「気にしないで」を英語で言えますか?
友達が落ち込んでいるときや、謝られた時など、様々な場面で使うフレーズですよね。
日本語の「気にしないで」は、とても幅広い表現で英語にする場合には、その意味ごとにフレーズを使い分ける必要があります。
尚、関連英語の英語の「気になる」は『気になる」の英語|4つの基本表現とその他の言い方も習得』でご紹介しています。
目次
「気にしないで」はどんな意味?
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日本語の「気にしないで」はとても便利な表現で、幅広い意味があります。
「気にしないで」でよく使うのは、主に次のような状況です。
- お礼を言われた返事
- 謝罪や提案に対する返事
- 相手を励ます時の表現
- 直前の言葉を取り消す表現
英語では、これら全てをまとめていい表せる表現がありません。
状況や、伝えたいニュアンスごとに表現を使い分ける必要があります。
次の章から、一般的な日常会話でよく使う「気にしないで」の英語表現を、上記でご紹介したそれぞれのシチュエーションごとに見ていきましょう。
お礼を言われた返事の「気にしないで」の英語
カジュアルからビジネス英語でも使える丁寧な言い方まであります。
尚、『英語で「どういたしまして」|返事に困らないための11選』でも、お礼の言葉への返答をさらに詳しく紹介しています。「気にしないで」の代わりに使える表現も多いので、是非こちらも参考にしてみてください。
よく使われる「No problem.」
お礼を言われた時の返事の「気にしないで」で、とてもよく使うのが「No problem.(ノープロブレム)」です。
その前後に、「It’s OK.(大丈夫)」などの文言も入れることも多々あります。因みに、大丈夫の英語は『「大丈夫」の英語|3つの場面!返事・質問・励ましで活用』の記事を参考にしてみて下さい。
「problem」は「問題」で、「no problem」を直訳すると「問題ないよ」となります。つまり、「何の問題もない」「気にするほどのことではない」というニュアンスになります。
「No problem.」は「It’s no problem.」の「It’s」を省略した表現です。
目上の人にも使える表現ですが、少しカジュアルさを含んだ表現です。目上の人に使う場合は、距離が近くて仲の良い上司に限定したほうがよいでしょう。
同じ「no problem」を使って、もう少しかしこまったいい方をしたい場合は下記の表現が使えます。
- It’s no problem at all. /全然気にしないでください。
- It’s absolutely no problem. /全く気になさらないでください。
下記が例文です。
- 相手:Thank you very much for your help.(助けて下さりありがとうございます)
- あなた:No problem at all.(全然気にしないで下さい)
など。
カジュアルな「It’s nothing.」
「It’s nothing.」はカジュアルな「気にしないで」です。
「nothing」は「何も~ない」「少しも~ない」という意味で、「It’s nothing.」は「何でもない」、「気にするほどのことはしていない」、つまり「気にしないで」という意味です。
「It’s not a thing.」も同様に使えます。
下記が例文です。
- 相手:I really appreciate it.(本当にありがとうございます)
- あなた:It’s nothing.(とんでもない、気にしないで)
など。
カジュアルでもビジネスでも使える「Don’t mention it.」
「Don’t mention it.」も、カジュアルな「気にしないで」のフレーズとして使える表現です。
「mention」は「話しに出す」「言及する」という意味です。「Don’t」は「~するな」という命令です。これらをあわせて、直訳すると「そんなこと言わないで」となります。
「お礼なんて言う必要ないよ」、つまり「気にしなくていいよ」と伝える表現です。カジュアルすぎる表現ではありませんが、命令文なので目上の人やビジネスの場面では使わない方がよいでしょう。
目上の人に使う場合は、「Please」をつけて「Please don’t mention it.」とすれば丁寧になります。
下記が例文です。
- 相手:I can’t thank you enough.(お礼を言いきれないぐらい感謝です)
- あなた:Don’t mention it. It’s not a thing.(気にしないで、大したことない) ※2つのフレーズをこのように組み合わせても不自然ではありません。
など。
ビジネスでも使える丁寧な「You’re welcome.」
「Thank you.」の返事として、よく知られている「You’re welcome.」も、お礼を言われた時の「気にしないで」の代わりとして使える表現です。
日本語訳は、「どういたしまして」なので、直接的に「気にしないで」と伝える表現ではありませんが、お礼を言った相手に「喜んでお手伝いさせていただいたので、全く気にする必要はありません」という、こちらの気持ちを伝えることができる表現です。
「No problem.」や「It’s nothing.」などより、丁寧でビジネスの場面や、目上の人、初めて会う人にも使えます。
もっと丁寧に言いたい場合は下記の表現も使えます。
- You’re very welcome.
- You’re more than welcome.
同じく「どういたしまして」の意味で使える、「It’s my pressure.」も、同様にかしこまった場面で使える表現です。
下記が例文です。
- 相手:Thank you very much.(本当にありがとうございます)
- あなた:You are most welcome.(気にしないで下さい) ※「most」という最上級を使って、「very welcome」よりも更に、強調した言い方となります。
など。
イギリス英語では「Not at all.」をよく使う!
