さて、「TPO」はいかにも正しい英語のように聞こえるのでそのまま外国人に使っていませんか?
「TPOに応じて」や「TPOをわきまえて!」などのフレーズがありますね。
日本に住んでおらず、日本語が分からない方は、そのフレーズに必ず困惑するはずです。
「TPOって何?」という感じです。
何故なら、「TPOは日本人が作った完全な和製英語」だからです。
「TPO」の由来・読み方と何の略?
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「TPO」の読み方は、そのままアルファベットを読み上げるだけです。
「ティー・ピー・オー」ですね。
下記の3つの単語の頭文字を取って略している表現となります。
- T・・・Time(タイム・時間)
- P・・・Place(プレイス・場所)
- O・・・Occasion(オケージョン・場合) ※「Opportunity(オポチュニティー・機会)」の場合もあります。
いかにも英語らしいのですが、これは1964年に開催された東京オリンピックの前年に、ファッションデザイナー(VANの創始者である石津謙介氏とその団体ファッション研究団体MFU)が提唱した和製英語なのです。
オリンピック開催時に多くの外国人が日本を訪問するわけですから、恥ずかしくないようにマナーをもって(時、場所、場面に応じた)正しい服装をすることを目的とした言葉がそのまま広まったようです。
ファッションのスローガンのような感じですね。
日本語での同義語は「時と場合、場面によって正しく着こなす」に沿った言葉になりますから、「ドレスコード」や「服装規定」でしょうか。
これらは「TPO」の代わりに使えますね。
しかし、今では常識な「マナー(空気を読む)」や「言葉遣い」という意味で使われることも多いですね。
では、これらを英語で表現すると何が正しいのでしょうか?
「TPOをわきまえる」や「TPOに応じて」の正しい英語
さて、服装、マナー、言葉遣いとTPOを合わせたフレーズ例は下記となります。
- TPOをわきまえた服装をしなさい・・・Wear appropriate clothes.(直訳:適切な服を着なさい) ※「Dress appropriately.」も同様です。
- TPOをわきまえて行動(言動)しなさい・・・ You should behave yourself on any occasion.(直訳:いかなる場面でもシッカリと行動を正しなさい) ※「Be careful of what you do and say.(あなたの言動には気をつけなさい)」などもOKです。
- TPOに応じた言葉遣いをしなさい・・・ Use appropriate words depending on the situation.(直訳:場面によって適切な言葉を使いなさい) ※例えば、「Use formal words in business.(ビジネスではフォーマルな言葉を使いなさい」や「Don’t use slang in public.(公の場ではスラングを使うのはダメです」など具体的な表現でもOKです。
「適切な」という「appropriate」(アプロプリエイト)や「場面による」という「depend on the situation」という表現はとても「TPO」を英語にするにはとても役立つ単語なので覚えておきましょう。
まとめ:「TPO」を使うと医学英語の略語になるから注意!?
すでにお伝えしていますが、「TPO」は日本だけで通じる表現です。
何も知らずに「TPO」、特に文章で使ってしまうと、下記の医学用語と勘違いされることもあるので注意しましょう。
- トロンボポエチン(TPO:Thrombopoietin)
- 甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO:thyroid peroxidase)
など。私もさっぱり分かりませんが、例えば次のような団体名の略称だと勘違いされることもあります。
「Tokyo Peach Organization(東京桃団体)」など。あくまで一例ですが、「TPO」とネイティブに言うとこのような予測をすることもあるということです。
よって、「TPO」を使う時は先ほど挙げた例のような英文を使うように心がけましょう!