アメリカ英語でよく使う「awesome」という表現を知っていますか?
イギリス英語ではあまり使われている単語ではありませが、「最高!」とか「すごい!」、「いいね!」、「素敵!」等の意味で使う、この「awesome」。
1日に10回も使うというネイティブもいるくらい、とても頻繁に使う表現です。英語やテレビ、曲の歌詞などで、よく出てくるので聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし、この「awesome」は、スラングで使われることが多いため、日本の学校では教えてくれない表現です。
目次
「Awesome」の発音(読み方)と本来の意味・例文
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スラングの「awesome」の意味を見る前に、発音と本来の意味を確認しましょう。
「awesome」の発音と発音記号は下記となります。
発音の注意点としては、「awe」の部分です。スペルから見ると発音が「オウ」になりそうですが、上記の発音記号を見ても分かるように、正式には「オー」という発音になります。
「awesome」は形容詞で、「awe」と「some」が合わさってできた言葉です。
「awe」は「恐れを抱かせるような力」、「some」は「~を持つもの」という意味です。
「awe」は名詞で、「恐怖を起こさせる力」という意味になり、それに「some」がつくと「awesome」という形容詞になり、それらをあわせて、「awesome」の本来の意味は「畏怖(いふ)や畏敬の念を抱かせる」となります。
簡単に言うと、「恐ろしさを感じるほどすごい」という意味です。
このように「some」を合わせて形容詞のようになる単語は次のような例もあります。
- troublesome(面倒な)
- tiresome(厄介な、飽き飽きする)
- boresome(退屈な)
など。
また、「awesome」は聖書で神に関する表現としてよく使われていて、神のような超人的な力を持つ存在に使う表現です。神以外では、自然や、日本では天皇陛下などにつかうことがあります。
下記が例文です。
- He showed the the awesome authority.(彼は恐ろしいほどの権威を見せつけた)
- The king was considered to be an awesome existence.(その王は、畏怖される存在とされていました)
など、少し堅苦しい文の場合に使われますね。
しかし、冒頭でも言いましたが、基本的には下記で説明するスラング的用法だと思って下さい。それでは、見ていきましょう!
気軽に使える!英語のスラング「Awesome」
本来は、「畏敬の念を抱かせる」という、なんとも難しい表現の「awesome」。
日常生活の中で、スラングとして使う場合はもっと気軽に使うことができます。アメリカ英語のスラングですが、基本的に現代で使わえているのがここで説明する「awesome」だと思って下さい。
スラングの「Awesome」の意味
スラングの「awesome」は「最高!」、「すごくかっこいい!」、「素敵!」、「ヤバい!」、「美味しい!」など褒め言葉として使います。
いろんな場面で使えて、「amazing」や「cool」、「wonderful」、「incredible」などの代わりに使うこともできます。
その他にも「awesome」の類似語は次のような形容詞があります。
- amazing
- impressive
- fantastic
- bad ass
- sick
- crazy
など、数多く存在しますが、「awesome」との違いは何なのでしょうか?
「Crazy」とは何が違うの?
一例ですが、「crazy」と「awesome」では意味と使う場面が違うのでしょうか?
類似語ですが、それぞれ少しニュアンスが異なります。ここでは「crazy」との違いを見てみましょう。
- 「crazy」を使う場合・・・驚いて、凄い!という場面で使います。
- 「awesome」を使う場合・・・羨ましいなどの憧れ、尊敬が少し入っている場面で使います。
下記が例文です。
- 相手:I spent 2 weeks in Hawaii last month.
- あなた:Awesome! ※ここでは「crazy」は使いません。本来の意味の「気が狂っている」というのがあるので、「馬鹿じゃないの?」とうニュアンスになってしまいます。
何か驚いたニュースを聞いた時、またはスポーツやマジックなどですごい技を見た時に「Crazy!」を使うのが妥当です。「信じられないくらい/常人じゃできないすごさ」というニュアンスを表現できます。
もちろん、すごい技などを見た時に、尊敬の気持ちなどがある場合は「Awesome!」も使えますね。
また、本来の意味の神や天皇陛下のような「恐れを抱くようなすごさ」を表す意味合いから、「awesome」は最上級の褒め言葉として使います。
そのため、「great」や「very good」よりも、さらに良い、素晴らしいというニュアンスになります。
その他の褒め言葉とニュアンスの違いについては、『「褒める」の英語|簡単に使える!35種類以上の褒め言葉』、『「すごい」の英語|ネイティブがビジネスでも使う11個の形容詞』、『「素晴らしい」の英語|厳選20個の形容詞とスラング・最上級など』などの記事でも紹介しているので参考にしてみて下さい。
しかし、「awesome」は基本的に褒め言葉ですが、皮肉に使われることもあるので覚えておきましょう!