イギリス英語では「You’re welcome.」の代わりに、「Not at all.」を使います。「お礼を言われるほどのことはしていません、お気になさらずに」というニュアンスを含んでいます。
謝罪や提案に対する返事の「気にしないで」の英語
「ごめんね」や「ごめんなさい」などと相手に謝られた場合の返事は、先ほど紹介した「No problem.」や、「It’s nothing.」、「Don’t mention it.」も使えますが、ここではその他に使えるフレーズを見ていきましょう。
また、「~しましょうか?」など相手が気を使った時にも「気にしないで!」と言う時がありますね。
スラングなどやかっこいい表現も紹介します。
気軽に使える「Don’t worry about it.」
「worry」は「心配する」です。「Don’t worry about it.」を直訳すると、「心配しないで」となります。
謝られたことに対して、「気にするほどのことじゃないよ」という意味で使う表現です。
すごくカジュアルというわけではありませんが、この表現も命令形なので目上の人にはあまり使わない方がよいでしょう。
ビジネスなどの場面で使う場合は、「please」をつけて「Please don’t worry about it.」とすると丁寧です。この表現であれば、ビジネスメールでも使えます。
下記が例文です。
- 相手:Should I fix this?(これ修理するべきですか?)
- あなた:No. Don’t worry about it.(いいえ、気にしないで下さい)
など。
スラングの「No worries.」
「No problem.」と、同じニュアンスで使う表現です。
「worries」は「心配」で「No worries」は「心配はない」つまり、「心配することはない」、「大丈夫、気にしないで」という意味になります。
SNSなど、インターネット上では「NW!」と略して使うこともあります。
もともと、オーストラリアのスラングで、オーストラリアや、隣国のニュージーランド、イギリスでよく使われるフレーズです。最近は、アメリカでも使う人も少数ですがいます。
スラングなので、「Don’t worry.」よりカジュアルなので、使う場面には要注意です。
下記が例文です。
- 相手:Sorry.(ごめん)
- あなた:No worries.(大丈夫だよ、気にしないで)
など。
イギリス英語でよく使う「It doesn’t matter.」
特に、イギリス英語でよく使う表現です。
「matter」は、ここでは「問題がある」という意味です。「問題ないよ」、「重要ではないよ」、つまり「気にすることじゃないよ」という意味です。
言い方によっては、「そんなの、どうでもいいよ」という投げやりな意味になるので、要注意です。
フォーマルな場面での「Please don’t be sorry.」
フォーマルな場面で、目上の人にも使える表現です。「謝らないでください(申し訳なく思わないで下さい)」という意味です。ビジネスメールなど文章でも使うことができます。
「Please」を省略して「Don’t be sorry.」は少しカジュアルになりますが、よく使う表現です。
下記が例文です。
- 相手:I apologize for my mistake on the report.(報告書の間違えに申し訳ございません)
- あなた:Don’t be sorry.(気にしないで下さい)
など。
また、これと同じような表現(否定形を使った)で次のようなフレーズもあるので、是非確認しておきましょう!
- Don’t blame yourself.(直訳:自分自身を責めないで下さい)
- It’s not your fault.(直訳:あなたの失敗じゃないです)
- Don’t be so hard on yourself.(直訳:自分自身にそんなに厳しくしないで下さい)
など。
使えるとかっこいい「It happens to the best of us.」
直訳すると「それは、私たちの中で最も恵まれた人にでも起こる」となります。つまり、「だれにでも起こりえることだから、気にしないで」という意味になります。
相手が失敗してしまって、謝られた時に使えます。また、謝られてはいなくても、失敗に対して「大丈夫!気にしないで」と励ます時にも使える表現です。
下記が例文です。
- 相手:I did it wrong way!(やり方を間違えました!)
- あなた:It happens to the best of us.(みんな同じ間違いをやっちゃうよ、気にしないで!)
など。
お構いなく!の「Don’t bother.」
相手が気を使って提案してきたりした時に、「お構いなく!気にしないで下さい」という場面もありますね。
カジュアルでもビジネスでも使える表現です。
下記がその例文です。
- 相手:Should I remind you of the meeting tomorrow?(明日の打ち合わせのリマインドしましょうか?)
- あなた:Don’t bother. Thank you.(お構いなく!ありがとうね) ※気を使ってくれたことへの感謝の言葉は忘れないようにしましょう!
など。
相手を励ます時の「気にしないで」の英語
友人などが、心配や不安でいっぱいな時、失敗して落ち込んでいる時にも、「気にするなよ」「気にしないで」と励ましますよね。先に紹介した、「Don’t worry about it.」なども、励ます表現として使えます。
ここでは、会話の相手を励ます時に使える、その他の表現を見ていきましょう。
一番よく使う「It’s all right.(It’s OK.)」
直訳で「大丈夫だよ」という表現ですね。
ネイティブも頻繁に使う表現の1つです。日本語でも「オーケー(OK)」など言いますね。
また、「alright」というスペルもありますが、正式には「all right」です。覚えておきましょう。
下記が例文です。
- 相手:I did it again.(またやっちゃった)
- あなた:It’s all right.(大丈夫だよ、気にしない!)
