著者 : 藤永 丈司

◆上智大学比較文化学部卒(現:国際教養学部)
◆初受験でTOEIC990(満点)、英検1級、小学校英語指導者資格
◆ニンテンドー3DS TOEIC「超速」プログラム・スペシャルアドバイザー
◆日経HR「英語コミュニケーション in Business」特別講師(2017年8月~)
◆日経メディカル「医師のためのDailyイングリッシュ」特別講師(2019年10月~)
◆公式動画チャンネル:マイスキ英語【たった3分で奇跡を起こす!】(2020年2月~)

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著者自身の受験英語への疑問や登校拒否といった苦い体験や、10年以上にわたる海外生活から、外国人の英語習得の早さと相対する日本人の遅さの違いを同時に徹底的に解読・研究を繰り返すことで、日本人へ「英語回路」を植え付ける仕組みを解明。


◆活動 - 芸能人 への個別指導、英会話・ TOEIC講座、企業研修、小学生を中心に 各地でボランティア英語指導など。


藤永の著者・監修した商品

◆著書に「なぜ、留学生の99%は英語ができないのか?」など多数(シリーズ累計10万部以上)

2016年に甚大な被害をもたらした「熊本地震」への復興活動の一環として、『マイスキ英語(代表:藤永丈司)』は、同年7月より、Jリーグ所属のロアッソ熊本のスポンサーカンパニーとして協賛しております。

米国公認会計士(USCPA)資格取得のメリット、デメリット

のべ849がこの記事を参考にしています!

米国公認会計士(USCPA)の資格取得に興味があるけど、取得したら仕事や年収・給与、就職・転職などにどんなメリットがあるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。

ここでは、USCPAの資格を取得するメリット、デメリットをご紹介します。

米国公認会計士(USCPA)の資格を取得するメリット

日本人が米国公認会計士(USCPA)の資格を取得するメリットは、以下のとおりです。

メリット1:国際的なキャリアの可能性

米国公認会計士(USCPA)の資格は、米国内だけでなく、国際的な会計業界では高い評価を受けています。

米国公認会計士(USCPA)とは

米国公認会計士(USCPA)は、米国が認定する公認会計士の資格です。難易度も高く、国際ビジネス資格で国際的にも最もよく知られている資格の一つです。

なお、オーストラリアやカナダ、香港などでは、相互承認制度があり、別の会計士の資格を取る必要はありません。

海外で働く機会が増える可能性が高くなる

これは、USCPA資格を持つ日本人が、海外で働く機会が増える可能性が高いということを意味します。

メリット2:グローバルな会計スキルの習得

USCPAの資格を取得するには、国際会計基準や国際税務などの知識が必要です。

これにより、日本人はグローバルな会計スキルを習得することができます。

なお、米国公認会計士(USCPA)の試験科目とその内容は以下です。

米国公認会計士(USCPA)の科目内容

米国公認会計士(USCPA)の試験科目は以下の4科目あります。

試験科目試験時間
FAR:Financial Accounting and Reporting(財務会計)4時間
BEC:Business Environment and Concepts(ビジネス環境及び諸概念)4時間
AUD:Auditing and Attestation (監査及び証明業務)4時間
REG:Regulation (諸法規)4時間

USCPAの試験科目1|FAR(財務会計)

USCPA試験の科目内容の一つがFAR(財務会計)です。

FAR(財務会計)とは

FAR(Financial Accounting and Reporting)とは、財務会計のことです。財務会計の中には、メインの企業会計のほか、政府会計、非営利組織会計があり、それらの知識が問われます。

FARの出題特徴

FAR問題の出題比率は、企業会計8割、政府会計と非営利組織会計が2割です。出題形式は、MC問題(4択問題)とTBS問題(総合問題)の2パターンに分かれ、全てが計算問題です。

USCPA試験科目2|BEC(ビジネス環境及び諸概念)

