さて、英語の「能動態」とはいったい何なのでしょうか?
中学校で習う文法用語の1つで、どうしても堅苦しく聞こえるかもしれませんが、実はめちゃくちゃ簡単な文法で基本中の基本なのです。
能動態が出てきたら、すぐに比較されるのが「受動態」です。「受け身」という表現もあります。
この受動態との関係も分かると、英語の幅も広がるので切っても切り離せない関係なのです。
目次
能動態とは?
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英語には文型というのが存在して、これが英語の基礎となる部分です。
要するに、単語の並びの「語順」ですね。英語には5つの文型が存在します。
『英語の5文型(語順)の見分け方・例文と簡単マスター勉強法』で詳しく解説しているのですが、下記がその文型と例文です。
S(主語)、V(動詞)、C(補語)、O(目的語)
- 第1文型:SV → He sleeps.(彼は寝る)※彼(S)が寝る(V)という動作をするかだけの形
- 第2文型:SVC → She is my mother.(彼女は私のは母親です)※彼女は(S)私の母親(C)ですとなり「S=C」の形
- 第3文型:SVO → I study English.(私はサッカーをします)※私は(S)英語を(O)勉強する(V)という形
- 第4文型:SVOO → She asked me a question.(彼女は私に質問をしました)※彼女は(S)私に(O)質問を(O)しました(V)となります。
- 第5文型:SVOC → I keep my room clean.(私は自分の部屋を綺麗に保っています)※私(S)は自分の部屋を(O)綺麗に(C)保っています(V)となり「O=C」のパターンです。
第2文型以外全てが「能動態」だと思ってもらって構いません。
つまり、「~がーをする」といった、主語(S)が主体で行動する(V)がある英文が能動態ということです。
能動態を英語にすると「Active Voice」となります。
「active」は「行動的な、活発な、積極的な」という意味があるので、イメージしやすいですね。
下記が能動態の例文です。
- I give him a present.
- She impressed me.
- I go to school.
- We call him Ken.
- I’m writing a letter now.
上記の例文を疑問文にしても、そのまま能動態となります。時制は一致して下さい。
- Did you give him a present?
- Did she impress you?
- Do you go to school?
- Do you call him Ken?
- Are you writing a letter now?
能動態から受動態(受け身)へ書き換える!
さて、「I was impressed by her.」は能動態でしょうか?
これは第2文型の形をしており、受動態(受け身)と呼ばれている英語の形です。
「主語が~される」となり、能動態とは切っても切り離せない英文法です。受動態について詳しく知りたい方は、『英語の「受動態(受け身)」を簡単にマスターする5つの基本』をご参考下さい。
主語が分からない場合、主語が長い場合などもありますが、基本的に能動態の場合の「S(主語)」ではなく、「O(目的語)」に注目したい、主として話したい場合に受動態(受け身)を使います。
見分け方と使い方(受動態との違い)
さて、どのように見分ければいいのでしょうか?
下記が例文です。
- 能動態:She gave the impressive speech.
- 受動態:The impressive speech was given by her.
つまり次の定義となります。
- 能動態:主語の次にすぐに一般動詞(またはその進行形)が来る ※または「否定形+一般動詞」や「助動詞+一般動詞」の形もあります。
- 受動態:主語の次にすぐに「be動詞+過去分詞」が来る ※否定形と助動詞がある場合も同様の形です。
一般動詞とbe動詞の違いについては、『英語の動詞一覧|2種類ある動詞の基本と使い方・活用方法』をご参考下さい。
能動態から受動態への作り方手順
先ほどの例文を使ってみると分かりやすいです。
「She gave the impressive speech.(彼女は素晴らしいスピーチをしました)」
- 目的語(c)を主語にする → The impressive speech
- 主語(s)を「by」などの前置詞の後ろに置く → by her
- 時制は同じで、一般動詞(v)を過去分詞にして「be動詞+過去分詞」の形にする → was given
「The impressive speech was given by her.」となります。
受動態にする場合にとても大切なのが、動詞の過去分詞です。
下記のような動詞の変形です。
- give → given
- buy → bought
- tell → told
- see → seen
などです。『英語の過去分詞|4つの使い方・単語一覧の覚え方と例文など』もご参考下さい。
能動態から受動態にできるのは、第3文型、第4文型、第5文型のみなのでその点は留意しておきましょう。
命令文の場合は?
