期待する、予測するなどでよく使われる「expect」という動詞。
他の意味もあるのと、それらの正しい使い方を知っていますか?
日常英会話やビジネス英会話でも頻繁に「expect」は耳にします。
他の単語(hope, believe, wantなど)とのニュアンスの違いなども知っておくと、相手の意図することがシッカリ理解できるのと相手に正しく考え方を伝えることが出来るようになります。
また、「expect」という動詞だけではなく、派生語(名詞、形容詞、副詞など)も会話では欠かせないのが多いので、それらもこの機会に押さえておくと英語の幅が広がります。
目次
「expect」の発音と派生語
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細かな意味については後ほど詳しく解説しますが、先ずは正しい発音を身に付けましょう!
「expect」の発音と発音記号は下記となります。
発音のポイントとしては、アクセントが後ろにあること、また「イクスペクト(ɪˈkspekt)」という発音でも問題ありません。
基本的に他動詞として覚えてOKです。
他動詞とは、簡単に説明するとその動詞だけで終わらず後ろに必ず目的語などがくるものだと思ってください。
要するに「expect」の後ろには何かしらの文や単語がないと成立しません。
I expected.で終わることは基本ありません。(I expected that ~.などとなるのが一般的)これらについても後ほど解説します。
冒頭でも述べていますが、「expect」から派生する単語も英会話やビジネスでも欠かせない表現が多いです。それぞれを見てみましょう!
名詞
「expectation(エクスペクテイション)」は、「予期・期待」などという時に使う表現です。
下記がその例文です。
- I can’t live up to your expectations.(あなたの期待通りにはできません) ※「up to one’s expectations」は「~の期待通りになる」という場合に使う熟語です。
- He did it fine beyond my expectations.(私の予想以上に彼はよくやりました) ※「beyond expectation」でも同様です。「He did it better than I expected.」と同じ意味になります。
- according to expectation(予想した通り)
など、様々な使い方ができます。
また、他の名詞で「expectancy(エクスペクタンシー)」というのがありますが、「life expectancy(平均寿命)」という時などに使う単語ですので、こちらもついでに覚えておくと役立ちます。
形容詞
「expect」とそのまま受け身(受動態)の形にすると、「expected(エクスペクティッド)」という形容詞になります。
例えば次のような場合に使えます。
- expected sales:予測売り上げ
- expected ~ date:~の予定日 ※「expected shipping date(出荷予定日)」など。または「expected date of visit(訪問予定日)」や「expected date of birth(出産予定日)」などの使い方もできます。
副詞
期待通り(according to expectation)と同じように使える副詞が、「expectedly(エクスペクティッドリー)」です。
しかし、実際の英会話や文章では反対語の「unexpectedly(アネクスペクティッドリー)」が、「思いがけなく・予想外・予想以上」などというので使われるケースが多いです。
例文は下記の通りです。
- I unexpectedly found it.(思いがけなくそれを見つけました)
- The weather unexpectedly turned great.(天気が予想に反して良くなりました)
など。
「expect」の意味と他の単語との違い・例文
さて、実際「expect」はそもそもどのような意味の英語なのでしょうか?
その他の似通った動詞とのニュアンスの違いなどは何なのでしょうか?
先ずは、「expect」は大きく分けて5つの意味があります。
- 予期する
- 思う
- 期待する
- 要求する
- 妊娠している
それぞれの意味を掘り下げて見ていきましょう。
予期・予想・予測する
いいことも悪いことも予期する時に使うのが「expect」です。
例えば、次の例文を見てみましょう。
- 英語:I expect to recieve a call from Sam soon.
- 日本語(直訳):サムからすぐに電話が来ることを予期します。
また、「wait(待つ)」と「hope(切望する)」の単語との使い分けが必要となります。
- 「I wait for a call from Sam.(サムから電話が来ることを待ちます)」
- 「I hope to recieve a call from Sam.(サムから電話が来ることを望みます)」
動詞が変わるだけでもニュアンスが全然違いますよね。
要するに、「expect」を使う時は、高い確率、またはそうなることを疑わない「予期」の時に使います。
一方、「wait」の場合は「どうなるか分からないけど待つ」、「hope」は「そうなってほしいと願う」となります。シッカリと使い分けれるようになりましょう!
