
英語の「関係代名詞」の使い方を知りたいですか?
関係代名詞は日本語に同じ役割をする単語がないため、苦手な人も多いかもしれません。
英語でも「relative pronoun」と書いて、何かややこしさを感じます。
しかし、使い方を理解してしまえばそれほど難しいものではありません。
関係代名詞は大きく分けて3つに分類されます。
- 主格(who, that, which, what)
- 目的格(whom, that, which, what)
- 所有格(whose, of which)
これらを上手く使い分けができるようになれば、会話でも英作文(ライティング)でもとても楽しくなります。
目次:
1.関係代名詞とは?
・疑問詞じゃない?英語の関係代名詞
・日本語と英語の語順の違いに注意!
2.関係代名詞の文の作り方とコツ
ステップ1.先ずは「共通する部分(先行詞/名詞など)」を探す
ステップ2.「適切な関係代名詞」で文を繋ぐ
3.関係代名詞の種類と使い分け(ルール)
3-1.関係代名詞「who」
3-2.関係代名詞「which」
3-3.関係代名詞「whom」
3-4.関係代名詞「whose」
3-5.関係代名詞「of which」
3-6.関係代名詞「that」
3-7.関係代名詞「what」
4.押さえておくと便利!関係代名詞の応用(非限定用法)
・ルールその1.先行詞の追加の情報を付け加える場合
・ルールその2.同格の場合(コンマと省略)
・節(文)や句が先行詞の場合
5.「関係副詞」との関係は?
5-1.関係副詞「where」
5-2.関係副詞「when」
5-3.関係副詞「why」
5-4.関係副詞「how」
6.関係代名詞の問題(簡易テスト)にチャレンジ!

1.関係代名詞とは?
関係代名詞は、「文と文(節や句)を繋ぐ接続詞の役割をする代名詞」で、修飾する名詞を詳しく説明する際に使います。
また、名詞だけを修飾するのではく、「節(文)」を修飾するケースもありますが(後述します)、ここでは名詞に絞って分かりやすく説明します。
冒頭でもお伝えしたように、関係代名詞は英語で「relative pronoun(レラティヴ・プロナウン)」ですが、それぞれの単語を直訳すると「関係がある代名詞」となります。
よって、2つの関係のある文を代名詞を使って繋げることができるのが、この「関係代名詞」ということになります。
これは日本語でも私たちが頻繁に使っている文法です。
例えば、次のような2つの日本語文があったとします。
- 男性がそこで車を運転していました。
- 私はその男性を知っています。
もちろん、会話など口語ではこのまま2つの文でもいいのですが、これを1つの文にすることもできます。
「私が知っている男性がそこで車を運転していました。」となり、スッキリしますね。ビジネスや文書などの文語ではこちらの言い方がよく使われます。
この2つの文で共通している名詞が「男性」であり、1つの文にすることで「男性」を2回言わなくてよくなります。
これと同じことを英語でもやりますが、その際に必要なのが「関係代名詞」ということになるのです。
疑問詞じゃない?英語の関係代名詞
ここで英語の「関係代名詞」の使い方について例文を見ていましょう。
先ほどの日本語と同じように、次のような2つの英文があったとします。
- I saw the girl./私は彼女を見ました。
- The girl(She)worked at the restaurant./その女の子はそのレストランで働いています。
2つの文で共通な名詞がありますね。
そうです、「the girl」です。
この「the girl」を2度繰り返すよりも、1つにまとめてしまったほうが簡潔になります。これは2つ目の主語が人称代名詞の「She」でも同様です。
その場合に「関係代名詞」が必要となります。
このケースでは主格の「who」を関係代名詞として使います。詳しい使い方は後述しますが、先ずは例として捉えておいてください。
疑問詞でも使う「who」ですが、ここでは関係代名詞となり、疑問文にはなりません。
関係代名詞を使えば、「the girl」を繰り返さず、しかも1つの文にすっきりとまとめることができます。
下記が1つの文になった英文と日本語です。
- 英文:I saw the girl who worked at the restaurant.
- 日本語:そのレストランで働いていた女性を私は見ました。
すごくすっきりして分かりやすい英語と日本語の和訳にもなりましたね。
このように、関係代名詞は文と文を繋ぎ、さらにそれらの文のなかで重複している部分を代名詞として省略してくれます。
関係代名詞の後にくる文(節)は、その前の名詞(この文でいうと「the girl」)を修飾しています。
この語順を少し詳しく解説します。
日本語と英語の語順の違いに注意!
