
英語で一生懸命話したのに──
「Sorry?」
「Pardon?」
と、毎回聞き返されてしまう。
自分では伝わっていると思っていたのに、
相手の表情が曇ったり、聞き返されるたびに自信を失ってしまう……。
そんな「ビジネス英語で聞き返される」という悩みは、
決してあなたの英語力だけの問題ではありません。
本記事では、
「なぜ聞き返されるのか?」という原因を明らかにし、
ビジネスシーンで英語がしっかり伝わるようになる具体的な解決策を解説します。
なぜビジネス英語は聞き返されてしまうのか?
「また聞き返された…」
そんな経験が続くと、自分の英語に自信が持てなくなります。
でも、そこには明確な“原因”があります。
発音・イントネーションのクセ
英語では、カタカナ発音では通じにくい単語が多く存在します。
また、イントネーション(抑揚)が日本語的な平坦な調子だと、
相手には「理解できない音のかたまり」に聞こえてしまうこともあります。
例:
「project(プロジェクト)」→「プロジェクト」とカタカナ読みすると通じにくい
「データ」→“デイタ”ではなく“ダタ”と発音する地域もある
英語の発音を矯正する方法
英語の発音を矯正したいという方は以下の記事も参考にしてみてください。
語順や文法が不自然
単語は合っていても、語順や時制がバラバラだと、
相手は「何を伝えたいのか?」を組み立て直す必要があり、聞き返されやすくなります。
英語の語順や時制を理解したい方へ
英語の語順や時制について学びたい方は以下も参考にしてみてください。
スピードが速すぎる or モゴモゴ話す
英語に慣れていない人ほど、なぜか早口になるか、逆に自信がなくて小声になりがちです。
どちらも「聞き取りにくい英語」の原因になります。
アクセントが通じない単語を使っている
例えば、「schedule」はイギリス英語では「シェジュール」、アメリカ英語では「スケジュール」と発音されます。
このような発音のズレが「通じにくさ」に繋がることもあります。
英語の“間”や“区切り”がない
日本語話者は、一文を長くつなげて話しがちですが、英語では適度に“区切る”ことが大切。
文の途中で一息つかずに話すと、聞き手が処理しきれず聞き返す原因になります。
聞き返されないための“5つの改善ポイント”
ここからは、ビジネス英語を話す際に「聞き返されない」ための具体的なテクニックをご紹介します。
① ゆっくり・はっきり話す
ネイティブのように速く話す必要はありません。
むしろ、ゆっくり・クリアに発音することで、相手に伝わりやすくなります。
・単語と単語の間に、少しだけ「間」をとる
・子音(t, d, kなど)を意識的に強調する
・語尾をはっきり発音する
意識してゆっくり話すことで、聞き返される回数は確実に減ります。
② “伝わる発音”を徹底的に練習する
全ての発音をネイティブ並みにする必要はありません。
大切なのは、「よく使う単語だけでも、通じる発音にする」ことです。
おすすめは英語の発音教材やアプリ、パーソナルコーチを使って、
自分の職場でよく使う単語を絞って練習する方法です。
例:
・project
・schedule
・feedback
・meeting
・launch
・budget
など
音声と一緒にシャドーイング(聞いて真似する)をすると効果的です。
シャドーイングのコツ
シャドーイングのコツに関しては、『シャドーイングで口が回らない?2つの原因と効果的な対策・やり方』の記事でも説明していますが、以下のコツがあります。
焦らずゆっくり発音する
口が回らないからと投げ出さずに、少しスピードが遅れてもいいからシッカリと発音することに集中しましょう。
いくらシャドーイングをしたからと言って、でたらめな発音では何の意味もありません。
そして、徐々にスピードUPしていくという流れで全然構いません。
オーバーラッピングを試す
シャドーイングがどうしても難しいと感じたら、テキストを見ながら同時に発音する「オーバーラッピング」がいいでしょう。
それをすることで、英語のスピード感にも慣れることができるので、英語口が益々強化されていきます。
そして自分の声も音声と一緒に録音して、どれくらいズレが生じているのかも確認するとシャドーイングの精度も上がってきます。
ディクテーションを試す
先ほどの、ゆっくりと発音するに近い対策になります。
初心者の方は、全ての音を聞い後に、書き出す(または声に出す)というディクテーションがおすすめです。
どうしてもシャドーイングのハードルが高いと感じたら、一旦、比較的やりやすい容易な方法を試すのも一つの対策です。
③ フレーズを“かたまり”で練習する
単語単位ではなく、フレーズの“まとまり”で口になじませる練習が有効です。
これにより、リズムやイントネーションも自然になります。
例:
・Let me explain the situation.
・Could you please clarify that point?
・I’ll follow up with an email.
これらを「音読→暗唱→録音→チェック」の流れで練習するのがおすすめです。
ビジネス英語のフレーズを学びたい方へ
ビジネス英語のフレーズを学びたい方は、以下も参考にしてみてください。
④ 自分の英語を録音して客観視する
実際に自分がどう話しているかは、録音して初めて気づけることが多いです。
・話すスピードが速すぎないか
・語尾が落ちていないか
・言い淀みが多くないか
スマホの録音機能でもOKです。録音→聞き直し→修正という習慣を持ちましょう。
⑤ 伝わりやすい“簡潔な表現”を使う
難しい単語や長い文章で話すと、聞き手は処理に時間がかかります。
ビジネス英語では「短く、シンプルに」が鉄則です。
例:
・I will do it.(× I am going to be able to make it happen.)
・Let’s discuss this.(× We should have a further in-depth consideration.)
表現を簡単にするだけで、ぐっと伝わりやすくなります。
「聞き返される」ことを怖がらないための3つの考え方
聞き返されるたびに落ち込んでしまう──
そんな方のために、マインド面のアプローチもご紹介します。
① 聞き返しは“確認”であって否定ではない
ネイティブ同士でも、聞き返しは日常的に起こっています。
「聞こえなかっただけ」「理解を深めたいだけ」なのです。
悪い意味ではないと知ることで、気が楽になります。
② 聞き返されたら、言い換え or 書いて見せる
何度も同じ表現を繰り返すより、「言い換え」や「文字で見せる」方が伝わることもあります。
例:
・「I mean…」で説明を補足
・チャットや画面共有で書き出す
“伝える努力”が相手への信頼にもつながります。
③ 慣れがすべてを変える
話す頻度が少ない人ほど、聞き返されることを“失敗”だと感じがちです。
でも、英語は「話してナンボ」。
聞き返される経験を積み重ねていく中で、確実に通じる力は磨かれていきます。
まとめ|聞き返されるのは、改善のチャンス
ビジネス英語で聞き返されるのは、あなたの英語が「ダメ」だからではありません。
そこには原因があり、それに対応する手段が必ずあります。
・発音と話し方を見直す
・簡潔な表現に変える
・録音→フィードバックの習慣をつける
・マインドを軽くする
これらを実践していくことで、
英語でのやり取りに自信を持てるようになります。
そして何より、聞き返された経験は「通じる英語」をつくるチャンスです。
怖がらずに、伝わる英語の質を高めていきましょう。