「家」を辞書で調べると、「home」と「house」ですが、何が違うのでしょうか?
文法的に言うと、「home」は、名詞、形容詞、副詞、動詞という品詞で使われますが、「house」には副詞的用法はありません。
ちょっと堅苦しいですね。本件については例文を使いながら分かりやすく解説します。
先ず、最初に捉えるべき違いは、2つの単語のイメージです。これを把握しておけば、「home」と「house」の使い方・使い分けが容易になります。
目次
「home」と「house」の決定的な違いとは?
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さて、先ずはこの2つの単語が持つイメージと役割を押さえておきましょう。
- 「home(ホーム)」・・・生活する場所としての家、家庭、自宅など
- 「house(ハウス)」・・・建物自体を意味し、一軒家やレストランなど ※人が住んでいる必要はありません。
「home」は、とても大きなイメージでの「家」なので、母国などを指すこともあります。
「house」は建物の一軒家のみを指しますが、「home」は自宅としての家、つまり一軒家、マンション、アパートなども含むイメージです。
この違いを踏まえた上で次の章を見ていましょう。
「at home」と「in the house」の違いは?
もう、何となく違いをイメージできているのではないでしょうか?
下記の例文を見てみましょう。
- He is at home.・・・彼が家にいるというイメージで、それが建物の中でも外でも、くつろいでいるなど色々なイメージができます。
- He is in the house.・・・一軒家の建物の中にいるというイメージです。 ※前置詞が「at」で「at the house」となると、一軒家の周りにいるというイメージもできます。
よって、「Where is he?(彼はどこ?)」という質問に対しての答えは、「He is at home.」が妥当ですね。
しかし、彼が外出禁止で、その質問があった場合は、「He is in the house.(彼は家の中にいるから大丈夫)」という答え方はありますね。それでも、基本的に一軒家である必要はあります。
ある程度、これで「home」と「house」の違いが明確になってきましたね。
それでは、次から「home」と「house」のそれぞれの使い方(品詞別)や例文などを見て、英会話に活かしましょう!
「home」の使い方・品詞別の例文など
さて、先ずは「home」から見ていきましょう。
動詞でも使えますが(鳥などが巣に戻る場合など)、基本的には名詞、形容詞、副詞の3つで主に使われます。
名詞
下記が例文です。
- This is my home.(これが私の自宅です) ※招待した友人などに自宅を紹介する場面などが想像できますね。一軒家でもアパートでも同じ言い方でOKです。
- Chris was at home this afternoon.(クリスは今朝、家にいました) ※
- Home sweet home.(やっぱり我が家がいいや!) ※長旅で家に帰ってきた時のフレーズとしてとても有名です。「There is no place like home.(家に勝るものはないね)」という表現と同様です。
他にも、家庭、生まれ故郷、本国などの意味もあります。
My home(マイホーム)は和製英語?
上記の例文の「my home(実家・自宅)」という意味では使えますが、自分で買って家を所有するという日本語の「マイホーム」は使えません。
その場合は、「my own house(自分自身が所有する一軒家)」などが妥当です。
英語での「my home」は賃貸でも、アパートでも多くの意味を含む用語なので使い方をわけましょう!
形容詞
名詞を修飾する役割があるのが形容詞なので、名詞とセットで確認すると使い方が分かりやすいです。
下記が表現例です。
- home office(本部)
- home game(本拠地での試合)
- home town(地元) ※「hometown」と一単語で使うことが多いですね。
- home insurance(火災保険) ※全ての家に適応できます。「house insurance」となると一軒家専用の保険のようなイメージになりますね。
など、絶対に「家」である必要はありません。
副詞
さて、次のどちらが正しいでしょうか?
日本語は「家に帰る」です。仕事終わりなど日常的な表現の場合です。
- I come to home.
- I come home.
答えは、2つ目の「I come home.(I go home.)」です。
副詞は動詞の前、または後ろに置くことでその意味を表現します。その場合に前置詞は不要です。
この場合の「home」は副詞となります。「stay home(ステイホーム・家に滞在する)」などの表現もありますね。
因みに、『英語の「ただいま」と「おかえり」|直訳できない2つの表現』でも解説していますが、「I’m home.」という表現を「ただいま」という意味に勘違いしている人が多いようです。
この場合は「帰省している」、「長旅からやっと帰ってきた」というイメージになるので使う時に注意しましょう。
「house」の使い方・品詞別の例文など
「house」には「home」のように副詞の品詞はありません。
動詞に関しては「収容する」、「泊める」などの意味もありますが、今回は名詞と形容詞を中心にご紹介します。
名詞
この「house」ですが、実は「一軒家」だけではなく、レストラン、旅館、議事堂などの多くの建物を指すことも多いです。
- open house(売り出し中の一軒家) ※他にも、誰でも参加できるパーティー、公開参加日など。
- It’s on the house.(お店のおごりです) ※この場合の「house」はレストランなどですね。因みに、「私のおごりです」は「It’s on me.」となります。
- This is my house.(これが私の一軒家です) ※「This is my home.」はアパート、マンションでも使えます。
友達に「私の家に来る?」と聞く場合は、「Are you coming to my place?」と「place(場所)」を使うことも多いです。
一軒家、アパート、マンションのどのパターンでも使えますね。
「マンション」は億ションのこと?
日本語でマンションという住宅は、英語では「apartment(アパートメント)」となるので注意が必要です。
英語で「mansion(マンション)」は、とても豪華な億ションのような建物です。
日本国内の一般的なマンションに住んでいるのであれば、間違っても、「Are you coming to my mansion?」と言わないようにしましょう。
形容詞
基本的に名詞を修飾する形容詞で、次のような使い方もできます。
- house dog(家で飼われている犬・ペット)
- house party(ホームパーティー) ※「party at home」も同様です。
- house wine(当店銘柄のワイン)
- house allowance(住宅手当)
- house magazine(社内報)
など。
まとめ:homeとhouseの違いは完璧?
さて、いかがでしたか?
完璧に「home」と「house」の違いが分かりましたか?
最後になりますが、下記のイメージの違いが分かればOKです。
- home-made cookies:自宅で作った手作りクッキー
- house-made cookies:工場などの建物で作ったビジネス用のクッキー
など、何となくこんな感覚が掴めましたか?
「home」は大きな意味での「家」、「house」は建物自体という感じで捉えておけば今後どのような表現が来ても何となく理解できるはずです。
今回理解したことを英会話にそのまま役立てましょう!