米国公認会計士(USCPA)は、世界的に認められた公認会計士資格のひとつであり、グローバルなキャリアアップに不可欠な資格として注目されています。
しかし、USCPA資格を取得するためには、学習、テキスト・教材、受験料、各種費用、ライセンス登録・維持費用など多くの費用が必要となります。
この記事では、USCPAの資格取得に必要な費用をについて詳しく解説します。
日本人が米国公認会計士(USCPA)の資格試験に合格し、ライセンスを取得するまでには、以下のような費用がかかります。
目次
米国公認会計士(USCPA)の勉強費用
USCPA予備校の受講費用
USCPAの資格を取得するためには、合格するために必要な知識を身につけるための学習費用が必要です。
通常、USCPAに合格するためには、独学では難しい試験のため、予備校で米国公認会計士向けの試験対策コースを受講することが推奨されています。
その際、一般的には、テキスト・教材を含めた受講費用は約30万円から100万円程度になります。
詳しくは『米国公認会計士|USCPA予備校を比較!一番おすすめは?』でUSCPAの予備校各社の費用を徹底比較していますが、USCPAの予備校4社の具体的な受講費用は以下のとおりです。
予備校 | 追加単位なし | 15単位込みの場合 | 39~40単位込みの場合 |
アビタス | ライトパック 616,300円 ※15単位込み | ライトパック 616,300円 | フルパック 804,300円 ※40単位以上込 |
TAC | 通学:494,000円 通信:535,000円 ※単位取得料含まれない | 通学:584,000円 通信:625,000円 ※15単位,6,000円/単位 | 通学:734,000円 通信:775,000円 ※39単位,6000円/単位 |
大原 | 通学&Web:655,000円 Web:635,000円 ※24単位込み | 通学&Web:655,000円 Web:635,000円 ※24単位込み | 通学&Web:754,500円 Web:734,500円 ※39単位,19,900円/3単位 |
プロアクティブ | eラーニング:319,000円 通学:385,000円 通信:385,000円 ※単位取得料含まれない | eラーニング:504,000円 通学:570,000円 通信:570,000円 ※15単位,37,000円/3単位 | eラーニング:800,000円 通学:866,000円 通信:866,000円 ※39単位,37,000円/3単位 |
※各予備校の料金は変動する場合があります
上記のとおり、追加単位なしでの受講費用で一番最安値は「プロアクティブ」となります。ただし、単位取得の追加料がかかっていくと、他の予備校と変わらないもしくは高くなる場合があります。単位を追加取得する場合には、予備校4社ともそこまで費用の差はありません。
なお、USCPA予備校4社を徹底比較した結果は「アビタス」が最もおすすめになっています。
気になる方は、下記から資料請求やオンライン説明会に参加したりして、有益な情報を収集するのも近道です。
USCPAの予備校費用だけでなく、勉強時間や期間が気になる方は、『米国公認会計士(USCPA)|必要な勉強時間は?社会人は?』の記事も合わせてご覧ください。 |
独学でUSCPAを取得する際のテキスト・教材費用
なお、独学で勉強する場合は予備校費用はかかりません。
その場合、自分でテキスト・参考書・教材を購入する費用がかかります。テキストや教材等の費用としては、個人の準備するものによって異なりますが、市販のもので数万円~10万円程度となります。
関連記事:『米国公認会計士|USCPAは独学でも取得できるのか?』 |
USCPA受験手続にかかる各種費用・料金
USCPA受験ための費用は、一般的な受験料金だけではありません。
受験資格を得るための大学からの証明書など準備費用を含めると、5つの費用がかかります。
受験の各種費用 | 内容 | 費用・料金 |
学歴評価 | アメリカ以外の大学を卒業している場合、自分が大学で取得した学位・単位がアメリカの学位・単位と同等であることを証明するもの | 約2~3万円 |
出願料 | 試験申込時、受験票を発行するために必要な費用 | 約1.8~3万円 |
再出願料 | 2回目以降も受験する際の出願料金 | 約1~1.5万円 |
国際会場手数料 | アメリカ・カナダ以外で受験する際の手数料。1科目あたり約4.5~5.8万円で、4科目分かかります。 | 約18~23.2万円 |
受験費用 | USCPAの受験料。1科目あたり約2.8万~3.5万円。 | 約11.2~14万円 |
※受験要件、学歴評価、出願料金などは、州によって異なります。
※米ドルの為替レートによって、日本円の費用も変動します
※再受験の際には、再出願料金と受験科目分の受験料金と国際会場手数料がかかります
学歴評価の費用:約2~3万円
受験の各種費用 | 内容 | 費用・料金 |
