「~なので」を英語で言えますか?
日本語の「~なので(だから)」やビジネスや丁寧な言い方の英語での「なぜなら」は、使わない日はないというくらいよく使う表現ですよね。
『「なぜなら」の英語|理由を伝えるbecause以外の12個の表現』の記事でも解説していますが、英語では「because」、「so」、「therefore」など様々な表現があり、表現は意味やニュアンスに違いがあります。
また、友達同士の会話などカジュアルな場面で使うものや、論文やビジネスの場面などフォーマルな場面で使うものもあります。
尚、『英語の接続詞一覧|42種類ある接続詞の簡単解説と使い方』では「なので」の「because」や「so」を含む英語の接続詞を一覧で紹介しています。
どれも、会話や文章でよく使う表現ばかりなので、ぜひこの機会にこちらもチェックしてみてください。
目次
「~なので(だから)」の基本表現:「because」
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「~なので」は英語でまず押さえておきたい基本表現が「because」です。
「because」の発音
「because」の読み方と発音記号は下記となります。
「a」は「ア」ではなく「オ」の音で発音します。アクセントは、「be」ではなく「caの「オ」の音にあり、ここを強く発音します。
「because」の意味と使い方
「~なので」や「なぜなら」という意味でとてもよく使う表現です。
原因や根拠を伝える時に、その接続詞として使います。
比較的、カジュアルな表現ですが、日常会話だけでなく、メールなど一般的な文章でも使える表現です。
ただし、かしこまったフォーマルな場面やアカデミック場面では、あまり使わないので要注意です。
「because」は、文頭でも文の後半でもどちらでも使えます。ただし、日本語では「~なので~だ」と「なので」の文が先に来ることが多いですが、英語では「because」以降を後ろに置くことのほうが多いです。
【例文】
- その1.He studies English because he wants to study abroad. /彼は留学したいので、英語を勉強しています。
- その2.Because I didn’t have enough money, I couldn’t buy the ticket. /十分なお金を持っていなかったので、チケットを買うことができませんでした。
カジュアルな会話限定ですが、because節だけを文として使うこともできます。
【カジュアルな会話例】
- A: Why do you go to the university? /なぜその大学に行くの?
- B: Because I want to be a doctor. /医者になりたいから。
「because of」の使い方
「because」とセットで覚えたいのが、「because of」です。
「because of」も「~なので」という意味で使えます。
「because」は接続詞ですが、「because of」は前置詞です。
そのため、「because」の後には、それ単体でも文章にすることができる「主語+動詞」が来ますが、「because of」の後ろに置けるのは「名詞」または「動名詞」です。
「because of」の例文を確認しましょう。
【例文】
- 英語:The picnic was cancelled because of rain.
- 日本語:雨だったのでピクニックは中止になりました。
この文を、「because」で書き換えることもできます。
- 英語:The picnic was cancelled because it was rain.
- 日本語:雨が降ったので、ピクニックは中止になりました。
「That’s why(because)~」というスラングもある
友達同士や方言の1つとして、「~なので(だから)」という意味で「That’s why(because)~」というケースもあります。
「だから、~する(した)」などカジュアルに言う時に使う場合があります。
その場合は、その前に何かしらの理由があり、「That’s why ~.」という英文を言います。
「~なので(だから)」で日常会話でよく使う:「so」
「because」と同様に、日常会話でよく使うのが「so」です。
「so」の発音
「so」の読み方と発音記号は下記となります。
「so」の意味と使い方
「so」は接続詞と副詞の両方の意味があります。
副詞は「そのように」という意味で、「なので」で使う場合は接続詞となります。
「because」の場合、「because」の後に原因がきますが、「so」は前に原因がきます。
【例文】
- 英語:He studies very hard so he passed the exam.
- 日本語:彼はとても一生懸命勉強したので、試験に合格しました。
「so」の使いすぎに注意!
「そのように」や「~なので(だから)」など便利に使える「so」。
ついつい、間を繋ぐ言葉として使ってしまいがちですが、使いすぎには要注意です。
日本語でも、「だから」を無意味に多く使ってしまう人がいますが、それと同じで論理的でなく表現が幼い印象を相手に与えてしまいます。
また、「so」は非常にカジュアルな表現です。論文はもちろんのこと、文章ではあまり使いません。
「so」の代わりに「and」を使う?
「so」を使いすぎないために、積極的に使いたいのが「and」です。
「and」は「A and B(AとB)」などのように、2つを同列に繋ぐことが出来ますが、AとBの位置に入る言葉次第で様々な意味になります。
原因と結果を繋ぐこともできて、その場合日本語に訳すと「なので」という意味になります。
【例文】
- 英語:I caught a cold, and I couldn’t go to work yesterday.
- 日本語:私は風邪をひいたので、昨日仕事に行けませんでした。
「so」と「and」の違いは、「so」のほうが、原因と結果を繋ぐ「なので」のニュアンスが強くなる点です。
「and」を使った場合、ニュアンスとしては「風邪をひいて、昨日仕事に行けませんでした」が近いですが、この文でも風邪をひいたことが、仕事に行けなかった原因だということが十分伝わります。
「so that」構文は要注意!
