
日本語の「多分(たぶん)」は便利な言葉で、様々な場面で使うことができますね。
「おそらく(恐らく)~かもしれない」などと表現する場合もあります。
しかし、同じ「多分」や「おそらく」でも、文脈によって確率が大きく変化します。
英会話では必要不可欠な表現の1つです。
英語には、主に次の3つの「多分」の副詞がありますが、それを正しく使い分けることが出来ますか?
- 「maybe」
- 「perhaps」
- 「probably」
英語では、「多分」は確率によって単語を使い分けます。日本語のように、1つの単語だけではないのです。
上記の3つ以外にも、「likely」や「possibly」など多くの種類があります。
一言で「多分(恐らく)大丈夫」、「多分(恐らく)~かもしれない(だったかもしれない)」、「多分行きます」、「多分違います」など日本語では同じでも、英語では使う単語によってはニュアンスや確率が全然変わってきます。
もう調べない!「多分」の英語を完ぺきにマスターするには?
ここでご紹介する「多分」の英語は、中学生で習う英単語が中心で、それが英会話の特徴です。
海外ドラマや映画でも、約80%が、『英語習得と英会話上達に必要!おすすめ285英単語集一覧』にあるような、500未満の中学1年生レベルの英単語ということをご存知ですか?
ようするにネイティブも会話の時にはそのような単語ばかりを使っているということです。
でも、多くの日本人がどのように単語を組み合わせたり、どんな場面で使えるのか?(カジュアルやフォーマルなど)、フレーズを丸々暗記することの繰り返しで、全く使いこなせていません。
これは「多分」の英語に限ったことではなく、「よろしくお願いします」、「久しぶり」、「了解しました」、「お疲れ様」、「美味しい」など、日本人が不得意とされる英語表現も同様です。
それらに使われるフレーズも、簡単な単語が中心の中学生英語ばかりです。
英語を習得した方は、その事実を100%知っています。
英語を習得した人とそうでない人の決定的な差の1つです。英語を習得できない人は、フレーズを暗記してすぐに話そうとする・・・でもいつまでたっても上達しない。
この機会に、のべ110万人以上の方が参考にしている『英語の勉強法で確実に上達する人としない人9つの違い』の記事もご覧ください。あなたの英語が飛躍的に伸びるコツが分かります。
今回のように、知らない単語やフレーズを毎回調べることから、少しでも多くの方が卒業できれば幸いです。
よって、最後には、どれくらい「多分」の英語を理解したのかを試せる、「まとめクイズ」を用意していますので、チャレンジしてみましょう!
目次:
0.「多分/おそらく」の意味は?
1.「多分(たぶん)」の基本英語とその違い(使い方)
1-1.英語の「maybe」で「多分」を表現
1-2.英語の「perhaps」で「多分」を表現
1-3.英語の「probably」で「多分」を表現
2.その他の「多分(たぶん)」や可能性表わす英語表現
3.英語の「多分(たぶん)」の使い方と位置
3-1.「多分(たぶん)」の肯定文
3-2.「多分(たぶん)」の否定文
3-3.「多分(たぶん)」の頻度(確率)の順序
4.ビジネスで使える!丁寧な「多分(たぶん)」の英語(助動詞)
まとめクイズ:「多分(たぶん)」の英語の使い分けをマスター!
0.「多分/おそらく」の意味は?

先ず、日本語での「多分」とはどういう意味があるのでしょうか?
大きく分けて2つの意味があります。
- 数量や金額が大きいこと ※例:「多分の(量の)栄養を含んでいる」、「多分の協力金を得ました」など。
- 「たいてい」や「おそらく」 ※例:「多分、いいでしょう」、「多分、その日は晴れでした」など。
この記事では、2つ目の「たいてい」や「おそらく」という副詞について解説していきます。
では、「多分」と同じようによく使う「おそらく」との違いは何なのでしょうか?
同じ英文でも訳す時に困りますよね。よって次ような感覚でOKです。
- 「おそらく(恐らく)」は、「多分」よりネガティブな場合に使うケースが多い ※例「恐らく結果は悪いでしょう」、「おそらく雨でしょう」など。
- 「おそらく(恐らく)」は、「多分」より丁寧な言い方 ※ビジネスではこちらを使うケースが多いですね。
これらの例文のように、日本語では「多分」や「おそらく」を文頭に付けるパターンがほとんどですね。
しかし、「行くよ、多分」など、口語の場合は文末に付けることもあります。
また、現在・過去・未来(推量)など、どの時制でも使えます。
また、これらは可能性や確率を示す副詞で、より強い可能性は「きっと(most likelyなど)」という言葉があります。その次は「絶対(definatelyなど)」ですね。
これらについても後ほど解説します。
それでは次から「多分(おそらく)」の表現を見ていきましょう!
