私が指導する生徒さんにも医師の方は少なくありません。
その中でもよく相談があるのが、「どのように医学英語を勉強したらいいのか?」という悩みです。
日常会話やビジネス英語、旅行英語などを中心に英語指導していて、「医学英語」についてはほとんど触れたことはありませんでした。
しかし、医療・医学英語といっても外来診察(内科・外科)、学会での発表、論文、研究など幅広くあります。
論文は読めるけど、実際の外国患者の外来診察が英語でできない、外来診察は出来るけど、学会で発表や質疑応答、リスニングが不得意など、様々なパターンがありあす。
私が指導する医師の方の大多数がおっしゃっていたのが、海外での学会での立食パーティーで、日本人だけが集まっている場面が多々あるそうです。
そこで、医師の方から医療・医学英語の指導をお願いされたこともあり、私もゼロからの勉強をスタートしました。
その私が医学英語を勉強するにあたり大変参考になった参考書やアプリ、また映画や海外ドラマの活用法などがあります。
目次
医療・医学英語(英単語)って何?
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そもそも医師など医療従事者使う英語ってどのようなものなのでしょうか?
日本語でも思い出して下さい。
例えば、「循環器内科」などの「~科(診療科)」、「遺産逆流」や「嚥下困難」などの症状、「直腸」や「弁膜」などの体の部位。
これらは日常会話的に頻繁に使いませんよね。それは英語でも同様です。
また、医療現場で使う表現は日常会話と異なる英単語を使う場合が多いです。
例えば、「うんち(便)」でみてみましょう。日常会話では「shit」ですが、医療現場では「stool」という表現をします。
また、「腹痛」とうい症状の表現も、患者側は「stomachache」と表現しても、医師などは「abdominal pain」という感じで表現します。
全然違いますね。
簡単な例ですが、これらの表現を総合して医療・医学英語となります。
日常英会話、一般のビジネス英会話とは違うこれらの英語表現はどのようにして覚えたらいのでしょうか?
次から医師、研修医、医学部の学生でもすぐに始めることが出来る勉強法をご紹介していきます。
医学英語を勉強するためのおすすめ参考書・本・CD付き
私が医師の生徒に医学英語の勉強をどのようにしたらいいのかを指導する前に、先ずは自分が医療・医学英語をマスターする必要があると思い、書店に向かいました。
「医学英語に先ずは触れること」が第一歩だったので、参考書を探しました、「英語コーナー」で。
しかし、英語コーナーのどこを探しても全然ないんです。しびれを切らして店員に聞いてみると、「医学コーナー」にあるとのこと。
実はこれはどこの大手書店でも同じでした。都内の「三省堂」、「ジュンク堂」、「紀伊国屋本店」など。
それくらい一般の方が見ないということですね。
今現在は分かりませんが、英語コーナーには、旅行、ビジネス英語、TOEIC、英検など様々なジャンルの英語の参考書があるのに、医学・医療英語の参考書はそこにはありませんでした。
話は戻りますが、そこでどの参考書がいいのかそこにある全ての参考書に目を通しました。
単語が中心のもの、CDが付いていてリスニングもできるものなど。
その中で私が参考にした3冊あります。
もちろん、『医学英語で2つのおすすめ辞書!電子辞書やアプリと無料翻訳ツール』で紹介している辞書もありますが、医学英語に特化しています。
また会話のフレーズなどはほとんどないので、先ずはここでご紹介するおすすめの参考書を見てみるのがベターです。
参考書その1.「正しく診断するための診療英会話」CD付き
外来の患者さんとの英会話フレーズがCD付きで習得していくので、「正しく診断するための診療英会話(ナツメ出版)」はおすすめです。
問診、検査、結果の説明、次の予約、処方箋を出すなどの基本的なフレーズから、応用編として各診療科(神経内科や整形外科など様々な科)での患者とのやり取りのフレーズをCDを聞きながらマスターしていきます。
Amazonなどインターネット経由でもご購入できるのですが、一度書店で確認された方がいいかと思います。価格も3000円(税別)と安くはないので、しっかりと検討してみて下さい。
しかし、全てのケース(症状など)を網羅することは一冊では不可能です。
そこでもう2冊おすすめの参考書をご紹介します。
参考書その2.「医師のための医療面接の英語」
持ち運び安いサイズ(ハンドブックタイプ)となっておりますが、音声もダウンロード出来きておすすめなのが「医師のための医療面接の英語(アスク出版)」(2500円+税)です。
問診、症状を聞くなどに特化した参考書となっています。
