「wear」は「~を着る」という単語と覚えていませんか?
それだけ覚えていては会話の中や文を読んだりする時に困ることが多くなります。
何故なら、この「wear」には様々な意味と使い方があるからです。
動詞、名詞、形容詞(wearing、weary)と色んな品詞で使えるだけではなく、慣用句の中でも表現されます。
目次
「wear」・「wore」・「worn」の発音
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先ずは原形の「wear」の発音と発音記号を見ていましょう。
疑問詞でも使われる「where」もこれと同じ発音でもOKです。
次に、過去形の「wore」の発音と発音記号は下記となります。
過去分詞の「worn」の発音と発音記号は下記となります。
「wear」、「wore」、「worn」のどれにも日本人が苦手な「r」の発音が入っています。
シッカリ発音できるとネイティブらしくかっこいいですね。『RとLの発音がビックリするほど上達する簡単トレーニング』の記事を参考にして、この機会に練習してみましょう!
他動詞:「wear」の意味と使い方・例文
『自動詞と他動詞の違いと2つの正しい見分け方・両方使える動詞一覧』でも解説していますが、他動詞とはその後ろに目的語を必要とする動詞です。
要するに「~を」という名詞などが後ろにきたり、それが不要で前置詞や副詞と一緒に表現できる自動詞(後述)との両方で使えるのが「wear」となります。
ここでは「他動詞」としての「wear」を見ていきます。
着用する
~(眼鏡、香水、化粧など)を付けている、~(服)を着ている、~を(靴など)履いているなどの場合に使います。
下記がその例文です。
- I wear glasses.(私はメガネをかけています) ※正式には「a pair of glasses」ですが口語では「glasses」でもOKです。
- Those are nice shoes you wear.(あなたが履いている靴はいいですね)
- He doesn’t like to wear a cap.(彼は帽子をかぶるのを嫌がります)
- Today, she didn’t wear make-up.(彼女は今日は化粧をしませんでした)
- Wear a mask when you go out.(外出する時はマスクを着用して下さい)
- I wore a new shirt.(新しいシャツを着ました)
など。
類義語として日常会話でもよく使う表現は、「put on」ですね。
wearable(ウェアラブル)はどんな意味?
この動詞の「wear」と「able(できる)」という単語を合わせると「wearable」という形容詞になります。
意味は「着用することが出来る~」となり、IT機器や電子器具などを身に付けることができる場合にもよく使います。
- I bought a new wearable device.(新しいウェアラブル機器を買いました)
- I put on my wearable camera.(ウェアラブルカメラを身に付けました)
- This T-shirt is still wearable.(このTシャツはまだ着ることができます)
など。
また、「wash-and-wear」という「洗う」と「着る」という2つの動詞を付けて形容詞にするパターンもあります。
意味は「洗ってすぐに着れる」、つまり「アイロン不要の~(ノーアイロンの)」という意味になります。
「wash-and-wear clothes(ノーアイロンの服)」など。
髭や髪を生やす
髭や髪を伸ばしている場合にも「wear」を使います。
下記がその例文です。
- I’m wearing a beard.(髭を生やしています) ※「beard(ビアード)」は髭の総称、または「あごひげ」で、「mustache(マスタッシュ)」は「口ひげ」です。
- She always wears her hair long.(彼女はいつも髪を長く伸ばしています)
など。
擦り減らす
何かを付けているイメージの今までの「wear」のイメージとは全く違いますよね。
~を使い古す、~を摩耗させるという場合にも使います。
「out」や「off」、「away」など副詞と一緒に受動態(受け身)で使わえることも多いですね
下記がその例文です。
- He wore out the tool.(彼はその道具を使い古しました)
- The machine has been worn off.(その機械は擦り減っています)
など。
疲れさせる
こちらも特に「out」の副詞と一緒に使うケースが多いです。どの副詞を使ってもさほど意味は変わりません。
下記がその例文です。
- This job wears me out.(この仕事は疲れる)
- I got worn out by going through those documents.(それらの資料を確認してたら疲れました)
など。
疲れるの「tired」を使うパターンよりフォーマルな表現ですね。『英語で「疲れた」|スラングなど17表現のニュアンスの違いや例文』の記事でも紹介しています。
wear one’s heart on one’s sleeve
これは慣用句の1つですが、直訳は「自分の心を服の袖に付ける」となります。
全く想像は付きませんが、「正直に話す」という場合に使う表現です。心を外に出しているイメージでね。
下記がその例文です。
「You don’t have to wear your heart on your sleeve.」(正直に打ち明けなくてもいいよ)、など。
「Honestly speaking(正直に言うと)」などの表現と置き換えることもできますね。『「実は」の英語|スラングやビジネスメールでも使える8つの表現』も参考にしてみて下さい。
自動詞:「wear」の意味と使い方・例文
さて、ここではその動詞だけで意味がなりたつ自動詞の「wear」を見ていきましょう。
基本的に能動態で使わえることが多いですね。他動詞では受動態(受け身)も使いましたね。
擦り減る
他動詞の場合と同様に「out」や「off」などの副詞と一緒に使うことが多いです。
下記がその例文です。
- My jacket wore badly.(私のジャケットが激しく擦り減りました)
- It has worn down.(擦り減っています)
など。
時間がゆっくり過ぎる
珍しい表現ですが、「on」や「away」などと一緒に使います。
下記がその例文です。
- This week wears on.(今週は時間がゆっくりです)
- Time wore away.(時間がゆっくり過ぎさりました)
など。
長持ちする
衣類などが使用に耐える、などの意味があります。
下記がその例文です。
- This shirt wears well.(このシャツはよくもちます)
- How long do you think it wears?(それはどれくらい長持ちすると思いますか?)
