日本語で「彼はストイックです」などの表現がありますが、これは英語でそのまま使えるのでしょうか?
実は、そのまま使うと相手が困惑するので違う表現が必要になります。
しかし、これは和製英語ではなく、シッカリとした哲学からきているのですが、それが一般的に使われる英語になってないだけです。
目次
日本語の「ストイック」の意味とその由来(語源)
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日本語で「ストイック」というとどのようなイメージになりますか?
「自分に厳しく、自主規制がすごく、黙々と目標や目的に向かって頑張る」という感じでしょうか。
英語では「stoic」と書きますが、古代ギリシャ哲学である「ストア派」の思想などを指す哲学という名詞でもあります。
この思想というのが、禁欲主義による幸せ(幸福)などを唱えており、これが先ほどの日本語の「ストイック」の意味へと繋がりました。
これが日本のストイックの語源です。
因みに、「stoic」の反対語は次の2つが主です。
- epicure(エピキュレ・快楽主義)
- hedonism(ヘドニズム・快楽主義)
しかし、英語の会話の中での「stoic」はこのような意味(禁欲主義)では使われていません。
英語の「stoic」の意味と発音
先ずは発音を見てみましょう。
「stoic」の発音と発音記号は下記となります。
日本語と同じような感覚で「ストイック」で相手には通じますが、上述通り、日本語とは違う意味で伝わるので注意が必要です。
下記の意味で英語では使われます。
- 名詞・・・無表情な人、ストア派
- 形容詞・・・(常に)無表情な、感情を表に出さない、平然としている、など
主に上記の形容詞の部分となります。
ようするに次の和訳が正しくなります。
- 英語:He is stoic.
- 日本語:彼は無表情で、常に平然としています。
日本語の「ストイック」と全然意味がかわってきますよね?
英語の「stoic」の類義語または表現は?
基本的に「stoic」という言葉は英語の会話でもあまり使われることはありません。
しかし、形容詞の「stoic」の「(常に)無表情な、感情を表に出さない、平然としている」に当てはまる表現であればOKです。
下記が「He is stoic.」と同じ意味の英文です。
- He is poker-faced.(彼はポーカーフェイスです) ※日本語でも「ポーカーフェイス」とありますよね。冷たい感じのポーカーフェイスは「stone-faced」という表現もあります。
- He never expresses his feelings.(彼は決して感情を表現しない) ※感情表現がないことで「stoic」を意味しています。
- He is impassive.(彼は無表情で平然としています) ※1つの単語で表現できるので便利です。
- It’s hard to read his mind.(彼の気持ちを読むのは難しい) ※無表情で感情を出さないのを間接的に表現しています。
これらはあくまで例ですが、これが「stoic」の類義語となります。
日本語の「ストイック」と同じ意味の英語と反対語は?
さて、では日本語の「ストイック」である、「自分に厳しく、自主規制がすごく、黙々と目標や目的に向かって頑張る」を英語ではどのように表現すればいいのでしょうか?
主に次から説明する4つの形容詞を使うといいでしょう。
strict
「厳しい」という形容詞の「strict(ストリクト)」を使うとスムーズに伝わりやすくなります。
しかし、これは相手ではなく自分自身に厳しいので、次の例文が適切です。
「He is strict with himself.」
「be動詞+strict+oneself」の形です。
self-disciplined
「規律がある」という「disciplined(ディシプリンド)」を使うのでが、「自主規制」というのを「self-disciplined」で表現します。
「He is self-disciplined.」
「disciplined」だけでも通じますが、「self」を加えることで「自主」という部分を強調しています。
また、先ほどの「strict」と一緒に次のような英文でも「ストイック」を表現できます。
「He is very strict with himself and self-disciplined.」など。
hard
強く当たる、厳しいという時にも使えるのが「hard(ハード)」という単語です。
硬いや一生懸命などにも使える英語ですが、下記のような使い方もします。
「He is hard on himself.」
また、「He is tough on himself.」でも同じ意味なります。
「be動詞+hard/tough on+oneself」の形ですね。
また、「He works very hard.(彼は一生懸命働く)」などの表現もできますね。
patient
この形容詞の「patient(ペイシェント)」は「我慢する」、「我慢強い」という意味になります。
「He is patient.」
この表現もよく使われます。
反対語
では、「彼はストイックではない」という反対の表現はどうなるのでしょうか?
単純に、「He is not strict with himself.」など4つの形容詞の表現の否定形でもいいですが、下記もOKです。
- He spoils himself.(彼は自分自身を甘やかします) ※「spoil(スポイル)」は「甘やかす」という英語です。
- He is easy on himself.(彼は自分には甘い) ※「hard on」の真逆ですね。
また、「He is impatient.」と「patient」の反対語を使うこともできます。
まとめ:「ストック」を「stoic」で使えないから注意が必要!
いかがでしたでしょうか?
本来の意味(ストア派の禁欲主義)は日本語の「ストイック」の意味に近いのですが、英語では違う意味で伝わるので注意が必要です。
少しややこしいですが、正しい英語も把握しておくと会話で便利です。ここでしょうかいした表現や反対語も参考にしてみて下さい。