
英語の比較級を正しく使えていますか?
学校で比較級を習ったけれど、なんとなくしか分からないという方も多いですよね。
ネイティブたちは日常会話で比較級の表現をとてもよく使います。
比較級の表現を積極的に会話で使えるようになると、英語の表現力がグンとアップします。
目次:
1.英語の比較級の基本
1-1.比較級とは?
1-2.比較級の基本「形容詞が変化する」
1-3.比較級の基本「比較級の変化形」
1-4.比較級の一覧
2.英語の比較級と「than」の使い方
2-1.「than」の使い方:基本編
2-2.「than」の使い方:例外編
3.英語の比較級の「疑問文」と「否定文」の作り方
3-1.比較級の「疑問文」の作り方
3-2.比較級の「否定文」の作り方
4.英語の比較級の応用
4-1.比較級の強調表現
4-2.比較級の「~倍」や「~多い・少ない」などの表現
4-3.「比較級 and 比較級」の表現
1.英語の比較級の基本

そもそも比較級とはどのような時に使う表現なのでしょうか?
先ずは基本を押さえていきましょう!
1-1.比較級とは?
英語の比較級の文を見る前に、そもそも「比較級とは?」ということを簡単に解説します。
比較級とは、2つのものを比べて、その特徴や性質を伝える文です。
例文を見てみましょう。
- AはBより大きい(小さい)。
- AはBより美しい(美しくない)。
- AはBより速く走る(遅く走る)。
このように、どちらが大きいか(小さいか)、美しい(美しくない)かなど、何かと比較してその特徴を伝える文が比較級です。
尚、比較級とセットででてくる最上級は、3つ以上の中で一番を伝える表現です。
最上級については、『英語の最上級|基本がすぐに分かる!5つのトレーニング付き』で詳しく解説しています。こちらも、セットで確認しましょう。
1-2.比較級の基本「形容詞が変化する」
次に、英語の比較級の基本の形を解説します。
比較級では、基本的に形容詞が変化します。
形容詞は名詞を修飾する言葉です。
「修飾」は文法用語で少し難しいのですよね。
簡単に説明すると、「美しい」や「大きい」など、名詞の特徴や性質、状態を表す言葉が形容詞です。
形容詞については、『英語の形容詞|これで十分!絶対に知っておきたい2つの用法』でも詳しく解説しています。
尚、形容詞ではなく動詞を修飾する副詞が変化する場合もあります。
副詞とは、動詞の特徴や性質、状態などを表す言葉です。例えば「早く起きる」の「早く」、「ゆっくり歩く」の「ゆっくり」が副詞となります。
副詞については、『英語の副詞一覧|形容詞との違いや位置がたった5分で分かる』を確認してみましょう。
1-3.比較級の基本「比較級の変化形」
ここでは、形容詞と副詞がどのように変化するのか基本の形を解説します。
基本形その1.「形容詞(副詞)の原形+er」
比較級の基本の形は「形容詞(副詞)の原形+er」です。
【例】
- tall(背が高い)→ tall + er → taller
- cheap(安い)→ cheap + er → cheaper
- cold(寒い) → cold + er → colder
比較形の例文を見てみましょう。
【例文】
- 原形:He is tall./彼は背が高い
- 比較級:He is taller./彼はより背が高い
しかし、この「er」の変化にはいくつかの例外があります。
「形容詞(副詞)の原形+er」が基本形ですが、形容詞(副詞)の語尾によって多少変化の形が変わる例外があります。
例外は主に3種類です。
【例外1】語尾が「e」で終わる場合
形容詞(副詞)の語尾が「e」で終わる場合「r」のみを付けます。
「er」を付けると、「e」が2つ重なってしまうからです。
【例】
・large(大きい)→ large + r → larger
【例外2】語尾が「子音字+y」の場合
形容詞(副詞)の語尾が「子音字+y」の場合は、「y」を「i」に変えて、その後ろに「er」を付けます。
※「子音字」とは「a, i, u, e, o」の母音字以外の文字のことです。
【例】
・easy(簡単だ)→ easi + er → easier
【例外3】「1母音字+1子音字」の場合
形容詞(副詞)の語尾が「1母音字+1子音字」の場合は、語尾の子音字を重ねて、その後に「er」を付けます。
【例】
・big(大きい)→ big + g + er → bigger
この場合は、母音は「i」、子音は「g」です。
基本形その2.長い単語は「more +形容詞(副詞)の原形」
比較級は「形容詞(副詞)の原形+er」ですが、長い形容詞の場合は違う変化をします。
この場合、形容詞の前に「more」を付けます。
【例】