次のUSCPAの試験科目が、BEC(ビジネス環境及び諸概念)です。

BEC(ビジネス環境及び諸概念)とは

BEC(Business Environment and Concepts)とは、ビジネス環境及び諸概念のことです。

企業を取り巻くビジネス環境全般を取り扱う科目で、試験範囲は財務管理、管理会計、経済、ファイナンス、IT、コーポレートガバナンスなどです。

BECの出題特徴

その特徴は、MC問題(4択問題)とTBS問題(総合問題)に加え、WB問題(記述問題)が出題される点です。

USCPA試験科目3|AUD(監査及び証明業務)

3つ目の試験科目は、AUD(監査及び証明業務)です。

AUD(監査及び証明業務)とは

AUD(Audit and Attestation)とは、監査や証明業務に関する科目です。

AUDの出題特徴

出題の特徴は、メインは監査業務となり、監査・証明・レビュー業務が8割、職業倫理が2割となります。

出題形式はMC問題(4択問題)とTBS問題(総合問題)ですが、上述のFAR科目と違って、計算問題はほとんど出題されません。

USCPA試験科目4|REG(諸法規)

最後は、REG(諸法規)の勉強時間です。

REG(諸法規)とは

REG(Regulation)とは、法規に関する科目です。大きく税法とビジネス法の2つに分かれます。

REGの出題特徴

出題形式は、MC問題(4択問題)とTBS問題(総合問題)です。暗記やインプットする量が多い科目です。

米国公認会計士(USCPA)の試験内容から学べるスキル

このように、米国公認会計士(USCPA)の試験内容からも、以下のスキルを学ぶことができます。

1.会計原則と規制

USCPA試験は、米国の会計原則と規制に関する包括的な知識を求めます。これにより、財務報告に必要な要件や原則を理解し、遵守するためのスキルを身につけることができます。

2.財務報告の分析

USCPA試験では、財務報告書の分析と解釈のスキルが求められます。これにより、企業の経営状況を評価し、投資判断をするためのスキルを身につけることができます。

3.監査

USCPA試験では、監査業務に関する知識が求められます。これにより、企業の内部統制を評価し、監査業務を適切に実施するためのスキルを身につけることができます。

4.税務

USCPA試験では、米国の連邦税制に関する知識が求められます。これにより、企業の税務申告や税務計画を適切に実施するためのスキルを身につけることができます。

5.経営戦略

USCPA試験では、企業の経営戦略や意思決定に関する知識が求められます。これにより、企業の経営に関する戦略的な視点を持ち、ビジネスの成功に必要なスキルを身につけることができます。

総合的に、USCPA試験を勉強することで、企業の財務および会計に関する包括的な知識を身につけ、ビジネスにおいて必要なスキルを習得することができます。

関連記事:『米国公認会計士(USCPA)|必要な勉強時間は?社会人は?』

USCPA受験を検討している方

なお、米国公認会計士(USCPA)の受験をこれから考えている方、どういう勉強をすればいいか検討中の方もいらっしゃるでしょう。

そんな方は、USCPAの予備校で試験対策のための情報を収集することがおすすめです。

3人に2人の合格者を出す人気のアビタス(USCPAの予備校)では、無料で資料請求やオンライン説明会が開催されていますので、気になる方は資料請求や無料説明会に参加してみましょう。

アビタス

メリット3:外資系・グローバル企業の経理・財務でも就職・転職にも有利

日本でも、特に外資系企業やグローバル企業の経理・財務部門などから、USCPAの資格は高い評価を受けています。

したがって、日本国内の公認会計士として働く場合にも、USCPA資格を持つことは有利に働くことがあります。

USCPA資格取得のメリットが活かせる就職・転職・仕事先

就職・転職など日本で働く際に、USCPA資格取得のメリットが活かせる企業は以下です。

企業仕事内容
監査法人財務諸表監査、内部統制監査、金融商品取引法に基づく内部統制監査(J-SOX)、金融アドバイザリーサービス、その他証明業務など
会計事務所M&A実務支援、Financial Advisory Service、組織再編・IPO・企業再生コンサルティング、企業・無形財産等評価サービスなど
会計コンサル統合デューディリジェンス、統合戦略・方針立案支援、スタンドアロン・セパレーションコスト分析など
総合商社の経理財務決算・税務関連業務、営業グループの会計業務、国内外事業会社や海外現地法人での管理業務など

