米国公認会計士(USCPA)の資格取得を考えてるけど、試験は全て英語のため、USCPAの試験に合格するためには、どれくらいの英語力が必要なのかわからないという人もいるでしょう。
ここでは、USCPAの試験に必要な英語力の目安や試験に必要な英語力を身につけるコツを紹介します。
目次
米国公認会計士(USCPA)の試験合格に必要な英語力は?
必要な英語力はTOEIC700~800点、英検1~2級程度
結論から言うと、米国公認会計士(USCPA)に必要な英語力は、TOEIC700点~800点または英検1級~2級程度の英語力があれば好ましいと言われています。
ただし、米国公認会計士(USCPA)の資格試験に対して、TOEICスコアや英検1級2級に合格して証明書が必要ということではありません。
TOEIC、英検よりも「英語の会計知識」が大事
TOEICや英検は、あくまで一般的にわかりやすい目安としての英語力であり、USCPAの試験自体は、会計知識に関する英語力の方が重要なため、必ずしもこの英語力がなくては合格しないというわけではありません。
TOEIC | ビジネスや日常生活における英語のコミュニケーション能力、ビジネス英語力 |
英検 | 英語の4技能を総合的に図り、アカデミックな要素が強い |
USCPA | 会計知識に関する英語力、専門的な英語 |
よって、TOEICや英検の実績よりもUSCPAの試験に出題する会計知識に関する英語力を持つことの方が大事になります。
その他関連記事:『米国公認会計士・USCPA|英語できない人も合格できる?』 |
会計知識に関する英語があれば、それ以外は一般的な英語力でOK
USCPAの予備校のアビタスによると、
「大学受験や高校時代に勉強した英語力であれば、USCPAを目指すことは可能」 「問題文は比較的ベーシックな英文法で書かれており、基礎知識がそれなりにあれば、文法に関してはそこまで苦労しないでしょう」 「英語力そのものより、いかにUSCPA用の英語をマスターするかが重要」 ※引用元:アビタスHP |
だと説明されていて、USCPAに必要な英語知識自体は高くないと言われています。
つまり、USCPAに必要な英語知識をインプットし、会計に関する英単語や英文に慣れれば、あとは英語以外のUSCPAに必要な試験対策を立てていけばOKということになります。
なお、アビタスではUSCPA用の単語帳があるので予備校で勉強しようと考えている人は既に体系化されたUSCPA用の単語帳を活用すると良いでしょう。
アビタスに関する資料などは下記より入手できます。
USCPA試験|BECの記述式問題に必要な英語力
USCPAの試験は英語のコンピュータ試験で、テストセンターのコンピュータを使って解答する試験方式(CBT:Computer Based Testing)になります。
そして、その試験科目は4科目ありますが、その中でBECの科目は英語による記述問題(WC問題)があります。
よって、記述問題では英文を書かなければなりません。
USCPAの試験科目 | 試験時間 |
FAR:Financial Accounting and Reporting(財務会計) | 4時間 |
BEC:Business Environment and Concepts(ビジネス環境及び諸概念) | 4時間 |
AUD:Auditing and Attestation (監査及び証明業務) | 4時間 |
REG:Regulation (諸法規) | 4時間 |
記述問題に回答するにはどのくらいの英語力が必要なのか?
BECの科目の中にあるWC問題では、記述問題のため、英文で回答しなければなりません。
そのため、英語のライティングで苦手意識がある人ほど難しく感じるかと思います。
この場合の英語への対策やコツとしては、
- WC問題に関する用語をマスターする
- 部分点をもらうつもりで箇条書きでも書けるようにする
- それぞれの自分の英文回答パターン、言い回しを持つ
こういった型をうろ覚えじゃなく、しっかり型としてアウトプットできるようにしておくことになります。
USCPAに必要な英語力がつく予備校は?
