米国公認会計士(USCPA)の資格を取りたいけど、自分に受験資格があるのかわからない方もいるかと思います。
ここでは、米国公認会計士(USCPA)の受験資格、単位、高卒や大卒での条件、日本、海外での受験資格の違いなどをご紹介します。
目次
米国公認会計士(USCPA)の受験資格|大学卒の場合
USCPAの受験資格がある人、ない人
米国公認会計士(USCPA)は誰でも受験できるわけではありません。受験資格があり、下記の要件を満たす必要があります。
米国公認会計士(USCPA)の受験資格 | |
学位要件 | 単位要件 |
・4年制大学を卒業している ※在学中や高卒・短大卒でも受験可能な州もある | ・会計単位・ビジネス単位を一定数以上取得していること |
USCPA受験資格|日本で受験できる?
日本人でUSCPAの受験資格がある場合、日本で受験できるのでしょうか?
結論を言うと、日本では2か所の試験会場でコンピューターで試験を受けることができます。
USCPAの試験は出願した州に関係なくすべて同じ内容で英文で出題されます。
USCPAの受験資格|学位要件
受験資格の要件の1つ目は、「4年制大学を卒業していること」です。アメリカの大学だけでなく、日本の大学を卒業している場合も要件を満たします。
ただし、4年制大学を卒業していない場合でも、大学在学中や高卒・短大卒でも受験可能な州もあります。
USCPAの受験資格|単位要件(単位取得の要件)
受験資格の2つ目の要件は、「会計単位・ビジネス単位を一定数以上取得していること」です。
USCPAの単位要件|会計単位とは
会計単位とは、会計学、財務会計、財務諸表論、管理会計、原価計算、監査論、税法、国際会計などの科目です。
USCPAの単位要件|ビジネス単位とは
ビジネス単位とは、経済学部、経営学部、商学部などで、広告・銀行・ビジネス・商業・経済・経済学・その他関連の専門科目として認められている科目が該当します。
受験資格における単位要件は、州によっても変わり、わかりづらいので、USCPA専門の学校など専門家に一度相談する方が早いと思います。
USCPA受験資格|大学の理系など単位が足りない場合
大卒であっても、理系の学部などで必要な会計単位やビジネス単位を満たさない場合があります。
その場合は、アビタスなどのUSCPA予備校を活用すれば、単位認定試験を受けることで単位要件を満たすことができます。詳しくは下記より資料請求(無料)できます。
※無料オンライン説明会もあります
米国公認会計士(USCPA)の受験資格|短大卒・高卒の場合
米国公認会計士(USCPA)の受験資格は、「4年制大学を卒業していること」というのが学位要件でしたが、高卒の場合、受験資格はないのでしょうか?
USCPAライセンスは一部の米国の州では高卒受験も可能
USCPAのライセンスですが、一部の米国の州では、高卒でもモンタナ州など受験可能な州があります。
モンタナ州|受験資格、単位取得の要件
モンタナ州は、大卒の卒業要件はないですが、4年制大学の学位が求められますので、
・Upper Divisionに該当する会計24単位(Financial Accounting、Auditing、Taxation、Management Accountingを含む必要あり)
・ビジネス24単位
※Upper division:簿記や基礎会計学を除く、大学3年4年時に取得する専門科目相当
の特定単位を取得すれば受験可能です。
ニューヨーク州|受験資格、単位取得の要件
ニューヨーク州でも、高卒でも受験可能ではありますが、総取得単位が120単位と現実的には難しいようです。
・総取得単位120単位
・以下4つのエリアの指定科目を取得していること
Financial Accounting(upper division)、Auditing(upper division)、Taxation、Management Accounting)
※USCPA予備校のアビタスの単位で出願可能
ただし、USCPA予備校のアビタスの単位で出願可能という記載がありますので、予備校に相談したり、資料請求や説明会に参加してみるとどの州を選ぶべきかの選択肢が明確になると思います。
ライセンス取得には4年制大学の学歴、実務経験などが必要
USCPA試験に合格しただけの場合、「USCPA全科目合格者」となります。その後、USCPAのライセンスを取得することで、名刺の肩書などに「USCPA」と記載することができます。
USCPAのライセンスとは
USCPAのライセンスとは、業務を行うための免許です。
USCPAライセンスを取得するには?