監査法人・会計事務所で働く

監査とは

監査とは、企業の業務、経営、財務状況について、法令や社内規定を遵守し、適正に業務が行われているかなどを、公正な立場の第3者である監査人が判断し、チェックすること一連の業務のことです。

監査部門やアドバイザリー部門でUSCPA資格者の採用が増加

米国系大手会計事務所では、日本進出の米国系企業に対して、米国監査基準の監査業務も行うため、USCPAのニーズがあります。

Big4と呼ばれる世界4大会計事務所として、

・デロイト トウシュ トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu、略称:DTT)

・KPMG

・アーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young、略称:EY)

・プライスウォーターハウスクーパース(PricewaterhouseCoopers、略称:PwC)

の4つがあり、これらの企業と提携している監査法人が日本には4つあります。

【大手4大監査法人】
4大監査法人特徴
トーマツデロイト トウシュ トーマツと提携している監査法人
あずさKPMGと提携している監査法人
EY新日本アーンスト・アンド・ヤングと提携している監査法人
PwCあらたプライスウォーターハウスクーパースと提携している監査法人

大手監査法人の監査部門やアドバイザリー部門では、USCPA資格者の採用が増加傾向にあるとのことです。

監査法人と会計事務所の違い

なお、監査法人と会計事務所の違いは、主に以下の点があります。

事業内容の違い

監査法人は、監査やコンサルティングなどの専門的な業務を行うことが主な事業内容です。

一方、会計事務所は、中小企業や個人事業主向けの経理・税務申告や労務管理など、一般的な会計業務全般を行うことが主な事業内容となります。

よって、監査法人には公認会計士、会計事務所には税理士が多く所属しています。

規模の違い

監査法人は、大手企業や上場企業を中心に大規模な案件を担当することが多く、従業員数も多い傾向にあります。

一方、会計事務所は中小企業や個人事業主を中心に案件を担当するため、従業員数も比較的少なくなります。

法的地位の違い

監査法人は、法律によって設立された法人格を持ち、国内外の大手企業や上場企業の監査を行うため、公認会計士が多く在籍しています。

一方、会計事務所は、税理士や公認会計士が中心に在籍し、法律上は個人事業主や法人格を持つ場合があります。

顧客層の違い

監査法人は、大手企業や上場企業を中心に案件を担当するため、顧客層は比較的限られた範囲になります。

一方、会計事務所は、中小企業や個人事業主を中心に案件を担当するため、幅広い顧客層を抱えることができます。

コンサルティングファームで働く

コンサルティングファームとは、企業が抱える問題や経営課題に対して、解決に導く企業のことです。

国際ビジネスコンサルティング、国際税務コンサルティング、会計システムコンサルティングなど、企業コンサルを行うコンサルティングファームでも、IFRS(国際会計基準)の会計知識を持つUSCPA資格者が求められています。

海外進出企業、総合商社の経理・財務などで働く

海外進出企業や海外子会社、総合商社などの経理・財務・経営管理業務において、英文財務諸表の知識が不可欠です。その際に、海外取引を行う必要がある日本企業内でも、経理部や財務部などのセクションでUSCPAの知識が求められます。

USCPA資格取得のメリットが活かせる就職・転職・勤務先・求人例

日本で働くUSCPA資格者は、どんな勤務先で働いているのでしょうか?

