「lie」と聞いて「嘘(をつく)」という意味を思い浮かべますか?
もしそうであれば、ネイティブと話す時やリスニングなどで間違いや勘違いを起こす可能性があります。
というのも、この「lie」には2つの大きな意味があり、それが全く違うからです。
また、これと似た「lay」との違いも重要になってきます。
目次
「そこにある・横たわる」などの意味がある「lie」
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「lie」の発音と発音記号は下記となります。
さて、この「lie」ですが主に「横になる」、「そこに存在する」などの意味があります。
下記がその例文です。
- I will lie down on the bed for a while.(少しベッドで横になりますね) ※少しベッドや布団でお昼寝(小休止)をする場合などに使える表現です。疲れて休みたい時などにも応用できます。
- The doll lies on the table.(その人形はテーブルで横にして置いてあります) ※立ててある場合は、「The doll stands on the table.」などで表現できます。
- Lie on your back.(仰向けにして寝て下さい) ※その逆は「Lie on your stomach.(うつ伏せにして寝て下さい)」など。
- The city lies in the eastern Japan.(その街は日本の東に位置しています)
- He lay silently.(彼は黙ったままの状態でいました) ※そのままの状態でいるという場合にも使います。過去形の「lay」については後述します。
- There lies the issue.(問題がそこにあります) ※「The issue lies there.」の倒置です。
など。
因みに、「Lie back./Lay back.(リラックスして)」などの表現もあります。
現在分詞・過去形・過去分詞
この「lie」ですが、横になるなどの意味の場合の変化が下記となります。
過去形と過去分詞は全く違うので、不規則変化動詞となります。
下記がその例文です。
- 現在分詞・・・It was lying on the floor.(それが横になって床に置いてありました)
- 過去形・・・The problem lay here.(問題がここにありました)
- 過去完了形・・・She has lain there for hours.(彼女は数時間そこに横になっています)
など。
名詞
名詞では次のような意味で使われることがあります。
- 方向・位置 ※ゴルフ用語でボールの位置にも「lie」が使われます。
- 動物の巣
など。
「嘘をつく・欺く」などの意味がある「lie」
さて、2つ目の動詞の「lie」の意味ですが、『「嘘」の英語|lieは横たわる!?動詞や名詞などで9個の言い回し』でも解説していますが、「嘘をつく」です。
下記がその例文です。
- Don’t lie to me!(私に嘘はつかないで!) ※「lie to ~」は「~に嘘をつく」という自動詞です。
- He always her into buying him things.(彼はいつも彼女に嘘をついて物を買わせています) ※「lie someone into ~」は「人を~させるためにだます・嘘をつく」という他動詞です。
など、人を欺く時に使うのが「lie」のもう一つの意味となります。
現在分詞・過去形・過去分詞
ここで気を付けたいのが、1つ目の意味の「横になる」という「lie」とは、現在分詞以外は形が違うという点です。
下記がその形となります。
これを使った例文が次の通りです。
- He is lying all the time.(彼はいつも嘘をついています)
- She lied to someone she trusts.(彼女は信頼している人に嘘をついてしまった)
- I don’t think he has ever lied to me.(彼は一度も私に嘘をついたとは思いません)
など。
名詞
名詞では、そのまま「嘘」という形でよく使われます。
下記がその例です。
- tell a lie(嘘をつく) ※動詞の「lie」と同じ意味です。
- white lie(いい嘘) ※誰も傷つけない嘘、悪意のない嘘という意味なので、しばし「社交辞令」と訳されることもあります。
など。
原形の「lay」との違いは?
横わたる「lie」の過去形は「lay」でしたが、原形で「lay」という単語があります。
それはどんな意味なのでしょうか?先ずは発音から見ていきましょう。
「lay」の発音と発音記号は下記となります。
シッカリと「l」を発音して下さい。間違って「ray」と「r」の発音をしてしまうと、「光線」などの意味になるので注意が必要です。
lとrの発音に自信が無い方は、『RとLの発音がビックリするほど上達する簡単トレーニング』の練習を是非試してみて下さい。
他動詞としての意味と使い方・lieとの違い
1つ目の意味の「lie」は、主語が横たわるなど、「主語+動詞」で意味が成り立っていましたね。これを自動詞と言います。
しかし、ここでの「lay(原形)」ですが、これは「主語が~を横たえる(横にする)」と目的語が必要な他動詞が主となります。
つまり次がその違いです。
- lie・・・He lies.(彼は横になっている) ※主語と動詞のみでOKの文です。
- lay・・・He lays his belongings.(彼は持ち物を横にしました) ※主語+動詞+目的語の形です。
モノや人などを横にする、置く、倒れさせるなどの場合は「lay」を使います。
この自動詞と他動詞を詳しく知りたい方は、『自動詞と他動詞の違いと2つの正しい見分け方・両方使える動詞一覧』の記事を参考にしてみて下さい。
現在分詞・過去形・過去分詞
ここでの形も「lie」とは異なります。
下記がその例文です。
- She tried laying the bag there.(彼女はそのバッグをそこに置こうと試みました)
- He laid it down.(彼はそれを横にしました)
- Those tables were laid for a dinner party.(それらのテーブルは夕食会のために準備されました)
など。
まとめ:「lie」は大きな意味が2つあるという心構えで!
いかがでしたでしょうか?
「lie」は「嘘(をつく)」というイメージだけ持っていては危険ですね。
今回勉強したように、2つの大きな意味と使い方があるという事を頭にインプットしておきましょう。
例えば、「Problem lies.」という表現を聞いた場合に、「問題が嘘をつく」と変な和訳に頭の中がならないようにしておきましょう!
瞬時に判断できるようになるとそれがネイティブ感覚です。