この関係代名詞を使う際に気を付けたいのが、日本語の場合と英語の場合の語順です。
節(文)が名詞を修飾する時に、日本語は「節(文)+ 名詞」の順番になりますが、英語はその逆で関係代名詞が真ん中に入ります。
つまり、「名詞 + 関係代名詞 + 節(文)」の語順となります。
因みに、この場合の名詞を「先行詞」と言います。
違いは次となります。
- 日本語:私が知っている(節)+ 男性(名詞)
- 英語:男性(名詞) + 私が知っている → the man whom I know(the man that I know) ※関係代名詞が目的格の場合は、「the man I know」と省略することができます。これについても後述します。
この語順の違いが、特に英訳する時に混乱を招く場合がありますが、日本語とは語順が「逆」と覚えておけばOKです。
2.関係代名詞の文の作り方とコツ
それでは、先ほどの例文にもあった「who」や「whom」などの実際の関係代名詞の使い分けを確認する前に、基本的な使い方をここで押さえておきましょう!
先ほどの語順の部分を念頭に置きながら進んでください。
先ず、下記の2つの文があったとします。
- There is a boy./男の子がいます。
- He(A boy) plays soccer./彼はサッカーをします。
この2つの文を使って、作り方の順番とコツを説明します。
ステップ1.先ずは「共通する部分(先行詞/名詞など)」を探す
このような2つの文を関係代名詞で繋ぐ場合、まず繋ぎたい共通する部分を探します。
物(モノ)や人であることがほとんどです。
この文の共通する部分は、最初の文の「a boy」と2番目の文の「He」ですね。
ステップ2.「適切な関係代名詞」で文を繋ぐ
共通する部分を見つけたら、最初の文にある共通する部分「a boy」の後ろに、主格の関係代名詞である「who」を置きます。
※なぜ、関係代名詞の「who」を使うのかと、その働きについては後ほど説明します。
関係代名詞の後に、2番目の文を続けますが、共通する部分「He」は関係代名詞の「who」で代用したので省略します。
つまり、「a boy who ~」という形になるわです。
共通する部分(この文では「a boy」という名詞) は、先ほども軽く触れていましたが、文法用語で「先行詞」と言います。
先行詞のすぐ後ろに、関係代名詞の「who」から始まる後ろの文をつけます。
繋げた文が下記となります。
- 英文:There is a boy who plays soccer.
- 日本語:サッカーをする男の子が1人います。
これで、関係代名詞の文が完成です。簡単ですね!
「関係代名詞のコツ」
ポイントは、「共通する部分を見つけること」、そしてこれから説明する「関係代名詞の種類の使い分け」です。
3.関係代名詞の種類と使い分け(ルール)
先ほど例で出てきた関係代名詞は、2つとも主格の関係代名詞の「who」でしたが、関係代名詞の種類は基本的に7種類あります。
2つの英文をネイティブのように繋げて英文を完成させましょう!
3-1.関係代名詞「who」
簡単に説明すると、修飾する名詞(先行詞)が、2つ目の文では主語の場合は「主格」の「who」を使います。
これが基本です。
しかし、「人物」の場合のみしか使えないというルールがあります。
三人称単数だろうが、複数だろうが関係なく「who」を使います。
しかし、目的語と置き換えることができる「目的格」の場合もあるので、その点も説明します。
「主語(主格)」の場合
「主語」を「who」に置き換える場合を説明します。
下記が2つの文を既に「who」で繋いだ例文です。
- 英文:The man who works at the Museum is very kind.
- 日本語:博物館で働いているその男性はとても親切です。
では、この英文を2つの文に分解してみましょう。
- The man is very kind./その男性はとても親切です。
- He works at the Museum./彼は博物館で働いています。
関係代名詞は2つ目の文の主語の「He(人)」と置き換えられているのが分かりますね。
そのため、ここでは関係代名詞の「who」を使います。
「目的語(目的格)」の場合
文法的には後述する「whom」や「that」を使うのが正しいのですが、カジュアルな会話(口語)では、頻繁に目的格としての「who」を使うことが少なくありません。
下記が、目的語を「who」で繋いだ例文です。
- 英文:He is the person who I saw at the restaurant.