USCPA予備校・アビタスによると、アビタスの卒業生の場合は、以下の勤務先例があります。

勤務先例1.監査法人・会計事務所・コンサルティングファーム

【監査法人・会計事務所・コンサルティングファームの勤務先例】

監査法人トーマツ、トーマツコンサルティング、アビームコンサルティング、中央青山監査法人、プライスウォーターハウスクーパースフィナンシャル・アドバイザリー・サービス、IBMビジネスコンサルティングサービス、新日本監査法人、新日本アーンストアンドヤング、あずさ監査法人、KPMGビジネスアシュアランス、他多数(敬称略)

※アビタス卒業生の勤務先例より引用

勤務先例2.経理・財務

【経理・財務の勤務先例】

アディダスジャパン、アメリカンエキスプレス、アリコジャパン、EDS、AIG、HSBC、SAPジャパン、クレディリヨネ銀行、ゴールドマンサックス証券、AIGエジソン生命保険、GE横河メディカルシステム、シティバンク、スターバックスコーヒージャパン、日本ゼネラルモータース、DHL、デルコンピューター、ドイツ証券、日本IBM、日本オラクル、日本コカコーラ、日本コダック、日本サンマイクロシステムズ、日本トイザらス、日本ヒューレットパッカード、モトローラ、ファイザー製薬、フィリップモリス、フォード自動車日本、富士ゼロックス、プルデンシャル生命、メリルリンチ証券、ロームアンドハースジャパン、他多数(敬称略)

※アビタス卒業生の勤務先例より引用

勤務先例3.金融機関(三菱商事、三井物産など)

【金融機関の勤務先例】

三菱商事、三井物産、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、オリックス、ミレアホールディングス、ソニー生命保険、野村證券、大和証券、野村総研、ソニー、シャープ、キャノン、資生堂、武田薬品工業、伊藤忠商事、花王、トヨタ自動車、日産自動車、日本たばこインターナショナル、NTTコミュニケーションズ、他多数(敬称略)

※アビタス卒業生の勤務先例より引用

メリット4:給与アップの可能性

USCPAの資格を持つことにより、就職・転職先の企業にもよりますが、高い給与を得る可能性があります。

特に、グローバルな企業や国際的な監査法人で働く場合には、一般的な平均年収と比べても高い給与が期待できます。

関連記事:『米国公認会計士|USCPAの年収は高い?独立・転職先は?』

アメリカの米国公認会計士(USCPA)|勤続年数・レベル別の年収

アメリカでの公認会計士の給与は、経験年数によって大きく異なります。

役職・レベル年収(ドル)100円/$換算130円/$換算
エントリーレベル(1年未満)40,000〜65,000ドル400~650万円520~845万円
ジュニアレベル(1〜3年)52,000〜87,000ドル520~870万円676~1131万円
シニアレベル(4〜6年)66,000〜110,000ドル660~1100万円858~1430万円
マネージャー兼ディレクター150,000ドル以上1500万円以上1950万円以上
アメリカ|エントリーレベル(1年未満)の年収

米国労働統計局のデータによると、エントリーレベルの公認会計士は、会社の場所と規模に応じて、$ 40,000から$ 65,000の間で稼ぐことが期待できます。

アメリカ|ジュニアレベル(1~3年)の年収

アメリカでの公認会計士は経験を積むにつれて、自信を持ってより多くの職務を遂行することができるため、1〜3年の経験を持つジュニアレベルの米国公認会計士は、52,000ドルから87,000ドルの収入が期待できます。

アメリカ|シニアレベル(4~6年)の年収

シニアレベルでは、より高い収入と特典がもたらされます。この時点で、ほとんどの公認会計士はすでにキャリアパスを選択しています。

例えば、税務問題を専門とする人もいれば、監査を専門とする人もいます。企業分野でも、4年から6年の経験を持つ上級会計士は、66,000ドルから110,000ドルの収入を期待できます。

アメリカ|マネージャー兼ディレクターの年収

マネージャー兼ディレクターは、通常7年以上の経験を持っています。この経験レベルの公認会計士は最大15万ドル以上を稼ぐ人もいます。

日本で米国公認会計士(USCPA)の年収

次に、日本での米国公認会計士(USCPA)の年収を各レベルと企業規模ごとにご紹介します。

よく「USCPA資格」を取っても意味がないと言われることもありますが、『米国公認会計士(USCPA)が意味ない5つの理由とメリット』でもお伝えしているとおり、意味がある人には就職・転職時にとても武器になります。

