「will」を未来を表す助動詞で「~するだろう」と覚えていますか?
「will」はそれだけの意味と使い方ではありません。もっとシッカリと知ると、英会話やビジネスのシーンでも幅広く使い分けれるようになります。
助動詞は、『英語の15個の助動詞が今すぐ分かる一覧と使い方』でも解説しているように多くありますが、その中でも「will」はネイティブもよく使う助動詞の1つです。
そして実は、「will」は名詞と動詞というもう2つの品詞でも使われているんですね。
目次
「will」の基本|発音や様々な形(短縮形など)
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先ずは、「will」の基本中の基本から押さえましょう。
「will」の発音と発音記号は下記となります。
シッカリ発音する時は「ウィル」となりますが、「I will(アイ ウォー)do it.」など、会話の中では早口で「ウォー」などの発音になることが多いです。
冒頭でも伝えていますが、「will」を使う品詞は、助動詞、名詞、動詞の3つありまが、ここではよく使う助動詞との基本形を見てみます。
基本の形は、「主語+will+動詞の原形」です。
HeやSheなどの三人称単数が主語の場合も形は変わりません。
他のパターンも見てみましょう。
短縮形
口語では「主語+will」を短縮して表現することが多いです。
下記がその例です。
- I will・・・I’ll
- He will・・・He’ll
- That will・・・That’ll
など。
「I’ll」と「I will」の違いですが、ビジネスメールなど文語の場合は短縮しないのが基本です。
しかし、口語でも短縮しないケースは、その場合は後述しますが、強い意志を表現する場合となります。
否定形
否定形は「will not」で文語の時によく使います。
しかし、カジュアルな口語の場合は短縮形の「won’t」を使うことが多いです。「He won’t come.(彼は来ません)」など。
よって、「will not」はビジネスメールなどフォーマルなやり取りの時に使います。または、口語でも否定の「not」を強調したい時も。
これらの違いがあるので使い分けに注意して下さい。
また、この「won’t」ですが、動詞の「want(欲しい・~したい)」と同じ発音なので、特にリスニングの時には注意が必要です。
下記がその例文と注意点です。
- want・・・She wants to buy it.(彼女はそれを買いたい) ※三人称単数が主語なので動詞に「s」が付いています。
- won’t・・・She won’t buy it.(彼女はそれを買いません) ※助動詞の後ろなので動詞に「s」が付きません。
疑問文での位置
疑問文にする場合は、文頭に置きます。
「Will+主語+動詞の原形?」の形です。
下記がその例文です。
- Will you bring an umbrella with you?(傘を持ってきてくれますか?)
- Will it be OK to play video games later?(後でテレビゲームをしていいですか?)
など。
助動詞としての「will」の意味と使い方
上述通り、「will」が一番使われる品詞が助動詞です。
推量(未来の予測・~だろう)
あまり強い根拠はなく、「多分~だろう」と表現する場合に使う用法です。
下記がその例文です。
- It will rain today.(今日は雨が降るだろう)
- He will be busy this afternoon.(彼は今日の午後は忙しいでしょう)
など。
さて、ここでいつも比較されるのが「be going to」の形です。
「be going to」との違いは?
『「will」と「be going to」の決定的な4つの違いと例文』も詳しく書いていますが、下記がその比較と違いになります。
天気の例が分かりやすいので、例文の和訳はどちらともに「晴れるでしょう」になります。
- will・・・It will be sunny. ※漠然と、晴れるんじゃない?というニュアンスです。
- be going to・・・It’s going to be sunny. ※天気予報などある程度根拠があり、晴れる確率が高いというニュアンスです。
自分の予定(~するつもり)
今、自分の意志、または周りの環境もあり決めて、それをするつもりというイメージです。
下記がその例文です。
- What will you do today?(今日は何をする予定ですか?)
- I will call you later.(後で、あなたに電話をするつまりです)
- He will be 22 next week.(彼は来週22歳になります)
など。
ここでもよく「be going to」と比較されます。
例えば、相手に「今日の夜、一緒に夕食に行きますか?」とお誘いを受けた時の返事が次です。
- will・・・I will come.(行きますね) ※今、その場で決めて行くというニュアンスです。
- be going to・・・I’m going to come.(行くつもりですよ) ※すでに予定を決めていて(約束などをしていて)行くというイメージです。
など。
返事などで使う「Will do.」の意味は?
ネイティブの会話のやりとりで「Will do.」というやり取りを聞きますが、どんな場合に使うのでしょうか?
