
英語の単語をたくさん覚えたいけれど、なかなか数が覚えられないとお困りではありませんか?
英語の表現力、読解力を向上させたいと思ったら、英単語をある程度まとまった数覚える必要があります。
でも、全く知らない単語を1000個も2000個も覚えるのは大変ですよね。
そんな時にオススメなのは英単語の語源を知って、同じグループを一気に覚えてしまう方法です。ひとつひとつ覚えるよりはるかに速いスピードで覚えられます。
ここでは、語源を学ぶ意味と中でも一番初めに覚えたい名詞にする接尾辞をまとめました。
因みに語源は英語で「etymology(エティモロジー)」や「the origin of a word」などと言います。
最後には、どれくらい英語の「語源」(今回は接尾辞)を理解したのかを試せる、「まとめクイズ」を用意していますので、是非チャレンジしてみましょう!
【目次】
1.英語の語源に重要な接尾辞とは?
2.様々な接尾辞で分かる英語の語源
2-1.人(もの)を表わす接尾辞で分かる英語の語源
2-2.場所を表わす接尾辞で分かる英語の語源
2-3.その他の接尾辞で分かる英語の語源
1.英語の語源に重要な接尾辞とは?

接尾辞は、単語の一番後ろに付いている部分です。
ここを見ると、名詞、動詞、形容詞などの品詞がだいたいわかります。
さらに、名詞の中でも人を表わすのか、場所を表わすのか、その他さまざまな行動を表わすのかがなんとなくわかるのも特徴の1つです。
そして、接尾辞は動詞に足されているものも多く、接尾辞だけ知っていれば、名詞形を覚えなくてもすぐにだいたいの意味がわかります。接尾辞を覚えると、今まで知っている単語を利用してさらに単語のストックを増やすことができます。
もうひとつメリットとしては、リーディングをしていてわからない単語が出てきた時に単語の意味がわからなくても、知っている語源がその中にあれば、だいたいの意味を想像して読むことができます。
実は、これはすごく重要なポイントで、英語の上級者の多くはここをうまく利用しています。全ての英単語を知るということは不可能なので、語源から想像してうまく意味をくみ取ることで文章を理解しています。全てを覚えずに、理解できるというのはかなり大きなメリットですし、効率アップにつながります。
2.様々な接尾辞で分かる英語の語源
ここでは、語源に重要ないくつかの接尾辞を紹介しています。
例えば、-logyの例で見てみます。
接尾辞の-logyは、「学問」を表わす語源です。
その接尾辞と、どんな分野かを表わす言葉を足せば、学問を表わす言葉になります。学問を表わす単語全てが-logyがつくわけではありませんが、-logyがついているものがたくさんあるということです。
例として、学問を表わす単語をいくつか見てみましょう。
- sociology(社会学)
- biology(生物学)
- psychology(心理学)
- zoology(動物学)
全てに共通して、最後に-logyがついていますね。
日本語で例えると、社会に「学」を足すと社会学になります。動物に「学」を足すと動物学になります。
要するに、漢字の「学」の役割をするのが-logyと覚えて下さい。
もし、リーディングをしている時に、わからない単語が出てきて-logyがついていれば、学問を表わす単語の可能性が高いということがわかるわけです。
2-1.人(もの)を表わす接尾辞で分かる英語の語源
ここでは、人を表現する接尾辞の例を挙げています。
-er(-or、-eer、ar):~する人(もの)
-erは~する人を表わすので、職業を表わす言葉に多く使われています。
また、人だけではなく物にも使われます。言葉によって-erが多少変化する場合があります(-or、-eer、-ar)。
下記がその例の一部となります。覚える必要はないので、感覚を掴むだけで大丈夫です。
- teacher(教師)→ teach(教える)+er(~する人)=教える人
- composer(作曲家)→ compose(作曲する)+er(~する人)=作曲する人
- writer(作家)→ write(書く)+er(する人)=書く人
- philosopher(哲学者)→ philosopy(哲学)+er(する人)=哲学者
- employer(雇用者)→ employ(雇う)+er(する人)=雇う人
- author(作者)→ auth(増やす)+or(する人)=増やす人→生みだす人
- animator(アニメーター)→ anim(息、魂)+or(する人)=息を吹き込む人
- successor(後継者)→ suc(下に)+cess(進む)or(する人)=下について進む人→下に続く人
- visitor(訪問者)→ visit(訪ねる)+or(する人)=訪問する人
- donor(臓器提供者)→ don(与える)+or(する人)=提供する人
- factor(原因)→ fact(つくる)+or(~するもの)=つくるもの → 引き起こすもの
- generator(発電機)→ generate(生み出す)+or(~するもの)=生み出すもの
そのままのものもあれば、なるほど!と思うようなものもありますね。
例えば、animatorは「命を吹き込む人」が転じてアニメーションを書く人のアニメーターになったというのは、面白い話ですね。