大手4大監査法人(BIG4)と中堅クラス監査法人の年収比較

日本での米国公認会計士の大手監査法人と中堅クラスの監査法人の年収では、大手に比べて中堅クラスの方が少し低くなります。

【日本での米国公認会計士の大手・中堅監査法人の年収比較】

役職・レベル大手4大監査法人中堅クラスの監査法人
パートナー1500万円以上1300万円以上
シニアマネージャー1200万円程度1000~1200万円
マネージャー900~1100万円800~1000万円
シニアスタッフ700~850万円500~650万円
スタッフ500~650万円400~550万円

日本の米国公認会計士|4大監査法人(BIG4)の年収

日本において、BIG4とも呼ばれる大手監査法人(BIG4)に位置付けられるのは、以下の4つの会計事務所です。

  1. あずさ監査法人 (Azusa Audit Corporation)
  2. PwCあらた有限責任監査法人 (Arata LLC)
  3. トーマツ (Deloitte Tohmatsu Group)
  4. EY新日本有限責任監査法人 (EY ShinNihon LLC)

この4大監査法人の年収は、パートナーが1500万円以上、シニアマネージャー 1200万円程度、マネージャーが900~1100万円、シニアスタッフが700~850万円、スタッフは500~650万円と言われています。

日本の米国公認会計士|中堅クラスの監査法人の年収

中堅クラスの監査法人の年収では、パートナーが1300万円以上、シニアマネージャーが1000~1200万円、マネージャーが800~1000万円、シニアスタッフが500~650万円、スタッフが400~550万円となっています。

また、上記以外に、外資系企業やコンサルティング会社であれば、年収500~700万円位で、スキルや能力次第で若い人でも1000万円を超える場合もあり得ます。マネージャー以上になるとより高年収となります。

日本の公認会計士(cpa)の平均年収・給料・初任給は?

日本の公認会計士(CPA)の平均年収・給料・初任給については、以下になります。

  • 平均年収:約930万円(2021年度、日本公認会計士協会調べ)
  • 平均給料:約59.4万円/月(2021年度、公認会計士協会調べ)
  • 初任給:約350万円 – 450万円程度(大手監査法人や企業会計部門など、2019年度の求人情報からの推定)

なお、公認会計士の年収・給料・初任給は、所属する事務所・企業、職種、地域、スキルや経験年数などによって大きく異なるため、上記の数字はあくまで参考値としてご覧ください。

日本の大学卒業者の平均初任給は、2022年卒業者の場合、月給23万〜24万円程度とされていますので、年収が比較的高い職業・職種になります。

USCPAと税理士はどっちが年収高い?

日本においても、USCPAと税理士の年収については、業界や職種、地域、経験年数など多くの要因によって異なります。

しかしながら、一般的にはUSCPAの方が税理士よりも高い年収が期待できる傾向があります。

これは、USCPAがグローバルな会計・ファイナンスの領域で認知度が高く、アメリカの大手企業やグローバル企業において重要なポジションを占めることが多いためです。

一方、税理士は、主に国内での税務に関する専門知識が求められ、年収面でも比較的低い傾向があるとされています。

米国公認会計士(USCPA)資格保有者の転職と年収

また、米国公認会計士(USCPA)取得者が転職する場合、どのくらいの年収が見込めるでしょうか?

各USCPAの求人・転職サイトを見る限り、下記の年収の幅に近い数字になっています。

企業仕事内容想定年収
監査法人財務諸表監査、内部統制監査、金融商品取引法に基づく内部統制監査(J-SOX)、金融アドバイザリーサービス、その他証明業務など600~1000万
会計事務所M&A実務支援、Financial Advisory Service、組織再編・IPO・企業再生コンサルティング、企業・無形財産等評価サービスなど800~1200万
会計コンサル統合デューディリジェンス、統合戦略・方針立案支援、スタンドアロン・セパレーションコスト分析など500~1000万
総合商社の経理財務決算・税務関連業務、営業グループの会計業務、国内外事業会社や海外現地法人での管理業務など500~1500万

※企業によって想定年収に違いがあります。

大手監査法人から会計事務所、会計コンサル、総合商社の経理や財部部門への転職なども含めて、どれも実務経験や能力、条件によっては1000万以上になる転職のケースもあります。

メリット5:英語力があることをアピールできる

USCPAの資格を取得するには、英語での勉強や読解力が必要です。これらの経験は、英語力を高める上での貴重な経験になります。

USCPA試験に合格するために必要な英語力は?