学歴評価 | アメリカ以外の大学を卒業している場合、自分が大学で取得した学位・単位がアメリカの学位・単位と同等であることを証明するもの | 約2~3万円 |
USCPAの受験資格には、学歴要件があります。その際、米国の公認会計士協会であるAICPAが定める基準に従って、学歴評価が行われます。
学歴評価とは
学歴評価とは、日本の学歴を米国の学歴に換算することで、USCPAの受験資格を満たしているかどうかを判断するための手続きです。
学歴評価の手続方法
学歴評価の手続方法は、ご自身が卒業した大学から英文成績証明書・英文卒業証明書を取得し、NASBA(National Association of Boards of Accountancy)が運営する学歴評価機関、NIES(NASBA International Evaluation Service)など、各州会計士委員会が指定する学歴評価機関に依頼します。
学歴評価の準備・手続費用
この学歴評価の準備・手続費用として、約2万〜3万円がかかります。
出願料
受験の各種費用 | 内容 | 費用・料金 |
出願料 | 試験申込時、受験票発行に必要な費用 | 約1.8~3万円($150~200) |
※出願料金は州によって異なります。
※米ドルの為替レートによって、日本円の費用も変動します
USCPA受験の際にかかる費用の1つに、出願料があります。出願料は、USCPA試験の申し込み時の受験票を発行するなどに必要な費用になります。その際、受験票は発行後6ヶ月有効となります。
こちらも州によって異なりますが、出願料の費用は約2~3万円となります。
再出願料
受験の各種費用 | 内容 | 費用・料金 |
再出願料 | 2回目以降も受験する際の出願料金 | 約1~1.5万円(約$100) |
再出願料は、2回目以降も受験する際の出願料金のことです。この再出願料も州によって料金が異なります。
注意点として、USCPA試験4科目を別々に出願するとその分費用がかかってしまうため、費用を抑えるためには一度に複数科目で出願することです。
なお、再受験の際には、再出願料金と受験科目分の受験料金と国際会場手数料がかかります。
国際会場手数料
受験の各種費用 | 内容 | 費用・料金 |
国際会場手数料 | アメリカ・カナダ以外で受験する際の手数料。1科目あたり約4.5~5.8万円($390)で、4科目分かかります。 | 約18~23.2万円 ($1560) |
※米ドルの為替レートによって、日本円の費用も変動します
※再受験の際には、再出願料金と受験科目分の受験料金と国際会場手数料がかかります
国際会場手数料は、アメリカ・カナダ以外の受験する際にかかる手数料となり、1科目あたり約4.5~5.8万円($390)がかかります。
よって、4科目合計で約18~23.2万円($1560)の費用がかかります。
なお、USCPA受験にかかる費用の他に受験資格が気になる方は『【大卒/高卒】米国公認会計士(USCPA)の受験資格と各要件』を合わせてご覧ください。 |
USCPA合格後のライセンス登録費用
USCPA試験に合格しただけの場合、「USCPA全科目合格者」となります。
その後、USCPAのライセンスを取得することで、名刺の肩書などに「USCPA」と記載することができます。
USCPAのライセンスとは
USCPAのライセンスとは、州で業務を行うための免許です。よって、日本で業務を行う場合には、ライセンス取得は必須ではありません。
USCPAライセンスを取得するには?
ライセンス取得には、4年制大学の学歴、実務経験などが必要です。ライセンス取得の要件は、各州で異なりますので確認する必要があります。
USCPAライセンスの登録費用
USCPAライセンスの登録費用は、いくつかの項目に分かれていますが、トータルで約7万円~となります。なお、州によってその費用は異なります。
ライセンス登録に必要な費用項目 | 料金 |
ライセンス登録費用 | 約3.9~4.9万円($330) |
AICPA倫理試験費用 | 約2.9~3.6万円($245) |
予備校サポート費用 | 約1万円~ |
ライセンス登録費用の合計 | 約7.8~9.5万円 |
USCPAライセンスの維持費用
ライセンス登録後、USCPAのライセンスを維持していくための維持費用がかかります。
維持費用には、ライセンス更新料とCPEの費用があります。
ライセンス更新料
USCPAのライセンス登録後は、3年に一度、維持費用が必要になります。
維持費用は州によって異なりますが、ワシントン州ですと約$230の費用となっています。
CPE費用
USCPAのライセンスを保持するためには、毎年一定のCPE(継続的専門教育)単位を取得する必要があります。
CPEの取得には、セミナー、オンラインコース、研修などを受講する必要があり、その費用はCPE提供機関によって異なりますが、一般的に1CPE単位あたり10ドルから50ドル程度の費用がかかります。
よって、ライセンス維持費用は、年間約3~4万円程度かかってきます。
USCPA資格取得の費用対効果は?
