「concern」が動詞と名詞、少し形を変えて、形容詞と前置詞として色なん場面で使われているのを知っていますか?
日常会話よりもビジネスなどフォーマルな場面で使われることが多い「concern」ですが、英語の上達には避けては通れないぐらい大切な表現の1つです。
様々な品詞で活躍する「concern」ですが、その類義語や違いなどを知ることで、更に使い勝手がよくなります。
目次
「concern」の発音とポイント
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「concern」の発音と発音記号は下記となります。
アクセントは後ろにあるのがポイントで、日本人が苦手な「r」の発音がありますね。
不得意な方は、『RとLの発音がビックリするほど上達する簡単トレーニング』での発音練習も参考にしてみて下さい。
また、「concern」は規則変化動詞なので、過去形と過去分詞は「concerned(コンサーンド)」となります。
動詞としての「concern」の意味・例文
「concern」は目的語(~を)必要とする他動詞として使われることがメインです。
目的語を必要としない自動詞との違いは、『自動詞と他動詞の違いと2つの正しい見分け方・両方使える動詞一覧』の記事を参考にしてみて下さい。
~に(~を)関係する
(人)に関係している、関係させるという場合によく「concern」を使いますが、どんな場合か少しイメージが付きづらいですよね。
下記がその例文です。
- It does not concern me at all. (直訳:それは私は全く関係しない=どうでもいいです) ※「Did you know he broke up with his girlfriend?(彼が彼女と別れたって知ってた?)」と相手に聞かれて、「It doesn’t concern me.(私には関係ないです)」と返事の仕方ができます。「~にとって重要じゃない」というイメージですね。
- This news concerns the athlete who won the gold medal.(そのニュースは金メダルを勝ち取った選手に関係しています) ※「~に関連している」という和訳でもOKです。
など。
ビジネスメールで使う「To whom it may concern」とは?
直訳すると「それが関係する人へ」となり、正しい和訳は「関係者様へ(関係者各位)」となります。
ビジネスメールを初めて送る際に、担当者が誰か分からない場合に書くフレーズの1つです。
『英語の「メールの書き出し」| カジュアルやビジネスに適用』の記事でも紹介しています。
~を心配させる
(人)を心配な気持ちにさせる場合にも使いますが、いくつかのパターンがあります。
下記が例文です。
- I hope it does not concern you.(直訳:それがあなたを心配させないことを願います=ご心配なさらず)
- It concerns her that she can’t get in touch with him for quite a while.(彼にしばらくの間連絡が取れないことを彼女は心配しています) ※「It concerns 人 that構文」の形です。
- I concern myself about you.(あなたのことが心配です) ※通常は、後述する「I’m concerned about you.」の形になります。
など。
名詞としての「concern」の意味・例文
名詞でも同じ発音で、動詞と同じような意味のニュアンスで使います。数えられる、可算名詞として使われることも多いです。
「a going concern(会社、事業)」などでも使う名詞ですが、主に下記の意味で活用されています。
関心事
下記がその例文です。
- It’s a great public concern.(それは世間の大きな関心事です)
- You are my big concern.(あなたは私の大きな関心事です) ※後述する「心配事」と同じニュアンスで使われることも多いです。
- It’s not my concern.(直訳:それは私の関心事じゃない=興味がありません)
など。
心配・懸念
上記の関心事から少し不安な気持ちを表現する時も「concern」を使いますが、同じ意味を含むケースも多いです。
下記がその例文です。
- Thank you very much for your concern.(ご心配頂きましてありがとうございます) ※ビジネスメールで相手が心配している場合にこの表現はよく使います。
- If you have any concerns, please let us know by e-mail.(もし懸念事項があれば、メールでお知らせ下さい) ※「I have a concern about it.(それが心配です)」という表現もよく使われます。
- I expressed my concern over the matter.(その事項についての懸念を表現しました) ※「show one’s concern」も同様です。
など。
「何か懸念材料はありますか?(質問はありますか?)」という場合に、短く「Any concerns?」のみで表現することもあります。
形容詞としての「concerned:過去分詞」の意味と使い方
「concern」の過去分詞にして、形容詞的な役割で使うことも多いです。
関係している・関心がある
下記が例文です。
- I’m concerned with what they are doing.(彼らがやっていることに興味があります) ※「concerned with」の形です。
- She is concerned to go home early.(直訳:彼女は家に早く帰ることに関心がある=早く家に帰りたい) ※「concerned to do」で「~することに関心がある・~したい」となります。
など。
因みに、person(s) concerned、people concerned、などは「関係者」として表現できます。
「as far as I’m concerned」の意味は?
