「どうぞ」という言葉は日本語でよく使いますね。
カジュアルな場面でも、フォーマルな場面でも欠かせない表現で、これは英語でも同様です。
英会話には頻繁に出てきますが、「Please.」だけが「どうぞ」の単語だと勘違いしている日本人も多いようです。
場面によって使う英語表現が異なるので注意が必要です。
最後まで読まれた後、何から何まで「Please.」を使っていた自分が恥ずかしなるくらい表現の使い分けが大切なことが分かるはずです。
是非、この機会に英会話で頻出する「どうぞ」をマスターしましょう!
ものを渡す時の「どうぞ」の英語
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先ずは、相手にもの(物)を渡す時に使う「どうぞ」の英語表現を確認しておきましょう。
Here you are.
カジュアルな場面でも、ビジネスなどでも使えるのが「Here you are.」です。
例えば、次のような場面です。
- Can you pass me that./ちょっとそれ取って。
- Here you are./はい、どうぞ。
基本的に手渡しする時に同時に「Here you are.」と言います。
Here you go.
「Here you go.」も「Here you are.」と同じように使います。
どちらを使っても意味は変わりませんが、「Here you go.」を使う場合、「これで準備万端ですね、頑張って」というニュアンスが含まれるパターンがあります。
下記のようなケースです。
- Where is my presentation report?/私のプレゼンの報告書はどこ?
- Here you go./はい、どうぞ(頑張って!)
「Here you are.」や「Here you go.」に似た表現で、「Here it is.」というのもあります。
「はい、どうぞ、これね。」というニュアンスです。
Here’s your coffee.
直訳すると「はい、(あなたの)コーヒーをどうぞ」となります。
打合せに来てくれた相手などに、コーヒー出す時に使う表現です。
「Here’s」は「Here is」の短縮形で、基本は「Here’s + 名詞」で表現します。
もちろん、コーヒーだけではなく、お茶やお菓子、ペン、など多くの名詞を入れることができるとても便利な表現です。
タクシーやレストランなどでお釣りをもらう時に「Here’s your change.」というフレーズはよく聞きます。
ホテルであれば、「Here’s your room key.(どうぞ、あなたのルームキーになります)」は定番表現です。
複数の場合は「Here are your pens.」などとなります。
この「Here’s ~(Here are ~」ですが、「これが(まさに)~だよ」という場面でも使えるフレーズです。
「Here’s your chance.(これがまさにあなたのチャンスです)」という時に使えます。
This is for you.
何か書類を渡す時など、ビジネスなどフォーマルな場面で多く使う「どうぞ」が、「This is for you.」です。
また、相手にプレゼントやお祝いのもの、お土産などを渡す時にもこの表現が使えます。
複数でであれば、「These are for you.」となります。
There you go.
「Here you go.」と同じニュアンスで使えるのが「There you go.」です。
2つに明確な違いはありません。これは「There you are.」も同様です。
「Here(ここ)」と「There(そこ)」で少し距離感があるイメージがありますが、さほど気にしなくてOKです。
また、「There you go.」には別の使い道があるので覚えておきましょう。
何か相手がいいことをした時、達成した時などに「There you go.(よくやったね)」という言い方をする場合も少なくありません。映画や海外ドラマでもよく聞く表現です。
許可や促す時の「どうぞ」の英語
「いいですよ、どうぞ」と相手に許可を出す場合、「どうぞ~して下さい」と相手に行動を促す場合の「どうぞ」がありますね。
代表的な「Please」から見ていきましょう。
Please.
許可を出す時と促す時の両方で使えるのが、副詞の「Please」です。
「please」は「喜ばせる」などの動詞として使う場面もありますが、ここでは「どうぞ」という副詞として使います。
許可を出す場合は、「Yes, please.」と「はい(yes)」と一緒に使う場合も多いですね。
カジュアルな場面であれば、「Yes.」や「Yes」の略式な言い方の「Yeah.(ヤー)」やスラングの「Yup.(ヤップ)」のみで「どうぞ」を表現することもできます。
- May I use this?/これ使ってもいいですか?
- Yes, please./はい、どうぞ
また、これは多くの日本人が知っている使い方で、動詞と一緒に使うパターンです。
下記が例文です。
- Please take this seat./どうぞ、この席にお座り下さい。 ※映画館などで席を譲る場合など
- Please come./どうぞ来てください。 ※ポーティーなどに招待する時など
- Please come in./どうぞお入り下さい。 ※相手が部屋のノックをした後などに言う掛け声
- Please take care of yourself./どうぞお元気で ※相手と別れる時など
また、例えば「please」を後ろに持ってきてもOKです。「Take this seat, please.」のようなパターンです。
「please」が文頭、文末でも意味は変わりませんが、文章で書く時は、動詞の頭文字は大文字、「please」の前にコンマを忘れないということは留意しておきましょう。
また、あなたが外国人に道案内をしてそこまで連れていく、または海外のホテルでも館内の案内をしてくれる時に次のようは表現があるので、知っておくだけでも便利です。
どちらも、「こちらへどうぞ(付いてきて来てください)」という意味になります。
- This way, please.
- Right this way, please.
- Follow me, please.
など。
Go ahead.
「Go ahead.」は、とてもカジュアルな表現で、日本語で言うと「どうぞどうぞ!」と近いニュアンスです。
下記が例文です。
- Can I play this video game?/このテレビゲームしてもいいですか?