- 日本語:彼がレストランで私が見た人です。
この文も2つの文に分けることができます。
- He is the person./彼がその人です。
- I saw him at the restaurant./私は彼をレストランで見ました。
ここで関係代名詞と置き換えられているのは、2つ目の文の目的語の「him」です。
置き換えられた部分が目的語で、しかも人物なので関係代名詞の「who」をここでは使っています。
しかし、、目的格の関係代名詞は省略することができます。これは目的格の「whom」、「which」、「that」でも同様です。
よって、先ほどの例文で目的格の「who」を省略した場合は、「He is the person I saw at the restaurant.」となり、こちらも正解です。
3-2.関係代名詞「which」
関係代名詞の「which」は、「モノ(動物など含む)」と置き換えます。
修飾するのは、名詞だけでなく、その前の節(文)の場合もあります。これについては、後述の「非限定用法」の箇所で説明します。
基本的に先ほどの「who」と同じで、主格(主語)か目的格(目的語)で置き換えられた言葉が、「モノ(動物など含む)」の場合には「which」となります。
「主格」の場合
下記が1つの文に繋がれた例文です。
- 英文:She has a dog which runs very fast.
- 日本語:彼女はとても早く走る犬を飼っています。
2つに分けた文が次です。
- She has a dog./彼女は犬を飼っています。
- It runs very fast./それは早く走ります。 ※動物で性別が分かっている場合は「He」、「She」でも表現できます。それ以外は「It」で構いません。
関係代名詞が置き換えられているのは、共通している2つ目の文の主語の「It(犬)」ですね。
主語で、人物以外なので関係代名詞は「which」を使います。
「目的格」の場合
目的語を置き換える場合も、「which」を使います。
下記が例文になります。
- 英文:The pencil is a souvenir which I bought in New York.
- 日本語:その鉛筆は私がニューヨークで買ったお土産です。
この文も2つに分解することができます。
- The pencil is a souvenir./この鉛筆はお土産です。
- I bought it in New York./私はそれをニューヨークで買いました。
関係代名詞は、共通している2つ目の文の「it」と置き換えられていますね。
「it」は目的語で、モノ(鉛筆)を表わしているので、ここでは「which」が使われています。
省略することもできるが目的格の関係代名詞でしたね?
なので、「The pencil is a souvenir I bought in New York.」も正解の文となります。
関係代名詞「which」のトレーニング
「which」の使い方をより詳しく知りたいのであれば、『関係代名詞のwhichをたったの10分で簡単マスター』の記事内に簡単なトレーニングも用意していますので、是非参考にして下さい。
前置詞と「which」の位置
ここで問題ですが、2つの文を繋げた場合はどうなるでしょうか?
- This is the apartment./これがアパートです。
- I lived in it./私はそこに住んでいました。
繋げると次のようになります。
- 英文:This is the apartment in which I lived. ※この場合は「which」は省略できません。
- 日本語:これは私が住んでいたアパートです。
これは文法的にも正しい語順となります。
つまり、「先行詞+前置詞+関係代名詞」という形です。
しかし、口語などカジュアルな場合は「This is the apartment which I lived in.」とするケース、または後ほど紹介する「関係副詞」の「where」を使うのが少なくありません。
3-3.関係代名詞「whom」
関係代名詞の「whom」は、目的語の「人物のみ」に使います。
つまり、目的格として限定しています。よって、省略することもできます。
- He is the person whom I saw at the restaurant.
- He is the person I saw at the restaurant.
後ほど説明する「that」の関係代名詞も使えますし、先ほどの「who」を「whom」と入れ替えても、口語的には間違えではありません。
また、ここでも「先行詞+前置詞+関係代名詞」の形をとります。
- He is a young man./彼は青年です。
- I spoke to him yesterday./私は彼と昨日、話しました。
これを1つの英文にすると次のようになります。
- 英文:He is a young man to whom I spoke yesterday. ※この場合は「whom」は省略できません。
- 日本語:彼は昨日話した青年です。
しかし、これもカジュアルには「He is a young man (whom) I spoke to.」という言い方できます。
『「whom」の2つの使い方|whoとの違いや作り方を例文で解説!』でも詳しく解説しています。
3-4.関係代名詞「whose」
関係代名詞の「whose」は、「~の(誰々の)」を表わす所有格として使います。
この「whose」は、「人でも物(モノ)でもどちら」にでも使うことができます。
関係代名詞「whose」は必ず名詞とセットで使い、「~の人・物(モノ)」となります。
下記がその例文です。
- 英文:He is my friend whose father is a police.