USCPA試験合格に必要な英語力をつけるために、予備校を検討している方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、USCPAの予備校候補4社をご紹介します。
結論から言うと、英語ができない人にもおすすめなのは、合格実績NO1のアビタスです。
USCPA合格者実績NO1の専門校|アビタス
アビタスは圧倒的に合格者が多い人気のUSCPA専門校です。
テキスト・教材は、日本のビジネスパーソンが短期合格するための完全オリジナル教材を開発。そのため、1,000時間で全試験範囲をカバーできて、忙しい社会人にも学習継続できるプログラムになっています。
また、日本語に英語を併記する形で詳細な解説が加えられています。この日本語を中心とした解説は、インプットを格段に効率化させ、図解も豊富に盛り込まれ、ポイントを一目でつかめるように工夫されています。索引は日本語/英語の対訳形式となっており、単語帳としても活用できます。
このような特徴からもUSCPAのテキスト・教材で一番良い口コミが多いです。
アビタスでは「悩む時間」「調べる時間」を短縮させ、学習効率に直結させるために、全ての問題に「動画解説」が付いています。
まずは、下記から資料請求やオンライン説明会に参加したりして、有益な情報を収集するのも近道です。
資格大手の学校|TAC
TACは、会計関連の資格、国家資格をはじめ、様々な資格を取得するための講座を提供している専門予備校です。
TACのUSCPA講座では、世界最大級の受験対策校のBecker社と連携し、Beckerオンライン演習ソフトを使って、本試験と近似したインターフェースでの問題演習ができます。
テキストや問題集は、日本語と英語併記になっていて、基礎から合格レベルの知識を無理なく習得できます。シミュレーションの解き方を動画で解説するものがあったり、効率的な解き方の流れも知ることができます。
ただし、Beckerの教材は、本場アメリカで成績優秀者の9割が使用している教材と言われていて、テキスト・教材のボリュームが多く、挫折してしまう人もいるようです。
資格大手の学校|大原
TACと同じく、資格学校として有名なのが大原です。大原は、簿記・税理士・公認会計士・公務員・医療事務・医療秘書・基本情報技術者などの資格取得と就職をサポートする専門学校です。
大原の講師による日本語の講義と、アメリカで人気のRoger講師による英語の両方の講義を受講することができます。
テキスト・教材はRogerのテキストが使用されていて、全て英語となります。ただし、英語力に不安がある人のために、講義内で出てくる難しい英単語や専門用語を和訳した「KEY TERMS」や、英語での理解が難しい問題の日本語解説など、各講義には日本語のレジュメがついています。
テキストの特徴として、過剰な情報を排除し、USCPA試験に合格するために必要な情報を正確に提供するように構成され、カラーで見やすくデザインされています。
USCPA専門予備校|プロアクティブ
プロアクティブは、USCPAに特化した専門予備校となります。
バイリンガルのニューヨーク州公認会計士である佐々木講師が、バイリンガルスタイルで英語中心の講義を行います。
USCPAの本試験とのギャップをなくすために、英語のみのテキストを使用しているのですが、英語が苦手な人や日本語でUSCPAの知識を理解しながら進めたい人には不向きです。
ただし、テキストは英語ですが、講義自体は、バイリンガルでニューヨーク州公認会計士の佐々木洋和氏が日本語で授業を行います。
上記予備校4社のテキスト・教材をまとめると以下のとおりです。
予備校 | テキスト | 言語 | 特徴 |
アビタス | オリジナル | 日本語+英語 | 合格実績NO1(日本合格者の約3人に2人がアビタス卒業生) |
TAC | Becker+オリジナル | Becker:英語 オリジナル:日本語 | TAC×Beckerコラボ教材使用 |
大原 | Roger | Roger:英語 レジュメ:日本語 | 米国で定評のあるRogerテキストを使用 |
プロアクティブ | オリジナル | 全て英語 | バイリンガルの講師が英語を中心とした教材で講義 |
上記の予備校比較は、『米国公認会計士|USCPA予備校を比較!一番おすすめは?』で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
米国公認会計士(USCPA)|試験の難易度・合格率
これまでUSCPA試験の英語力について述べてきましたが、会計知識に関する英語力だけでなく、会計知識自体の方がもっと重要だということをお伝えしました。
そこで、ここではUSCPA試験自体の難易度についても合わせてご紹介します。
USCPAの難易度、合格率、科目内容、受験資格
比較項目 | 米国公認会計士(USCPA) |
合格率 | 約30%(日本人のみ) |
科目数 | 4科目 |
科目内容 | ① 財務会計(FAR) ② ビジネス環境及び諸概念(BEC) ③ 監査及び証明業務(AUD) ④ 諸法規(REG) |
試験時間 | 4時間×4科目 |
合格基準 | 各科目75点以上取得(99点満点) |
試験の特徴 | 1科目ずつ受験でき、各科目の有効期限は18カ月(1年半) |
受験資格 | 州ごとに異なる(学位要件、単位要件) |
なお、USCPA試験における各科目の勉強時間の目安を知りたいという方は『米国公認会計士(USCPA)|必要な勉強時間は?社会人は?』を参考にしてください。
米国公認会計士(USCPA)の日本人合格率は30%程度
米国公認会計士(USCPA)の合格率ですが、外国人を含めた全体での合格率は50%程度です。なお、試験の言語は全て英語のため、日本人だけでの合格率では約30%程度となります。
USCPA試験の難易度が高い理由
日本人にとってUSCPAの試験が高難易度である理由は、以下のようなものがあります。
試験範囲が広い
USCPA試験は、会計、融資、税務、監査など多岐にわたる分野を含んでいます。これらの分野について広く深い知識が必要であるため、勉強の範囲が非常に広くなります。
英語力が必要
USCPA試験は、英語での試験であるため、日本人にとっては語学力が必要になります。さらに、専門用語や複雑な文章が多く出題されるため、試験を読み解き、回答できる英語力が求められます。
出題形式が複雑
USCPA試験は、多肢選択問題や論述問題など、複数の出題形式があります。また、問題文が長く、複雑であることが多いため、読解力や解釈力が必要です。
アメリカの会計法規を学ぶ必要がある
USCPA試験では、アメリカの会計法規や監査基準についての知識が求められます。これらの法律や基準は、日本とは異なるため、独学で勉強する場合には、理解が難しい場合があります。
以上のように、USCPA試験に合格するには、高度な知識と技能、語学力が必要であり、勉強量も多くなります。そのため、日本人にとっては難易度が高い試験であると言えます。
米国公認会計士(USCPA)と簿記1級はどっちが難しいのか?