・beautiful(美しい)→ more + beautiful → more beautiful
「more」は「many(数が多くの)」と「much(量が多くの)」の比較級の形です。
「より大きい」「より美しい」「より優れている」など、増えたり、良くなったりポジティブな意味の場合使います。
逆に、減ったり、劣ったりする場合は、「less」を使います。
【例】
・important(重要な)→ less + important → less important(より重要ではない)
尚、「less」は「little(量が少しの)」の比較級形です。
「more」や「less」を使う単語のルール
上述した長い形容詞(副詞)とは、具体的には3音節以上の単語です。
音節とは、単語の中にある音のまとまりのことです。
上記の例の「beautiful」を音節に分けると、「beau」「ti」「ful」の3つになります。
尚、音節は辞書を調べると、「beau-ti-ful」など発音記号などと一緒に記載されています。
2音節の単語は、「形容詞(副詞)の原形+er」の単語と「more」を使う単語の2通りあります。
この使い分けには厳密なルールがなく、どちらを使ってもOKな単語も多いです。辞書にも、両方の変化形が記載されている単語もあります。
とはいっても、なんとなくのルールはあります。
- 1.語尾が「子音字+y」の場合は「er」型を使うことが多い ※「pretty」など
- 2.語尾が「er」「le」「ow」の場合は「er」型を使うことが多い
上記以外の場合は、どちらかわからなくて迷ったら「more」型を使うのがおすすめです。
一般的に「er」型を使う単語に「more」を使ったほうが、逆のパターンより圧倒的に違和感が少なく自然に聞こえます。
基本形その3.比較級の不規則変化形
ごく少数ですが、上記の基本形1と2にあてはまらない変化をする単語があります。
「good(よい)」と「well(上手に、よく)」の比較級は「better」です。
反対の「bad(悪い)」と「badly(悪く)」の比較級は「worse」です。
「far(遠くの、遠くへ)」は「farther」(または、further)を使います。
「old(古い)」は「er」を付けた「older」も使いますが、不規則変化の「elder」を使う場合もあります。
尚、先ほど紹介した「more」と「less」も不規則変化形です。
比較級の不規則変化形は、ここで挙げた単語がよく使うもので、数が少ないので丸暗記で覚えてしまいましょう。
1-4.比較級の一覧
日常会話で良く使う重要表現の比較級をリストにまとめました。
変化の形ごとにまとめてあります。
「規則変化形」の比較級
語尾が「e」で「r」をつける比較級
語尾が「y」で「i」に変えて「er」をつける比較級
語尾を重ねる比較級
Moreを使う比較級
「More」を使い比較する場合は、「more(less) + 形容詞(副詞)の原形」となり、その単語一覧が下記となります。
例えば、「more beautiful(less beautiful)」や「more expensive(less expensive)」などです。
2.英語の比較級と「than」の使い方
比較級の多くの文章では、先ほど紹介した形容詞(または副詞)の比較級の形とセットで「than」を使います。
「than」は「~よりも」という意味です。
2-1.「than」の使い方:基本編
次のような使い方をするのが基本です。
【基本】
・A is 比較級+than B. /AはBより~です。
上記の例文のように、主語(A)と比べる対象(B)を「than」の後ろに置くことで、「主語(A)は対象(B)より~だ」という文になります。
AとBを実際の単語に置き換えた例文を見てみましょう。
【例文】
- Lake Biwa is larger than Hamana Lake./琵琶湖は浜名湖より(面積が)大きい。
- She runs faster than me. /彼女は私より早く走る。
尚、会話の流れ上、比較対象が既に明確な場合「than」と比較対象は省略することが多いです。
2-2.「than」の使い方:例外編
語尾が「or」は「than」の代わりに「to」を使います。
比較対象は「than」を用いて伝えるのが基本ですが、例外があります。
「superior(優れた)」や、「inferior(劣った)」などラテン語が語源の語尾に「or」がつく形容詞です。
これらの形容詞(副詞)は、「er」や「more(less)」を付けずに、そのまま比較級として使えます。
これらの比較級を使う場合、「than」ではなく前置詞の「to」を使います。
【例文】
- 英語:He is supeior to her.
