著者 : 藤永 丈司

◆上智大学比較文化学部卒(現:国際教養学部)
◆初受験でTOEIC990(満点)、英検1級、小学校英語指導者資格
◆ニンテンドー3DS TOEIC「超速」プログラム・スペシャルアドバイザー
◆日経HR「英語コミュニケーション in Business」特別講師(2017年8月~)
◆日経メディカル「医師のためのDailyイングリッシュ」特別講師(2019年10月~)
◆公式動画チャンネル:マイスキ英語【たった3分で奇跡を起こす!】(2020年2月~)

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著者自身の受験英語への疑問や登校拒否といった苦い体験や、10年以上にわたる海外生活から、外国人の英語習得の早さと相対する日本人の遅さの違いを同時に徹底的に解読・研究を繰り返すことで、日本人へ「英語回路」を植え付ける仕組みを解明。


◆活動 - 芸能人 への個別指導、英会話・ TOEIC講座、企業研修、小学生を中心に 各地でボランティア英語指導など。


藤永の著者・監修した商品

◆著書に「なぜ、留学生の99%は英語ができないのか?」など多数(シリーズ累計10万部以上)

2016年に甚大な被害をもたらした「熊本地震」への復興活動の一環として、『マイスキ英語(代表:藤永丈司)』は、同年7月より、Jリーグ所属のロアッソ熊本のスポンサーカンパニーとして協賛しております。

英語の使役動詞とは?5表現の基本形やニュアンスの違い・使い分け

のべ15,763がこの記事を参考にしています!

使役動詞とは、「人・モノに~をさせる」という場合に使う動詞を指します。

因みに、使役動詞は英語で「causative Verb(コーザティヴ・ヴァーブ)」と言います。

基本的には、「let」、「make」、「have」の動詞が使役動詞とされていますが、他にも使役動詞の役割をする動詞があります。

  • enable
  • allow
  • force
  • require
  • help
  • get

など。

ここでは、上記の基本3つとは別の「help」と「get」も含めた5つの使役動詞のフォーカスしています。

よって今回は、日常会話でよく使われている使役動詞を中心に例文を用いながら解説していきますので、是非あなたの英会話に活かしてみて下さい。

それぞれの使役動詞の基本的なニュアンスと違い

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使役動詞と一言で言っても、その意味やニュアンス、使う場面は異なります。

後ほど1つ1つの使役動詞を解説していきますが、その前に大まかにイメージを捉えておきましょう。

使い分けと違いは下記となります。

  • let・・・したいことをさせる・許可する ※「let+人+動詞の原形(原形不定詞)」が基本となります。
  • make・・・強制してさせる ※一番の強制力が強い使役動詞です。「make+人+動詞の原形(原形不定詞)」が基本です。
  • have・・・自然な流れや仕事や義務でさせる(してもらう) ※「have+人+動詞の原形(原形不定詞)」が基本です。
  • get・・・お願いや説得でしてもらう ※「get+人+to+動詞の原形(to不定詞)」の形になります。
  • help・・・することを助ける ※「help+人+動詞の原形(原形不定詞)/to不定詞」が基本となります。

どうですか?

強制力が一番強いのが「make」で、「help」や「let」が弱いのがある程度分かっただけでも大きな進歩です。

日本語では「~させる」となりますが、英語ではこんなにも強制力に違いがあるんですね。

では、それぞれの使役動詞を見ていきましょう。

let

したいことをさせる・許可する場合の使役動詞が「let」です。

過去形・過去分詞も変わらず「let」となります。

文の形は下記で表現されることが多いです。

  • let + 人・モノ + 原形不定詞(動詞の原形)
  • let + 人・モノ + 副詞

下記がその例文となります。

  • I let you go out after you finish your homework.(宿題が終わったら外出してもいいよ)
  • He didn’t let me in.(彼は私を中に入れてくれませんでした)
  • Let me think about it.(それについて考えさせてください) ※「~させて」と許可をもらう時によく使います。
  • Don’t let me down.(がっかりさせないで)

など。

「let + 人・モノ + 副詞」の形が上記の2つの例(inとdown)で出てきましたが、「go」が省略された形だと考えればスムーズになります。

他にも「I let my hair down.(髪を下しました)」や「I let her by.(彼女を通しました)」など。

「Let’s go!」も使役動詞?

「Let’s go!」は「行きましょう!」となりますが、この「let’s」ですが「let us」の短縮形です。

よって直訳すると「私たちが行くことを許可して下さい!=行きましょう!」ということです。

「~しましょう」の英語|Let’s以外の5つの表現と提案フレーズなど』でも紹介しています。

他にも、会話の途中での「ええと」という場合の「Let’s see.」や「Let me see.」も「考えさせてください」という直訳のニュアンスが含まれます。

使役動詞の「let」のフォーマルな許可の表現が「allow」や「permit」という認識でOKです。その場合はどちらともに「allow/permit + to不定詞(to + 動詞の原形)」の形になります。