米国公認会計士(USCPA)と簿記1級の難易度は、完全に同じ受験者ではなく、そのレベルが比較できないのですが、
・米国公認会計士(USCPA)…30%程度
・簿記1級…10%未満
のため、数字上では、簿記1級の方が難しいデータとなります。
USCPAの方が試験はかなり簡単だから意味ないという人もいますが、『米国公認会計士(USCPA)が意味ない5つの理由とメリット』でお伝えしているように、意味ある人には就職・転職時など勤務先の幅は広がります。
特に、外資系やグローバル企業を中心にITや会計×英語知識があるUSCPA人材が求められていて、強い武器になります。
USCPA保持者の勤務先例に関しては、『米国公認会計士/USCPA|日本で働く場合、どんな勤務先で働ける?』を参考にしてみてください。 |
USCPAの試験問題の科目内容
上述ではUSCPA試験の4科目について触れましたが、各科目内容は以下のとおりです。
試験科目 |
FAR:Financial Accounting and Reporting(財務会計) |
BEC:Business Environment and Concepts(ビジネス環境及び諸概念) |
AUD:Auditing and Attestation (監査及び証明業務) |
REG:Regulation (諸法規) |
FAR(財務会計)とは
FAR(Financial Accounting and Reporting)とは、財務会計のことです。財務会計の中には、メインの企業会計のほか、政府会計、非営利組織会計があり、それらの知識が問われます。
BEC(ビジネス環境及び諸概念)とは
BEC(Business Environment and Concepts)とは、ビジネス環境及び諸概念のことです。
企業を取り巻くビジネス環境全般を取り扱う科目で、試験範囲は財務管理、管理会計、経済、ファイナンス、IT、コーポレートガバナンスなどです。
AUD(監査及び証明業務)とは
AUD(Audit and Attestation)とは、監査や証明業務に関する科目です。
REG(諸法規)とは
REG(Regulation)とは、法規に関する科目です。大きく税法とビジネス法の2つに分かれます。
USCPAの4科目の勉強時間
1日3時間の勉強の場合、各科目の勉強時間と期間は以下のとおりです。なお、あくまで勉強時間は目安であり、個人差があることをご了承ください。
科目 | 必要時間 | 期間(1日3時間の勉強) |
FARの勉強時間 | 400~700時間 | 約4.4~7.7カ月 |
BECの勉強時間 | 200~300時間 | 約2.2~3.3カ月 |
AUDの勉強時間 | 240~400時間 | 約2.6~4.4カ月 |
REGの勉強時間 | 240~380時間 | 約3~4カ月 |
USCPAトータル時間 | 1000~1500時間 | 約1年~1年半 |
なお、『米国公認会計士(USCPA)|必要な勉強時間は?社会人は?』の記事で各科目の出題特徴までまとめていますので詳しくはこちらをご覧ください。
USCPA試験の受験資格
また、TOEICや英検と違って、米国公認会計士(USCPA)は誰でも受験できるというわけではありません。
USCPAには以下の受験資格の要件を満たす必要があります。
米国公認会計士(USCPA)の受験資格 | |
学位要件 | 単位要件 |
・4年制大学を卒業している ※在学中や高卒・短大卒でも受験可能な州もある | ・会計単位・ビジネス単位を一定数以上取得していること |
会計単位、ビジネス単位とは
受験資格の2つ目の要件にある「会計単位」「ビジネス単位」とは以下のことです。
会計単位 | 会計学、財務会計、財務諸表論、管理会計、原価計算、監査論、税法、国際会計などの科目 |
ビジネス単位 | 経済学部、経営学部、商学部などで、広告・銀行・ビジネス・商業・経済・経済学・その他関連の専門科目として認められている科目が該当 |
USCPA試験の受験資格の詳細に関しては、『【大卒/高卒】米国公認会計士(USCPA)の受験資格と各要件』を参考にしてください。 |