ここまでUSCPA資格取得の費用に関してお伝えしましたが、ライセンスの取得までに高い費用がかかることもおわかりいただけたかと思います。
その場合に気になるのが、USCPA資格取得に対する費用対効果ではないでしょうか?
ここでは、USCPAライセンス保持者の得られるスキル、キャリア、就職・転職先、平均年収などについて紹介します。
グローバルな会計・財務スキルの習得
USCPAの資格取得には、国際会計基準や国際税務などの知識が必要なため、グローバルな会計スキルを習得することができます。
USCPAの試験科目から見て、得られる知識・スキルは以下です。
試験科目 |
FAR:Financial Accounting and Reporting(財務会計) |
BEC:Business Environment and Concepts(ビジネス環境及び諸概念) |
AUD:Auditing and Attestation (監査及び証明業務) |
REG:Regulation (諸法規) |
FAR(財務会計)
FAR(Financial Accounting and Reporting)とは、財務会計のことです。財務会計の中には、メインの企業会計のほか、政府会計、非営利組織会計があります。
BEC(ビジネス環境及び諸概念)
BEC(Business Environment and Concepts)とは、ビジネス環境及び諸概念のことです。
企業を取り巻くビジネス環境全般を取り扱う科目で、試験範囲は財務管理、管理会計、経済、ファイナンス、IT、コーポレートガバナンスなどです。
AUD(監査及び証明業務)
AUD(Audit and Attestation)とは、監査や証明業務に関する科目です。
REG(諸法規)
REG(Regulation)とは、法規に関する科目です。大きく税法とビジネス法の2つに分かれます。
REGの出題特徴
出題形式は、MC問題(4択問題)とTBS問題(総合問題)です。暗記やインプットする量が多い科目です。
USCPA資格取得で得られる知識・スキル
1.会計原則と規制
USCPA試験は、米国の会計原則と規制に関する包括的な知識を求めます。これにより、財務報告に必要な要件や原則を理解し、遵守するためのスキルを身につけることができます。
2.財務報告の分析
USCPA試験では、財務報告書の分析と解釈のスキルが求められます。これにより、企業の経営状況を評価し、投資判断をするためのスキルを身につけることができます。
3.監査
USCPA試験では、監査業務に関する知識が求められます。これにより、企業の内部統制を評価し、監査業務を適切に実施するためのスキルを身につけることができます。
4.税務
USCPA試験では、米国の連邦税制に関する知識が求められます。これにより、企業の税務申告や税務計画を適切に実施するためのスキルを身につけることができます。
5.経営戦略
USCPA試験では、企業の経営戦略や意思決定に関する知識が求められます。これにより、企業の経営に関する戦略的な視点を持ち、ビジネスの成功に必要なスキルを身につけることができます。
総合的に、USCPA試験を勉強することで、企業の財務および会計に関する包括的な知識を身につけ、ビジネスにおいて必要なスキルを習得することができます。
関連記事:『米国公認会計士(USCPA)|必要な勉強時間は?社会人は?』 |
USCPA保持者は就職・転職にも有利
日本でも、特に外資系企業やグローバル企業の経理・財務部門などから、USCPAの資格は高い評価を受けています。
したがって、日本国内の公認会計士として働く場合にも、USCPA資格を持つことは有利に働くことがあります。
USCPA資格取得のメリットが活かせる就職・転職・仕事先
就職・転職など日本で働く際に、USCPA資格取得のメリットが活かせる企業は以下です。
企業 | 仕事内容 |
監査法人 | 財務諸表監査、内部統制監査、金融商品取引法に基づく内部統制監査(J-SOX)、金融アドバイザリーサービス、その他証明業務など |
