英会話では欠かせないのが「could」ですが、「can」や他の「would」などとの違いは何なのでしょうか?
和訳をするとさほど違いはないように感じますが、相手に伝わるニュアンスは全然異なるのでその使い分けが重要です。
「could」は仮定法、否定形や疑問文、また丁寧なお願いをする時に使う助動詞です。
初級者の方は少し難しく感じるかもしれませんが、他の助動詞との比較、また例文などである程度把握できるかと思います。
目次
助動詞の「could」:「can」の過去形
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「could」は『英語の15個の助動詞が今すぐ分かる一覧と使い方』の記事でも助動詞の1つです。
先ずは、基本の形から見ていきましょう。
「could」の発音と発音記号は下記となります。
否定形は、「could not」で、短縮形「couldn’t(クドゥント)」となります。
この「could」ですが先ずは、「can(出来る)」の過去形というのが基本の意味となります。
下記がその例文です。
- I could do that.(それができました) ※「I can do that.(それができる)」の過去形ですね。
- We could play soccer even though it was raining.(雨だったけどサッカーは出来ました)
- He couldn’t come on time.(彼は時間通りに来れなかった)
など。
しかし、この「could」ですが、「can」の過去形という意味だけではないところが、英語学習者に混乱を招いているところです。
それでは次からその他の意味や使い方について例文を交えながら見ていきましょう!
推量・可能性の「could」:「can」や「would」との違い
「~しれない」という場合に使えるのが「could」ですが、後述する「would」に比べるととても低い確率となります。
下記がその比較です。
- would・・・80~90%の確率
- could・・・10~20%の確率
となります。日本語では「~の可能性がある」としても助動詞の違いでニュアンスが全然異なるのが英語の特徴の1つです。
また、「can」も確立を表現する助動詞としても使えます。確実ではないけれど、起こる可能性のほうが高い(50%以上)ので、「would」よりも低く、「could」よりも高いイメージです。
下記がその例文です。
- It could rain this afternoon.(午後、雨が降るかもしれません) ※「It would rain this afternoon.」であれば、ほぼ雨の確率が高いです。
- It could be true.(それは真実かもしれません) ※「It can be true.」の方が真実である可能性が高いニュアンスです。
『「~かもしれない」の英語|MayやMightだけじゃない9表現と例文』と『5つの意味がある「can」と「can be」の正しい使い方や違い』の記事も参考にしましょう!
丁寧なお願いの「could」:「can」や「would」との違い
「Could you do me a favor?(お願いを聞いたいただけますか?)」という言い方は相手にはどのような感じで受け止められているのでしょうか?
「Can you do me a favor?」や「Would you do me a favor?」とはどう違うのでしょうか?
先ずは、『「依頼」の英語|メールでも使える!3つの言い方を習得』でも解説していますが、「Could you ~?」の形を見てみましょう。
下記がその例文です。
- Could you give me a hand now?(今、ちょっと手伝って頂けますか?)
- Could you tell me about yourself?(自己紹介をして頂けますか?)
