「見る」とう英語には、よく使う「look」、「see」、「watch」の3つの単語がありますね。
詳しくは後述しますが、ニュアンスの違いは次のようになります。
- look・・・視線をその方向に意図的に向けて見る(長い時間ではない) ※前置詞の「at」と使うことが多い
- see・・・無意識でも対象物が目に入る
- watch・・・意識的に注意してシッカリと一定の時間見る
この違いを踏まえると次の文の違いが何となく分かるはずです。
『英語の知覚動詞一覧|27例文での使い方・原形不定詞と現在分詞の違いなど』の記事も参考にしてみて下さい。
どの英文も日本語では「私は彼を見た」という過去形ですが、意味が異なります。
- I looked at him.
- I saw him. ※「saw」は「see」の過去形
- I watched him.
でも、「映画を見る」は「wach a movie」と「see a movie」の両方の表現があるのですが、どちらが正しいのでしょうか?
この他にも「view」や「gaze」、「stare」や「glance」などの「見る」の英語もありますが、その違いを知ることで英語力の幅が広がりますね。
目次
「look」で「見る」を表現する!意味と例文
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「look(発音:ルック)」は、基本的に動詞の直後に目的語を必要としない「自動詞」という動詞として使われます。
例えば、お店の中では次のようなやり取りがよくあります。
- 店員:May I help you?(何かお手伝いしましょうか?)
- あなた:Just looking.(ただ見ているだけです)
など。
意識的に店の中(商品の方向)を見ているが、1つの商品をじっと見ているのではなく、全体を見渡しているイメージですね。
「Look! It’s beautiful, isn’t it?(ねえ見て、綺麗じゃない?)」なども、その方向を意識的に少しの時間だけ見るというニュアンスですね。
しかし、見る対象物(モノ・人)を特定する場合は、前置詞の「at」を使うことが多いです。
- She looked at the picture.(彼女はその写真を見ました) ※「looked」は過去形です。
- Let’s take a look at it.(それをちょっと見てみましょう) ※「take a look」と「look」は同様です。
など。
なので、日本語で「テレビを見る」と言っても、「I look at the TV.」という英文であれば「テレビとういモノ(商品)を少し眺めた」という意味になりますね。
また、この「look」ですが、その後ろにくる前置詞や副詞により色々な意味になるのが特徴です。
- look closely at ~(~をシッカリと見る)
- look down(見下ろす、見下す)
- look up(見上げる、尊敬する、調べる)
- look for(探す)
など、色々なケースで使えるますが、対象はモノ・人となります。
「see」で「見る」を表現する!意味と例文
「see(発音:シー)」を「見る」という場合に使うには、目的語を必要とする他動詞となります。『自動詞と他動詞の違いと2つの正しい見分け方・両方使える動詞一覧』にて詳しくは解説しています。
要するに「see」の後ろに「モノ・人」などの名詞が必ず必要となります。
また、無意識に見かける(視界に入る)というニュアンスがある「見る」となります。
次のようなケースです。
- I saw him running.(彼がランニングしているのを見かけました) ※「see」の過去形が「saw(ソー)」です。
- He saw me in the park the other day.(先日からは私を公園で見かけました)
※「see」の過去分詞は「seen」となります。不規則変化動詞なので注意が必要です。
また、会う、面会するという場合ににも「see」を使います。
- Nice to see you again.(またお会いできて嬉しいです)
- See you later.(またね)
など、視界に偶然入って見える、というだけが「see」ではないのでその点は留意しておきましょう。
また、初めて会う時は「meet」、2回目以降の会うには「see」を使います。
『英語で「よろしくお願いします」|6つの場面で使い分ける!』の記事でも解説しています。
よって、誰かと付き合っているという時は(2回目以降なので)、「I’m seeing someone」と「see」の現在進行形を使って表現することも多いです。
因みに「see」と海の「sea」は同じ発音です。
「I see.」も見る?
「そうか」、「わかった」という場合に「I see.」を使いますね。
この場合の対象物は「モノ・人」ではなく、内容であり、それを理解しているという自動詞となります。
「let me see.(えーと・ちょっと考えさせて)」などにも使える表現です。
「watch」で「見る」を表現する!意味と例文
さて、次は「watch(発音:ウォッチ)」ですが、冒頭でもお伝えしているように、意識的にシッカリとある程度の時間・期間注視するというイメージです。
自動詞の「Watch out!」も「気を付けて」という表現になり、意識的に注意するという意味合いになっています。
他動詞でもモノや人自体は変わらないのですが、「watch」を使う時は、その動向や内容を把握するように見るというニュアンスになります。
しっかりと内容を見たから「I enjoyed watching the game.(試合観戦を楽しみました)」や「I watch TV.(テレビを見る)」という表現ができるんですね。
「I look at the TV.」、「I see a TV.」とは全く意味が変わってきますね。
「see a movie」と「watch a movie」は何が違う?
外国人との間での質問でも次のようなフレーズをよく聞きます。
どちらともに「その映画見た?」です。
- Have you ever seen the movie? ※「see」の過去分詞の「seen(シーン)」を使っています。
- Have you ever watched the movie? ※「watch」は規則変化動詞なので、過去形・過去分詞は「watched」となります。
実は、「see a movie」は映画館で見る、「watch a movie」は家で見るという違いがあります。
映画館のスクリーンで見ると自然と映像が目に入るイメージで、家で見る時はシッカリと注意しながら見ているイメージですね。
会話の中で使い分けてみましょう!
その他の「見る」の英語とその違いなど
さて、「見る」の主要単語である「look」、「see」、「watch」を見てきましたが、それだけではありません。
下記はその他の「見る」の英語とその意味、そしてニュアンスとなります。
英会話でも使えるので参考にしてみて下さい。
- view(発音:ヴュー):(興味を持って)全体を眺める ※「I’m viewing the ocean.(海を眺めています)」など。
- stare(発音:ステアー):じろじろ凝視して見る ※「He stared at me.(彼は私をじろっと見ました)」など。
- gaze(発音:ゲイズ):長時間見つめる ※「I gazed at the picture.(私はしっかりとその絵を見ました)」など。
- glance(発音:グランス):(意識的に)ちらっと見る ※「I glance at it.(それをちらっと見る)」など。
「peer(ピアー:注意深く観察するように見る)」、「glimpse(グリンプス:無意識にちらりと見る)」などもあるので留意しておきましょう。
まとめ:違いを頭の中でイメージしよう!
さて、「見る」の英語のニュアンスの違いは掴めましたか?
冒頭で出題した質問と追加した「見る」の答えは次の通りです。
- I looked at him.(彼の方向を意識的に少しの間見た)
- I saw him.(彼を見かけた)
- I watched him.(彼の動きをシッカリと見た)
- I glanced at him.(彼を意識的にちらっと見た)
同じ「見る」でもイメージが全然異なるので、正しく使い分けて相手に正しく意図を伝える必要があります。
また、最後になりますが、2つの単語を重ねて「have a look‐see at ~(~をさっと見る)」という表現もあるので覚えておきましょう!