- 日本語:彼は父親が警察官である私の友達です。
この文を2つに分けてみましょう。
- He is my friend./彼は私の友達です。
- His father is a police./彼の父親は警察です。
2つ目の文の所有を表すのが「His」で、「My friend’s」と同じになるので、ここでは所有格の関係代名詞の「whose」と入れ替えています。
関係代名詞「who, whose, whom」のトレーニング
『超簡単!関係代名詞 who whose whomの使い方』の記事で、より詳細な説明とトレーニングを用意していますので参考にしてみて下さい。
3-5.関係代名詞「of which」
前置詞の「of」と「which」を重ねて、「whose」と同じように所有格の関係代名詞となりますが、基本的に「物(モノ)」の所有格の場合に使います。
下記がその例文です。
- 英文:I have a dog of which face is cute.
- 日本語:私は顔がかわいい犬を飼っています。
この文を2つに分けてみましょう。
- I a dog./私は犬を飼っています。
- Its face is cute/その顔がかわいい。
2つ目の「Its」は「dog’s」と同様で、所有格の関係代名詞の「of which」に置き換えることができます。
また、これを「whose」を使っても同様です。「I have a dog whose face is cute.」も同じ意味の英文となります。
3-6.関係代名詞「that」
「人物」と「物(モノ)」の両方で使うことができるのがこの関係代名詞です。
つまり、関係代名詞の「who」と「which」を使うケースでは、「that」を使うこともできます。
主格、目的格になりますが、前述通り、目的格は省略することができます。
- 主格の例文:They bought bags that were sold at a discount./彼らは割引価格で売られていたバッグを買いました ※「which」に置き換えることができます。
- 目的格の例文:I know those students that did it./それをした生徒たちを知っています ※しかし、主語が「人物」の場合は、関係代名詞は「who」を使うことが多いです。
しかし、「that」しか使えないルールもあります。
ルールその1.
先行詞に、「the only」、「the first」、「the last」などの限定した表現や、「全て」や「無」を表わす「all」、「every」、「any」、「no」が付く単語の場合で、目的格の場合は「that」を使います。
目的格なので、もちろん省略もできます。
下記がその例文です。
- This is the best food that I have ever had./これは私が食べた中で一番です。
- You have to listen to every word that they say./あなたは彼らが言う全ての言葉を聞きなさい
しかし、主格で人の場合は、「that」よりも「who」が好まれてよく使われています。「He is the only one who knows about it.」など。
ルールその2.
主格でも目的格でも、「人物」と「物(モノ)」が入っている場合は、「that」を使います。
例えば次のようなケースです。
- 英文:I saw my sister and a dog that were crossing the street.
- 日本語:道を渡っていた姉と犬を見ました。
- 解説:「my sister(人物)」と「犬(モノ)」を同時に表す主格の関係代名詞は、「that」となります。この場合は「who」や「which」は使えません。
ルールその3.
特に疑問文となりますが、疑問詞に同じ「who」や「which」が使われている場合は、必然的にその文の主格と目的格は「that」となります。
下記のようなケースです。
- 英文:Who is the woman that they say is very beautiful?
- 日本語:みんなが言っているとてもきれいな女性は誰ですか?
- 解説:すでに「who」が疑問詞であるので、混乱を避けるために、その後の関係代名詞を「who」にすることはありません。
3-7.関係代名詞「what」
物(モノ)を説明する時に使うのが、関係代名詞の「what」ですが、これまでの関係代名詞と少し事情が異なります。
というのが、先行詞が省略されて、「what」で繋げるということです。
これは主格でも目的格でも同じです。
主格の場合
下記の2つの英文を繋げてみましょう。
- They are clothes for the party./それらはパーティー用の服です。
- I bought them yesterday./私はそれらを昨日買いました。
これを「what」で繋げると次のようになります。
- 英文:What I bought yesterday are clothes for the party .
