関西弁や東北弁などの「方言」や「訛り(なまり)」を英語で言えますか?
方言の英語は「dialect」と「accent」の2つがあり、ニュアンスの違いがあります。
英語のリスニングで訛りや方言が苦手という方も少なくありません。
目次
「方言」の英語と発音・例文
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「方言」は英語で「dialect」です。
「dialect」の読み方と発音記号は下記となります。
「dialect」の「d」は、前歯の裏側に舌先を当てて、息を止めた状態から「ドゥ」と発音します。「l」も同じ位置に歯を軽く当てて、「ウ」と「ル」の中間の音で発音します。
【例文】
- He speaks Kansai dialect. /彼は、関西弁を話す。 ※後述しますが、「Kansai accent」が正確な表現ではあります。
- The song is written in the Scottish dialect. /その歌は スコットランドの方言で書かれた歌です。
「訛り」の英語と発音
方言と似たような意味で使う「訛り」は英語で「accent」です。
「accent」の読み方と発音記号は下記となります。
読み方 | 音声 | 発音記号 |
日本語では強調するところなどを指す時に「アクセント」と言いますが、英語では「stress(ストレス)」を主に使います。
「dialect」と「accent」の違い
「dialect」は、訛りだけでなく文法や単語の違いなどを含めた言葉の違いを指す表現です。
一方、「accent」は日本語の「訛り」のように、特に発音やイントネーションの訛りを指す言葉です。
例えば、次のような例は「accent」を使います。「」という場合は、下記の例文のように「accent」を使います。
【例文】
- 日本語:彼女は日本語の発音の癖がある英語を話す。(彼女は日本語訛りの英語を話します)
- 英語:She speaks English with a Japanese accent.
ただし、日常会話では「accent」も略式的に「方言」という意味で使うことができます。
カジュアルな会話では、「dialect」よりも「accent」を「方言」の意味で使うことが多いです。
だから「関西弁」や「東北弁」、英語の南部訛り(方言)など、正確には「Kansai accent」などとなりますが、「dialect」を使っても問題ありません。
世界で使われている英語の方言(訛り)
日本でも、東北弁や関西弁、沖縄弁など様々な方言がありますが、世界中で話されている英語はもっと多くの方言や訛りがあります。
英語は、大まかにアメリカ英語とイギリス英語の2種類に分けられます。
アメリカ英語やイギリス英語の中でも、国や地域(都会や田舎など)ごとに方言ともいえる特徴があります。
さらに、グローバル化の影響で移民が増えているため、出身地の国ごとの訛りなどもあり、英語の方言や訛りは数えきれないほどあります。
シンガポールやインドの英語訛りは聞き取りずらい、イギリス英語が苦手、アメリカ英語が聞き取りやすいなど個人により差がでるのは慣れの部分が大きいです。
主に下記のような国でそれぞれ話されています。
- アメリカ英語:アメリカやフィリピンなどで話されています。
- イギリス英語:イギリスはもちろんですが、植民地時代の影響でオーストラリア、アイルランド、ニュージーランド、インドなど多くの国で話されています。
アメリカの隣国、カナダは特殊で、アメリカ英語とイギリス英語の両方の影響を受けています。
カナダ英語の綴りはイギリス式がベースになっていて、一部アメリカ式の綴りもあります。発音は、アメリカ式がベースで、一部イギリス式で発音するものもあります。
アメリカ英語とイギリス英語の基本的な違いは、『イギリス英語とアメリカ英語|文法・発音・単語など4つの違い』の記事も参考にしてみて下さい。
アメリカ英語の方言と訛り
アメリカ英語の中でも、様々な方言や訛りがあります。
フィリピン英語の特徴
フィリピンでは、英語は公用語なのですが、もともとの母国語がタガログ語で、英語は第二言語として学んでいる人が多いです。
タガログ語の影響で訛りがあります。単語も「comfort room(トイレ)」などフィリピン独特の表現が、いくつかあります。
大学卒のエリートたちや、コールセンターや英語学校などで働く人々は、発音や文法なども小さいころからしっかり学んでいるので、アメリカ英語のネイティブに近い英語を話します。
オンラインの英会話スクールが多いのもこの背景が一因でもあります。
アメリカ国内の英語の特徴
アメリカ国内でも様々な方言や訛りがあります。
北部と南部でも違いがありますし、西海岸と東海岸、中部などでも方言や訛りの違いがあります。
また白人、黒人と訛りを区別されることもあります。映画やドラマなどでも顕著に違いが出ている場面も少なくありません。
さらに細かく見ていくと、ニューヨークでも、ニューヨーク市内や、ロングアイランドやブルックリンなど地域によっても細かな発音の違いがあります。
アメリカの方言で有名なのが、「あなた達」という意味の表現です。
- 北や西海岸:「you guys」
- 南東部:「y’all」
- 他の地域:「you all」
「炭酸」も地域によって使う単語が違います。
- 西海岸・東海岸:「soda」
- 中部:「pop」
- 南部:「coke」
アメリカの場合、方言の地域を明確に区分するのは難しいでが、大まかにはと西海岸、東海岸、中部、南部で分けられることが多いです。
特に南部は、訛りがきついといわれています。
また、アメリカでは明確な標準語というのはないのですが、ニュースキャスターなどが話す英語は、イリノイ州やアイオワ州など中西部で使われている英語が近いといわれています。
英語の方言(訛り)を動画で見てみよう!
