口語でも文語でも頻繁に出てくる「seem」ですが、その使い方を知っていますか?
また、「look」ともよく比較される表現でもあります。また、「seem」の後ろに「to不定詞」がある場合とない場合のニュアンスも少し異なります。
過去形の作り方、また派生語の「seemingly」など押さえておくと英会話にとても役立ちます。
最後には「seem」を使った名言もご紹介します。
目次
「seem」の意味と基本の形
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先ずは「seem」の発音と意味から確認していきましょう。
「seem」の発音と発音記号は下記となります。
過去形・過去分詞は「seemed」になります。
下記が主な意味となります。
- ~らしい(~みたい)
- ~と思われる
- ~のように見える
など。
次の3つの形が基本として先ず覚える形です。例文と一緒に見てきましょう。
- 主語+seem+(to be)+形容詞:He seems to be angry./He seems angry.(彼は怒っているようです)
- 主語+seem+(to be)+名詞:You seem to be a kind person./You seem a kind person.(あなたは優しい人そうですね)
- 主語+seem to 動詞の原形:She seems to know about it.(彼女はそのことを知ってそうです)
要するに、「seem to 動詞の原形(to不定詞)」だと思って下さい。これを押さえて、これから紹介する用法を確認すると分かりやすくなります。
また、「seem」は直接的な表現ではなく、「~のようです」という少し柔らかい使い方です。
- You are happy, aren’t you?(あなたは幸せですよね)
- You seem happy.(幸せそうですね)
和訳を見ても分かりますよね。このような使い方が「seem」となります。
「seem」と「seem to be」の違い
先ほどの例文でも「to be(to不定詞)」を省略するパターンもありましたね。
下記の2つの文も見てみましょう。
- You seem happy.(相手を見て)幸せそうだね!
- You seem to be happy.(聞いたんだけど)幸せそうだね
同じ和訳になりますが、「to be(to不定詞)」が少し客観的な言い方になります。自分だけの感想ではなく、何かしらの情報などがあった場合に使えます。
微妙なニュアンスの違いですが、覚えておくと便利です。
色々ある!「seem」の用法・例文など
さて、基本の「seem to 動詞の原形(to不定詞)」を押さえたら次は、色々な使い方を見ていきましょう。
口語から文語まで様々な場面で使える表現ばかりです。
seem like
口語的表現で、「~みたい」という場合に使います。「seem」だけでも意味は通じますが、「like」を入れることでカジュアルな表現になります。
- It seems like it’s going to rain today.(どうやら今日は雨が降りそう)
- He seems like a smart guy.(彼は頭がいい奴に見えるね)
- You seem like you are sad.(あなたは悲しそう)
など。
主語が「It」の場合は、「Seems like ~」と略して表現することも多いです。
It seems that
that構文となるので、その後ろには「主語+動詞」の文が来て、「~のようです」という意味になります。
例文を見てみましょう。
- It seems that they complained about our service.(彼らは私たちのサービスに文句を言ったようです)
- It seems to me that He did not understand what was going on.(彼が状況を理解できていないように私には思えました) ※「seem to A that ~」の形で「Aには~だと思える」という形になります。
「It would seem that ~」と「would」で丁寧な言い方(~のようです、など)にする場合もあります。「would」の使い方については、『「would」の意味と5つの使い方|doやwill、couldなどの違いも解説・例文』の記事もご確認ください。
更に口語的になると、先ほどの「It seems like ~」と「like」と「that」が置き換わります。
There seem(s)
「~があるようです」という場合に使う形です。「There is(are)」が置き換わった形ですね。
下記がその例文です。
- There seems no way to solve the problem.(その問題を解く方法がどこにもないようです)
- There seem to be some reasons for his bad behavior.(彼の悪い態度にはいくつかの理由があるようです) ※この場合は「seem」となります。
2つ目の例文のように「seem」の後ろに複数形が来る場合は、三人称単数時に使う「seems」とはしません。
seem to be 動詞ing
現在分詞(動詞ing)が来る場合は、「to be」を略すことができず、「~しているようです」という意味になります。
下記がその例文です。
- He seemed to be enjoying the game.(彼はそのゲームを楽しんでいるようでした)
- You seem to be having a problem, don’t you?(問題を抱えているようですね)
など。現在分詞について詳しく知りたい方は、『英語の現在分詞とは?3つの主な役割と過去分詞との違いなど』の記事を参考にしてみて下さい。
So it seems./It seems so.