- Could you please come with me for the meeting?(その打ち合わせに一緒に来て来て頂けますでしょうか?) ※「please」を文中、または文末に付けることで更に丁寧なお願いになります。上司やお客様などに使えます。
など。
さて、下記では助動詞以外は全く同じ単語を使っています。
「can」と「would」との違いを見てみましょう。
- Can you help me?(手伝えますか?) ※相手が私を手伝えるのが可能なのかストレートに聞いています。
- Would you help me?(手伝って頂けますか?) ※「can」よりは丁寧ですが、手伝うことが前提となっているお願いの仕方です。
- Could you help me?(できればいいですが、手伝って頂けますか?) ※ものすごく丁寧なお願いの仕方ですね。初めて会う方で道案内を聞く場合は「Could you tell me how to get to the station?(できれば、どのようにその駅に行けるのか教えて頂けますか?)」が適切な言い方となります。
『「would」の意味と5つの使い方|doやwill、couldなどの違いも解説・例文』でも違いを説明していますので参考にしてみて下さい。
助動詞が違うだけでニュアンスが全然違いますね。これが助動詞の大きな役割の1つなのです。
仮定法の「could」
仮定法の作り方については、『英語の仮定法|すぐにマスターできる簡単な2つの基本ルール』の記事も参考にしていただきたいのですが、ここでは「could」にフォーカスして見てみましょう。
仮定法過去(could +動詞の原形)
現在として表現しますが、1つ時制をずらして(過去形で)表現します。
しかし、現在(現実)ではできないというニュアンスになります。
下記がその例文です。
- I could go abroad to study if I were rich.(もし、お金持ちだったら海外に行って勉強できるのですが)
- I could join the team if I wanted to.(もしそのチームに加入したいと思ったたらできます)
など。
仮定法過去完了(could + have + 過去分詞)
これは過去のことを表現したいので、時制を1つずらして仮定法過去完了とします。
「~だったら、~できたのに」となり、できなかったという過去を表現しています。
下記がその例文です。
- I could have helped him if he had called me.(彼が電話で来てたら、彼を助けたかった)
- He couldn’t have said that.(彼はそれを言ったはずがない) ※「could not + have + 過去分詞」は、推量の否定を表現します。
また、「if節」が無い形でそのまま表現する場合もありますが、その他の「should」、「would」の仮定法過去完了との違いを見てみましょう。
下記がその例文です。
- I would’ve told him about it.(私は彼にそれを言うつもりでした) ※でも、していない
- I should’ve told him about it.(彼にそうを言うべきでした) ※これも同じ形ですが、後悔の気持ちが入った形です。
- I could’ve told him about it.(彼にそれを言うべきだったな)
過去のことを表現していますが、共通するのは「~したけど、ーできなかった(していない)」という意味になりあす。
「could」を使った決まり文句3選
さて、ここでは英会話でネイティブがよく使う「could」を使った表現をご紹介します。
決まり文句のようになっているので、そのまま覚えてOKです。
I wish I could.(願望の仮定法)
「今、できればそうしたいけど出来ない」、つまり「~できたらいいけど」(でも出来ない)という場合によく使います。
話す内容が相手とすでに共有できている場合は、一言で「I wish I could.」のみでいいですが、その後ろに動詞などを付けるパターンもあります。
下記がその例文です。
- I wish I could finish my job earlier today.(今日は早く仕事を切り上げられたらいいけど)
- I wish I could attend the meeting with you.(あなたと一緒に打ち合わせに出席出来たらいいけど)
願望はあるけど、不可能という場合に使う表現だと思って下さい。
How could you do that?(疑問文)
この疑問文は「どうしてそんなことができるの?」という意味で、呆れて「よくもそんなことができるね?」という場面で使います。
他にも次のような形もあります。
- How could you? ※動詞などを省略した形です。よりカジュアルな言い方になります。
- How could you do that to me?(よくも私にそんなことができるね?) ※「to~(~に対して)」という表現になります。
など。
ここでは、「Could you(クッジュー)」という発音がポイントです。2つの単語を繋げて発音するというリンキング(リエゾン)です。
「Thank you」を「サンキュー」と発音する感覚と同じだと思って下さい。
Couldn’t be better(否定形)
ここでの否定形は、「~のはずがない」という意味になります。
「Couldn’t be better.」は主語の「It」を省略しているカジュアルな口語的な表現になりますが、「それ以上いいはずがない」となり、つまり「最高です」となります。
英語での挨拶の返事としても使えます。「体調はめちゃくちゃいいよ」という表現になります。その場合は、「I couldn’t be better.」の略となります。
このように比較級と一緒に使うことが多いです。
下記がその例文です。
- I couldn’t agree more.(直訳:これ以上賛成できるはずがない=大賛成です)
- I couldn’t be happier.(直訳:これ以上幸せになるはずがない=最高に幸せです)
- Nothing could be better.(直訳:何もそれよりいいものはない=それが最高です)
など。
まとめ:英会話の上達には欠かせない「could」を習得する!
いかがでしたでしょうか?
使い方に関しては、この記事での説明や例文を何度見ても構わないので、ある程度把握しておきましょう。
丁寧にお願いする時は、「would」や「can」との違いを明確にしないと相手に失礼になる場合がある、また、可能性についても使い方を間違えると相手に正しく伝わらないなど、細かなケースもありましたね。
しかし、これらは使いながら身に付いていくものです。基本は押さえて、あとは実践でアウトプットしながら習得していく感覚でいましょう!