会計事務所 | M&A実務支援、Financial Advisory Service、組織再編・IPO・企業再生コンサルティング、企業・無形財産等評価サービスなど |
会計コンサル | 統合デューディリジェンス、統合戦略・方針立案支援、スタンドアロン・セパレーションコスト分析など |
総合商社の経理財務 | 決算・税務関連業務、営業グループの会計業務、国内外事業会社や海外現地法人での管理業務など |
監査法人・会計事務所で働く
監査とは
監査とは、企業の業務、経営、財務状況について、法令や社内規定を遵守し、適正に業務が行われているかなどを、公正な立場の第3者である監査人が判断し、チェックすること一連の業務のことです。
監査部門やアドバイザリー部門でUSCPA資格者の採用が増加
米国系大手会計事務所では、日本進出の米国系企業に対して、米国監査基準の監査業務も行うため、USCPAのニーズがあります。
Big4と呼ばれる世界4大会計事務所として、
・デロイト トウシュ トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu、略称:DTT)
・KPMG
・アーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young、略称:EY)
・プライスウォーターハウスクーパース(PricewaterhouseCoopers、略称:PwC)
の4つがあり、これらの企業と提携している監査法人が日本には4つあります。
【大手4大監査法人】
4大監査法人 | 特徴 |
トーマツ | デロイト トウシュ トーマツと提携している監査法人 |
あずさ | KPMGと提携している監査法人 |
EY新日本 | アーンスト・アンド・ヤングと提携している監査法人 |
PwCあらた | プライスウォーターハウスクーパースと提携している監査法人 |
大手監査法人の監査部門やアドバイザリー部門では、USCPA資格者の採用が増加傾向にあるとのことです。
監査法人と会計事務所の違い
なお、監査法人と会計事務所の違いは、主に以下の点があります。
事業内容の違い
監査法人は、監査やコンサルティングなどの専門的な業務を行うことが主な事業内容です。
一方、会計事務所は、中小企業や個人事業主向けの経理・税務申告や労務管理など、一般的な会計業務全般を行うことが主な事業内容となります。
よって、監査法人には公認会計士、会計事務所には税理士が多く所属しています。
規模の違い
監査法人は、大手企業や上場企業を中心に大規模な案件を担当することが多く、従業員数も多い傾向にあります。
一方、会計事務所は中小企業や個人事業主を中心に案件を担当するため、従業員数も比較的少なくなります。
法的地位の違い
監査法人は、法律によって設立された法人格を持ち、国内外の大手企業や上場企業の監査を行うため、公認会計士が多く在籍しています。
一方、会計事務所は、税理士や公認会計士が中心に在籍し、法律上は個人事業主や法人格を持つ場合があります。
顧客層の違い
監査法人は、大手企業や上場企業を中心に案件を担当するため、顧客層は比較的限られた範囲になります。
一方、会計事務所は、中小企業や個人事業主を中心に案件を担当するため、幅広い顧客層を抱えることができます。
コンサルティングファームで働く
コンサルティングファームとは、企業が抱える問題や経営課題に対して、解決に導く企業のことです。
国際ビジネスコンサルティング、国際税務コンサルティング、会計システムコンサルティングなど、企業コンサルを行うコンサルティングファームでも、IFRS(国際会計基準)の会計知識を持つUSCPA資格者が求められています。
海外進出企業、総合商社の経理・財務などで働く
海外進出企業や海外子会社、総合商社などの経理・財務・経営管理業務において、英文財務諸表の知識が不可欠です。その際に、海外取引を行う必要がある日本企業内でも、経理部や財務部などのセクションでUSCPAの知識が求められます。
USCPA資格取得のメリットが活かせる就職・転職・勤務先・求人例
日本で働くUSCPA資格者は、どんな勤務先で働いているのでしょうか?
