英語で「出来ない」や「出来ません」と相手に伝える場面はたくさんありますよね。
「私は出来ません」、「出来なかった」、またその反対の「出来る」など。
また、「出来ない」は「cannot」や「be able to ~」など簡単な表現で伝えることができますが、その使い分け方は知っていますか?
目次
「出来ない」の基本英語:形容詞と副詞
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「出来ない」や「出来ません」は2つの表現が基本となります。
英語の形容詞で「出来ない」を表現
「出来ない」を形容詞で表現する場合は、「unable」(アネイブル)を使います。
または、否定形で「not able」。
「unable」は「できる」という意味の「able(エイブル)」と否定形の接頭辞「un」があわさった形容詞です。
「unable to see ~(見ることができない)」や「unable to finish ~(終わらせられない)」のように、基本的には不定詞と合わせて使います。
「unable」は「can’t」(後述)よりフォーマルな印象がありビジネスの場面などで多く使います。
「can’t」との詳しい使い分け方は次章で解説します。
【例文】
- 英語:We are sorry, but we are unable to accept your request.
- 日本語:申し訳ありませんが、ご要望にお応えすることができません。
英語の助動詞で「出来ない」を表現
「出来ない」を助動詞で表現すると「cannot(can’t)」を使います。
また、「cannot」と「can’t」の違いは分かりますか?
丁寧な時、または「出来ない」を強調する時は「cannot」と略さずに言います。
日常会話で気軽に「出来ない」という場合、基本的には「be unable to ~」ではなく、「can’t」を使います。
ただし、未来形の「will」や「must」「may」「might」「should」「would」など助動詞(否定形も)合わせて使う場合は同じ助動詞の「can」重ねることができないため、「be able(unable) to ~」を使います。
【例文】
- 英語:I may not be able to do it tomorrow.
- 日本語:明日、それをすることが出来ないかもしれない。
また、「want to ~」や「need to~」の後など、不定詞と合わせて使う場合や、完了形の「have/had + 過去形」の形で使う場合も「can(can’t)」が使えないため、「be able(unable) to ~」を使います。
「出来る」の英語の「able」と「can」の使い方
「be able to」と「can」の使い方は基本的に、「be unable to」と「cannot(can’t)」同じですが、過去形になると多少異なります。
「was/were able to ~」と「could」が過去形になります。
過去に「~できた」と過去の能力についていう場合や、知覚動詞(「see」「hear」など)とあわせて使う場合には「could」を使います。
過去のある地点で1回限りできたことについて「~ができた」という場合は「was/were able to ~」を使います。
例えば下記のような例文ではニュアンスが異なります。
- 例文1.I could answer the question. ※「その問題を解くことが出来た」となり、解く能力が今もあるイメージ
- 例文2.I was able to answer the question. ※その場、たまたま答えることが出来たイメージ
ただし、否定形の「出来なかった」という場合は上記のどちらでも「couldn’t」が使えます。
「出来る」の英語に関しては、更に『5つの意味がある「can」と「can be」の正しい使い方や違い』で詳しく解説していますので是非ご確認下さい。
「出来ない」の接尾辞「able」
「出来ない」の表現を覚える時に、知っておきたいのが「unable」のところでも紹介した接尾辞の「able」です。
「出来る」という意味の「able」と、否定を意味する接頭語「im」「in」「un」を組み合わせた「~できない」という意味の単語がたくさんあります。
接頭辞「able」をつかった「~できない」という意味の主な単語を見てみましょう。
- impossible:不可能な、あり得ない
- incapable:能力がない、~ができない、役に立たない ※「cap」は「掴む」という意味で、「掴みとれない」という意味から来ている表現です。
- incredible:信じられない、信じられないほど素晴らしい
- indivisible:分割できない ※数学用語で「割り切れない」という意味でも使います。「di」が「離れて」「vis」「分ける」という意味の単語は「divide」です。
- inhospitable:無愛想な、人を寄せつけない
- intangible:触れることができない、とらえどころのない、漠然とした
- unaccountable:説明できない、不可解な
- unavoidable:(主に悪い出来ことの発生が)避けられない、逃れられない
- unavailable:得られない、使えない
- unbelievable:信じられない
- uncomfortable:心地良くない、落ち着かない、気まずい ※「comfortable」は「くつろいだ」「心地よい」です。
- uncountable:数えられない、数え切れない ※「不可算名詞(数えられない名詞)」という意味や、数学で「無数」「非可算の」という意味などでも使う表現です。
- unfashionable:時代遅れの ※「fashionable」は日本語の「ファッショナブル」で使われているように、「流行の」「流行っている」という意味です。
- unmistakable:間違いない、明白な