1.「多分(たぶん)」の基本英語とその違い(使い方)
英語で一般的に「多分(たぶん)」を表わす基本的な英単語は、「maybe」、「probably」、「perhaps」の3つです。
どれも日本語に訳すと「たぶん」や「おそらく」ですが、確率の度合いなど微妙なニュアンスの違いがあります。
英語上級者でも、間違って使っていたり、使い分けられていなかったりする場合があるので要注意です。
この機会に違いを理解して、使い分けられるようになりましょう。
1-1.英語の「maybe」で「多分」を表現
「maybe」の発音と発音記号は下記となります。
「多分(たぶん)」の英語訳として、一番知られているのがこの「maybe」でしょう。
確率としては半々の50%程度で、確信はない場合に使う表現です。「maybe」は、使う文脈によって信じている度合いが前後します。
例えば、「明日の試験大丈夫?」と聞かれて「maybe」を使って答えると、「ちょっと自信が無い」というニュアンスが含まれます。明確な回答を避ける(濁す)場合によく使われます。
また、口語で使うことが多く、文頭に付けるのが一般的で、「カンマ」などの句読点も不要です。
(例文)
- Maybe we have to wait for about an hour or so.(多分、1時間ぐらい待つかもしれない)
- Maybe this is the right place. (多分、この場所であっています)
- Maybe it will rain.(多分、雨がふるでしょう)
など。
また、質問された時に一言で「Maybe.」というパターンもあります。
- 相手:Will you come tonight?(今晩、来る?)
- あなた:Maybe.(多分ね) ※「多分行かない」という場合は「Maybe not.」で答えます。
という感じです。
会話でも使う「Maybe, maybe not.」の意味は?
会話ではこの表現を使うことは多いです。
「Maybe I will go, maybe I won’t.(多分、行くかもしれないし、行かないかもしれない)」などの例文を短縮して「Maybe, maybe not.」と口語で使います。
話している内容が分かっている場合のみですね。日本語で言うと、「フィフティー・フィフティーだね(五分五分です)」というニュアンスになりますね。
1-2.英語の「perhaps」で「多分」を表現
「perhaps」の発音と発音記号は下記となります。
「maybe」と同じくらいの確率で起こりうる場合に使われる表現ですが、「perhaps」のほうが丁寧です。
よって日本語にすると「おそらく(恐らく)」という訳し方が合っていますね。こちらも断定を避ける時に使える副詞です。
また、「maybe」を口語でビジネスなどで多用すると、会話や文章が幼稚に聞こえてしまうので、その場合は「perhaps」を合わせて使うと良いでしょう。
しかし、イギリス英語では「perhaps」を日常的に使う傾向が強いようです。
こちらも「maybe」と同様に、文頭に付けるのが一般的です。要するに、少し丁寧にしたい場合は「Maybe」の箇所を「Perhaps」に代える意識でOKです。
(例文)
- Perhaps he has already left.(おそらく、彼はもう出発しました)
- Perhaps we have to go now.(おそらく、もう行かないといけません)
など。
1-3.英語の「probably」で「多分」を表現
「probably」の発音と発音記号は下記となります。
この3つの中では、一番発生する確率が高い表現で、80~90%程度起こりうる場合に使います。
100%確信は持てなくて、約束はできないけれど「ほぼ間違いなく起こる」というニュアンスです。また、SNSやメールなどでも略語がよく使われます。
「probably」の略語は「proly」となります。
また、「Maybe not.」と同じように「Probably not.(多分~しない)」と否定形の回答などでも使えます。
(例文)
- She is probably right.(彼女はおそらく正しいです)
- He probably went to the gym.(彼は多分、ジムに行きました)
これまでの「Maybe」や「Perhaps」と違い、文中で使うのが一般的です。
2.その他の「多分(たぶん)」や可能性表わす英語表現
上記でご紹介した3つ以外にも「多分(たぶん)」というニュアンスで使われる表現があります。
- 「most likely」:「きっと」、大概「ほとんどの場合起こりうる」「起こりうる可能性がとても高い」というニュアンスで使われる表現です。「probably」よりも、さらに確信の度合いが高く、数字にすると90%程度起こりうるくらいの可能性です。
- 「likely」:「多分(たぶん)」「おそらく」くらいの意味で。「maybe」や「perhaps」に比べると少し高い確率で起こりうると考える時に使う表現です(可能性が高い)。「most likely」「very likely」など、度合いを表わす単語と一緒に使う場合も多いです。
- 「possibly」:「ありうる」くらいの、すごく低いニュアンスで使われる表現です。半分諦めが含まれています。形容詞は「possible」です。「もしかしたら」という場合に使います。
- 「impossible」:形容詞で「不可能」、「起こり得ない」という意味です。「多分(たぶん)」ではありませんが、可能性に関連する一緒に覚えておきたい表現です。長い単語ですが、「possible(可能)」に否定を表わす接頭語「im」がついていて、「不可能」です。このように理解すると、長い単語も覚えやすくなります。
- 「definitely」:「絶対に」「間違いなく」という意味です。あえて、文中でこれを使うことで、「確信している」ということを伝えることができます。こちらも、「多分(たぶん)」ではありませんが、可能性を表わす関連表現として一緒に覚えておきましょう。また、「absolutely」も『「絶対」の英語|絶対に~する・しないなど使える例文11個』の記事にもあるように絶対を表す副詞です。こちらも同時に押さえておきましょう。
上記のそれぞれの例文を見てみましょう。微妙な違いですが、感覚を身に付ける意味でも触れておきましょう。
- 「most likely」:He will most likely succeed.(彼はきっと成功するだろう)
- 「likely」:She is likely to get mad.(彼女が起こる可能性が高いです)
- 「possibly」:He was possibly wrong.(もしかしたら、彼は間違っていたかもしれない)
- 「impossible」:It is impossible for me to do it.(それをすることは不可能です)
- 「definitely」:I will definitely come.(必ず行きます!)
