「appreciate」と聞くと「感謝する」というイメージがあるかと思います。
それは間違えではありませんが、ネイティブの英会話ではそれだけの意味で使われないので注意が必要です。
また、「感謝する」という意味だから「thank」も使えるのではとも思っていませんか?
「thank」はカジュアルで、「appreciate」はフォーマルという使い分けという考え方が一般的で、これも間違えではありませんが、その後に続く品詞が全く異なります。
目次
「appreciate」の正しい発音と派生語
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先ずは動詞である「appreciate」の発音から見てみましょう!
「appreciate」の発音と発音記号は下記となります。
単語の頭の母音「a」は強く発音しないのがポイントです。ほぼ聞こえないレベルの発音がネイティブらしくなります。
規則変化動詞なので、となります。
この過去分詞の「appreciated」は受け身で使われることも多く、これに関しては後述します。
また、派生語の名詞は「appreciation(アプリーシエイション)」は、「感謝・評価・理解」などの意味で使われます。
他動詞としての「appreciate」の意味と使い方・例文
それでは、意味などを見ていきたいのですが、最初は他動詞、つまり動詞の後ろに目的語(~を)が必要となる動詞(appreciate)から確認していきます。
後ほど紹介する自動詞との違いについては、『自動詞と他動詞の違いと2つの正しい見分け方・両方使える動詞一覧』をご確認下さい。
感謝する/「thank」との違い
『「感謝」の英語|ありがとうの3つの基本とメッセージ集』や『英語でありがとう|丁寧やフランクな言い方とスラングや略語45選』の記事でも紹介している意味です。
「~を感謝する」という場合に使うのが「appreciate」です。
フォーマルなケースで使うこが多いですが、気軽に使うパターンもあります、
下記がその例文です。
- I really appreciate your support.(あなたのご協力に感謝します)
- I appreciate it.(感謝申し上げます) ※「it」はしてくれた行為などを指しています。また、友達同士であれば主語の「I」を省略して「Appreciate it.」とかっこよく使ってもOKです。
- I appreciate your coming.(お越しいただきありがとうございます) ※「appreciate 代名詞 +動詞ing」の形です。
など。
Thankとは何が違うの?
下記が「appreciate」と「thank」の大きな違いです。
- thank + 人・・・「Thank you for 行為」となるパターンが多いですね。「Thank you very much for your help.(お手伝い誠にありがとうございます)」と「I really appreciate your help.(あなたのお手伝いに心より感謝いたします)」とほぼ同じですが、形が違いますね。
- appreciate + モノ・行為(行動)・・・「I appreciate what you have done for me.(私にしてくれたことに感謝しています)」など。「Thank you very much for what you have done for me.」と同じになります。また、「appreciate that節」の形もあります。
など。
よって、「Thank you for asking. I really appreciate it.(誘ってくれてありがとう!感謝です)」と同じ文に使うこともできます。
まとめると、「appreciate you」とはなりませんし、「appreciate」の後ろには「with/for」など前置詞も不要です。
また、受け身や仮定法で使わえることがあるのが、感謝を表す「appreciate」の特徴で ビジネスメールの結びの前でよく使われます。
下記がその例文です。
- Your support is highly appreciated.(あなたのサポートに本当に感謝申し上げます) ※highlyの代わりに、reallyやgreatlyなどの副詞でもOKです。
- I would appreciate it if you could help me.(もし手伝っていただけるのでれば感謝致します) ※「It would be much appreciated if you could call me.(電話がいただけるのであれば感謝申し上げます)」の受け身にもできます。
仮定法の場合は、「~して頂けますと助かります」という意味なります。
『英語の仮定法|すぐにマスターできる簡単な2つの基本ルール』の記事もご参考下さい。
良さ(価値)が分かる・評価する
真価を認めるという場合に使う意味にあります。
モノなどの素晴らしさ(有難さ、など)を高く評価する場合に使います。
下記がその例文です。
- We all appreciate Japanese culture.(私たちはみんな日本の文化の素晴らしさを認めています) ※受け身に「Japanese culture is appreciated.」となることもあります。
- You should appreciate his hard work.(彼の頑張りを評価すべきです)
など。評価に値するモノについて述べるというイメージです。
しっかりと把握する・理解する
モノの重要性など本質がハッキリと分かる場合に使う表現です。
- He does not appreciate how hard it is.(彼はそれがどれくらい難しいのか、全く理解していない)
- I started appreciating her kindness.(彼女の本当の優しを理解し始めました)
など。周りの状況なども十分に理解しているニュアンスですね。
自動詞としての「appreciate」の意味と使い方・例文
他動詞とは違い、目的語が不要で、動詞そのままで意味が成り立つのが自動詞です。
「appreciate」はその形の活用もあります。
自動詞としての意味と例文は下記となります。
- 値上がりする・・・例文:My real estate(property) has appreciated dramatically.(私が所有する不動産の価格が急騰しました) ※「the price of ~(~の値段)」という表現を加えてもOKです。
- 価値が上がる・・・例文:It never stops appreciating.(その価値は上がりっぱなしです) ※「Its value never stops appreciating.」と同じ意味で、価値の「value(ヴァリュー)」を使っても問題ありません。
市場価値(市場価格)などが上がる場合に使える動詞です。
また、対義語(反対語)は「depreciate(ディプリーシエイト)」となります。「価値が下がる・市場価格が下落する」などの場合に使います。
因みにその派生語である名詞の「depreciation(ディプリーシエイション)」は経理用語で「減価償却」を意味します。
まとめ:「appreciate」は丁寧だけど使い方に注意が必要!
いかがでしたでしょうか?
「appreciate」は感謝する、というだけを覚えていては特に文語で出てきた場合に少し戸惑うかもしれません。
よってここでご紹介した意味や例文などを参考にして、そのニュアンスの違いなどを徐々にでもいいので把握するようにしましょう!
是非、特にビジネスメール、またはフォーマルな文語などで活かしてみて下さい。