「So that」構文も「~なので」と訳すことが出来ますが、使い方によっては少し意味が違います。
文法的な使い方の相違となるので、少し難しいかもしれませんが、知識として知っておくと便利です。
「so that」の前に「,(コンマ)」がある場合は、「~なので…だ」という意味です。
【例文】
- 英語:I felt sick, so that I couldn’t go to work.
- 日本語:具合が悪かったので、仕事に行くことができませんでした。
このように、「,(コンマ)」がある場合は、原因と結果を繋ぐ文です。
一方、「,(コンマ)」が無い「so that」構文は、「so that」の後ろには目的がきます。
【例文】
- 英語:He studied very hard so that he could pass the exam.
- 日本語:彼は試験に合格するために、一生懸命勉強しました。
「勉強した結果、試験に合格した」のではなく、目的である「試験に合格する」ために一生懸命勉強したという意味になります。
「,(コンマ)」があるかないかだけで、訳し方が大きく変わるので要注意です。
既に知っている事実を伝える「~なので(だから)」:「since」と「as」
相手が既に知っている情報や、当たり前の情報を「~なので」と伝える場合には、「since」や「as」を使います。
「since」や「as」の後にくることは、相手が既に知っているので重要ではありません。その結果起きたことに重点を置いて話す場合に使います。
「since」の発音と使い方
「since」の読み方と発音記号は下記となります。
「since」は「~以来」、「~の時からずっと」などの意味で、時を表す表現ですが、理由を表す「~だから」や「~ゆえに」という意味でも使えます。
先ほど紹介したように、相手が知っているか、事実として明白なことを原因として伝える場合に使います。
稀に文末で使うこともありますが、基本的には文頭で使います。
「Since」はどちらかというとフォーマルで、友達同士などカジュアルな会話ではあまり使いません。
【例文】
- 英語:Since next Monday will be a national holiday, our show will be closed.
- 日本語:来週の月曜日は祝日なので、私たちのお店はお休みです。
「as」発音と使い方
「as」の読み方と発音記号は下記となります。
「as」は「~と同じくらい」など、様々な意味がありますが、「~なので」と訳すこともできます。
ただし、他の意味と区別がつきにくいため、ネイティブも「as」ではなく「since」を使う人が多いです。
「since」と同様に、聞き手にとって明白な事実、既に知っている事実を原因として定時する場合に使います。
尚、「as」は「since」より、さらにフォーマルな表現です。
【例文】
- 英語:Tom gave a bag to his girlfriend as she had her birthday.
- 日本語:トムの彼女の誕生日だったので、彼は彼女にバッグをプレゼントしました。
論文やビジネスで使う「~なので(だから)」:「therefore/thus/hence」
論文などアカデミックな文章や、フォーマルな場面で使う「なので」は「therefore」、「thus」、「hence」の3つです。
尚、論文の英語は『英語の「論文」|絶対に押さえたい9つの書き方の基本と例文』で紹介しています。論文やかしこまった文章を書くという方は、こちらも是非チェックしてください。
ビジネスメールやプレゼンなどフォーマルな表現については、『ビジネス英語|絶対に押さえておきたい8つのコツと勉強法』もご参考下さい。
「therefore」の発音と使い方
「therefore」の読み方と発音記号は下記となります。
意味は「それゆえに」、「したがって」です。
「therefore」は、前に書かれていることの結果や結論を伝える役割があります。
「because」の文は、基本的に原因と結果が、1つの文章に入りますが、「therefore」は2つの文に分けて書くことが多いです。
「therefore」の後ろには「,(コンマ)」が必要です。
尚、「therefore」は、ビジネスの場でも使える、フォーマルな表現です。
論文などでも、よく出てきます。
ただし、「therefore」は少し堅い表現なので、友達同士のカジュアルな会話では使いません。
「thus」の発音と使い方
「thus」の読み方と発音記号は下記となります。
意味は「従って(したがって)」や「かのように」です。
状況などを一通り説明した後で、「thus」を使って「従って~となります」と結論や結果を伝えます。
「therefore」よりもさらにフォーマルで堅い表現です。
「hence」の発音と使い方
「hence」の読み方と発音記号は下記となります。
意味は「これゆえに」や「従って」です。
非常にフォーマルな表現で、文章のみに使う表現です。ビジネスなどフォーマルな場面でも会話では使いません。
まとめ:「~なので(だから)」の英語は使い分けが大切!
「~なので(だから)」は英語では様々な表現があります。
「because」は、とても幅広く使える基本表現なので覚えましょう。
「so」は覚えやすく、使いやすい単語ですが、使いすぎないように注意が必要です。
ビジネスや論文などで使う場合は、「therefore」などかしこまった表現も知っておくとよいでしょう。「therefore」「thus」「hence」の違いは、ネイティブでも使い分けられていない場合が多く、そこまでこだわらなくてもOKです。
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