相手の表情や声のトーンで判断します。日本語の、「すごいね!」が皮肉で使われるのと同じ感覚です。
スラングの「Awesome」の使い方と例文
「awesome」をスラングとして使うのは、主にアメリカとカナダです。
アメリカやカナダで日常生活の中で「awesome」を使う場合は、ほとんどがこのスラングの意味です。
「awesome」は、単語ひとつで間投詞的に使うことができます。「Awesome!」という感じです。
わざわざ「How awesome!」のように感嘆文にすることは滅多にありません。
日本語でいう、「すごいね!」「最高!」「かっこいい!」などのように、物や人を褒めたりする時には、一語で使うことも多いです。
何か物や会話の内容等を指して「それはかっこいいね」等という場合は、「That’s awesome.」や「It’s awesome.」などのように、文としても使うこともできます。
もちろん、文中でも使うことができます。
主語を人にして「You are awesome!」や「He is awesome.」などもよく使われる表現です。
「awesome」は最高の褒め言葉のスラングなので、「so awesome」や「very awesome」という表現は基本的にしません。
また、名詞と合わせて、次のような表現もできます。
- awesome job(素晴らしい仕事)
- awesome voice(すごい歌声)
これらを表現する際にも、尊敬や憧れなどのニュアンスが含まれます。
下記の例文も見てみましょう。
- That sounds awesome!(すごいね!) ※「That sounds~」は、聞いたことに対して「すごそうだね」「面白そうだね」など「~そうだね」という意味で使います。「That」を省略して「Sounds awesome!」や「Awesome!」だけでも使えます。
- Your new bag is awesome!(あなたの新しいバッグ、かっこいいね!) ※「A is awesome.」の形の文は、よく使います。「A」の中にかっこいい、すごいと思う人や物を入れると「~はかっこいい」「~はすごい」という意味になります。
- There are a lot of awesome sightseeing spots in Kyoto.(京都には素晴らしい観光名所がたくさんあります) ※「awesome+名詞」の形ですね。
- It’s awesome that you won the first prize.(1位になったなんてすごい!) ※「awesome + that構文」の形で表現しています。
など。
スラングの「awesome」への返事の仕方
あなたのSNSの写真や投稿などに「Awesome!」などのコメントがあった場合はどう返事をすればいいのでしょうか?
また、相手が会話の中で、あなたを褒めるような「awesome」を使った場合は、感謝の気持ちを相手に伝える返事が通常です。
- Thank you.(ありがとう) ※目上の人には「Thank you very much.」など丁寧にしてもOKです。
- Thanks. ※上記を更にカジュアルにした言い方です。
- thnx/thx ※「Thanks」の略語で、メールやメッセージでよく使われます。オーストラリアであれば、「Ta!」などのスラングでもOKです。
無言や返信無しは失礼になるので注意して下さい。
(やり取りの例文)
- You’ve got an awesome score on the test!(テストですごい点数だったね!)
- Thank you.(ありがとう)
など。
また、『英語でありがとう|丁寧やフランクな言い方とスラングや略語45選』の記事も参考にして下さい。
スラングの「Awesome」を使う際の注意点
日常生活のスラングで使う「awesome」は、多くの人が使うので、それほど場面を気にせず使うことができます。
ただし、あくまでもスラングなので論文などかしこまった文章や、スピーチなどの場面では使うことができません。
また、このスラングの使い方は80年代から使われるようになったため、それ以前の人は軽い言葉であまり良くない印象があるという人もいます。
また、神に対しての畏敬の念を表す表現なので、伝統的なキリスト教信者など、伝統を重んじる人や、マナーに対して厳しい人などは、この言葉をあまり使うべきではないと思っている人もいます。
このように、「awesome」はあくまでスラングなので、基本的には、友達のように気軽に話せる間柄や、若い世代間が多い場面で使うのが無難です。
まとめ:「Awesome」は気軽に使えるが使う場面や相手には注意しよう!
「awesome」はアメリカやカナダ等へ行くなら、必ず知っておきたい表現です。聞かない日がないというぐらい、日常会話でとても良く使います。
日常会話で使う「awesome」の8割以上が、スラングの「最高!」や「すごい!」「素敵!」等の意味です。日常会話ではあまり使わない、本来の「畏敬の念を抱かせる」という意味ですが、知っておくとキリスト教の神を大切にしている人にとっては、失礼にあたる可能性があるということも理解できますよね。
「awesome」だけでなく、スラングを使う場合は語源も知っておくことが大切です。そうすることで、本来の意味やニュアンスが理解でき、使い方や気をつけるべきポイントも知ることができます。
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