こちらも各診療科別での英語フレーズを中心に学習できます。こちらも先ほどの参考書同様に、一度書店で手に取ってみて下さい。
参考書その3.「医師のための身体診察と検査の英語」
上記と同じ出版社ですが、身体検察と検査をする時に使える英語フレーズに特化した参考書が、「医師のための身体診察と検査の英語(2500円+税)」です。
こちらも音声が無料ダウンロードできるので、CDの代わりにスマホなどに落として通勤中や就寝前などの隙間時間を有効活用できます。
医学英語の勉強におすすめの2つの無料アプリ
医療・医学英語に触れて勉強するのに、他の英語同様にアプリは欠かせません。
日常会話やビジネス英語などの無料アプリは、『英語勉強|英検1級・TOEIC満点者おすすめのアプリ・教材35選』でもご紹介しているのですが、医学英語に触れるという意味では少し異なります。
よってここでは「医学英語」に特化したアプリをご紹介します。
診察などのフレーズ的なのだけではなく、論文、学会などにも対応できる医学英語を強化したいという方にもおすすめです。スキマ時間に是非ご利用ください。
医療英単語のアプリ
医学部の学生だけではなく、医師、また受験生などにも役立つ無料アプリが「医療通訳英単語」です。
医学英単語に強くなりたいならおすすめです。
レシピー(旧:Polyglots※ポリグロッツ)
日常会話、ビジネス英語でも国内シェアNO1の実績がある無料アプリが、「レシピー(旧:ポリグロッツ)」です。
しかし、そこに医療英語があるということを知っている方は多くありません。
医療関連のニュースなどが毎日のように配信されているので、研究などにも興味がある方、海外の医療ニュースをリアルタイムで確認したい方にもおすすめです。
医療英語が勉強できる!おすすめのオンライン英会話スクール
医療英会話をオンラインで時間のある時に気軽に勉強したい!と思ってもなかなか見つからないのではないでしょうか?
あったとしても、医療専門の先生が少なくて授業が出来ないケースは少なくありません。
その中でも比較的先生が揃っているオンライン教室をご紹介します。
しかし、ご自身に合うものなのかなど無料レッスンで一度試すことをおすすめしています。
医療英語専門のオンラインスクール「HLCA」
セブ島にある医療英語専門の語学学校「HLCA(ハルカ)」が運営する、医療英語に特化したオンライン英会話スクールです。
講師は、医療系の学位を取得した医療英語に精通している講師陣のみ。生徒一人につき3名程度の担当講師が付き、看護師や医療従事者向けに約20種類の医療職種に対応したカリキュラムを提供しています。
また、医療従事者の職種によって使われる英語も異なってくるのですが、その点に関しても、HLCAでは20のカリキュラムの中から個別にオーダーメイドされていて、各職種に最適化された英語が学べるようになっています。
医師 / 歯科医師 / 看護師 / 保健師 / 助産師 / 薬剤師 / 理学療法士 / 作業療法士 /言語聴覚士 / 柔道整復師 / 鍼灸師 / 救急救命士 / 臨床心理士 / 介護士 / 歯科衛生士 /医療通訳士 / CRA / MR / 栄養士 / 医療事務 |
HLCA受講生の職種内訳(割合)
HLCAオンラインスクール受講生の職種は、看護師が47%と多くて、次いで医師が22.6%となっています。
職種 | 割合 |
看護師 | 47.6% |
医師 | 22.6% |
薬剤師 | 8.8% |
助産師 | 5.9% |
PT・OT・ST | 5.0% |
その他 | 10.1% |
※PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)
また、受講生の一人ひとりには、担任の講師がついてくれます。マンツーマンでしっかりサポートしてくれたり、受講生のコミュニティも充実していて、卒業後のサポート卒業後もプロのキャリアカウンセラーが就職・転職などのサポートをしてくれます。
気になる方は、プロのカウンセラーから一度、無料カウンセリングが受けてみてはいかがでしょうか。
DMM英会話(メディカル英語)
オンライン英会話教室の大手「DMM英会話」でも医療英語が学べます。
ただし、DMM英会話では、医療英語に特化した専門コース自体はありませんので、医療英語を学べる教材と講師を選ぶことで、医療英語が学べます。
- 医療現場で使用する単語や英会話を学べる「健康とライフスタイル」
- 医療・健康に関する内容が組み込まれている「デイリーニュース」
しかし、メディカル専門として配属されている先生ではないので、一般の客とかぶって予約が取れないケースもあります。その点などはご自身で確認してみて下さい。
職業別レッスンプログラムが学べる「Mytutor」
「Mytutor」はIELTS・TOEFL・TOEIC・英検®など英語検定試験を教えられるプロフェッショナルの集団の講師陣が教えてくれるスクールです。
