
巷では「倍速(高速)のリスニング」の教材やCDなどが溢れていますが、はっきり言って効果はありません!
それは幻想で、出来ている気になるだけです。
期待されていた方は失望させて申し訳ございません。
しかし、英語を習得した人やバイリンガルの人が倍速でリスニングした人は皆無です。
この事実を多くの方が知りません。
時速200kmの剛速球を打ち続ければ、誰でもプロ野球選手になれるのでしょうか?
であれば、全ての野球少年が大リーガーです。
スピードをUPしたリスニングの弊害や本当のリスニングについて知識がないため致し方ないのですが・・・
目次:
1.「倍速」のリスニングの何が弊害なのか?
2.倍速ではなく何をしたら本当のリスニング力が身に付くのか?
まとめ:倍速スピードのリスニングが効果的なレベルとは?
1.「倍速」のリスニングの何が弊害なのか?

時速200kmのボールを見た後に、時速160kmのボールが来たら遅く感じます。
これは事実です。
しかし、それが正しいフォームで打てて、ヒットにしたり、ホームランにするのかは別問題です。
遅く見えるだけです・・・
これはリスニングでも同様で、倍速の後に通常スピードでリスニングすると遅くは感じますが、ちゃんと内容を理解しているかは別です。
ようするに「スピード」に慣れただけなのです。
これを多くの方が勘違いしています。
シッカリしたフォーム、体力、動体視力が必要りなります。
これと似た能力が英語のリスニングにも必要です。
英語には独特のリズムがあります。日本語にないリズムです。周波数の違いからくるものもありますが、強調する個所など日本語と違う言語のためです。
日本語と英語の周波数の違いは下記です。
- 日本語の場合は、125 〜 1,500ヘルツ
- 英語の場合は、2,000 〜 12,000ヘルツ
上記の図を見て分かるように、日本語と英語の周波数は全く交わるところが全くありません。
では、ここで質問です。
例えば、アラビア語を倍速で聞いたとしましょう。その後に通常のスピードで聞いた時にあなたは理解しているでしょうか?
全くの別問題ですね。
でも、英語では理解できているかのように聞こえる・・・ 聞こえるだけで理解はしていません。
また、周波数だけではなく、『英語の文法|英文法の基礎はたった1つしかない』の記事でも解説している通り、英語は日本語と語順も異なります。
- 日本語の場合 → SOV:主語(S)が抜けることがほとんど(例)明日行くね、など ※「私」という主語(S)が抜けている
- 英語の場合は → SVO
要するに、リズムも文法も違う英語をリスニングをするための「基本」を身に付けないと、内容を理解するリスニングは不可能なのです。
倍速でリスニングをすることは、スピードだけに目が行き、本質の「理解するリスニングのために何が必要なのか?」を無視しています。
私の周りで倍速のリスニングをしている英語習得者は一人もいません。
倍速は早口言葉と同様で、そこに英語独特のリズム(周波数)は無視しています。
英語のリスニングをマスターするには、スピードではなく、「理解するには何の能力を身に付けるのか?」が一番大切なのです。
2.倍速ではなく何をしたら本当のリスニング力が身に付くのか?
英語のリスニングの能力を身に付けるには、倍速でもなく低速でもなく、「ナチュラルスピード」が基本となります。
ナチュラルスピードで正しい勉強法をするからこそ、ちょっと早口の方のリスニングもできますし、ゆっくり話す方のリスニングも簡単になるのです。
それをないがしろにしての学習法は時間の無駄です。
方法としては、『英語のリスニング力が驚くほど開花する超簡単な勉強法』にも記載している通り、下記が重要になります。
- 英語の音への瞬発力
- 英文を聞く持久力
- 英語の音の聞き分け
- イメージリスニング
などです。
これも全てナチュラルスピードで実践します。初心者にもおすすめのアプリなどもご紹介していますのでご参考下さい。
これは、日常会話、ビジネス英語、TOEICなどのリスニング全てに応用できます。
まとめ:倍速スピードのリスニングが効果的なレベルとは?
倍速、高速でのリスニングが一生NGではありません。
シッカリと基礎を付けた方でも必ず「壁」にぶち当たることがあります。
言語習得にはその壁が必ず存在します。第一言語が英語以外であれば必ずです。これは私もそうでした・・・
なかなかリスニング力がUPしない、もう少しリスニングレベルを上げたいという上級者の方にはお勧めです。
そのような方(リスニングのプロ野球選手)は、倍速、3倍速でもシッカリと音を掴んで、内容を理解しているか?を確認して下さい。
リスニングのメジャーリーガーですね。
そのトレーニングでリスニングの壁を乗り越えることが出来るかもしれません。
ネイティブと同じようなリスニング力に近づくためにも是非、トライしてみましょう!
コメント