単位取得を満たしてない場合は予備校を活用
また、大卒であっても、理系の学部などで必要な会計単位やビジネス単位を満たしていない人もいるかと思います。
その場合は、USCPAの予備校を活用すれば、単位認定試験を受けることで単位要件を満たすことができます。
ただし、受験資格における単位要件は、州によっても変わり、わかりづらいので、USCPA専門の学校など専門家に一度相談する方が早いです。
アビタスでは、資料請求や無料セミナーを受けることができます。
USCPA|年間試験の実施回数、試験日
USCPA試験は、年間を通じて何回も受験することができます。
試験実施回数と会場 | 米国公認会計士(USCPA) |
【年間】試験の実施回数 | ・年間で受験日が選べる ※テストセンター休業日除く ※受験回数の制限はないが、同一科目の再受験は結果発表後 ※受験科目を受ける順番も任意 |
試験会場 | 東京・大阪 |
USCPAと公認会計士、簿記1級の難易度・合格率の比較
ここまでUSCPAの難易度を紹介しましたが、他の会計士の資格とはどうでしょうか?
USCPA、公認会計士、簿記1級の偏差値を比較
USCPAと簿記1級、公認会計士の偏差値を比較すると、以下になります。
公認会計士 | 69~77 | 国家資格 |
簿記1級 | 64~67 | 公的資格 |
米国公認会計士(USCPA) | 61~72 | 米国資格 |
公認会計士は、三大国家資格の一つですので、会計試験の中では最高峰と言われ、USCPAや簿記1級と比べても一番難易度が高い試験となっています。
ただし、
・米国公認会計士(USCPA)は試験が全て英語である
・公認会計士は誰でも受験可能なのに対して、米国公認会計士(USCPA)の受験者資格は、州ごとの大学学位要件と単位要件を満たした人のみが受験するため、合格率も高くなる
ということもあり、数字上だけでは比較できませんが、これまでの説明の通り、受験回数やチャンスの数で言えば、公認会計士の方が難易度が高い傾向にあります。
USCPA、公認会計士、簿記1級の合格率比較
弁護士、医師に次いで難しいと言われる公認会計士の試験ですが、合格率は以下のとおりです。
会計資格 | 合格率 |
簿記1級 | 10%未満 |
日本の公認会計士 | 10%未満 |
米国公認会計士(USCPA) | 50%(全体) 30%(日本人のみ) |
なお、『おすすめの英語資格一覧|11種類の難易度やレベル比較とランキング』では英語の資格という点から難易度比較していますので、こちらの記事も参考にしてみてください。
独学でUSCPAの試験に合格するのは難しい?
USCPA試験は、アメリカの会計業界における難関資格であり、試験範囲が広く、出題形式も複雑ですので、試験合格には高度な知識と技能、かなりの時間と労力が必要です。
よって、独学で勉強する場合、学習の進み具合や理解度を自己判断する必要があり、疑問点や誤解を正しく解決することができない可能性もあります。
そのため、予備校や学習グループなど、他の人と交流を持ちながら学習することをお勧めします。
独学でUSCPA試験に合格するためには、過去問題集や模擬試験を活用し、実際の試験形式や出題傾向を把握し、計画的に学習し、時間配分にも気を配る必要があります。
時間や労力を割かなければ、難易度が高いUSCPA試験に独学で合格するのは不可能ではないですが難しいと言えます。
まとめ USCPAは「会計知識に関する英語力」が重要
以上、USCPA試験に必要な英語力や英語対策とコツ、その他USCPA試験で知っておくべき情報を解説しました。
TOEICや英検がなくても、USCPAの会計知識に関する英語力があれば、USCPA試験に合格することが可能なことがおわかりいただけたかと思います。
また、この他にもUSCPAの予備校などで効果的な試験対策への情報を収集しておくこともおすすめです。
3人に2人の合格者を出す人気のアビタス(USCPAの予備校)では、無料で資料請求やオンライン説明会が開催されていますので、気になる方は資料請求や無料説明会に参加してみましょう。