なお、USCPA試験に合格するためには、一般的にTOEIC800点以上の英語力を身につける必要があると言われます。

したがって、USCPAの資格を取得していることが、専門知識の英語スキルもあり、非常に高い英語力を持っていることにつながります。

USCPA資格取得のデメリット

ここまでUSCPA資格取得のメリットをお伝えしてきましたが、逆にデメリットは以下です。

デメリット1:日本の公認会計士の資格ではない

米国公認会計士(USCPA)の資格を得ても、日本の公認会計士と同じ業務ができるかというと、そうではありません。

USCPAは、日本の公認会計士資格とは違い、日本での会計監査業務の提供ができず、会計監査以外のアドバイザリー業務などを行うことが考えられます。

米国公認会計士と日本の公認会計士の違い

項目米国公認会計士日本の公認会計士
業務内容財務諸表監査およびコンサルティング税務や財務コンサルティングなど幅広い業務
監査報告書の種類直接監査報告書(Unqualified Opinion),条件付き監査報告書(Qualified Opinion),保留意見監査報告書(Adverse Opinion),重大な不合意事項がある監査報告書(Disclaimer of Opinion)個別財務諸表の監査報告書, 取締役会報告書の監査報告書など
監査の目的財務諸表に基づいて企業の財務状況を評価する財務諸表以外の業務に関しても含め、会社の経営状況についてアドバイスをすることもある
監査報告書における説明財務諸表の正確性について合理的な保証を提供する監査対象の範囲, 監査の方法, 監査基準, 監査期間などを説明する
規制機関米国公認会計士協会(AICPA)および公認会計士試験委員会(NASBA)会計検査院および日本公認会計士協会
試験要件4部構成の試験(Auditing and Attestation, Business Environment and Concepts, Financial Accounting and Reporting, and Regulation)および経験要件4部構成の試験(簿記論、財務諸表論、税法および商法、監査論)および実務要件
継続的な教育要件年間40時間の継続的な教育要件年間20時間の継続的な教育要件

ただし、財務・会計・経理の幅広い仕事を求めている外資系企業などのグローバル企業もあるため、日本の公認会計士がやる仕事以外の部分も考えた場合は役に立つスキルです。

デメリット2:日系企業から評価されないこともある

USCPAの資格は、米国内の会計や財務分野で最も有用ですので、米国以外の地域での有用性は限定的で、日本でも外資系企業やグローバル企業の経理・財務部門などからの評価が高くても、日系企業からは評価されないこともあります。

デメリット3:試験が難しく、お金と時間がかかる

USCPAと公認会計士では公認会計士の試験の方が難易度が高いですが、それでもUSCPAの資格試験も非常に難しいとされています。

よって、試験に合格するためには多大な労力と勉強時間、費用などがかかる可能性があります。

まとめ USCPAは国際会計スキルとキャリア形成、給与UPに役立つ

以上、米国公認会計士(USCPA)資格取得のメリット、デメリットについて解説しました。

一部デメリットについてもお伝えしましたが、USCPAの取得は、国際的な会計スキルが身につき、グローバルなキャリア形成と給与UPにも役立ち、仕事の幅や機会が増えることがおわかりいただけたかと思います。

なお、これからUSCPA試験を検討している方で、合格率を高めたい、最短の勉強法を知りたいけど、やり方や進め方がわからないという人は、一度、USCPA予備校のアビタス(3人に2人の合格者)で資料請求やオンライン説明会に参加して有力な情報を得るのもおすすめです。

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