このように、語源から学ぶと、イメージで覚えることができ、インパクトも残るので忘れにくいのもメリットです。
-ee:~される(する)人
-erと似ていますが、-eeも人を表わす名詞をつくる接尾辞です。
先ほどの-erグループは、factorのように、ものにも使えましたが、-eeは人限定です。
例をいくつか見てみましょう。
- examinee(受験者)→ examine(審査する)+ee(~される人)=審査される人
- attendee(参加者)→ attend(参加する)+ee(~する人)=参加する人
- returnee(帰国子女)→ return(帰る、戻る)+ee(~する人)=もとへ戻った人
- employee(従業員)→ employ(雇う)+ee(~される人)=雇われた人
どれも、比較的わかりやすいですね。
-ist:専門家(~する人)
-istは、専門家を表わす接尾辞です。
「専門家」は特に、学者という意味ではなくても、職業を表わす意味でも使います。
また、「専門家」という意味の他に、「~主義者」や、「~する人」という意味もあります。
- artist(芸術家)→ art(芸術をする)+ist(専門家、~する人)=芸術の専門家
- scientist(科学者)→ science(科学する)+ist(専門家)=科学の専門家
- dentist(歯科医師)→ dent(歯)+ist(専門家)=歯の専門家
- journalist(新聞雑誌記者、報道関係者)→ journal(雑誌、新聞)+ist(専門家)=雑誌の専門家→記事を書く人
- economist(経済学者)→ economy(経済)+ist(専門家)=経済の専門家
- tourist(旅行者)→ tour(旅行する)+ist(する人)=旅行している人
- socialist(社会主義者)→ socialism(社会主義)+ist(~者)=社会主義者
- liberalist(自由主義者)→ liberalism(自由主義)+ist(~者)=自由主義者
- communist(共産主義者)→ communism(共産主義)+ist(~者)=共産主義者
- feminist(男女同権主義者・フェミニスト)→ feminism(男女同権主義)+ist(~者)=男女同権主義者
このように、「~を専門に主張する人」というような意味合いで、「~主義者」にも-istがつかわれます。
-ant、-ent :~する人(もの)
-antと-entは、行為をする人やものを表わす名詞に付けられます。
「-antがつく単語」の例は下記です。
- attendant(随行員)→ attend(付き添う)+ant(する人)=付き添う人
- accountant(会計士)→ account(会計)+ant(する人)=会計する人
- assistant(助手)→ assist(助ける、補助する)+ant(する人)=補助する人
- emigrant(自国から他国への移民)→ e(外へ)+migrate(移住する)+ant(する人)=外へ移住する人
- immigrant(他国から自国への移民)→ im(内側へ)+migrate(移住する)+ant
(する人)
「-entがつく単語」の例は下記です。
- opponent(敵、対戦相手)→ op(反対の)+pone(置く)+ent(する人)=反対の立場にいる人
- patient(患者)→ peti(痛み)+ent(する人)=痛みがある人
- student(生徒)→ study(学ぶ)+ent(する人)=学習する人
-ent、-antも基本的に、人に変るだけなのでわかりやすいと思います。
-ess:(特に女性の)人
この接尾辞は、waitress(ウエイトレス)など女性に限定するものに使われます。
しかし、近年、職業を女性だけに限定することが差別と考えられ避けられることが多いです。
日本語の保母さんが保育士に、看護婦さんが、看護師さんに変化していることと同じです。漢字で表わすと「婦」などがこの接尾辞にあたります。英語を書いている時に-essがつく言葉を選んでいたら、差別用語になっていないか調べてみる必要があります。
2-2.場所を表わす接尾辞で分かる英語の語源
人を表わす接尾辞の次に覚えたいのが場所を表わす接尾辞です。
場所を表わす接尾辞は、「-ery」です。
基本的には-eryですが、多少-ary、-ory、-atoryなど変化があります。これらが語尾につくと、原則的に場所を表わす名詞になります。
例を確認してみましょう。
- bakery(パン屋)→ bake(パンを焼く)+ery(~する場所)=パンを焼く場所(パン工場)
- winery(ワイン工場)→ wine(ワイン)+ery(~する場所)=ワインの場所
- greenery(温室、緑木栽培所)→ green(緑)+ery(~する場所)=緑を栽培する場所
- library(図書館)→ liber(公文書、樹皮)+ary(~に関する場所)=本に関する場所
- dormitory(寮)→ dormire(寝る/ラテン語)+ary(~する場所)=寝る場所
- laboratory(実験室)→ laborara(work仕事、実験/ラテン語)+atory(する場所)=実験する場所
