英語の命令文を使いこなせていますか?
実は、英語の命令文は日本語でいう「命令」と少しニュアンスが違います。
たとえば、「please」を使って、知らない人などにも丁寧に依頼する文も命令文でもあります。
単純に強い口調での「~しなさい!」という文だけが命令文ではありません。
依頼以外にも提案や勧誘など、様々な場面で使うのが英語の命令文です。
また、話している相手に命令しているだけではなく、第三者に「~するように伝えて」という場合もありますよね。
英語の命令文とは?
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命令文とは、話し手が相手に命令や指示をする文です。
日本語の場合、命令文というと「~しなさい」というような強い口調な文が思いつくかもしれません。
英語の場合は、もちろん強い口調の命令も含むのですが、「~したほうがいいよ(すべき)」というような提案や、「~してね」というような依頼も命令文に含まれます。
依頼についての例文などは、『「依頼」の英語|メールでも使える!3つの言い方を習得』、提案する場合の命令文の使い方については、『3つの「提案」の英語|使い方の違いや関連表現・フレーズ一覧』の記事をご参考下さい。
英語の命令文の作り方と例文:基本のニュアンス
英語の基本的な命令文の作り方は簡単です。
ポイントは下記の2つです。
- 主語を省略する
- 動詞を原形にする
例文で確認しましょう。
【例文】
- Be nice. /優しくしてあげなさい。
- Study hard. /一生懸命勉強しなさい。
どちらも、主語の「You」を省略しています。
一般動詞の場合、主語が「You(あなた・あなたたち)」だと、動詞はもともと原形なので変える必要はありません。
ただし、最初の例文「Be nice.」のように、be動詞を使う場合は「are」ではなく「be」となるので要注意です。
動詞については、『英語の動詞一覧|2種類ある動詞の基本と使い方・活用方法』も参考にしてみて下さい。
この基本の命令形はとても強い表現に聞こえるかもしれませんが、友達同士などの場合のニュアンスは「~して。」という軽い感じになる場合が多いです。
【例文】
- Pass me the salt. /その塩とって。
- Give me some clues. /ヒントちょうだい。
これらに後ほど説明する「Please」を付けると、とてもかしこまった表現になるので、誰に使うのか?に注意しましょう。
「命令文では主語を省く」が基本ですが、強調のために主語を入れる場合があります。これは強いニュアンスとなります。
【例文】
- You be nice! /あなた、優しくしなさい。
- You be humble! /あなた、謙虚になりなさい。
また、名前を呼びかける場合は、命令文の前や後に人の名前が来る場合があります。その場合、「,(コンマ)」が必要です。
【例文】
- Bob, listen carefully! /ボブ、しっかり聞きなさい!
- Listen carefully, Bob! /しっかり聞きなさい、ボブ!
英語の命令文の作り方と例文:「and」と「or」
前述の基本の命令文と一緒に「and」や「or」をよく使います。
それぞれの接続詞のパターンを見てみましょう。
「and」を使った命令形
基本の命令文で紹介した形に「and」をつけると「~しなさい、そうすれば~」という意味になります。
ポジティブな結果を伝える時に使います。
また、同じような意味で「so that」で文をつなげる場合もあります。「and」とどちらを使っても同様になります。
【例文】
- Practice every day and you’ll win the game. /毎日練習しなさい、そうすれば試合に勝てるでしょう。
- Speak more loudly so that everybody can hear your well. /もっと大きな声で話しなさい、そうすればみんながあなたをよく聞こえます。
「or」を使った命令形
「and」の代わりに「or」を使うと「~しなさい、さもなければ~」という意味になります。
ネガティブな結果などを伝える時に使います。
【例文】
- Study hard or you’ll be behind in your class. /一生懸命勉強しなさい、さもなければクラスで遅れることになるでしょう。
- Be careful or you will slip. /気を付けて、でないと滑りますよ。
否定の命令文の作り方と例文
命令文は「~するな」という否定形で使うこともできます。
基本的に「don’t」と「never」の2つとなります。
「don’t」を使った否定の命令形
基本の否定形の作り方はとても簡単です。
命令文の前に「don’t」を付けるだけです。
例文を見てみましょう。
【例文】
- Don’t be shy. /恥ずかしがらないで!
- Don’t run here. /ここで走るな。
一般的な否定文では「don’t」は、一般動詞の場合のみ使いbe動詞では使いません。
しかし、命令文の場合は、例文のようにbe動詞の文でも「don’t」を使います。
ですから、一般動詞でもbe動詞でも、「否定の命令文はdon’tを文頭に置く」と覚えればOKです。
「never」を使った否定の命令形
「don’t」の代わりに「never」を使うと、強い否定の命令文になります。
意味は「絶対に~するな」となり、かなり強い口調になります。
場合によっては怒鳴りつけているように聞こえることもあるので、使う場面には注意が必要です。
しかし、「Never mind.」などのフレーズの場合は、カジュアルに軽い否定で使えます。
【例文】
- Never be noisy here. /ここでは絶対に騒ぐな!