- 日本語:彼は彼女より優れています。
3.英語の比較級の「疑問文」と「否定文」の作り方
これまでは、比較級の肯定文の作り方を見てきました。
ここでは、比較級の疑問文と否定文の作り方を確認しましょう。
3-1.比較級の「疑問文」の作り方
比較級の疑問文の作り方は、一般的な疑問文と同じです。
be動詞の疑問文は、be動詞と主語を入れ替えます。
一般動詞の疑問文は、文頭に「Do」を置いて疑問文を作ります。
次の比較級の例文を、疑問文にしてみましょう。
「be動詞」の場合
【例文】
- 肯定文:Hokkaido is colder than Tokyo./北海道は東京より寒い。
- 疑問文:Is Hokkaido colder than Tokyo?/北海道は東京より寒いですか?
「一般動詞」の場合
- 肯定文:Cheetahs run faster than lions./チーターはライオンより早く走る。
- 疑問文:Do cheetahs run faster than lions?/チーターはライオンより早く走りますか?
ここでは、三単現、過去形や未来形の疑問文については解説を省きますが、形容詞と副詞が変わるだけで基本的なルールは一般の疑問文と同じです。
be動詞と一般動詞については、『英語の動詞|2種類ある動詞の基本と使い方・活用方法』の記事でも解説しています。
3-2.比較級の「否定文」の作り方
比較級の否定文も、一般的な否定文と同じです。
be動詞の否定文は動詞の後ろに「not」を、一般動詞の否定文は主語と動詞の間に「don’t」を入れるだけでOKです。
「be動詞」の場合
【例文】
- 肯定文:The theater is older than the church./映画館は教会より古い。
- 否定文:The theater is not older than the church./映画館は教会ほど古くない。
※尚、同じように否定をする場合でも、notの代わりに「no」を使うと「ほとんど差がない」、「not any」を使うと「少しも~ない」という意味になります。
「一般動詞」の場合
【例文】
- 肯定文:I like dogs better(more) than cat./私は猫より犬が好きだ。
- 否定文:I don’t like dogs better(more) than cat./ 私は犬を猫ほど好きじゃない。
ここでは三単現や、過去形、未来形の解説はしませんが、一般的な疑問文のルールと同じです。
4.英語の比較級の応用
比較級は今までご紹介した基本の文以外に、様々な応用の形があります。
その中でも、良く使う表現を3つご紹介します。
4-1.比較級の強調表現
「多くの」という意味の「much」や「遠くに」という意味の「far」を使うと、比較級の文を強調することが出来ます。
【例文】
- The restaurant is far more expensive than others./このレストランは他よりはるかに値段が高い。
- Giraffes is much taller than horses. /キリンは馬よりかなり背が高い。
尚、「much」と「far」以外に以下の4つも比較級の強調で使えます。
- a lot
- a great deal
- even
- still
4-2.比較級の「~倍」や「~多い・少ない」などの表現
「2倍の距離がある」、「3倍の長さ」など「~倍」の表現は、「~倍」を意味する「times」を使います。
形容詞の前に「(数字)times」を入れれば「(数字)倍~だ」という比較級の文になります。
ただし、「2倍」は「two times」ではなく「twice」となります。
【例文】
- My father is twice older than me./私の父は私より2倍、歳をとっている。
- This pencil is four times longer than that eraser./この鉛筆はあの消しゴムより3倍長い。
「times」の代わりに他の単語を入れたりする場合もあります。
例えば、「years」を入れれば「~歳~だ」という意味になります。
【例】
- six years younger/6歳若い
- five years older/5歳、歳をとっている
「~cm長い/短い」など長さの単位なども、比較級の形容詞の前に入れればOKです。
4-3.「比較級 and 比較級」の表現
「比較級 and 比較級」で、同じ単語を2つ重ねると「ますます~だ」という意味になります。
【例文】
- The exam is getting harder and harder to pass./その試験は合格がますます難しくなっている。
- The days are getting longer and longer./日がますます長くなってきている。
また、これと似た表現で、「the 比較級、the 比較級」という表現も会話ではよく使います。
「より~であれば、より~です」という意味になります。冠詞の「the」を付けるのを忘れないようにしましょう!
【例文】
- 英語:The sooner, the better.
- 日本語:早ければ早いほどよい。
まとめ:英語の比較級は基本をしっかりと!
英語の比較級は頻繁に聞いたり、目にしたりする英語には不可欠な文法です。
しかし、そこにあるパターンやルールに慣れることが重要であり、あまり深く考えないこと!
ここでご紹介した比較級の一覧など時間がある時に目を通したり、実際に英会話や英作文で使ってみることで更に簡単にマスターできる近道になるのです。
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