例えば、「walk(歩く)」や「read(読む)」などが動詞です。
一部の例外を除いて、英文にはほぼ100%動詞が入ります。
動詞については、『英語の動詞一覧|2種類ある動詞の基本と使い方・活用方法』の記事にて詳しく解説しています。
be動詞と一般動詞
英語の動詞には、be動詞と一般動詞があります。
be動詞は、そんなの通り「be」という動詞です。「ある」や「いる」という意味です。「be」動詞は主語や時制(現在・過去・未来)によって変化します。
be動詞の変化形は下記となります。
- is
- am
- was
- are
- were
- been
be動詞以外の動詞は、一般動詞です。
例で紹介した「walk(歩く)」と「read(読む)」も一般動詞です。
また、一般動詞には、自動詞と他動詞があります。
自動詞は目的語をとることができない動詞で、主語自ら動く場合に使います。他動詞は、目的語をとることができる動詞です。
例の「walk」は自動詞、「read」は「本を読む」など目的語をとることができるので、他動詞です。
辞書で見ると分かりやすいです。
省略表記は、自動詞が[自]又は[vi]、他動詞が[他]または [vt]です。
自動詞と他動詞については『英語の5文型(語順)の見分け方・例文と簡単マスター勉強法』でも解説しています。
動詞の接尾辞
動詞をつくる接尾辞の例は下記となります。
- – fy:~化する、~にする ※例/simplify(シンプルにする)
- – ize,-ise:~する ※例/advertise(宣伝する)
- – en:~する ※例/shorten(短くする)
助動詞
動詞の分類に入る助動詞も、必ず押さえておきたい品詞です。
「can(~できる)」や「need(~する必要がある)」など、動詞の前に置いて使う単語です。「~できる」「~だろう」「~かもしれない」「~する必要がある」など、頭で考えていることを表す表現です。
助動詞については『英語の15個の助動詞が今すぐ分かる一覧と使い方』で詳しく解説しています。知っておきたい15個の助動詞もご紹介しています。
品詞その4.「形容詞」の特徴と見分け方
形容詞は名詞を修飾する言葉です。
名詞とセットか、目的語の位置で使うことが多いです。
「修飾する」は文法用語で、普段あまり使わない言葉ですよね。簡単にいうと名詞に説明を加える言葉です。
名詞がどんなものなのか、具体的な情報を与える単語が形容詞です。
例文を見てみましょう。
【例文】It is an interesting book.(それは、面白い本です。)
この場合、形容詞の「interesting(面白い)」が、名詞の「book(本)」について詳しい情報を追加しています。
形容詞は、「beautiful(美しい)」や、「bright(明るい)」、「short(短い)」など、日本語にすると「い」で終わる場合が多いです。
形容詞については、『英語の形容詞一覧|これで十分!絶対に押さえたい2つの用法』でも詳しく解説しています。
形容詞の接尾辞
形容詞をつくる接尾辞の例は下記となります。
- – able,-ible, -ble:~できる、~しうる ※例/available(利用できる)
- – al:性質 ※例/actual(実際の)
- – ant:人、もの ※例/servant(召使い)
- -(i)ous:~性の、~の多い ※例/dangerous(危険な)
- -ly:時間の間隔 ※例/daily(毎日の)
- -ish:性質、状態、属性※例/childish(子供じみた)
「冠詞」とは?
形容詞の分類に含まれる「a」と「the」の英語の冠詞も、知っておきたい品詞です。
冠詞については『もう悩まない!aとtheや英語の冠詞の使い方を5分で解決』で詳しく解説しています。
品詞その5.「副詞」の特徴と見分け方
副詞は、動詞や形容詞、副詞などを修飾する品詞です。
また、単語だけでなく文章の一部分や、文全体を修飾する場合もあります。
「very(とても)」や「really(本当に)」「slowly(ゆっくり)」などが副詞の例です。
基本的に名詞を修飾するのは形容詞ですが、一部、名詞を修飾する副詞もあります。
例のreally やslowlyのように、副詞の多くは語尾が「ly」です。形容詞に「ly」を付けただけの単語が多いです。
副詞については、『英語の副詞一覧|形容詞との違いや位置がたった5分で分かる』でさらに詳しく解説しています。「ly」以外のイレギュラーな語尾などもご紹介しています。
品詞その6.「前置詞」の特徴と見分け方
前置詞は、その名の通り名詞の前に置く言葉です。
名詞と一緒に使うことで、時間、原因、方法などを表すことができます。時間や日付、曜日など、日常会話で多く使うので、とても大切な品詞です。
【例文】The pen is on the table.(ペンはテーブルの上です。)
この文では「on」が前置詞です。このように、前置詞だけでは意味はありませんが、これが抜けると日本語の「て・に・を・は」と同じように、違和感がある英語になります。
よく使う前置詞の例
in, on, at, of, by, for, from, among, as, until
前置詞は、まだまだたくさんあります。『英語の前置詞一覧|全部で78個ある前置詞の解説と使い方』で全ての前置詞を解説しています。
品詞その7.「接続詞」の特徴と見分け方
接続詞は文と文を繋ぐパーツです。文の一部や、単語を繋ぐ場合もあります。
例えば「and(~もまた)」や「but(しかし)」などが接続詞です。「or」や「because」、「when」なども接続詞です。
前置詞と似ていて間違いやすいので要注意です。前置詞の後ろは名詞ですが、接続詞の後ろは主語+動詞など文章がくることが多いです。
【例文】He was very happy because he passed the exam. (彼は試験にパスしたので、とても幸せでした。)
尚、接続詞については、『英語の接続詞一覧|42種類ある接続詞の簡単解説と使い方』で、詳しく解説しています。全ての接続詞とその解説があるので、参考にしてください。
品詞その8.「間投詞」の特徴と見分け方
間投詞は「Oh!(おー!)」や「Wow!(ワオ!)」など、感情を表す言葉です。
文章のなかではなく、間投詞だけで独立して使います。
よく使う間投詞
- Hey!
- Oh my god!
- Yeah
- Well
まとめ:品詞が英語学習に役立つ理由とは?
8つの品詞の名前を見ただけで、やる気が失せてしまったかもしれません。
たしかに、品詞の概念は、すこしとっつきにくい部分があります。
でも、もしあなたが、「英語が話せるようになりたい」と思っているなら、少し時間をかけて品詞についても多少勉強したほうがいいでしょう。
一人で勉強するのが苦手な場合は、格安のオンライン英会話を使ってプロの講師から直接学ぶのも効果的です。
品詞は文法の基礎で、品詞がわからないと文法を理解することができません。文法は、外国語である英語を最短で理解するための、マニュアルみたいなものです。
ゲームで言えば、攻略方法を教えてくれるサイトみたいなものです。なくても、ゲームを楽しむことができますが、サイトを見ながら遊んだ場合に比べて、進む度合いはかなり遅くなります。
英語学習は、ひとつのゲーム攻略よりも、かなり内容の幅もかかる時間も多いので、文法を知らずに英語を学ぶのは無謀です。
攻略方法のマニュアルである、文法を理解するために、まず勉強すべき基本が品詞です。
辞書や参考書にも、品詞がたくさん出てきます。少し時間をかけて、品詞の概念を学習すると、辞書や参考書も何倍も効率的に活用することができます。
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