- 日本語:私が昨日買ったのは、パーティー用の服です。
ここでは「those」が先行詞ですが、これが省略されて「what」のみとなっています。「They what」や「They that」という形にはなりません。
また、今回は複数形扱いにしていますが(名詞が複数形)、これが単数の場合は「What ~ is ~.」となります。
しかし、例えば「What I said is true.(私が言ったことが真実です)」のケースは、自分が言ったことを一塊として表現しているケースとなります。「What I said are true.」も間違えではないのですが、前者の言い方をよく使います。
目的格の場合
例えば下記のような2つの英文があったとしましょう。
- I believe things./私はそれらを信じます。
- You said them./私はそれらを言いました。
実際にこのような言い方をするのはまれですが、これを「what」で繋げると次のようになります。
- 英文:I believe what you said.
- 日本語:私はあなたの言ったことを信じます。
とても自然な英文になります。
「things」と「them」が共通となるので、「I believe things that(which) you said.」となりますが、このような表現はあまりしません。
その代わりに、「things」という先行詞を省略して「what」のみを入れ込みます。これが英語としてナチュラルです。
しかし、この場合の目的格(what)は省略できないので注意しましょう。
4.押さえておくと便利!関係代名詞の応用(非限定用法)
関係代名詞で、口語では区別がつきにくいのですが、文語の時に特に役立つのが、「限定用法」と「非限定用法」です。
制限用法と継続用法とも呼ばれれいますが、ややこしい文法用語ですね。
簡単に説明すると「コンマ(,)」があるかないかだと思って下さい。
今までの例文のように、「コンマ」を付けないのが、「限定用法(制限用法)」、「コンマ」を付けるのが「非限定用法(継続用法)」となります。
では、どのような時に「コンマ」を付けるのでしょうか?
ルールその1.先行詞の追加の情報を付け加える場合
あえて言わなくてもいいけど、付け加えることで、表現が豊かになるケースもあります。
例えば、次のような例文です。
- The boy, who hit the homerun last week, does not play today./先週ホームランを打ったその少年は今日はプレイしません。
- MY friend, whose car is expensive, will drive us around./高級車を持っている私の友達がドライブをしてくれる。
関係代名詞の節(文)はあってもなくてもいいのですが、追加情報として伝えたい場合は、上記のように、先行詞の後ろに「コンマ(,)」と関係代名詞の節(文)の後ろに「コンマ(,)」と2か所になります。
また、次の違いが分かりますか?
口語では区別はしにくいですが、文語でのニュアンスを知っておきましょう。この場合はコンマは1か所です。
- I have a kid who lives in Tokyo.
- I have a kid, who lives in Tokyo.
どちらともに、主格の関係代名詞である「who」を使っているのですが、その先行詞(ここではkid)の後ろにコンマがあるかないかだけです。
違いはこちらです。
1つ目の文は、私の一人の息子が東京に住んでいる、という訳になり、他にも息子がいる可能性もあります。
2つ目の文は、私には息子が一人しかおらず、その息子が東京に住んでいるという意味になります。つまり、情報の補足という役割となっています。
あえてこれを口語で表現する場合は、コンマのところで一呼吸置くとよいでしょう。
ルールその2.同格の場合(コンマと省略)
このケースも2か所となります。
同格とは、同じ並びで意味が同じ場合を言います。
例えば、「I」と私の名前である「Joji Fujinaga」は同じなので、これを同格と言います。
その場合は、関係代名詞は省略します。
下記の例文でも見てましょう。
- I, Joji Fujinaga, am the one who will be in charge of this project./私、藤永丈司はこのプロジェクトの責任者となるものです ※この「I, 名前,」という書き方はビジネスメールでよく使います。
- Mr.Tanaka, a founder of this company will retire soon./この会社の創設者である田中氏は間もなく引退します。
2つ目の英文の先行詞が「Mr.Tanaka」ですが、固有名詞の場合は、関係代名詞は必ず省略されて、非限定用法がよく使われます。
節(文)や句が先行詞の場合
関係代名詞は「名詞」だけを修飾するケースだけではありません。
節(文)や句を先行詞として捉える場合もあります。その場合も、コンマ(非限定用法)が必要になります。
その場合に基本的に使う関係代名詞が、「which」です。
次のようなケースです。
- He said he went there, which was a lie./彼はそこに行ったと言いましたが、それは嘘でした。
- I did my best, which made me grow up./私は一生懸命頑張りましたが、それが私を成長させてくれました。
これをコンマ無し(限定用法)で表現すると、無理がありますね。
5.「関係副詞」との関係は?
さて、ここでまた文法用語がでてきましたが、関係代名詞とは切っても切り離せないのが「関係副詞」となります。
簡単に言うと、関係代名詞は2つ目の文の代名詞を入れ替えて、1つ目の文と繋げているのですが、それが副詞の場合に「関係副詞」を使うというだけです。
言葉で説明するのは難しいので、例文を使いながら確認していきましょう!