次のような命令文をする場合は、「let + 目的語 + be + 過去分詞」の形になることが多いので覚えておきましょう!
「let」は「~にーをさせる」という使役動詞の1つです。
- 能動態(命令文):Fix the key by tomrorow(明日までにそのカギを修理しなさい)
- 受動態:Let the key be fixed by tomorrow.(明日までにカギを修理させる)
命令文には主語がありませんが、「You fix the key tomorrow.」の「You」が省略されていると考えます。
主語が省略される?
先ほどの命令文の「You」も受動態では省略されていますね。
つまり、相手が誰か明確でわざわざ言う必要がない場合、また一般的な人(people, theyなど)の場合は「byなどの前置詞以降が省略」されます。
- 能動態:People love soccer around the world.(世界中の人々はサッカーを愛しています)
- 受動態(主語の省略):Soccer is loved around the world.(世界でサッカーは愛されています)
など。
能動態の進行形(ing)はどうする?
能動態が進行形(ing)の場合を受動態にする場合は、「be動詞+being+過去分詞」となります。
- 能動態(進行形):They are displaying the hats.(彼らは帽子を展示しています)
- 受動態:The hats are being displayed. ※能動態の主語(they)を省略しています。
TOEIC問題でも頻出する受け身の形ですので覚えておきましょう。
その逆!受動態から能動態への作り方手順
さて、上記では「能動態から受動態」の形をみてきましたが、その逆、つまり「受動態から能動態」はどのような手順になるのでしょうか?
今回は少しハードルを上げて、否定形の「The letter wasn’t written by him.(その手紙は彼によって書かれていませんでした)」を使ってみましょう。
- 主語(s)を目的語(c)にする → the letter
- ~によっての部分を前置詞を省いて主語にする → He
- 時制は同じで、「be動詞+過去分詞」を原形(ここでは過去の否定形+原形)にする → write
「He did not write the letter.」となります。
さて、それでは仕上げに問題を解いてみましょう!
能動態を使った例文問題集
さて、これまでご説明した内容をどれだけ理解しているのかのを問題を解いて確認してみましょう!
色々な形の例文を用意したいので是非チャレンジしてみて下さい!
能動態から受動態へ変換する
問題:次の能動態の英文を受動態に書き換えて下さい。
- 肯定文:A lot of people watch soccer games on the net.
- 否定文:Our students do not read the book.
- 進行形:The shop is selling the ticket.
- 命令文:Use this computer.
- 疑問文:Does he known this fact?
- 未来形:She will make her own dress.
- 現在完了形:He has not answered my question.
(答え)
- 肯定文:The soccer games are watched on the net by a lot of people.
- 否定文:The book is not read by our students.
- 進行形:The ticket is being sold by the shop.
- 命令文:Let this computer be used.
- 疑問文:Is this fact known by him?
- 未来形:Her own dress will be made by herself.
- 現在完了形:My question has not been answered by him yet.
受動態から能動態へ変換する
問題:次の受動態(受け身)の英文を能動態に書き換えて下さい。
- 肯定文:This window was broken by sombody.
- 否定文:These e-mails were not sent by him.
- 進行形:The building is being destroyed.
- 命令文:Let the line be cut.
- 疑問文:Is this proven by your lawyer?
- 未来形:Our product will be made in Japan.
- 現在完了形:My order has been delivered.
(答え)
- 肯定文:Somebody broke this window.
- 否定文:He did not send these e-mails.
- 進行形:They are destroying the building.
- 命令文:Cut the line.
- 疑問文:My lawyer proves this.
- 未来形:They will make our product in Japan.
- 現在完了形:They have delivered my order.
まとめ:能動態と受動態(受け身)はセットで覚えると便利!
能動態を習得する時には受動態も同時に勉強するととても効率がいいです。
どれを主語にするかで作り方が異なるので便利な文法でもあります。
あまり深く考えずに色々な英文に触れる中で身に付けるのがベストなので、ここでの基礎を元にドンドン英文に触れましょう!