「しかし、その一方で~」、「またその一方では」など、ビジネスのメールや論文、もちろん口頭でもよく使われる表現です。
「~の反面~です」や「~と同時に~です」という意味があるのが、「一方で」となります。
それを英語に訳す時に先ず、私たちが学校で習う表現は「on the other hand」ではないでしょうか?
しかし、その表現ばかり使っていては英語力はいつまでたっても上がりません。
目次
文頭で使える接続副詞の英語で「一方で」を表現
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さて、先ずは文頭で使える表現をご紹介ますが、これらを文法用語では「接続副詞」と言います。
つまり、接続詞的な役割をする副詞・副詞句(前置詞+名詞の形など)のことを指します。
詳しくは、『英語の副詞一覧|形容詞との違いや位置がたった5分で分かる』でも解説していますが、代表的なのは「However」や「Therefore」などです。
接続詞は基本的に2つ以上の文などを繋げる時に使うのですが、接続副詞は、いきなり「一方で」など文頭から始めることができます。
早速なので、代表的な表現から見ていきましょう!
On the other hand
『「うーん」や「えーと」など英会話で使う「つなぎ言葉」23選』でも紹介していますが、つなぎ言葉としての役割もある表現が、「on the other hand」です。
友達とのメールやSNSでのやりとりでは略語の「OTOH」が使われることが多いです。
直訳すると「もう一つの手では」となり、前者と比較して「一方で(それに対して)」という意味になります。
下記がその例文です。
- He works very hard. On the other hand, she is very lazy.(彼はとても一生懸命働きますが、一方で彼女はとても怠け者です。)
- He always gives good presentations. On the other hand, he is always late for meetings.(彼はいつも素晴らしいプレゼンをしますが、一方で常に打合せには遅れます。
実はこれらの文では、「on the one hand(略:OT1H)」が省略されています。
これも「一方で」という意味の接続副詞ですが、文語では次のように省略しないようにしましょう。
その場合の訳は「一方で~。他方では~(それに反して)。」というのがしっくりきます。
On one hand, Tom is smart, but on the other hand, he is terrible at sports.(一方で彼は頭がいい。しかしそれに反して、運動音痴です)など。
On the contrary
直接的に、「それとは反対に(それどころか)」で「一方で」を表現しています。
「on the other hand」とはニュアンスが異なりますね。
前の文とは正反対で、真実を語る時に使う接続副詞です。「contrary(コントラリー)」は「反対」という単語です。
下記がその例文です。
- On the contrary, the job is boring.(それどころか、その仕事はとても退屈です)
- On the contrary, he is never kind to me at all.(一方で、彼は私に全然優しくありません)
など。
Meanwhile
ここでの「一方で」の表現は、「同時に~(一方で~・そのころ)」というケースのパターンです。
『「同時に」の英語|ビジネスでも使える熟語・副詞や接続詞7選と例文』でも紹介していますが、同じ意味の「meanwhile」と「in the meantime」が代表的です。
- In the meantime, we enjoyed our trip.(一方で、私たちは旅行を楽しみました。)
- Our boss was on the meeting. Meanwhile, we were discussing our marketing plan.(上司が打ち合わせをしていましたが、一方で、私たちは販売計画について話していました)
これと全く同じで口語で頻繁に使われるのが、「at the same time」ですね。
しかし、このケースは主語が同じパターンが多いです。
She was at home doing her homework. At the same time, she was talking on the phone with her friend.(彼女は家で宿題をしていましたが、一方で友達とも電話で話していました)など。
文中でも使える接続詞で表現する「一方で」の英語
さて、ここでは2つの文や単語同士を繋げる「接続詞」の中で「一方で」を意味する単語をピックアップしました。
他の接続詞については、『英語の接続詞一覧|42種類ある接続詞の簡単解説と使い方』の記事を参考にしてみて下さい。
while
どちらかと言うと、「at the same time」のように同時に発生しているという「一方で」とうニュアンスが強い接続詞です。
後述する「whereas(比較する)」と同じ意味を持つ場合もあります。
- She is at work, while I am at home.(彼女は仕事ですが、一方で私は家にいます)
- While she loves coffee, I love tea.(彼女はコーヒーが大好きですが、一方で私は紅茶が大好きです)
「but then」、「but at the same time」などに置き換えることもできます。
whereas
2つの対象を比較するニュアンスがある「一方で」です。
しかし、「while」と同じような同時と言う意味合いで使われることもあります。
また、その逆もあり比較するパターンで「while」を使うこともあります。
- He is very kind, whereas his brother is very mean.(彼はとても優しいですが、一方で弟はとても意地悪です)
- Whereas I love watching movies, she hates it.(私は家で映画を見るのが好きですが、一方で彼女は嫌がります)
など。
whileとwhereasは同じような扱いをされる接続詞であり、大きく違うことはありません。
but
一番口語のなかで使われれている「一方で」ではないでしょうか?
直訳は「しかし」ですが、相反すること、否定する「一方で」という時にはいつでも使えるとても便利な表現です。
接続副詞、また丁寧な言葉としては「however」が使えますね。
- I like its smell, but I don’t like the appearance.(その匂いはいいけど、一方で見た目が嫌いです)
- He complained. However, he finished the report in time.(彼は文句を言った一方で、時間通りに報告書を終わらせました)
など。
まとめ:「On the other hand」だけじゃない!
いかがでしたでしょうか?
プレゼンや論文などフォーマルで使えるもの、また口頭で気軽につかえるものなど使い分けることで英語の幅が広がりますね。
「on the other hand」や「but」ばかりではなく、たまには少しフォーマルな「meanwhile」などビジネスの場面で使えるとかっこいいですよ。
今回の表現を是非、英会話やメールなど文を書く時に活かしてみて下さい。