USCPA予備校・アビタスによると、アビタスの卒業生の場合は、以下の勤務先例があります。
勤務先例1.監査法人・会計事務所・コンサルティングファーム
【監査法人・会計事務所・コンサルティングファームの勤務先例】
監査法人トーマツ、トーマツコンサルティング、アビームコンサルティング、中央青山監査法人、プライスウォーターハウスクーパースフィナンシャル・アドバイザリー・サービス、IBMビジネスコンサルティングサービス、新日本監査法人、新日本アーンストアンドヤング、あずさ監査法人、KPMGビジネスアシュアランス、他多数(敬称略) |
※アビタス卒業生の勤務先例より引用
勤務先例2.経理・財務
【経理・財務の勤務先例】
アディダスジャパン、アメリカンエキスプレス、アリコジャパン、EDS、AIG、HSBC、SAPジャパン、クレディリヨネ銀行、ゴールドマンサックス証券、AIGエジソン生命保険、GE横河メディカルシステム、シティバンク、スターバックスコーヒージャパン、日本ゼネラルモータース、DHL、デルコンピューター、ドイツ証券、日本IBM、日本オラクル、日本コカコーラ、日本コダック、日本サンマイクロシステムズ、日本トイザらス、日本ヒューレットパッカード、モトローラ、ファイザー製薬、フィリップモリス、フォード自動車日本、富士ゼロックス、プルデンシャル生命、メリルリンチ証券、ロームアンドハースジャパン、他多数(敬称略) |
※アビタス卒業生の勤務先例より引用
勤務先例3.金融機関(三菱商事、三井物産など)
【金融機関の勤務先例】
三菱商事、三井物産、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、オリックス、ミレアホールディングス、ソニー生命保険、野村證券、大和証券、野村総研、ソニー、シャープ、キャノン、資生堂、武田薬品工業、伊藤忠商事、花王、トヨタ自動車、日産自動車、日本たばこインターナショナル、NTTコミュニケーションズ、他多数(敬称略) |
※アビタス卒業生の勤務先例より引用
年収・給与アップの可能性
USCPAの資格を持つことにより、就職・転職先の企業にもよりますが、高い給与を得る可能性があります。
特に、グローバルな企業や国際的な監査法人で働く場合には、一般的な平均年収と比べても高い給与が期待できます。
関連記事:『米国公認会計士|USCPAの年収は高い?独立・転職先は?』 |
アメリカの米国公認会計士(USCPA)|勤続年数・レベル別の年収
アメリカでの公認会計士の給与は、経験年数によって大きく異なります。
役職・レベル | 年収(ドル) | 100円/$換算 | 130円/$換算 |
エントリーレベル(1年未満) | 40,000〜65,000ドル | 400~650万円 | 520~845万円 |
ジュニアレベル(1〜3年) | 52,000〜87,000ドル | 520~870万円 | 676~1131万円 |
シニアレベル(4〜6年) | 66,000〜110,000ドル | 660~1100万円 | 858~1430万円 |
マネージャー兼ディレクター | 150,000ドル以上 | 1500万円以上 | 1950万円以上 |
アメリカ|エントリーレベル(1年未満)の年収
米国労働統計局のデータによると、エントリーレベルの公認会計士は、会社の場所と規模に応じて、$ 40,000から$ 65,000の間で稼ぐことが期待できます。
アメリカ|ジュニアレベル(1~3年)の年収
アメリカでの公認会計士は経験を積むにつれて、自信を持ってより多くの職務を遂行することができるため、1〜3年の経験を持つジュニアレベルの米国公認会計士は、52,000ドルから87,000ドルの収入が期待できます。
アメリカ|シニアレベル(4~6年)の年収
シニアレベルでは、より高い収入と特典がもたらされます。この時点で、ほとんどの公認会計士はすでにキャリアパスを選択しています。
例えば、税務問題を専門とする人もいれば、監査を専門とする人もいます。企業分野でも、4年から6年の経験を持つ上級会計士は、66,000ドルから110,000ドルの収入を期待できます。
アメリカ|マネージャー兼ディレクターの年収
マネージャー兼ディレクターは、通常7年以上の経験を持っています。この経験レベルの公認会計士は最大15万ドル以上を稼ぐ人もいます。
日本で米国公認会計士(USCPA)の年収
次に、日本での米国公認会計士(USCPA)の年収を各レベルと企業規模ごとにご紹介します。
よく「USCPA資格」を取っても意味がないと言われることもありますが、『米国公認会計士(USCPA)が意味ない5つの理由とメリット』でもお伝えしているとおり、意味がある人には就職・転職時にとても武器になります。
大手4大監査法人(BIG4)と中堅クラス監査法人の年収比較
日本での米国公認会計士の大手監査法人と中堅クラスの監査法人の年収では、大手に比べて中堅クラスの方が少し低くなります。
【日本での米国公認会計士の大手・中堅監査法人の年収比較】
役職・レベル | 大手4大監査法人 | 中堅クラスの監査法人 |
パートナー | 1500万円以上 | 1300万円以上 |
シニアマネージャー | 1200万円程度 | 1000~1200万円 |
マネージャー | 900~1100万円 | 800~1000万円 |
シニアスタッフ | 700~850万円 | 500~650万円 |
スタッフ | 500~650万円 | 400~550万円 |
日本の米国公認会計士|4大監査法人(BIG4)の年収
日本において、BIG4とも呼ばれる大手監査法人(BIG4)に位置付けられるのは、以下の4つの会計事務所です。
- あずさ監査法人 (Azusa Audit Corporation)
- PwCあらた有限責任監査法人 (Arata LLC)
- トーマツ (Deloitte Tohmatsu Group)
- EY新日本有限責任監査法人 (EY ShinNihon LLC)
この4大監査法人の年収は、パートナーが1500万円以上、シニアマネージャー 1200万円程度、マネージャーが900~1100万円、シニアスタッフが700~850万円、スタッフは500~650万円と言われています。
日本の米国公認会計士|中堅クラスの監査法人の年収
中堅クラスの監査法人の年収では、パートナーが1300万円以上、シニアマネージャーが1000~1200万円、マネージャーが800~1000万円、シニアスタッフが500~650万円、スタッフが400~550万円となっています。
また、上記以外に、外資系企業やコンサルティング会社であれば、年収500~700万円位で、スキルや能力次第で若い人でも1000万円を超える場合もあり得ます。マネージャー以上になるとより高年収となります。
日本の公認会計士(cpa)の平均年収・給料・初任給は?