など。
3.英語の「多分(たぶん)」の使い方と位置
「多分(たぶん)」は肯定での否定でも、未来(推量)や過去などの時制でも使えますが、どの位置に置くのかがポイントにもなります。
既に例文でも見てきましたが、復習として再確認しておきましょう。
ここでは「most likely」を使って、未来(推量)の肯定文と否定文で区別してその違いを解説しています。
3-1.「多分(たぶん)」の肯定文
助動詞の「will」の後に置くのが基本になります。
(例文)
- 英語:She will most likely participate in the meeting.
- 日本語:彼女はその会議に恐らく参加するでしょう。
3-2.「多分(たぶん)」の否定文
否定文の場合(多分~しない)は、否定語の前に置くのが原則です。
(例文)
- She most likely won’t participate in the meeting.
- 彼女は恐らくその会議に参加しないでしょう。
肯定文と否定文では、「多分(たぶん)」の位置が違うので要注意です。
3-3.「多分(たぶん)」の頻度(確率)の順序
ここまで紹介した、「多分(たぶん)」や可能性に関する表現を確立が高い順番に表わすと以下のようになります。
一番可能性が高いのから、definitely > most likely > probably > likely > perhaps> maybe > possibly(possible) > impossible、となります。
この順番や、パーセンテージで表わした数値は、目安です。人によって使い方が違う場合や、文脈によって変化することがあります。
4.ビジネスで使える!丁寧な「多分(たぶん)」の英語(助動詞)
ビジネス英語などで丁寧な会話の「多分(たぶん)」は、助動詞の「would」(willの過去形/80~90%と確率が高い)や「could」(canの過去形/数%~20%ぐらい確率が低い)を使って表現することもできます。
「もしかしたら~かもしれません」という意味で使えて、ビジネスメールでも使えます。
【例文】
- 英語:It would be the best plan.
- 日本語:それが、一番いいプランでしょう。
また、「Would be.」と「Could be.」は、「多分そうでしょう」という、文にしなくても単独で使うこともできます。
他の丁寧な言い方では、「may」(50%ぐらいの確率)とその過去形の「might」(30%ぐらいの確率)の助動詞もあります。
確率の大きさからいうと順番は下記のような感じになります。
would > may > might > could、となります。
『「~かもしれない」の英語|MayやMightだけじゃない9表現と例文』でも詳しく解説していますので、確認しておきましょう!
まとめクイズ:「多分(たぶん)」の英語の使い分けをマスター!
「多分(たぶん)」は日常会話でかなり使う頻度が高い言葉ですが、英語を使う日本人は使い分けがきちんとできていない人が多いです。
お伝えした、「確率の順序」やパーセンテージなどを参考に、しっかり使い分けましょう。1つだけの単語に偏らずに使いこなせるようになると、それがネイティブ感覚です。
【問題】
- 「maybe」より少し丁寧な「多分」の英語は?
- 「probably」より高い確率の「多分」の英語は?
- 「maybe」の確率(確信)は約何%と考えればいい?
- 「maybe」より少し可能性が低い「多分」の英語は?
- 「She won’t most likely participate in the meeting.(彼女は恐らくその会議に参加しないでしょう。)」の語順は正しいですか?
いかがでしたか?
今すぐ読んだ「多分(たぶん)」に関する英語でもてこずりますよね。答えを確認してしっかりマスターしましょう!
【解答】
- perhaps
- most likely
- 約50%
- possibly
- いいえ。正しくは「She most likely won’t participate in the meeting.」です。
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