- Never mind. /気にしないで。
「never」自体に否定の意味があるので、「don’t」など別の否定の言葉は不要です。
また、同じように強い否定文を作ることができるのが、「主語を入れる場合」です。
「あなた、~をしてはいけないよ。」という強いニュアンスが含まれます。
【例文】
- You don’t do this. /これはしないで!
- You never forget it. /それを忘れないで!
「Please」を使った丁寧な命令文
冒頭で英語の命令文は、必ずしも「~しなさい」というような強い口調ではないとご紹介しました。
実は、英語の命令文は丁寧なお願い(依頼)でも使うことができます。
その代表的な例が、「please」を使った命令文です。
例文を見てみましょう。
【例文】
- Please feel free to ask me. /お気軽にお問い合わせください。
- Sign here, please. /ここにご署名ください。
例文のように、文頭や文末に付けてもOKです。文末の場合は、「please」の前に「,(コンマ)」が必要です。
「please」を使った命令文は、比較的丁寧な文ですが、かしこまったビジネスの場面などでは「Could you ~?」や「Would you ~?」を使った方がいい場合があります。
というのも、命令文の場合「~してください」という文で相手に選択肢がありません。
かしこまった場面や、目上の方には、依頼よりも「~していただけますか?」という疑問文にしたほうが、より丁寧になります。
強いニュアンスの英語の「助動詞」を使った命令文
基本の命令文は「Don’t worry.(心配しないで)」や「Come in(入って!)」などのように、気軽に使える表現です。
友達同士では、とてもよく使うので日本の命令文のニュアンスとは少し違います。
日本語の「命令」のように、「~しなさい」「~しなければいけない」という場合は、「must」や「have to」の助動詞を使います。
【例文】
- You must do your homework. /あなたは宿題をしなければいけない。
- You have to walk every day. /あなたは、毎日歩かなければいけない。
「must」や「have to」を使った命令文の場合、「さもなければ大変なことになる」というような強い強制感があります。
かなり上からの言い方なので命令文で使う場合は、場面や相手を慎重に選ぶ必要があります。
「Let」と「Allow」を使った命令文
私や第三者に「~させて下さい」というのも命令形の1つです。
その場合は、下記が基本形になります。
- Let + 人名(人称代名詞)+ 動詞の原形
- Allow + 人名(人称代名詞)+ to + 動詞の原形
「let」より「allow」が、よりフォーマルで、許可を頂くというニュアンスになります。
【例文】
- Let me answer the question. /私に答えさせて。
- Allow him to go with us. /彼が私たちと一緒にいくことを許して下さい(許可ください)。
三人称(第三者)命令する場合の英文
あなたと相手以外の相手に命令(依頼など)をする場合の命令形もあります。
「~にーをしてと伝えて下さい。」、「~にーをしないように伝えて下さい。」という場合ですね。
その場合は「tell + 人名(人称代名詞)+ (not) to + 動詞の原形」が基本としてよく使われます。
【例文】
- Tell him to study harder. /彼にもっと勉強するように伝えて下さい。
- Tell him not to call me. /彼に私に電話しないように伝えて下さい。
※tellを動詞の「ask」に代えても同様です。
「Let’s」を使った命令文
基本の形とは違いますが、「Let’s」を使った「~しましょう」という文も命令文です。
【例文】
- Let’s start. /始めましょう!
- Let’s play basketball. /バスケットボールをしましょう!
「Let’s」は「Let us」の短縮形です。
「Let’s~」で誘われた場合の返答は、「Yes, let’s.」もしくは「No, let’s not.」です。
ただし、日常会話ではこの回答を使わないこともあります。「Yes」の場合は、もちろんという意味の「Sure.」を使ったりしますし、「No」の場合は、「I’m sorry.」の後にいけない理由などを言うことが多いです。
尚、この「Let’s」の文は「Shall we ~?」や「Why don’t we ~?」文で書き換えることも可能です。
先ほどの例文を書き換えると、下記の例文になります。
【例文】
- Why don’t we start?
- Shall we play basketball?
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まとめ:英語の命令形は基本を押さえればOK!
命令文の基本の形は、「主語を省いて動詞は原形」です。
友達同士の会話など、主語を使わない命令形の文をよく使います。
ただし、命令形はあくまでも命令形で、目上の人や、かしこまった場では使えない場合もあるので注意しましょう。
また、「must」や「have to」を使った強い口調の命令文も、基本の表現なので覚えておきましょう。
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