日本の公認会計士(CPA)の平均年収・給料・初任給については、以下になります。
- 平均年収:約930万円(2021年度、日本公認会計士協会調べ)
- 平均給料:約59.4万円/月(2021年度、公認会計士協会調べ)
- 初任給:約350万円 – 450万円程度(大手監査法人や企業会計部門など、2019年度の求人情報からの推定)
なお、公認会計士の年収・給料・初任給は、所属する事務所・企業、職種、地域、スキルや経験年数などによって大きく異なるため、上記の数字はあくまで参考値としてご覧ください。
日本の大学卒業者の平均初任給は、2022年卒業者の場合、月給23万〜24万円程度とされていますので、年収が比較的高い職業・職種になります。
USCPAと税理士はどっちが年収高い?
日本においても、USCPAと税理士の年収については、業界や職種、地域、経験年数など多くの要因によって異なります。
しかしながら、一般的にはUSCPAの方が税理士よりも高い年収が期待できる傾向があります。
これは、USCPAがグローバルな会計・ファイナンスの領域で認知度が高く、アメリカの大手企業やグローバル企業において重要なポジションを占めることが多いためです。
一方、税理士は、主に国内での税務に関する専門知識が求められ、年収面でも比較的低い傾向があるとされています。
米国公認会計士(USCPA)資格保有者の転職と年収
また、米国公認会計士(USCPA)取得者が転職する場合、どのくらいの年収が見込めるでしょうか?
各USCPAの求人・転職サイトを見る限り、下記の年収の幅に近い数字になっています。
企業 | 仕事内容 | 想定年収 |
監査法人 | 財務諸表監査、内部統制監査、金融商品取引法に基づく内部統制監査(J-SOX)、金融アドバイザリーサービス、その他証明業務など | 600~1000万 |
会計事務所 | M&A実務支援、Financial Advisory Service、組織再編・IPO・企業再生コンサルティング、企業・無形財産等評価サービスなど | 800~1200万 |
会計コンサル | 統合デューディリジェンス、統合戦略・方針立案支援、スタンドアロン・セパレーションコスト分析など | 500~1000万 |
総合商社の経理財務 | 決算・税務関連業務、営業グループの会計業務、国内外事業会社や海外現地法人での管理業務など | 500~1500万 |
※企業によって想定年収に違いがあります。
大手監査法人から会計事務所、会計コンサル、総合商社の経理や財部部門への転職なども含めて、どれも実務経験や能力、条件によっては1000万以上になる転職のケースもあります。
英語力があることをアピールできる
USCPAの資格を取得するには、英語での勉強や読解力が必要です。これらの経験は、英語力を高める上での貴重な経験になります。
USCPA試験に合格するために必要な英語力は?
なお、USCPA試験に合格するためには、一般的にTOEIC800点以上の英語力を身につける必要があると言われます。
したがって、USCPAの資格を取得していることが、専門知識の英語スキルもあり、非常に高い英語力を持っていることにつながります。
以上のことからも、USCPAを資格取得する上でかなりの費用がかかりますが、就職・転職や年収・給与アップなどキャリア形成においても、高い費用対効果があります。
まとめ USCPA資格取得の費用は100~200万程度。
以上、USCPAの資格を取得する際にかかる費用について詳しく解説しました。
USCPAのライセンスを取得するまでに費用がかかりますが、国際的な会計・財務の知識や資格が得られるだけでなく、今後のキャリアや仕事のチャンスを増やす上でも大きなメリットもあります。
これからUSCPA資格取得を検討している方は、一度、USCPAの予備校で勉強法や進め方まで情報収集することもおすすめです。
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