「become」は「~になる」という感じで覚えている日本人が多いです。
では、「become」と「to be」の違いは何なのでしょうか?
下記はどちらでも「(将来)お医者さんになる」です。
- I will become a doctor.
- I will be a doctor.
それと、「I became angry.」と「I got angry.」もどちらともに「私は怒りました」という意味になりますが、これにも違いがあります。
また、「become」には他の意味もあり、それを知っている方は少ないのではないでしょうか?
目次
「become」の発音|原形・過去形・過去分詞
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先ずは、動詞の変化について見てみましょう。
来るという動詞(come)も同様ですが、原形と過去分詞は同じ「become」となります。
原形(現在形)と過去分詞の「become」の発音と発音記号は下記となります。
過去形の「became」のの発音と発音記号は下記となります。
「come」の過去形が「came」になるのと同じ感覚でOKです。
自動詞としての「become」の意味と使い方
「~になる」という意味が一番よく使われ、それは「become」の自動詞の場合です。
自動詞とは目的語を必要としない動詞ですが、後述する他動詞の「become」と扱いが異なります。
それは、自動詞の「become」では「補語(C)」が必要だということです。
『自動詞と他動詞の違いと2つの正しい見分け方・両方使える動詞一覧』の記事も参考にして下さい。
補語とは、基本的に名詞か形容詞で、主語とイコールになる単語の事をいいます。
例えば、「I’m a student.(私は生徒です)」という文の中では、主語の「I」と名詞(補語)の「a student」がイコールになりますね。
これが文法用語で表現すると、「SVC」の形の第2文型です。他動詞の「become」は目的語を必要とする第3文型となります。
この文型の違いについては、『英語の5文型(語順)の見分け方・例文と簡単マスター勉強法』の記事を参考にして下さい。
この第2文型になる自動詞は他にあり、次のような例文になります。
- He was a teacher.(彼は先生でした) ※「be動詞」は自動詞です。
- She looks beautiful.(彼女はきれいに見えます) ※「look+形容詞」の形はよく使います。
- It tastes great.(とても美味しいです) ※「taste(~の味がする)」や「smell(~のにおいがする)」なども自動詞です。
など。
これらを踏まえて、時制別での表現の仕方も見てみましょう。
下記がその例文です。
- 原形:I want to become a soccer player.(サッカー選手になりたいです)
- 過去形:I became tired.(疲れました)
- 過去分詞:He has just become a pilot.(彼はパイロットになったばかりです)
- 進行形:It’s becoming hotter.(益々、暑くなってきました)
また、「become」の後ろに来る品詞の違いによっての使い分けもできます。次からそのパターンを見てきましょう。
「become+名詞」
「(職業など)になる」というパターンが多いですね。
下記がその例文です。
- She became a flight attendant.(彼女はCAになりました)
- He wants to become a lawyer.(彼は弁護士になりたい)
など。
「become+形容詞」
状態の変化などを表す時に使う「~になる」です。
下記がその例文です。
- It became dark.(暗くなりました)
- It’ becoming clear.(ハッキリしてきています)
など。
「become+過去分詞」
こちらも形容詞の場合と同じような使い方(状態などの変化)になります。
下記がその例文です。
- I became interested in golf.(ゴルフに興味を持つようになりました)
- He has become known to anybody.(彼はみんなに知られるようになりました=有名になった)
など。
「become of」ってどんな意味?
「become」に前置詞の「of」が付き、また「what」などと一緒に使う少し特殊な用法です。
下記がその例文です。
- I don’t know what became of him.(彼がどうなたのか知りません)
- What will become of them(彼らはどうなってしまうのでしょうか?)
など、of以降がどうなったのかを表現する方法です。
これはよく使う!「become aware of」
「~に気付く・~知るようになる」という場合に使う「become+形容詞」の形です。
下記がその例文です。
- I became aware of something strange.(何か変な感じを気付きました)
- I became aware of the fact that he was transferred.(彼が異動した事実を知るようになりました)
など。
すでに気付いている場合は、「be動詞+aware of」の形でOKです。
他の動詞との違い|get・turn・be動詞
さて、ここまで「become」での「~になる」を見てきましたが、他にも「get」や「turn」や「to be(be動詞)」でも「~になる」という意味になります。
では、それらの違いは何なのでしょうか?それぞれ確認してみましょう。
『「~になる」の英語|6表現の違いや使い分けと例文など』でも、他の表現との違いなどを詳しく解説しています。
「get」との違い
「get+形容詞」は口語でよく使う表現です。
「beceom」との違いは次の通りです。
- get・・・一時的な変化(その状態がすぐに終わるイメージ)
- become・・・継続する変化(getよりも長い変化の維持のイメージ)
下記がその例文です。
- I got busy.(忙しくなった) ※「I became busy.」となると、忙しい状態が長く続いたイメージです。
- He gets sad.(悲しくなる) ※「He becomes sad.」は、悲しみが一定期間続いている状態です。
など。
「turn」との違い
「turn(ターン)」も変化を表現する場合に使う自動詞ですが、「beceom」との違いは次の通りです。
- turn・・・getと同じように一時的ですが、全く違う状態への変化
- become・・・継続する変化(getやturnよりも長い変化の維持のイメージ)
下記がその例文です。
- It turned cold.(寒くなりました) ※今朝は暑かったけど、急に寒くなったというイメージです。
- I will turn 22 next week.(来週22歳になります) ※口語的な表現で「~歳になる」は「become」よりも「turn」をよく使います。
など。
「to be(be動詞)」との違い
「~になりたい」などの時によく比較されます。
『~になりたいの英語|becomeとbeの違いや6つの表現と例文』でも触れていますが、次が主な違いです。
- to be・・・単に「~になる(将来~である)」という職業などの存在を指すパターンが多いです。
- become・・・状態の変化をするために何かをしてるイメージです。
下記が例文で「歯医者になりたい」をどちらとも意味していますが、ニュアンスが異なります。
- I want to be a dentist.:ただ単に「なりたい」というだけの意思表示
- I want to become a dentist.:歯医者になるために今勉強をしているというニュアンス
同じ和訳でも相手に伝わる感じが微妙に変わりますね。
他動詞としての「become」の意味と使い方
ここでの「become」は他動詞で、「SVO」の第3文型で、O(目的語)を必要とします。
目的語は名前や代名詞になるパターンが多いです。
その場合は意味は「~に似あう」、「~にふさわしい」となります。
下記がその例文です。
- This shirt becomes you.(このシャツはあなたに似合います)
- Th previous hair cut became him.(前の髪型が彼には似合っていました)
など。
あまり、会話で使う表現ではありません。同義語の「suit」や「fit」などを使いますが知識として覚えておきましょう!
まとめ:「become」だけを使わないように!
いかがでしたでしょうか?
特に「be動詞」や「get」との違いをある程度把握して、口語(英会話)で使い分けれるようになるとネイティブ感覚です。
「~になる」から「become」でいいや、または「get」だけでいいやでは英語力は向上しません。
ここでご紹介した意味や使い方を習得してドンドン上手くなりましょう!