採用基準は、「履歴書審査」「4技能試験」「面接」ともに厳しく審査しております。特に、履歴では、政府公認英語教師資格者を多く採用します。
そして、Mytutorでは、英語資格以外にも「職業別レッスンプログラム」があり、その1つに医療英会話があります。
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先ずは無料トライアルで試すこともいいでしょう。
医師・看護師など医療現場の英語が学べる「EFイングリッシュライブ」
EFイングリッシュライブでは、レッスン単価も安いのに講師も英語母語かつ他スクールよりもより厳しい条件をクリアしたプロのネイティブが指導してくれて、さらに教材やカリキュラムもレベル別目的別で世界最高峰のメンバーで開発されたものになっています。
コースには、活動分野別の専門英語コースがあり、製薬・医療業界の専門英語コースでは、医師、看護師、救急隊員など医療現場で多く使われる医療用語が学べます。
しかも、日本人だけのグループレッスンではありません。世界中の生徒が一緒に参加するため、海外にでも語学留学したかのように授業に参加できます。
気になる方は、7日間無料で体験できるので世界最高峰のレッスンと教材に触れてみましょう。
医者におすすめの医学英語勉強法
ここまでは医学英語に強くなるための参考書やアプリ、英会話スクールを紹介しましたが、英文の構造(作り方)やリスニングの仕方などは日常会話と何ら変わりません。
また、医学英語に強くなったけど日常会話が出来ないのでは本末転倒です。
よって、ここでは忙しい仕事の合間や隙間時間でも出来る基礎と医学英語の勉強法をご紹介いたします。
忙しい医師の方でも出来る!医学英語勉強法:基礎
患者との会話のやり取りは医学英語ばかり使うわけではありません。
海外の学会、海外からの研修生との話など、日常会話は欠かせません。もちろんフォーマルな会合などの場合は通常のビジネス英語も押さえる必要があります。
しかし、全ては「中学英語」をいかにうまく活用するかがキーポイントで、それがスタートです。
忙しくても基礎の英語力を鍛える勉強法
仕事が忙しくて毎日何時間も英語の勉強に割けないという方は是非、『社会人向け英語勉強法|スキマ(隙間)時間で6つのやり直し独学の仕方』でご紹介している方法も参考にしてみて下さい。
忙しい医師の方でも出来る!医学英語勉強法:応用
日常会話も医学英語も両方強くなりたい!という医師の方には海外ドラマを活用した方法がおすすめです。
海外でいまだに人気の「ER緊急救命室」です。
医療用語が頻繁に飛び交い、医学英語のリスニング強化には最適です。もちろん、医者同士のプライベートなど日常会話も含まれるので一石二鳥です。
しかし、その勉強法にコツがあります。
楽しくストレスなしの医学英語勉強法
一般の方には「ER緊急救命室」は教材としておすすめしないのですが、医療従事者には最適です。その詳しい使い方や方法は、『英語リスニング|映画・海外ドラマが字幕なしで分かる!2つの勉強法』をご参考下さい。
医師の海外留学は英語力を鍛えるため?
英語力を鍛えるには「海外留学」が思い浮かぶでしょうが、医師の方は特別な留学になります。
「研究留学」と「臨床留学」の2つです。
しかし、どちらも留学前に高い英語力(医学英語だけではなく総合の英語力)が必要なため、単に英語力を鍛えるという目的では難しいですし、おすすめしません。
上記の留学を将来的にお考えであれば、今回ご紹介した方法を参考にして英語力全体を向上していきましょう!
まとめ:医師が英語を勉強する必要性はドンドン大きくなる
外国人観光客、また海外からの移住者(短期・長期)は10年前と比べると大きく増えてきています。
少子化の日本であるからこそ、外国人労働者の力などを借りる必要があります。これは今後医療現場でも同じようになるでしょう。
特に外国人の患者が増えてきている昨今。英語でコミュニケーションが取れないのであれば、正しい治療も難しくなってきます。
しかし、今回の勉強法でも分かったかと思いますが、基本は「日常英会話」です。
英文の作り方(問診での質問、診断結果の説明など)、また患者から症状を聞く場合のリスニングなど、医学英語だからといって英文法や聞き方などが変わるわけではありません。
要するに、いかに現状使っている医療・医学表現を英語の単語・フレーズに落とし込むかだけです。
医学英語にも毎日触れることが大切であり、そのためにはアプリや参考書を活用して飽きずに勉強を続けることが最大のコツです。
ここでご紹介した方法を先ず試して、今後の医療現場で活かして下さい。
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