5-1.関係副詞「where」
関係副詞の「where」は、「場所」を修飾する際に使います。
関係副詞の場合:
- 英文:This is the restaurant where my sister works.
- 日本語:ここは私の妹(姉)が働いているレストランです。
この場合は「This is the restaurant.」と「My sister works there.」の2つの英文を繋げた形です。つまり、副詞である「there」を「where」で入れ替えて繋げています。
また、「where」には場所を示す「at」や「to」の前置詞も含んでいるケースが多いです。
関係代名詞の場合:
- 英文:I went to Tokyo in which I used to live.
- 日本語:ここは私の妹(姉)が働いているレストランです。
この場合は、「I went to Tokyo.」と「I used to live in Tokyo.」を関係代名詞で繋げています。
5-2.関係副詞「when」
「when」は、「時」を修飾する関係副詞としての役割があります。
先行詞は、時を表わす単語である必要があります。
例文を見てみましょう。
- 英文:I remember your birthday when the whole family got together.
- 日本語:私は家族がみんな集まったあなたの誕生日のことを覚えています。
これは「I remember your birthday.」と「The whole family got together then.」の「then(その時)」という副詞を「when」で入れ替えて繋げています。
因みに、先行詞が「~day」、「year」や「time」の場合は、「when」を省略することもできます。例えば、「This is the first time (when) I did it.(これをしたのは初めてです)」となります。
また、先ほどの例文も「where」と同じように「前置詞+which(関係代名詞)」を使うこともできます。
その場合は「I remember your birthday on which the whole family got together.」となります。
これは下記の2つの英文を関係代名詞の「which」と前置詞で繋げた形です。
- I remember your birthday./私はあなたの誕生日を覚えています。
- The whole family got together on your birthday./家族みんながあなたの誕生日に集まりました。
「when」の時も同様ですが、関係副詞と使った場合と関係代名詞を使った場合の意味は全く同じです。
5-3.関係副詞「why」
「why」は、「理由」を修飾する関係副詞となります。
下記が例文です。
- 英文:This is the reason why he was late.
- 日本語:これが彼が遅れた理由です。
これは「This is the reason.」と「He was late for the reason.」の「for the reason(その理由で)」という副詞句を「why」で入れ替えて繋げています。
因みに先行詞が「reason」の場合は「why」を省略することができます。「This is the reason he was late.」でも同様となります。
また、「前置詞+関係代名詞(which)」を使って説明すると、「This is the reason for which he was late.」となります。この場合、「which」は省略できません。
5-4.関係副詞「how」
「how」は「方法」(やり方)を修飾する関係副詞となります。
主格、目的格などになります。また、補語としての役割もできます。
「I like the way how he talks.(彼のしゃべり方が好きです)」などの場合に使います。
先行詞が「way」の場合は、「how」を省略することができます。
6.関係代名詞の問題(簡易テスト)にチャレンジ!
数は多くないですが、基本的な問題を用意したので、是非トライしてみましょう!
先ずは、カッコ内から適切な単語を選んでください。
- This is the book (who, which) I bought last week.
- He talked to the guy (who, which) knows everything.
- I met the man (which, whose) watch is expensive.
- She never talked, (which, whom) made me irritated.
- I went to the place (where, how) I lived before.
答えと解説は次となります。
- which:目的格で物(モノ)なので「which」となります。
- who:人物の主格なので「who」となります。
- whose:所有格(~の)なので「whose」となります。
- which:非限定用法で、前の節(文)を修飾しているので「which」を使います。
- where:場所の関係副詞の「where」となります。
まとめ:英語の関係代名詞は基本をマスターすれば簡単!
関係代名詞は「who」と「which」の使い分け方をまずは押さえましょう。
この2つがとにかく頻繁に英語では使われるためです。
「who」は人、「which」は物(モノ)です。両方の場合は「that」を使います。
その次に、所有格の「whose」をマスターしましょう。
どの関係代名詞を使うかは、単純に慣れるだけです。会話やそれほどフォーマルでない文では「that」を使う場合や関係代名詞を省略する場合も多いです。
初級レベルから、一歩先に進むには、先ず基本である「who」と「which」の関係代名詞を是非マスターしてください。
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