「let」については、『「let」の意味と使い方|過去形や否定形・熟語も28例文で解説!』でも詳しく解説しています。

make

強制してさせる場合の使役動詞が「make」です。

過去形と過去分詞は「made」となります。

文の形は下記で表現されることが多いです。

  • make + 人・モノ + 原形不定詞(動詞の原形)
  • make + 人・モノ + 形容詞
  • make + 人・モノ + 受動態(過去分詞)

下記がその例文となります。

  • He made me pay for his shirt.(彼は私に彼のシャツ代を支払わせました)
  • The story made me sad.(その話で悲しくなりました)
  • Don’t make me worried.(心配させないで!)
  • I made him come on time.(彼を時間通りに来させました)
  • Make it simple.(簡素化して!/簡単にして!)
  • I was made to clean the room.(その部屋を掃除させられました) ※「主語+be動詞+made」の受動態の形ですが、誰かをあえて言わない場合(知らない場合)などに使える形です。

など。形容詞の形ですが「be動詞」が省略されている形と捉えると分かりやすいです。

「require」や「force」がフォーマルな言い方となります。その場合は後ろに「人・モノ + to不定詞」となります。

「make」については、『英語の「make」の使い方・意味|18の必要熟語や例文集』でも詳しく解説しています。

have

自然な流れや仕事や義務でさせる(してもらう)場合の使役動詞が「have」です。

過去形と過去分詞は「had」となります。

文の形は下記で表現されることが多いです。

  • have + 人・モノ + 原形不定詞(動詞の原形)
  • have + 人・モノ + 受動態(過去分詞)

下記がその例文となります。

  • I will have him call you back.(彼に後ほど電話を折り返させますね) ※ビジネスの電話でのやり取りでも使えます。
  • I had my hair cut yesterday.(昨日髪を切りました) ※この場合の「cut」は過去分詞です。
  • My boss had me write the report.(上司が私に報告書を書かせました)
  • She had the machine fixed.(彼女はその機械を修理させました)

など。

「have」については『haveの意味と使い方|2品詞(他動詞と助動詞)での23例文や熟語など』でも詳しく解説しています。

get

お願いや説得でしてもらう場合の使役動詞が「get」です。

過去形は「got」、過去分詞は「got/gotten」となります。

文の形は下記で表現されることが多いです。

  • get + 人・モノ + to不定詞(to+動詞の原形)
  • get + 人・モノ + 受動態(過去分詞) ※または形容詞となり、後述します。

下記がその例文となります。

  • I cannot get him to get along with us.(彼に私たちと仲良くなるようにすることができません)
  • He got me to join the team.(彼は私にそのチームに加入させました)

など。

「get」はカジュアル?

「get + 人・モノ + 受動態(過去分詞)/形容詞」の例が下記です。

「I got my hair cut.(髪を切りました)」で、「I had my hair cut.」と同じような表現がありましたね。

この場合の使役動詞としての「get」の方がカジュアルな口語的表現となります。また、「It got me sad.」なども同様です。フォーマルな場合は「have」を使うのが無難ですね。

使役動詞としての「get」のフォーマルな表現が「convince(説得する)」で、後ろに「人・モノ + to不定詞」が付きます。「get」と同様です。

「get」については、『英語の「get」の使い方・意味|16の必要熟語や例文集』でも詳しく解説しています。

help

することを助ける場合の使役動詞が「help」です。

過去形と過去分詞は「helped」となります。

文の形は下記で表現されることが多いです。

  • help + 人・モノ + 原形不定詞(動詞の原形)
  • help + 人・モノ + to不定詞(to+動詞の原形)

どちらともに同じ意味になります。

下記がその例文となります。

  • Those boring books help me sleep.(それらのつまらない本は私が寝るのを助けてくれます) ※「Those boring books help me to sleep.」も同様です。
  • I helped him move.(私は彼の引っ越しを手伝いました) ※「I helped him to move.」も全く同じ意味です。

など。

フォーマルな表現は「assist」が妥当でしょう。その場合は「assist + 人・モノ + in + 動詞ing」の形が一般的になります。

「help」については『helpの意味と使い方|動詞と名詞・使役動詞としての活用18例文』でも詳しく解説しています。

まとめ:使役動詞の使い間違えは少し危険

いかがでしたでしょうか?

「~をさせる」という場合に、単語を間違うだけで相手に本意が伝わらない可能性があります。

本当は「let」を使う場面なのに「make」を使ったりなど、強制力が真逆ですね。

なにで、今回ご紹介した例文などを参考にしてニュアンスなどの違いを感覚的に身に付けるようにしましょう。とっさの時に的確に使い分けが出来れば完璧ですね。

また、今回例文の中でも何度も登場した、「原形不定詞」や「to不定詞」ですが、『英語の「不定詞」|3つの用法を簡単に5分でマスターする!』でも紹介しています。

特に原形不定詞ですが、使役動詞の場合だけではなく、「see/feel/hear」などの知覚動詞の場合にも使える形です。原形不定詞とは単に、「to不定詞」の「to」が省略された形と考えると分かりやすいかと思います。

英語の知覚動詞一覧|27例文での使い方・原形不定詞と現在分詞の違いなど』の記事も参考にしてみて下さい。

今後の英語学習の参考にしてみて下さい。

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