- unprofitable:無益な、利益のない収益性の悪い ※「profit」は「利益」、「利益を上げる」という意味で、「profitable」は「利益になる」「儲かる」という意味です。
- unquestionable:疑う余地がない、確かな ※「question」は「問い」や「疑い」という意味です。
- unspeakable:言葉では言い表せない、言葉にするのをはばかれる ※内容がひどくて言えないというように、ネガティブな意味で使います。
- unstable:不安定な
- untouchable:手を触れてはならない、手の届かない、汚らわしい ※インドなどのヒンドゥー教のカースト制度では最下層民を「untouchable」と言います。
ここでご紹介した表現は、比較的よく使われる表現が多いですが全て覚えなくてもOKです。
「able」は「~ができる」という意味で、「im」「in」「un」は否定を表す接頭語だということを知っていれば、リーディングなどで知らない単語がでてきてもなんとなく意味を想像することができます。
『英語の語源|英語の初心者でも分かる22個の接尾辞一覧』では、他の接尾辞もたくさんご紹介しています。
会話で使える英語の「出来ない」フレーズ
出来ない!無理!など日常的に使う表現は多くあります。
また、ここでは「今はまだ出来ない」や「出来ないことはない」などの「出来ない」の英語フレーズもご紹介します。
「できません!(無理!)」の英語とスラング
「できません!」は「I can’t do it.」が基本です。
それをくだけさせたスラング表現が「No can do.」です。
これは「できます!」という意味のカジュアルな表現「Can do.」の反対語です。
「~出来る?」と聞かれた時の返答などで使えます。
しかし、文法的には正しくないので、正式・フォーマルな場面では使えません。
「今はまだ出来ない」の英語
すべきことや、やりことがあって、やりたいとは思っているけれど「今はまだ出来ない」という場合には下記のフレーズが使えます。
「I can’t do it yet.」が基本フレーズです。
「yet」は「まだ~ない」、「今のところ~ない」という意味で、「yet」の代わりに「now」を入れることもできます。
「do」の部分に他の動詞を入れて具体的に「~ができない」と何ができないのかを伝えてもOKです。
「~すぎて出来ない」の英語
「疲れすぎて動けない」や「重すぎて運べない」など、「~すぎて~出来ない」という場合には「too ~ to 動詞の原形」が使えます。
「too」は「~すぎる」という意味です。「too」の後ろには形容詞や副詞、「to」の後ろには動詞を置きます。
【例文】
- 例文その1.He is too young to get a driver’s license. /彼は若すぎて運転免許を取得出来ない。
- 例文その2.I was too tired to play soccer. /私は疲れすぎてサッカーが出来なかった。
「出来ないことはない」の英語
日本語の「出来ないことはない」はいくつか意味があります。
例えば、「不可能なことはない。(だから、やってみたほうが良い)」と励ます場合には下記のフレーズが使えます。
- We can do anything. /何でもできる!
- Nothing is impossible. /不可能はない!
「出来るけれど条件がある」、「出来るけれど積極的にはやりたくない」という場合には「可能な」という意味の「possible」と「but」を使って下記の例文のように表現できます。
【例文】
- 英語:It is possible but not necessary.
- 日本語:出来るが必須ではない。
フォーマル・ビジネスで「出来ません」と丁寧に断る英語フレーズ
ここでは、ビジネスの場面など、丁寧に取引相手や顧客の要望に応えられない際に「~出来ません」と伝えるフレーズを見てみましょう!
- I’m sorry to say ~. /申し訳ありませんが~。 ※「say」の後にはできないことを入れます。「伝えにくいのですが」という気持ちが伝わり丁寧に断ることができます。
- I’m afraid that ~. /恐縮ですが~。 ※「that」の後ろには、伝えにくい悪いニュースが入ります。「I’m sorry to say ~.」とほぼ同じ意味ですが、「afraid」は「自分の力ではどうしようもないこと」に多く使います。
- Unfortunately, ~. /残念ながら ※「unfortunately」は「不運にも」「不幸にも」という意味です。本来は要望にこたえたいけれど、そうできない事情があり断らなければいけない場合に使えます。
- We regret to inform you that ~. /残念ながら~とお知らせしなければいけません。 ※「regret」は「後悔する」「悔しがる」という意味です。
- It is difficult for us to ~. /~することは難しいです。(出来かねます) ※したいのはやまやまだが、することが難しいという気持ちを伝えることができる表現です。「It is」は省略して「it’s」にすることができますが、あえて省略せずに使うことで丁寧な表現になります。
- We cannot accept your request. /ご期待に添えることができません。 ※丁寧な文なので「cannot」は略せず使います。この文だけだと、きつい表現になってしまうので「申し訳ありませんが~(We are sorry but,など)」などひと言添えましょう。
学んだ英語を会話の中でどんどんアプトプットしよう!
「出来ない」の表現は、「can」と「cannot」、「be able to ~」と「unable」の使い分けが分かることで簡単にマスターできます。
また、ご紹介したビジネスフレーズ(丁寧な言い方)は、どんな職種でも幅広い場面で使えるものなので、こちらも是非覚えて活用してください。
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