よく文頭などで「As far as I’m concerned, ~」という文を聞いたことがありませんか?
特に、プレゼン、会議などフォーマルな場面ではよく使われます。
『「思う」の英語|thinkばかり使わない!12種類の使い分けや表現例』で「I think」のフォーマル版という感じで紹介しています。
『「うーん」や「えーと」など英会話で使う「つなぎ言葉」23選』でも解説していますが、会話のギャップを埋めるつなぎ言葉としての役割もあります。
直訳をすると、「私が関心する範囲では」、「私が関係する限り」という意味になるので何となくニュアンスが伝わりますね。
類義語は「In my opinion(私の意見としては)」などがあります。「I think」とストレートに言うよりも少し柔らかいですね。
心配している(worryとの違い)
この意味で使われることも多いです。
下記がその例文です。
- I’m concerned about you.(あなたのことが心配です) ※「concerned about ~」の形です。
- She is concerned that this might affect the outcome.(彼女はこれが結果に影響するかもしれないと心配しています) ※「concerned that構文」の形です。口語では「that」は省略されることが多いです。
では、「worry about(worried about)」とは何が違うのでしょうか?
『「心配(する)」の英語|ビジネスでも使える5表現の使い分け・熟語や例文』と『「気になる」の英語|4つの基本表現とその他の言い方も習得』の記事でも解説していますが、下記がその違いです。
- worry(worried) about・・・カジュアルで、個人的にすごく心配している
- concerned about・・・フォーマルですが、「worry」よりも心配度は低い(少し懸念している)場合も使えます
また、次の違いもこの際にシッカリと押さえておきましょう!
「concerned with」と「concerned about」の違いは?
すでにこの違いは例文で出ていますが、前置詞が「with」か「about」で変わってきますね。
- concerned with(~に関心がある)
- concerned about(~を心配している)
よって、「I’m concerned with it.」と「I’m concerned about it.」は相手に違う意味で伝わります。シッカリと使い分けましょう!
前置詞としての「concerning」と類義語
基本的に文頭や文末で「ing」を付けることで、前置詞として使えます。
その場合は「~に関して」、「~について」という意味になります。
この形は、「consider」という動詞が「considering(~の割には)」となり、前置詞として使われるケースと全く同じです。「He can move considering his age.(彼の年齢の割には動けます)」など。
- Concerning the problem, I’d better be quiet.(その問題については、私は黙っている方がいいでしょう)
- He asked some questions concerning the business trip.(彼はビジネス出張に関していくつか質問をしました)
など。
しかし、『~に関して・ついて」の英語|ビジネスメールでも使える7個の前置詞などの違い』でもいくつか例を挙げていますが、他の表現と何が違うのでしょうか?
類義語とその意味を見ていましょう。
- about・・・一般的に広く使えるカジュアルな「~について」です
- regarding・・・「about」のフォーマル版で、ビジネスメールやプレゼン資料などでもよく使います。
- in terms of・・・より詳細な「~について」という時に使えます
など。
一方、「concerning」の前置詞は「about」のフォーマルのようにも使われますが、「regarding」と違い、少し心配(不安)・関心事があるというニュアンスがあります。
まとめ:「concern」は色んな場面で使えて便利な単語!
いかがでしたでしょうか?
様々な形、またシチュエーションで使えるのが「concern」の特徴です。
また、類義語との違いなども知っておくだけで、ニュアンスの伝わり方も変わってきます。
英語初心者の方も、是非、ご紹介した例文などを参考にして使い方をある程度把握してみて下さい。あなたの英語力向上に必ず役立ちます。