下記がその例文です。
- 相手・・・Enjoy your trip!(旅行を楽しんでね)
- あなた・・・Will do.(了解!) ※「I will enjoy my trip.(旅行を楽しむつもりです)」を略して表現しています。
つまり、カジュアルな返事で「わかった!」、「了解です」という意味になります。
一言でかっこいいので是非使ってみましょう!
強い意志の表現(肯定・否定)
ここでは、肯定文でも否定文でも、「絶対に~します・しません」という場合の「will」です。
下記がその例文です。
- 肯定文・・・I will do my best.(全力を尽くします!)
- 否定文・・・This can won’t open.(この缶は全く開きません) ※この先も絶対に開かないだろうというニュアンスです。
など。
勧誘(否定疑問文)
「~しましょうよ」と相手を誘う場合に使う表現が「Won’t you ~?」となります。
「Will you ~?」とは同ニュアンスが違うのでしょうか?
下記がその比較です。
- Will you・・・Will you join us for dinner?(一緒に夕食に行きますか?)
- Won’t you・・・Won’t you join us for dinner?(一緒に夕食に行きましょうよ) ※直訳は「あなたは~しないのですか?」となり、「Why don’t we go for dinner?」や「Let’s go for dinner.」と同じニュアンスになります。
など。『英語の「否定疑問文」|意味やニュアンス・2つの返答の仕方や例文』の記事も参考にしましょう。
would(willの過去形)
『「would」の意味と5つの使い方|doやwill、couldなどの違いも解説・例文』でも詳しく解説していますが、次のような場合によく使います。
- 過去の予定(時制の一致) ※例:He said he would come.(彼は来ると言っていました)
- 可能性(80~90%程度) ※例:Your report would be the best.(あなたのレポートがベストなはずです)
- 意志・欲望 ※例:I would like to do it.(それをしたいです)
- 丁寧なお願い ※例:Would you help me?(手伝って頂けますか?)
- 仮定の話 ※I would do the same thing if I were you.(もし私があなただったら、同じことをするでしょう
など。
「will」の過去形ですが、使い方が異なるので時間がある方は、「would」もシッカリとマスターしておきましょう。
慣用句:「That will do.」の意味は?
それで十分です、間に合います(それ以外は不要です)などの場合に使う表現です。
口語では、短縮形の「That’ll do.」と言うパターンが多いです。
また、次のようなケースもあります。
- Either will do.(どちらでも大丈夫ですよ)
- This paper will do.(この紙で十分です) ※主語には色々な名詞を入れることができます。
など。
名詞としての「will」の意味と使い方
さて、助動詞の次によく使われる品詞が名詞です。
意味は次となります。
- 意志・決意 ※「the will」となることも多い
- 願い・望み ※one’s will(my will、など)の形で使われます
- 遺書 ※法律用語で、財産分与などの遺言書です。
など。
下記がその例文です。
- I live on my free will.(自分の意志で生きています) ※「free will」は「自由選択」という意味になります。
- We a strong will to win the game.(その試合に勝つ強い意志があります) ※「絶対に勝ちたい!」と意訳することもできます。
- I took this offer against my will.(私の意に反していますが、このオファーを受けました)
- I have already written a will.(すでに遺言書を書きました)
など。
これらの意味を知っておくだけでも、なぜここに助動詞の「will」が置かれているの?など、リスニングやリーディングで悩むことは少なくなります。
動詞としての「will」の意味と使い方
最後の品詞が「will」の動詞です。過去形・過去分詞は「willed」となります。
しかし、あまり口語で使うことはなく、文語などでたまに使われている程度ですが知識として押さえておくだけでも役立ちます。
意志や意図などに関連した意味があります。
- ~しようとする意志がある
- ~を切望する
- ~を遺書で贈与する ※法律用語です。
下記が例文です。
- I will myself to finish it in time.(それを時間通りに終わらせようと思っています)
- He willed his all money to the foundation.(彼はその基金に全てのお金を遺書に基づき贈与しました)
など。
まとめ:「will」をシッカリと使い分けよう!
いかがでしたでしょうか?
今日で「will」を捉える感覚が変わったかもしれませんが、それがネイティブの「will」に対して持っているイメージです。
しかし、未来を表現する助動詞だけが「will」の役割じゃないことが分かっただけでも素晴らしいです。
このように色々な意味や例文などに触れてドンドン英語力をつけていきましょう!