相手が「seem」を使った文で話しかけてきて、「そうみたいですね」と答える時に使う表現です。
因みに「そうじゃないらしい」という場合は、「It seems not.」という表現をします。
また、更にカジュアルであれば、「Seems like it.」でもOKです。
- 相手:It seems like he is angry. あなた:It seems so./So it seems.(彼は怒っているみたいですね。そうみたいですね)
- 相手:There seems no reason to deny. あなた:It seems not.(拒否する理由はなさそうですね。そうみたいですね) ※前文が否定形なので、それに賛同するには否定形の言い方をします。
など。
cannot seem to
これも口語的な表現になりますが、「~できないような気がする(できなさそう)」という場合に使う表現です。
下記がその例文です。
- She cannot seem to find a way out.(彼女は解決策を見つけることができなさそう)
- He cannot seem to work there any longer.(そこでこれ以上働くことはできなさそう)
など。
また、短縮形の「can’t seem to」という形もよく使います。
seemingly
後ほど「look」との違いのところで説明しますが、「seem」は何かしらの情報など見た目以外から判断する時にも使いますが、その派生語の「seemingly(シーミングリー)」も、同様に「見たところ・知る限り」という意味でもよく使います。
品詞は副詞となります。
- Seemingly he is wrong.(知る限り、彼が悪い)
- It’s seemingly impossible.(それは見た目には不可能そうです)
など。
「~だったらしい」と過去形にするには?
今までの例文でも「seemed」と過去形を見てきましが、下記の違いが分かりますか?
下記の違いをシッカリと把握して下さい。
- You seemed to get a cold.(風邪を引いたようでしたね、でも今は分からない)
- You seem to have gotten a cold. 風邪をひいたようですね。(過去に風邪を引いたようです) ※情報や見た目からそうです、または今も風邪を引いていそうなので「seem」を現在形にしています。
など、要するに時間軸が違いますね。
2つ目の文のような場合は次のような形をとります。
seem to have 過去分詞
下記がその例文です。
- There seem to have been a misunderstanding between them.(過去に彼らの中で誤解があったようですね)
- He seems to have enjoyed his trip.(彼は旅行を楽しんだようです)
など。
過去分詞について詳しく知りたい方は、『英語の過去分詞|4つの使い方・単語一覧の覚え方と例文など』の記事を参考にして下さい。
It seems (that) 過去形の文
「to seem to have 過去分詞」の形をthat構文で置き換えることもできます。意味は全く同じです。
下記がその例文です。
- It seems that there was a problem.(1つ問題があったようです)
- It seems that she really had a great time.(彼女は本当にいい時間を過ごしたようです)
など。
「seem」と「look」の違いは?
「~のようです」という意味から、同じ動詞の「look」との違いがよくフォーカスされますが、違いは次の通りです。
- look・・・見た目、また誰が見ても~のようですという場合に使います
- seem・・・見た目ですが主観的な判断、または他の情報などから判断して~のようですという意味になります
下記の例文のニュアンスを確認しましょう。
- look:It looks like it’s going to be sunny.:(誰が見ても分かるくらい見た目で)晴れそう
- seem:It seems like it’s going to be sunny.:(天気予報など、また自分が見た感じから)晴れそう
しかし、実際の会話の中でさほど意味に差はなくネイティブも使っているのが現状です。なのであまり気にせずにどちらを使っても構いません。
また、これに「appear」という単語とも比較されることがあります。それについては、『appearの意味と使い方|発音や派生語・例文やseemとの違いなど』の記事を参考にしてみて下さい。
「seem」を使った有名な名言は?
最後になりますが、元南アフリカ大統領「Nelson Mandela(ネルソン・マンデラ)」の「seem」を使った名言をご紹介します。
「It always seems impossible until it’s done.」
直訳すると、「何事も成し遂げられるまで不可能に思えるものです」という意味になります。
差別と闘い続けてノーベル平和賞を受賞したマンデラ氏の言葉なので重みがありますね。
「無理だとあきらめるな」、「やり続けることが大切」など熱い思いが込められた名言ですね。
まとめ:「seem」を使いこなせれば英会話が上達する!
さて、何となく「seem」の使い方を把握できましたか?
身近な言葉で言うと「look」を使えるのですが、それだけだと全てがカジュアルな表現に聞こえてしまいます。
ビジネスなどで柔らかく言いたい場合は「seem」など使い分けが必要です。
何度も見直していいので、例文を参考にしながら自分のものにしましょう!