ライセンス取得には、4年制大学の学歴、実務経験などが必要です。例えば、高卒で社会人の方であれば、働きながら通信制の大学に通うなどの選択肢もあります。
また、ライセンス取得の要件は、各州で異なりますので確認する必要があります。
なお、USCPA予備校のアビタスでは、日本人がライセンス取得しやすい州として、グアム州とワシントン州を上げています。
米国公認会計士(USCPA)の概要、難易度、合格率
次に、米国公認会計士(USCPA)の難易度がどのレベルなのかをお伝えします。
USCPAの難易度、合格率、科目内容、受験資格
試験項目 | 米国公認会計士(USCPA) |
合格率 | 約30%(日本人のみ) |
科目数 | 4科目 |
科目内容 | ① 財務会計(FAR) ② ビジネス環境及び諸概念(BEC) ③ 監査及び証明業務(AUD) ④ 諸法規(REG) |
試験時間 | 4時間×4科目 |
合格基準 | 各科目75点以上取得(99点満点) |
試験の特徴 | 1科目ずつ受験でき、各科目の有効期限は18カ月(1年半) |
受験資格 | 州ごとに異なる(学位要件、単位要件) |
USCPAの試験日、受験料
USCPAの試験日
USCPAの試験は、年間を通じて受験できるので、都合に合わせて受験日が選べます。
各科目の年間受験回数に制限はありませんが、同一科目の再受験を申込する場合は、受験結果発表後に可能です。
USCPAの受験料
USCPAの各科目の受験料は以下のとおりです。なお、日本国内で受験する場合は追加料金がかかります。
FAR | BEC | REG | AUD | |
①科目別の受験料 | $238.15 | $238.15 | $238.15 | $238.15 |
②日本国内で受験する際の追加料金 | $390 | $390 | $390 | $390 |
①+② | $628.15 | $628.15 | $628.15 | $628.15 |
米国公認会計士(USCPA)の日本人合格率は30%程度
米国公認会計士(USCPA)の合格率ですが、外国人を含めた全体での合格率は50%程度です。
そして、試験の言語は全て英語のため、日本人だけでの合格率では約30%程度となります。
USCPA・簿記1級・公認会計士の合格率と難易度
USCPAの他にも簿記1級や公認会計士の難関資格がありますが、各会計資格の合格率は以下のとおりです。
会計資格 | 合格率 |
簿記1級 | 10%未満 |
日本の公認会計士 | 10%未満 |
米国公認会計士(USCPA) | 50%(全体) 30%(日本人のみ) |
USCPA・簿記1級・公認会計士の偏差値比較
USCPAと簿記1級、公認会計士の偏差値を比較すると、以下になります。
公認会計士 | 69~77 | 国家資格 |
簿記1級 | 64~67 | 公的資格 |
米国公認会計士(USCPA) | 61~72 | 米国資格 |
公認会計士は、三大国家資格の一つですので、会計試験の中では最高峰と言われ、USCPAや簿記1級と比べても一番難易度が高い試験となっています。
ただし、
・米国公認会計士(USCPA)は試験が全て英語である
・公認会計士は誰でも受験可能なのに対して、米国公認会計士(USCPA)の受験者資格は、州ごとの大学学位要件と単位要件を満たした人のみが受験するため、合格率も高くなる
ということもあり、数字上だけでは比較できませんが、これまでの説明の通り、受験回数やチャンスの数で言えば、公認会計士の方が難易度が高い傾向にあります。
なお、米国公認会計士の難易度の詳細は、『米国公認会計士は難しい?USCPAと簿記1級など難易度比較』にて詳しく解説していますのでそちらをご覧ください。
独学?予備校がいい?USCPA試験の勉強法
USCPA試験に合格するための一般的な勉強法とポイントは以下となります。
試験形式と範囲を理解する
USCPA試験は4科目から構成され、各科目には4時間の試験があります。
各科目には一定の範囲があり、試験に合格するためにはそれらの範囲を完全に理解する必要があります。
公式のUSCPA試験サイトから試験形式と範囲に関する情報を入手しましょう。
USCPAの教材・問題集・参考書の選定
市販のUSCPA教材を使用して学習することが一般的です。
各科目に合わせた参考書や問題集、模擬試験などがあります。
個人的に最適な教材を選ぶことが重要です。
過去問を解く
過去の試験問題を解くことで、試験出題傾向を理解することができます。
公式のUSCPA試験サイトから過去問を入手しましょう。また、市販の問題集も使用することができます。
自己管理・勉強時間・スケジュール
自分自身で勉強時間を考え、スケジュールを立て、計画的に学習することが重要です。
勉強時間をしっかり確保し、学習の進捗状況を把握するようにしましょう。
また、試験当日のために、時間配分の練習を行うことも必要です。
なお、USCPAの勉強時間に関しては、『米国公認会計士(USCPA)|必要な勉強時間は?社会人は?』で詳しくお伝えしていますので参考にしてください。
USCPAの予備校に通う
USCPAの予備校に通うことも有効な方法です。
講師からの指導や、受講生とのディスカッションを活用し、効率的な学習を行うことができます。
なお、USCPAの予備校を検討している方は、以下の4社が候補となります。
