英語の長文を読むのに時間がかかっていますか?
速度が遅いし、疲れる、また読んでいる途中で眠たくなるなど。
多くの社会人がTOIECのリーディングで時間が足りない!という声を多く聞きます。
しかし、これはテストだから緊張して力が発揮できないのではなく、単に読む速度が遅い、というだけです。
私が初受験でTOEICを受験した時、20分以上の時間が余りました。あまりにも時間があったので、暇でマークシートを丁寧に塗りつぶしていたくらいです。
※その日にあったTOEICテストの受験者の中で日本一きれいなマークシート回答だったのではと自負しています・・・(笑)
それでもしっかり内容を理解していましたし、結果は満点(990)でした。
TOEICリーディングで時間が足りない!という悩みに関しては、『TOEICで時間が足りない悩みを解消する!テスト中の4つの対策』の記事も参考にしてみて下さい。
スピーキングも、リスニングも、ライティングもそうですが、コツと正しい練習方法があります。
それと、人工知能(AI)チャットのChat GPTやGeminiを使った英語のリーディングのスピードアップ勉強法なども紹介していますので、参考にしてみて下さい。
目次
英語を読むのが遅い。その理由とは?
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英語を読むスピードが遅いのは、語彙力のせいだと勘違いしていませんか?
だから単語帳を開いて単語を覚える・・・
後ほど解説しますが、単語力(語彙力)とリーディングスピードは全くの別物だと思ってください。
目標の読むスピードは?
通常のネイティブが読むスピードが、平均して1分間で180単語前後(180wpm)だと言われています。
「wpm」は「words per minute」の短縮形です。1分間で読む単語の数を示す時に使う表示です。
日本人で英語を読むスピードが遅いと言われている方は、その半分程度、またはそれ以下です。
その原因は何なのでしょうか?
遅い理由その1.読み返している
あなたは何度も同じ個所を読み返していませんか?
しかも、2重にリーディングしている可能性が高いです。
例えば、長文リーディングのテストがあったとしましょう。
先ず長文を読んで、そして問題を読む。そして、その問題に沿ってまた長文を読む。これだけで2回長文を読んでいますね。
または、次の理由にも関連するのですが、頭の中で完ぺきに和訳することが優先され、何度も同じ文を読み返す。
これでは私でも時間が足りなくなります。
遅い理由その2.一語一句理解しようとしている
あなたは全ての表現を頭の中で和訳して、そして完ぺきに理解しようとしていませんか?
先ず英語で読んで、それを頭で和訳して理解する・・・
これでは、ネイティブの2倍のスピードがかかってしまいます。またそれに読み返すを繰り返すと同じ個所に何倍もの時間を要してしまいます。
通常5秒程度で済むところが、10秒、読み返して20秒、分からなかったら1分ぐらい悩む・・・
しかも、文法まで考えているという方も少なくありません。それでも、テストの時などは時間がないから、速く正確に読まなければと焦る、という負のスパイラルです。
これらの方法は精読と言われるもので、上級者で何かの研究やシッカリと内容を100%理解するためには必要なリーディングの手法ですが、一般ではあまり使わないと思ってください。
英語を読むスピードを上げるコツ・練習
では、英語を読む速度をUPするにはどのような勉強法がいいのでしょうか?
『英語のリーディング|4つのコツや練習・勉強方法や無料アプリなど』でも解説している方法の中で、特にスピードを上げるのに有効な方法をご紹介します。ここでの、アプリや教材なども参考にして下さい。
初心者から上級者まで実践できる練習ですので、是非トライしてみましょう!
勉強法その1.スラッシュ・リーディング
初心者が長文を読む場合は、先ず「主語+動詞」の部分に焦点を当てて読み続ける癖を付けます。
まず、「誰が・何をしたのか・しないのか」などのみに集中して読みます。
それにはスラッシュ・リーディングが最適です。
『区切りでやるリスニング(スラッシュ・リスニング)学習法と4つの効果』にある、聞く時のスラッシュ・リスニングのリーディング版と思ってください。
スラッシュの付け方ですが、下記となります。
- 例文:He mentioned/about the matter when we met/, but I heard/about it later from the third party./
- スラッシュの付け方:「主語」+「動詞」のところと、一文の最後でスラッシュ
- 読み方:「主語+動詞」のみ読んで、それ以外は無視する
これに慣れてきたら、今度は「主語+動詞+場所」の後ろと英文の最後でスラッシュ、などどんどん長くしていきます。
また、一英文づつ飛ばして読む(飛ばし読み)という、一英文毎にスラッシュを入れる方法もあります。要するに、一英文を読んで、次の英文は無視、そしてその次の英文を読むという繰り返しです。
これにより、リーディングの予測力も付いてきます。どんどん英語を読むスピードがUPしていきます。
勉強法その2.読み返さないリーディング
英語を読む速度が遅い理由にもあった「読み返し」。
この悪い癖を取り除きます。内容を理解しなくてもいいので、とにかく頭から最後まで読むことを優先して下さい。
自分自身で時間を測定してもいいでしょう。
同じ長文で、少しでもいいので、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目が短時間で出来るのが理想です。
とにかく、理解より、一度も読み返さずに最後まで読み終わるというのがポイントです!