場所に関する単語はbakery やlibraryなど知っている単語も多いと思います。今まで知っていた単語も、少し見方を変えると、より理解が深まりますね。
2-3.その他の接尾辞で分かる英語の語源
場所や人以外にも、状態、行動、性質、行為を表わす接尾辞があります。
これらも、いろんな単語についている接尾辞なので、覚えておくと便利です。
名詞にするという役割と、性質、状態など抽象的な意味を持ち合わせています。抽象的で分かりにくいので、初めは、-ism(主義)、-ics(学問)など明確な意味があるものだけ意味を覚えて、あとは名詞になるということだけ押さえておくだけでもよいです。
これからご紹介する接尾辞がでてきたら、「名詞」と覚えると単語が覚えやすくなります。
-age:集合・状態・動作
- shortage(不足)→ short(不足して)+age(状態)=不足した状態
-al:~すること・性質
- arrival(到着)→ arrive(到着する)+al(~すること)=到着すること
-ance、-ence:(行動、状態、性質を表わす名詞)
- attendance(参加)→attend(参加する)+ance(~すること)=参加すること
- conference(会議)→con(共に)+fer(運ぶ)+(~すること)=一緒にことを運ぶこと
-ency:~すること・行動、状態、性質
- tendency(傾向)→ tend(傾向がある)+ency(状態)=傾向がある状態
- dependency(依存、属国)→ depend(頼る)+ency(状態)=依存の状態
-ity:~であること・状態、性質
- stability(安定性)→ stable(安定した)+ity(状態)=安定した状態
-hood:~であること・性質・状態・身分・境遇・集団
- childhood(幼少時代)→ child(子供)+hood(境遇)=子供時代の境遇
-ics:学問
-logyと同じ考え方です。
- economics=経済学
- dynamics=力学、動力学
- aerodynamics=航空力学
- analytics=解析学、分析論
- astronautics=宇宙航法(学)
- economics=経済学
- ethics=倫理学
- kinematics=運動学
- linguistics=言語学
- phonetics=音声学
- politics=政治学
- physics=物理学
- mathematics=数学
- athletics=体育
- genetics=遺伝学
-ism:説、主義
- liberalism(自由主義)→ liberal(自由)+ism(主義)=自由主義
-ment:~であること・結果・状態・動作・手段
- agreement(同意)→ agree(賛成する)+ment(~すること)=賛成すること
-ness:~であること・性質・状態
- happiness(幸福)→ happy(幸せ)+ness(~であること)=幸せな状態
-ship:~であること・状態・身分・職・任期・技量・手腕など
- friendship(友情)→ friend(友達)+ship(~であること)=友達であること
-th:~であること
- truth(真実)→ true(本当)+th(~であること)=本当であること
-tion :~であること・状態・動作・動作の結果
- suggestion(提言)→ suggest(提案する)+tion(~こと)=提案すること
-tude:性質・状態
- magnitude(重大)→ magus(大きい)+tude(~こと)=大きいこと
-ure:動作・過程・存在
- departure(出発)→ depart(出発)+ure(=~すること)=出発すること
まとめクイズ:初心者は英語の語源から学ぶのも効率的
今回は語源の中でも名詞をつくる接尾辞をご紹介しました。
特に初心者は、ここから押さえて、人を表わす名詞、場所を表わす名詞、その他の名詞など見わけがつくようにしましょう。
これらが分かるだけでも、今まで知っていた単語を使ってわかる単語数が増えるはずです。ここから、他の品詞の接尾辞、接頭語(単語の頭)、語幹(単語の真ん中)などを試すのもいいでしょう。
英語を勉強する上で、面白い発見などのアクセントにしてみて下さい。
それでは、最後に次の問題を解いてみましょう!
【問題】
- 「雇用主」は、どの動詞と何の接尾辞を付けた英語?
- 「従業員」は、どの動詞と何の接尾辞を付けた英語?
- 「パン屋」は、どの動詞と何の接尾辞を付けた英語?
- 「学問」の接尾辞は?
- 「説や主義」の接尾辞は?
いかがでしたか?
今すぐ読んだ英語の「語源」(接尾辞)に関する表現でも、多少はてこずりますよね。答えを確認して、徐々にでいいのしっかりマスターしましょう!
【解答】
- 「employ(雇用する)」と「er(する人)」:「employer」
- 「employ(雇用する)」と「ee(される人)」:「employee」
- 「bake(焼く)」と「ery(する場所)」:「bakery」
- 「ics」と「logy」
- ism(liberalism/自由主義)など。
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