YouTubeで「Accent Tag」を検索すると、様々な英語の訛りを実際に聞くことができます。
5年以上前に流行ったAccent Tag(アクセントタグ)は、同じ単語のリストをそれぞれのアクセント(訛り)で読み上げるというものです。
少し古い動画ですが、アメリカ国内だけでなく、イギリス英語やオーストラリア英語など様々なアクセントタグが動画として上がっているので、聞き比べると面白いです。
例えば、東海岸のニューヨークと、南部のテキサスでも、比べてみるといろいろな違いがあります。是非、聞き比べて下さい。
- ニューヨークのアクセント:My New York Accent [Accent Tag]
- テキサス(南部)のアクセント:THE ACCENT TAG | EAST TEXAS
イギリス英語の方言と訛り
イギリス英語は話す国が多く、様々な方言や訛りがあります。
イギリス国内の方言
イギリスでは「Received Pronunciation(容認発音/RP)」といわれる発音が事実上の標準語です。
ロンドンで大学教育を受けた上流階級が話す英語と定義されていて、BBCのアナウンサーやや王族などもこの発音で話します。
RPを話すロンドンでも、他にも訛りがあります。
よく知られているのは、コックニーという労働者階級の人々が話す訛りです。スラングなどもあり、日本でいう江戸っ子言葉みたいなイメージです。
ロンドンといえばコックニーと紹介されることもありますが、イギリス人の知人に確認したところ、ロンドンでも一部の人が話す言葉で、それほど一般的な言葉ではないようです。
スコットランド英語と特徴
イギリス全土でみるとまだまだ、方言や訛りがありますが、知っておきたいのはスコットランド方言です。
スコットランドは、もともと別の国でスコットランド英語を話していたため方言や訛りがきつい地域です。
例えば、スコットランドでは「住む」は「live」ではなく「stay」を使います。
発音でも「r」をしっかり発音するなど、特徴があります。
アイルランド英語と特徴
イギリスの隣国、アイルランドももともとアイルランド語を話していたため訛りがあります。
首都のダブリンでは、あまり訛りは気にならない程度ですが、田舎ではかなり訛りが強い場所もあります。
先ほどのイギリス人の知人は、地域の人だけで話していると、話すスピードも速く、アイルランド語からきている単語を一部使うので、イギリス人の英語ネイティブでも理解できないことがあると言っていました
例えば、「food(食べ物)」は、アイルランド英語で「grub(グラブ)」、「Hello」は「Howya(ハウヤ)」など、全く違う単語もいろいろあります。
オーストラリア英語・ニュージーランド英語と特徴
オーストラリアとニュージーランドの英語は、植民地時代に労働者として入ってきたイギリス人の影響でコックニーの流れが強いといわれています。
イギリス英語と同じように、「I」を「アイ」ではなく「オイ」と発音したり、「name」を「ナイム」と発音するなど、アメリカ英語と発音の違いもあります。
最近はアメリカでもたまに使われる「No worries.(心配しないで)」は、もともとオーストラリア英語の方言(スラング)です。
ニュージーランドでは、原住民のマオリ族の人々が使っていた言葉も、一部、方言として英語で使われています。
日本人訛りの英語を克服しよう!
英語を話すのに、自分の英語が相手に通じているのかなどで、なかなか英語を話すのが恥ずかしいという方も多いのが現状です。
日本語訛りの英語はネイティブには聞き取りずらいと言われています。
日本人同士でグループで英語を話すと日本人には通じるのに、海外旅行でネイティブには通じないということは多々あります。
そんな方には、是非、『日本語訛りをすぐに解消!3つの英語発音矯正トレーニング』の記事をみて今すぐ解消してみましょう!
日本語訛りを解消することで英語のリスニング力が上達することもあるので、是非トライしてみて、映画やドラマなどを見てみましょう。
また、訛りではないのですが、カタカナ英語(和製英語)も全く通じないので、この機会に確認して解消しておくと英会話の時に役立ちます。
『通じない和製英語一覧|起源や正しい英語と159問クイズ!』も確認しておきましょう!
まとめ:英語の方言(訛り)の基本は「accent」でOK
普段の日常会話では、方言も訛りも「accent」で表現しましょう!
日本語を勉強している外国人の方に、関西弁など方言について聞かれることもあるので、「accent」の英単語は覚えておきましょう。
文章などフォーマルな言い方では、方言は「dialect」と訛りは「accent」と違いを押さえて分けて書く方がベターです。
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