など。
名詞:「wear」の意味と使い方・例文
さて、次は名詞としての「wear」を見てみましょう。
基本的に不可算名詞(数えられない名詞)で使われることが多く、衣類、摩耗などを指す場合がそれにあたります。基本的に複数形にはなりません。
「I can see some wear in this shirt.」(シャツが擦り切れています)など。
wearとclothesとの違い
衣類コーナーで、「メンズウェア」や「ナイトウェア」、「フォーマルウェア」などの言葉を聞いたことがありませんか?
服の英語は、『「服」の英語|正しい発音と意外と知らない28個の関連表現』でも紹介している「clothes」ですが「wear」と何が違うのでしょうか?
- clothes・・・一般的に身に付ける衣服全般(シャツ、ジーンズ、靴下なども)
- wear・・・目的に合わせた衣料品の種類(寝巻、フォーマルウェアなど)
下記が「wear」を使った衣料品の例です。
- night wear(寝巻) ※夜に着るという目的がある衣類なので「wear」を使っています。
- formal wear(フォーマルウェア・正装) ※冠婚葬祭などで着る服を指しますね。反対は「casual wear(カジュアルウェア・普段着)」ですね。
- summer wear(サマーウェア・夏服) ※夏に着用する目的の衣料品です。「winter wear(冬服)」などとも言いますね。
- ladies’ wear(婦人服) ※紳士服は「men’s wear」となります。
など。
wear and tearの意味と豆知識
「tear」という単語と組み合わせて、ひどい摩耗や疲労などをネイティブは表現します。
下記のような例文です。
- This shirt is showing wear and tear.(このシャツはひどく痛んでいますね)
- This takes a lot of wear and tear.(これは長持ちします) ※なかなか痛まないという場合に「take a lot of wear and tear」という表現をします。
など。
ここでのポイントが「tear」の発音です。
「tear(ティア)」と発音してしまうと、「涙」という名詞になってしまいます。
しかし、ここでの表現では「テア」という発音にして「引き裂き」という別の名詞で使われています。因みに、動詞の「引き裂く」でも同じ発音です。
同じ単語で違う発音、そして違う意味になるという珍しい単語ですので、是非覚えておきましょう!
形容詞:「wearing」や「weary」の意味と使い方・例文
現在分詞の「wearing」や「weary」にすることで、次のような形容詞の意味になります。
wearing
「wearing(ウェアリング)」は動名詞や現在分詞としても使われますが、下記のように「うんざりする」や「疲れさせる」という形容詞でも使われます。
下記がその例文です。
- What a wearing job!(なんて疲れる仕事なの!)
- I had a wearing day(今日一日疲れた)
など。
weary
「wear」にyを加えて、「weary(ウェアリー)」で「疲れている」という形容詞になります。
下記がその例文です。
- I’m weary and worn out.(めちゃくちゃ疲れています) ※同じ意味の「worn out」を加えることで誇張しています。
- You look weary.(疲れているようですね) ※ものすごく疲れている様子です。
など。
因みにこの「weary」ですが、「疲れさせる」などの動詞としても使えます。
まとめ:「wear」は「~を着る」だけじゃない!
いかがでしたでしょうか?
「wear」には「~を着る」の意味だけじゃなかったですよね。
今回の記事で、「wear」に対する認識が変わったはずで、その感覚がネイティブです。
ここでの例文などを参考にして、「wear」を会話や文章の中でも活用しながら英語力を高めていきましょう!