また、「どうなるか予期できない(わからない)」と言う場合は、「I don’t know what to expect.」という表現をよく英会話でも使います。
思う
これも「予期する」、「予測する」という場合の「思う」時に「expect」を使います。
つまり、そうなるとある程度の確信がある「思う」ですね。
「思う」の時によく使われる単語が「think」ですが、これは一般的に自分の意見を言う時に使う表現で、そこに確信はありません。
それに似ているのが「guess(ゲス)」でよりカジュアルな言い方となり、「suppose(サポーズ)」はある程度根拠がある(しかし確信はない)フォーマルな言い方となります。その点では、「expect」に近いニュアンスですね。
期待する
「~を期待する」という時にも「expect」を使います。
「believe」よりも信じる度合いが弱い表現ですね。
下記のような場合によく使われます。
- I expect nothing out of him.(彼には何も期待していません)
- Don’t expect too much.(期待しすぎないで)
- He always expects something in return.(彼はいつも見返りを期待しています)
要求する
期待するに近いニュアンスになりますが、「~をしてほい」とう思いを込める時にも「expect」を使います。
例えば、下記のような例文で意味のニュアンスの違いを掴んでみましょう。
「expect」、「want」、「request」の3つです。
どちらの例文も「あなたにそのプロジェクトで成功してほいい」となります。
- I expect you to succeed in the project. ※この要求は「そうなることは前提で予期している」という要求です。
- I want you to succeed in the project. ※「そうなってほしい」と単なる願望です。
- I request that you succeed in the project. ※「そうしなさい」という軽い命令に近い要求になります。
妊娠している(出産予定です)
「expect」ですが、「妊娠している」という場合にもよく使う表現です。
下記は同じ意味ととらえてOKです。
- She is expecting.
- She is pregnant.
妊娠を表現する場合は、「She is expecting.」と現在進行形で表現します。また、その場合は自動詞となります。
他動詞で表現する場合は、「She is expecing a child.」などとなります。
また、「expecting mother」は「妊婦」という英語表現になります。
「expect」の使い方や文型
すでに上記の例文でいくつかの使い方(文型)をご紹介していますが、ここではそれらをシッカリと把握して、実際の英語に活かせるようにしましょう!
expect that
自分以外の第三者が何かをする時に期待する(思う)、要求する時に使うのが「expect that ~」の形です。
「that」の後ろは必ず「主語+動詞」という文型がきます。
下記がその例文です。
- I highly expect that Susan will pass the exam.(スーザンが試験に合格することを大いに予期します・合格すると思う)
- I come to expect that he can really do it.(私は彼が本当にそれをできることを期待するようになる・なった)
また、「I’m expecting that ~.」と現在進行形の形でもよく表現されます。
しかし、口語の場合は「that」を省略することが多いです。
expect to
不定詞の「to + 動詞の原形」を使う場合は、上述の例文でもあるように、自分自身がどうなるかを期待する・予期する場合に使います。
- He expects to be promoted next month.(彼は来月に昇進すると思っています) ※何かしらの確信がある場合ですね
- I expect to meet my friend tomorrow.(明日友達と会うと思います) ※高い確率で会う予定というニュアンス
※未来のことを予測するとしても、「will」などの助動詞は使いません。
また、この不定詞の形は、受け身(受動態)でもよく使われます。
第三者に予期されている(思われている)という場合ですね。
- 英語:I’m expected to be a next president.
- 日本語:私は次の社長だと思われています(期待されています)
expect ~ to -
「I expect that ~.」を言い換えた「~に-」を期待するという場合に使います。
例えば、上述した「I highly expect that Susan will pass the exam.」を言い換えると次になります。
「I highly expect Susan to pass the exam.」となります。この場合は時制を表す「will」は不要です。
また、特にビジネスで誰かと話したいけど不在で電話口の人に、「何時に戻られますか?」と聞く場合に、次のような例文でよく質問します。
「What time do you expect him to come back?(彼は何時に帰社されますか?)」というフレーズです。覚えておくと便利です。
as expected
「予想通り」、「案の定」という場合に使う表現です。
基本的に、文頭、または文末に付けるのが一般的です。下記がその例文です。
- As expected, it was hot and humid today.(予想通り、今日は暑くてジメジメした天候でした)
- He made a goal as expected.(案の定、彼はゴールを決めました)
上記の例文はどちらかと言うと、一般的に予想されていたことにつかわれるのですが、「あなた自身が予測した」場合は、「as I expected」という表現になります。
expect from
「~に期待をかける」という場合は、前置詞の「from」を使って表現します。
「I expect so much from him.(私は彼に期待をかけています)」や「I expect nothing from him.(彼には全然期待していません)」など。
因みに後者の文は、「I expect nothing out of him.」と同じ意味となります。
また、前置詞を使った表現で、「except for ~(~除く)」という表現がありますが、スペルを間違える方が多いので書く時は注意するようにしましょう。
expectの反対語
「予期せぬこと」など「expect」の反対語として表現される場合は、形容詞の「unexpected」や副詞の「unexpectedly」を使います。
- unexpected result(予期せぬ結果) ※期待と反した結果が出た場合に使いますが、よい場合と悪い場合どちらでもOKです。
- unexpected visitor(予期せぬ来客) 突然の訪問の時に使う表現ですね。
- They won the game unexpectedly.(彼らは思いがけず試合に勝ってしまった)
などです。
最後になりますが、「unexpected」を使った名言というかかっこいいフレーズをご紹介します。
「Expect the unexpected.」
「the + 形容詞」で「名詞(ここでは、不意の出来事)」を表現しています。
つまり、「不意な出来事などに驚かずに行動しなさい(あらゆる事態に対応できるように準備しておきなさい)」という意味になります。
反対語を使ったスマートな表現ですね。是非、覚えておきましょう!