など。
命令形の「Forget about it.」
「forget」は「忘れる」で、動詞から始まる命令文なので「そんなこと、忘れて!」という意味です。
「Forget it!」も同様です。
謝られた時にも、「気にすることじゃないから、大丈夫。忘れて!」というニュアンスでも使えます。
下記がその例文です。
- 相手:My teacher scolded me.(先生に怒られた)
- あなた:Forget about it.(大丈夫だよ、もう忘れて気にしないこと!)
など。
使う場面に注意!「It’s not a big deal.」
「a big deal」は「たいしたこと」「一大事」等の意味です。
「It’s a big deal.」は、そのまま「大したことじゃない」という意味になります。「そんなこと、大したことじゃないから気にしないで!」という意味で使えます。
「No big deal.」と短くして言う場合とスラングで「No biggie(ノー・ビギー)」というパターンもあります。
ただし、「そんな、大したことないのに大げさな!」という皮肉にもなるので、使う場面には要注意です。
下記が例文です。
- 相手:Do you think I should apologize to him?(彼に謝らないといけないと思いますか?)
- あなた:No. It’s not a big deal.(いいえ、大したことじゃないから気にしないでいいよ)
など。
ネイティブらしく表現!「It’s water under the bridge.」
お決まりの表現ではなく、いつもと違うネイティブのような表現で励ましたい時に使えます。
「water under the bridge」を直訳すると、「橋の下の水」です。橋の下にある水は、常に流れていてとどまることがありません。
それと同じように、起きてしまったことや、してしまった失敗は流れ去っていって、「もう過去のことだから気にしないで」という意味です。
- 相手:I feel down.(気分が乗らないな)
- あなた:It’s water under the bridge.(終わったことだから、そんなのもう気にしないでいいよ)
など。
スラングでカジュアルな「Don’t sweat it.」
スラング表現です。「sweat」は「汗をかく」という意味ですが、そこからスラングでは「心配する」という意味でも使います。
「Don’t worry.」と同じ意味ですが、スラングなのでかなりカジュアルな表現です。「No worries.」と同じように使えます。
「平気だよ」という場合に使えます。
下記が例文です。
- 相手:What should I do?(何をすればいいだろう?)
- あなた:Don’t sweat it.(平気だよ、気にしないで) ※このような場合は「No need to panic.(パニックにならないで)」という表現も使えます。
など。
更にカジュアルに「No sweat.」というパターンもあります。
直前の言葉を取り消す「気にしないで」の英語
会話中に、話しに出してしまったけど、「やっぱりいいや、気にしないで」ということがありますよね。
そのような場面で、使えるフレーズを見ていきましょう。
カジュアルな「Never mind.」
カジュアルな表現です。
「never」は「決して~しない」「絶対に~しない」という意味で、「mind」は「気にする」という意味です。つまり、そのまま「気にしないで」という意味になります。
質問されたことに対して、答えをはぐらかす場合にも使えます。
また、話していたけれど、相手が全く聞いてくれなくて「もういいよ!」と、半分怒りながら使うこともあるので、言い方は要注意です。
下記が例文です。
- 相手:What did you say now?(今、何て言った?)
- あなた:Never mind it.(気にしないで) ※代名詞の「it/them」などを使ってもOKです。
など。
ニュアンスに注意!「Forget it.」
「忘れて」という意味です。「Never mind.」とほぼ同じ意味ですが、かなりカジュアルな表現で、マイナスな意味(更に怒って)で使うことも多いので要注意です。
また、前述の「Forget about it.」と「Forget it.」の使い方と多少違うのでその点も注意しましょう。
- 相手:I couldn’t hear you.(ちゃんと聞こえなかった)
- あなた:Forget it!(もういいよ、気にしないで) ※目上の人に使うのは避けましょう!
まとめ:一つだけではない「気にしないで」の英語を正しく使い分けよう!
これまで色々な「気にしないで」の英語フレーズをみてきましたが、他にも次のようなものもあります。
「私のことは気にしないで」、「お構いなく」という場合の気にしないでには、「Don’t bother.」の表現を使います。「手を煩わせる必要はないよ」というニュアンスで使います。
日本語では「気にしないで」と、ひと言でまとめられてしまう表現ですが、英語にするとこんなにたくさんの表現があります。
特に「No problem.」や「Don’t worry.」、「Never mind.」などは、幅広い場面で使えて、ネイティブたちもよく使うので覚えておくと便利です。
ただし、これらの表現はどれもカジュアルです。
ビジネスで使う場合は、「please」をつけたり、省略せずに文を使ったりするなど、丁寧な表現になるように心がけましょう。特に、ありがとうと言われた場合の、「You’re welcome.」はありきたりですが、フォーマルな場面では、幅広く使えるので、そのことも覚えておきましょう。
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