勉強法その3.イメージ・リーディング
文字を読んでいるので、どうしても頭の中で「和訳」してしまいます。
理解の文字化といいますが、これを繰り返していては単純に時間が2倍(英文を読む→和訳する、という2工程)かかってしまいますね。
これではいくら英語を読むスピードが上がったとしても、本末転倒です。
日本語が一切出てこないという英語脳で読む必要があります。それには、「イメージで読む」というのがポイントとなります。
あなたが日本の新聞を読んでいたとしましょう。
文字を読んでいるのですが、理解しながらイメージしているのが分かるはずです。
人それぞれイメージの仕方は異なるので、どのようなイメージかは問題ではありません。読みながら理解する、という工程にはこの「イメージ・リーディング」が必要だということです。
これには、「オーバーラッピング」という方法がベストです。
ステップは簡単です。
- 先ずは日本語で日本のニュース(記事)を読む(または、すでに日本語の新聞で理解している場合はこのステップは不要です)
- 英語でそれに該当する記事を読む
たったこれだけです。1記事の塊をそのまま英語でオーバーラッピングする感覚です。辞書も一切使わずに、読みながら理解する感覚を植え付けてくれます。
これであれば、読むスピードを落とさずに、読み返さずに英文を理解することができます。
この勉強法には英字新聞やアプリなどが便利です。
『おすすめの英字新聞|レベル別で初心者も上達!5つの勉強法とコツ』も参考にしてみて下さい。
勉強法その4.単語を覚えるのはリーディングとは別
今まではリーディングのスピードをUPする方法をお伝えしましたが、リーディング時に英単語を覚えることはしないようにしましょう。
読んでいると何度も出てくる単語や表現があります。
そのリーディングをした後でいいので、気になった記事の前後の表現、つまり一英文という塊で覚えるようにします。
フラッシュバック法という、長期記憶に落とし込む方法ですが、詳しくは『TOEIC満点者が教える!英単語の覚え方マスター法』で解説しています。
すぐに忘れるという短期記憶ではなく、イメージと一緒に英語を覚える方法です。
しかし、知らない単語全てを覚えていては、それだけでも時間がかかってしまうので、「あれっ、これこの前も見た単語」など何回か遭遇する表現が出た時に限定して下さい。
その単語などは重要表現の可能性が高く、それのみに集中して覚えておけばとても効率的です。
英語を読むのが速くなる!おすすめのアプリ
どこでも気軽に英語の記事が読める、スマホアプリもリーディング学習教材としておすすめです。
スマホアプリを使うことで、通勤通学時などすきま時間をうまく活用することができます。
アプリも多くが存在しますが、その中でも最適な無料アプリを3つご紹介します。
レシピー(旧:ポリグロッツ)、ざっくり英語ニュース!StudyNow、Kindleです。それぞれを見てみましょう。
リーディングアプリ|レシピー(旧:PLYGLOTS ※ポリグロッツ)
レシピー(旧:ポリグロッツ)は、90万人以上が利用している英語学習アプリです。
New York Times やBBCなどのニュースを無料で読むことができます。記事数が多く、音楽、映画、グルメ、ファッション、占い、英語学習などジャンルの幅が広いです。
各記事に難易度を表す★マークと、読むのにかかる目安時間が書かれているので、記事選びも簡単です。
日本語訳がついている記事もありますし、わからない単語はタップするだけで意味を調べることができます。調べた単語を単語帳に登録すれば、小テストの機能も使うことができます。
PLYGLOTSの中で特に便利な機能が、ペースメーカーの機能です。
「ペースメーカーで読む」を選び、速度を設定するとその速度で記事の画面が進んでいきます。
リーディングのペースがなかなか上がらないという人は、このペースメーカー機能を使うことで、時間を意識しながらリーディングすることができ、スピードアップに繋がります。1分間に読むワード数を指定するので、自分が普段読んでいる大よそのスピードを測るのにも使える便利機能です。
リーディングアプリ|ざっくり英語ニュース!StudyNow
英語のリーディング初心者向けのニュース配信アプリで、1000記事以上が掲載されています。
毎日、短い記事が配信されます。
記事の長さは、見出し+3つのパラグラフで統一されているので、すきま時間に気軽に英語の記事を読むことができます。
全ての記事には、日本語訳がついています。英文をタップすると、パラグラフごとの日本語訳が表示されるので、見比べながら読むこともできます。
単語や表現などの解説もあるので、ただ読むだけでなく英語の知識も増やすことができます。
基本機能は無料ですが、リスニングや解説の一部機能は有料です。
リーディングアプリ|Kindle
英語のリーディングをするなら、Amazonの電子書籍を読むKindleもおすすめです。
辞書機能もついています。KindlePaperwhiteなど専用端末を使えば、英英辞書のような機能や、読みたい速度で1語ずつ表示してくれるWord Runnerなど英語学習に便利な、様々な機能を使うことができます。