USCPA合格者実績NO1の予備校|アビタス
アビタスは圧倒的な合格者数を誇る人気のUSCPA専門校です。
合格に直結するカリキュラムを限られた時間の中で効率的に学べる学習ツールを提供しています。
また、忙しい学生や社会人など様々な事情を想定し、サポート期間はUSCPAの標準学習期間の3倍以上の5年間もあります。
USCPAに合格後も、アビタスでは社内に転職エージェント機能を持ち、USCPAに合格した後のキャリアアップもサポート(転職成功者も年間100人以上)。
アビタスなら、初心者でもUSCPAの万全な試験対策からライセンス取得、合格後のキャリア形成まで安心のサポート体制が整っています。
予備校を検討中の方は、下記から資料請求やオンライン説明会に参加したりして、有益な情報を収集するのも近道です。
資格大手の学校|TAC
TACは、会計関連の資格、国家資格をはじめ、様々な資格を取得するための講座を提供している専門予備校です。
TACのUSCPA講座では、世界最大級の受験対策校のBecker社と連携し、Beckerオンライン演習ソフトを使って、本試験と近似したインターフェースでの問題演習ができます。
また、シミュレーションの解き方を動画で解説していますので、効率的な解き方の流れを知ることができます。
資格大手の学校|大原
TACと同じく、資格学校として有名なのが大原です。
大原は、簿記・税理士・公認会計士・公務員・医療事務・医療秘書・基本情報技術者などの資格取得と就職をサポートする専門学校です。
大原の講師による日本語の講義と、アメリカで人気のRoger講師による英語の両方の講義を受講することができます。
安めのUSCPA予備校|プロアクティブ
プロアクティブは、USCPAに特化した専門予備校となります。
バイリンガルのニューヨーク州公認会計士である佐々木講師が、バイリンガルスタイルで英語中心の講義を行います。
単位の追加取得が必要ない人には、プロアクティブの講座がUSCPAの予備校では最安値となります。
なお、USCPAの予備校比較に関しては、『米国公認会計士|USCPA予備校を比較!一番おすすめは?』の記事で詳しく紹介していますのでそちらも合わせてご覧ください。
集中力を保つ
USCPA試験は長時間の集中力が必要です。
勉強中には十分な休憩時間を設けることが重要で、合間の時間では趣味や運動などでリフレッシュすることも大切になります。
独学でUSCPAの試験に合格するのは難しい?
USCPA試験は、アメリカの会計業界における難関資格であり、試験範囲が広く、出題形式も複雑ですので、試験合格には高度な知識と技能、かなりの時間と労力が必要です。
よって、独学で勉強する場合、学習の進み具合や理解度を自己判断する必要があり、疑問点や誤解を正しく解決することができない可能性もあります。
そのため、予備校や学習グループなど、他の人と交流を持ちながら学習することをお勧めします。
独学でUSCPA試験に合格するためには、過去問題集や模擬試験を活用し、実際の試験形式や出題傾向を把握し、計画的に学習し、時間配分にも気を配る必要があります。
時間や労力を割かなければ、難易度が高いUSCPA試験に独学で合格するのは不可能ではないですが難しいと言えます。
USCPA取得のメリット|日本で働く際のキャリアや就職に有利?
日本人がUSCPAのライセンスを持つと、どんなメリットがあるのでしょうか?
結論から言うと、USCPAの取得者は、米国に本社を置くような外資系企業やグローバル企業などの会計業務では、就職・転職に有利に働きます。
USCPA取得者の就職・転職・求人先
例えば、USCPA取得者の転職・求人先を見ても、『米国公認会計士(USCPA)の年収は高い?独立・外資系転職後の年収は?』の記事でもお伝えてしているとおり、
企業 | 仕事内容 | 想定年収 |
監査法人 | 財務諸表監査、内部統制監査、金融商品取引法に基づく内部統制監査(J-SOX)、金融アドバイザリーサービス、その他証明業務など | 600~1000万 |
会計事務所 | M&A実務支援、Financial Advisory Service、組織再編・IPO・企業再生コンサルティング、企業・無形財産等評価サービスなど | 800~1200万 |
会計コンサル | 統合デューディリジェンス、統合戦略・方針立案支援、スタンドアロン・セパレーションコスト分析など | 500~1000万 |
総合商社の経理財務 | 決算・税務関連業務、営業グループの会計業務、国内外事業会社や海外現地法人での管理業務など | 500~1500万 |
※企業によって想定年収に違いがあります。
など、外資系企業をはじめ、高い給与でハイクラス求人を求める企業も多いです。
まとめ まずは自分に合った対策を見つけること
USCPA試験では、受験資格の会計単位が足りているのか、どの州で受験するのが有利か、日本で受験できるのかなど、受験要件を満たしているかを確認する必要があります。
特に、初めてUSCPA資格を取得しようとしている場合は、自分ひとりでは不安や難しい部分があるでしょう。
そんな時は、USCPA試験や資格対策を熟知する専門学校や予備校に相談するのがおすすめです。
合格者の約3人に2人がUSCPA予備校のアビタスでは、無料資料請求やオンライン説明会を開催していますので、ここで情報を集めておくことが作戦を練る上でも大いに役に立ちます。