- Go ahead./どうぞどうぞ
このほかに、次のような表現もカジュアルな「どうぞ」という意味になります。
- Of course.
- Why not?
これらは、「もちろん」という日本語訳にもできます。『「もちろん」の英語|10個の表現をネイティブ並みに使う!』の記事も参考にしてみて下さい。
Sure.
「Sure.」や「Certainly.」、「By all means.」、フォーマルな「どうぞ」となります。
ビジネスのシーンでよく聞く表現です。
- Can I have a minute with you?/少々お時間いいですか?
- Sure./もちろんです、どうぞ
など。
この他に「You are welcome.」なども場面によって使えます。
After you.
直訳すると「あなたの後で」となり、道を譲ったり、エレベーターなどで相手を先に行かせるときに使う丁寧な表現が「After you.」です。
「お先にどうぞ」の代表的な「Go ahead.」よりもおしゃれな言い方なので覚えておきましょう!
自分より相手を優先したりするときに使うのが「お先にどうぞ」ですね。レディーファースト「Ladies first.」などもそれに該当します。
それらの表現に関しては、『「お先にどうぞ」の英語|2つのネイティブが使う表現を習得』の記事も参考にしてみて下さい。
英会話では欠かせない表現の1つで頻出するので、とても役立ちます。
Feel free.
「ご自由にどうぞ」という時に使うのが、「Feel free.」です。
不定詞を後ろに繋げて「Feel free to 動詞」というパターンも多いです。
また、文頭に「Please」を付けるとビジネスの場面で丁寧な言い方として使えます。
「Please feel free to ask any questions.(質問があったらいつでもどうぞ尋ねて下さい)」はビジネスメールでもよく使う文言でもあります。
また、「ご自由にどうぞ」で、他には「Make yourself at home.」という表現があります。相手を家に招待した際に使えるフレーズです。「ごゆっくりどうぞ」という意味も含まれます。
Enjoy your meal.
レストランでウェイター/ウェイトレスが注文した料理をテーブルに持ってきた際によく聞くフレーズが、「Enjoy your meal.」です。
「どうぞお召し上がりください」という意味ですね。もちろん、「Here you are.」も使えます。
ホテルのチェックインカウンター(受付)では、「Enjoy your stay.(どうぞお楽しみください)」という表現をよく耳にします。
Take your time.
「どうぞゆっくり(時間をかけて)」という場合に使うのが、「Take your time.」です。
- I have to write my report./報告書を書かないといけない
- Take your time./どうぞ、ゆっくり時間をかけて下さい
Anytime.
「いつでもどうぞ」という時は、一言で「Anytime.」が便利です。
とてもカジュアルな表現ですが、ビジネスでも口語として使えます。
- Can I call you tomorrow?/明日電話してもいいですか?
- Anytime./いつでもどうぞ
など。
You can have it.
パンフレットなど相手に自由に手に取ってほしい場合などに使うのが、「You can have it.」です。
「どうぞお持ち帰り下さい」という場合は、「You can take it.」がいいですね。
「You can 動詞」は「Feel free to 動詞(ご自由にどうぞ)」と同じニュアンスになります。
お願いする時の「どうぞ」の英語と注意点
手伝ってほしい、相手に何か要望がある時などには、日本語でも「どうぞ(どうか・なにとぞ)~して下さい」となりますね。
先ほどの、相手に行動を促す時とあまり形は変わらないのですが、「Please give me a hand.(どうぞ手伝って下さい)」や「Please buy me the book.(どうぞその本を買って下さい)」など、「please」をよく使いたがります。
SNSやメールでも同じような表現をしていませんか?
しかし、「please」を使いすぎると相手に失礼になることがあります。
『英語の命令文|ニュアンスの違い命令形の作り方・30個の例文一覧』でも書いていますが、「Please ~」は、それをやってくれることが前提でお願いしているニュアンスになります。
つまり、先ほどの「Please give me a hand.」は、手伝ってくれるでしょ、という前提の意味が含まれるので相手が不快になる可能性もあります。
目上の人やフォーマルな場合は、「Could you give me a hand?」の方がベターです。
また、他にも「もしよろしければ、どうぞ(どうか・なにとぞ)~して下さい」と丁寧な言い方があります。
- Would you like ~?
- If you don’t mind, ~
など、『「もしよければ」の英語|カジュアルとビジネスメールでも使える10例文』でも詳しく解説しています。
最後になりますが、日本語だと「どうぞよろしくお願いします(Thank you.)」や「どうぞご理解ください(Thank you for your understanding.)」と「どうぞ」を付けることで強調する場合もありますね。
しかし、英語ではさほど気にせずに、「どうぞ」は気にせずにそのまま英語(よろしくお願いします/ご理解ください)にしても構いません。
因みに、『英語で「よろしくお願いします」|6つの場面で使い分ける!』の記事も参考にしてみて下さい。
まとめ:「Please」ばかりを付けない・使わない!
如何でしょうか?
「どうぞ」は「Please」ばかりではないですね。シチュエーションでは使ってもいいし、使わない場面も多いです。
これらのフレーズを念頭に置いておいて、海外の映画やドラマなどを見るととても分かりやすくなります。
短い単語ばかりなので、暗記するというより、ドンドン使って自然と自分のものにしてみて下さい!英会話に活かしましょう!