Amazonでは、一部の電子書籍が無料で配信されています。著作権がきれているような、古い書籍がほとんどですが、洋書もあり名作が無料で読めるのでリーディングの教材としておすすめです。夏目漱石の「坊ちゃん」など、日本の名作の英語版等も無料で配信されていて、色々楽しめます。
また、月額会費980円の定額読み放題サービス「Kindle Unlimited」では、「HARRY POTTER」なども配信されています。
英語リーディング学習向けの洋書
英字新聞やスマホアプリ、電子書籍などではなく、紙の本を読みたいという方におすすめなのが「ペンギンリーダーズ」と「ラダーシリーズ」です。
どちらも、名作小説や伝記など豊富なジャンルがあり、英語学習者向けに簡単な単語に書きなおしています。
それぞれ、本がレベル分けされているので、初心者でも気軽に読むことができます。
ペンギンリーダーズはEeasystart(TOEIC250点・英検4級・200語レベル)から、Level6(TOEIC750点・英検準1級・3000語レベル)までの7段階にわかれています。
一方、ラダーシリーズは、level1(TOEIC300点・英検4級・1000語レベル)から、level5(TOEIC500点以上・英検2級以上)と5つのレベルにわかれています。
ペンギンリーダーズは、小説や伝記が多く、マイケル・ジョーダンやマザーテレサ、オバマ大統領など比較的最近の人の伝記もあります。
ラダーシリーズは、ノンフィクションの作品も多くあります。ビル・ゲイツやFacebookのCEO・マーク・ザッカーバーグ、錦織圭など、今でも現役で活躍している人の伝記もあります。また、日本の作家が描いた作品の英語版も多く、日本語と読み比べるのもおすすめです。
大学入学共通テストのリーディングにおすすめのアプリ・教材
共通テストは時間と問題集の対策が勝負
大学入学共通テスト(共通テスト)で英語のリーディング対策が必要という高校生もいるでしょう。
共通テストの英語リーディングでは、大量の英文を素早く、正確に読みこなし、効率よく問題を処理していかなければなりません。
そのためには、共通テストの内容を把握し、テスト問題への適切な対策を行う必要があります。
よって、ここでは英語リーディングの共通テストにおすすめの教材・アプリを紹介します。
共通テスト講座が見放題「スタディサプリ」高校・大学講座
「スタディサプリ高校講座・大学受験講座」は、リクルートが提供する定期テスト対策から大学受験まで月額980円(税抜)~で全国トップクラスのプロ講師陣の授業をいつでもどこでも見れるサービスです。
6教科19科目に対応し共通テスト対策講座が見放題
共通テスト対策講座の「英語」では、
- 【英語音声付き】共通テスト対策講座 英語<リーディング編>
- 【英語音声付き】共通テスト対策講座 英語<リスニング編>
など、6教科19科目に対応して講座が見放題となっています。
共通テスト直前対策講座もあり
さらに、共通テスト直前の対策に最適な講座も追加費用なしで見放題になります。直前対策時にもあと一歩足りないような部分を見直せて、直前まで点数アップが狙える動画になります。
また、英語のリーディングだけではなく、6教科19科目4万本の授業が見放題のため、他の科目も含めて、目的に応じた勉強がスマホで気軽にできるので便利です。
Chat GPTやGeminiなどのAI(人工知能)チャットサービスを使って英語のリーディングをスピードUPしよう!
しっかりと英語のリーディング力、特に読む速度を上げる勉強に、人工知能(AI)のチャットサービスもおすすめです。
例えば、次のようなプロンプト(命令文)を入力するだけで、英語のリーディング力向上の手助けをしてくれます。
- 「英語初心者です。スラッシュを入れる箇所が分からないので、長文の例文とどこにスラッシュを入れるかを教えて下さい。」
- 「ビジネス英語のリーディング力、特に読むスピードを上げたいです。そのためのトレーニング問題や例文を5つほど下さい。」
など。
まさしく、会話をしながらお願いする感覚でOKです。
この人工知能(AI)のチャットサービスにより、このような確認やトレーニングが容易に可能になっています。この機会に試して下さい。
また、AIチャットサービスで有名なのが2つあります。
一つは「Chat GPT」です。OpenAIが2022年11月に公開した人工知能チャットボットであり、生成AIの一種で、無料版と有料版がありますが、確認やトレーニングは無料版で十分です。
また、もう一つはGoogleが提供する「Gemini」です。
Chat GPT、Geminiのどちらも素晴らしい機能を提供しており、自分に合ったチャットサービスをご活用下さい。アプリもあるので気軽にスマホやタブレットでも使えます。
まとめ:読む速度が上がったと思ったら次は多読!
量にこだわって多くの英語を読むのが「多読」です。
ジャンル問わずに触れるのがいいのですが、先ずはあなたが好きなニュースのジャンルや好きな小説の英語版など。
『英語の「多読」|3つの効果・おすすめの無料アプリ・サイト・教材など』にある、中級者レベルを参考にして、毎日少しでも英語に触れる習慣を付けて、ドンドン英語に触れていくようにしましょう!
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